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  • 「私」の成り立ち

    最近は週に二度通うデイサのスキマ時間に、ぶ厚い文庫本の『絶望名言(NHKラジオ深夜便)』を読んでいる。「いいね!」と思える言葉に出会った。「人間って過去の積み重ねでできているわけで、その過去の記憶が自分によってある程度作り変えられているとしたら、もしかすると『自分』というのも、一つの創作物にすぎないですよね」これは、「絶望名言」の紹介者である頭木弘樹氏がNHKの「ラジオ深夜便」で語った言葉である。川端康成の次の言葉をパラフレーズしたものだ。「忘れるにまかせるということが、結局最も美しく思い出すということなんだな」(「散りぬるを」『眠れる美女』)川端のこの言葉に着目し、そこから「自分」の成り立ちに関する独自の見方をつむぎ出してくる頭木氏の慧眼もなかなかのものだ。デイサの喧騒の中で頭木氏のこの言葉を目にして、...「私」の成り立ち

  • イランをめぐるイスラエルとアメリカ(その2)

    (承前)イスラエル・ネタニヤフ首相の危機意識、さらにはトランプ米大統領の危機意識は、次のように言い換えることができる。「ヤバい政権がヤバい兵器を手にしたら、きっとヤバいことになる。一刻も早く手を打たなければ、我々の生存が脅かされるぞ!」ネタニヤフ首相やトランプ大統領のこうした危機意識は、我々日本人にとっては決して無縁のものではない。イランの核開発は決して「対岸の火事」ではないのだ。というのも、隣国・金正恩の北朝鮮に対して、我々は同様の思いを持っていないだろうか。「ヤバい政権がヤバい兵器を手にしたら、きっとヤバいことになる。一刻も早く手を打たなければ、我々の生存が脅かされるぞ!」数年前、我が国は安全保障3文書の改定に際して、「敵基地攻撃能力」の保有を認めるに至った。(「専守防衛」の理念を有名無実化する)こう...イランをめぐるイスラエルとアメリカ(その2)

  • イランをめぐるイスラエルとアメリカ(その1)

    イスラエルとイランとの関係がヤバいことになっている。きのう6月23日には、あろうことかアメリカまでが戦闘に加わり、この戦争は拡大の一途をたどっている。拡大の疾風迅雷の勢いがこの戦争の発端から見られた大きな特徴であることは、新聞記事がよく物語っている。「イスラエル軍は13日、イランの核関連施設などを空爆し、精鋭部隊『革命防衛隊』トップのサラミ総司令官ら軍高官を殺害したと発表した。イスラエル軍によると、イランは同日、イスラエルに向けて100機以上のドローン(無人機)を発射。中東の軍事大国同士による報復の連鎖が続き、大規模な衝突に発展する恐れもある。」(朝日新聞6月14日)朝日新聞がこう報じたのが、さる6月14日。翌15日には、事態は次のように急展開を見せている。「イスラエル軍は14日、イランの核関連施設などへ...イランをめぐるイスラエルとアメリカ(その1)

  • イマジン 平和な世界を

    NHKの番組「時をかけるテレビーー今こそ見たいこの一本ーー」を見た。MCは池上彰。以前NHKで放送した番組を、もう一度見直そうという番組である。この日に再放送されたのは、2002年に放送された番組「世紀を刻んだ歌・イマジン」である。ゲストは又吉直樹。この番組で取り上げられた「イマジン」は、ジョン・レノンがつくった楽曲である。Wikipediaによれば、その歌詞は「国家や宗教や所有欲によって起こる対立や憎悪を無意味なものとし、曲を聴く人自身もこの曲のユートピア的な世界を思い描き共有すれば世界は変わる、と訴えかけるもの」だという。この曲が発表されたのは、ベトナム反戦運動が盛り上りを見せた1970年代の前半、1971年のことで、「平和な世界を!」と訴えるこのメッセージソングは、反戦を訴える人々の心に大きな共感を...イマジン平和な世界を

  • 小泉農政をめぐるデマゴギー(その3)

    (承前)たけしがパクったと思われるブログ。このブログを読んだあとの後味はきわめて悪い。なぜか。進次郎農相をおちょくる度合いが常軌を逸しているのだ。これでは「おちょくる」、「揶揄する」というより、限りなく「貶める」というに近い。このブログの主は、「**ちゃん(シンちゃん)」について、こんなふうに記している。「あのパフォーマンスだけのシンちゃん」云々、「シンちゃん、学生時代は草野球に熱中し、長じては官庁の職員やら、人妻やらと女あさりに励み、転がり込んだ環境大臣では、レジ袋を有料化したというゴミみたいな”実績”しかないのだが、そのシンちゃんが、コメ担当大臣とは!!、まさに噴飯もんですゥ」、あるいは「シンちゃん、『減価償却』なんて言葉を使うもんだから、バカ丸出しになってます。誰かに教えてもらった言葉を使いたくてし...小泉農政をめぐるデマゴギー(その3)

  • 小泉農政をめぐるデマゴギー(その2)

    (承前)たけしがパクったと思われるブログがある。このブログのタイトルは、だが、明かさないことにしよう。このブログの内容について、もし私が何らかのケチをつければ、私はこのブログの書き手を個人攻撃していると取られかねない。だが私には、そんな意図は毛頭ないからである。あくまでも問題なのは、ブログの内容である。それにしても、このブログのタイトルはとても絶妙なもので、紹介しないのはもったいない気もする。たとえば、コメ価格が高騰して、国民が音をあげる中、「コメは買ったことがない。支援者の方々がたくさんコメを下さるので」などと(国民感情を逆なでするような)無神経な発言をし、総スカンを食らって農相を更迭されたボケナス・江藤拓がいる。このボケナスをおちょくるのに、「コメ屋になれなかったタクちゃん」などと揶揄するのと同類の面...小泉農政をめぐるデマゴギー(その2)

  • 小泉農政をめぐるデマゴギー(その1)

    こんな意見を聞いた。あの人らしい「いかにも」な意見である。「タレントのビートたけし(78)が8日放送のテレビ朝日系『ビートたけしのTVタックル』(日曜正午)に出演し、小泉進次郎農相(44)が目指す農政改革について言及した。番組では、小泉農相が2015年から自民党農林部会長を務めるも思ったような農政改革は達成できなかったと紹介。また農政改革は父・小泉純一郎元首相から2代に渡っての悲願であることも伝えた。たけしは『もう完全に郵政民営化と同じだもん。日本の農業をアメリカに売り渡すという。お父さんは郵政民営化、こっちは農業民営化』とコメント(・・・)。」(スポニチAnnex6月10日配信)小泉進次郎といえば、農相に就任早々、高止まりしたコメの価格を一気に引き下げ、音を上げていた国民の、その切実な要望に応えて人気急...小泉農政をめぐるデマゴギー(その1)

  • 人文学の意義をめぐって(その3)

    (承前)人文学は無価値なのだろうか。「社会生活に役立たない」学問は、ホントに無価値なのだろうか。社会通念と異なった価値観をいだかせる学問は、ホントに有害なのだろうか。目下はこの問題を考えている。最近、NHKの朝ドラ「あんぱん」を見ながら、つくづく思うことがある。このドラマの(このところの)舞台は、日本の海軍が真珠湾攻撃を行い、アメリカと戦端をきった頃の日本である。国内は「それいけどんどん」の一色に染まり、赤紙で招集された若者に対して、「お国のために死を恐れず、立派にご奉公してこい!」の声がかまびすしい。とりわけ国防婦人会のおばさんたちが目をつり上げ、ヒステリックに「お国のためにご奉公を!」と叫んでいる。戦後生まれの私は、アメリカとの無謀な戦争に突き進んだ日本が、激戦の末に敗北を喫し、無残な状況に陥ったこと...人文学の意義をめぐって(その3)

  • 人文学の意義をめぐって(その2)

    (承前)人文系の学問はなぜ若者たちに人気がないのか。それは、彼らが「そんな学問を身に着けても、就職には役に立たない」と考えるからだろう。では、若者たちはなぜそう考えるのか。それは、採用側の企業の面接担当者がこう考えるからである。「そんな学問を身に着けた学生は役立たずで、我が社の発展に貢献しないに決まっている。そんな学生は我が社には必要ない。というより、そんな頭でっかちの学生は、我が社の社風になじまず、文句ばかり言うに違いないから、願い下げだ。」つまり、人文系の学問は「社会生活には役立たない。むしろ有害だ」と考えられているのである。ここで思い起こされるのは、「倫理学の開祖」と目される、あの古代ギリシアの論客・ソクラテスである。言い伝えによれば、ソクラテスは「アテナイの国家が信じる神々とは異なる神々を信じ、若...人文学の意義をめぐって(その2)

  • 人文学の意義をめぐって(その1)

    「実学」なるものの意味について考えてみたい。とはいえ私は、なにも小難しいことを考えようとしているわけではない。Wikipediaで「実学」を調べると、アリストテレスや福沢諭吉といった名前が出てくるが、私が今「実学」という言葉で思い浮かべているのは、そういう大仰なものではなく、ごく普通の意味の学問、つまり「社会生活に実際に役立つ学問」のことである。「日本の大学では、理科系と文科系で扱う学問分野が異なるが、理系は人文・社会科学を含まないために概ね全て実学とされている。逆に文系の中でも法学や経済学などは実学とされる。」Wikipediaはこう解説するが、この釈義に従えば、「哲学」や「倫理学」や「文学」や「美学」、つまり、総じて「人文学」は「実学ではない」とされることになる。では人文学は、どういう意味を持つのか。...人文学の意義をめぐって(その1)

  • 内向するアメリカ

    「アメリカは世界の警察官ではない。」こう語ったのは、オバマ米大統領である。2013年のことだ。このことが私の頭をよぎったのは、次のニュースを目にしたからである。「トランプ米政権が5月上旬、日本政府に対し、在日米軍駐留経費をめぐる日本側負担を増額するように打診していたことがわかった。これを受け、日本政府は米軍住宅など『提供施設整備費』(FIP)について数百億円規模を上積みする方向で検討に入った。」(朝日新聞5月29日)この記事を読んで、私は先のオバマ元大統領の発言を思いだし、「ああ、アメリカもとうとうここまで来たか・・・」と思ったのである。言うまでもない。アメリカは「世界の警察官」であることを止めたばかりか、とうとうSECOMやALSOK並みの民間警備サービス会社に、ーー有償セキュリティー・サービス会社に、...内向するアメリカ

  • 2人の原爆少女

    NHKの番組「映像の世紀バタフライエフェクトヒロシマ世界を動かした2人の少女」を見た。リアルタイムではなく、ベッドの上でスマホを取りだし、「NHKプラス」を開いた。明け方、午前3時頃のことである。スマホに映し出されたのは、衝撃的な映像の数々だった。これを見て、(ずっと眠れずにいた)私の心は激しく揺さぶられた。動揺とともに、記憶がよみがえった。私は(半世紀以上も前の)大学生だった頃、ヒロシマの原爆資料館を見学したことがある。ヒッチハイクの途中だったが、展示のおぞましさ・残酷さに圧倒され、吐き気を禁じ得なかった。それほどの衝撃だった。あの衝撃は今でも忘れない。けさがたスマホで見た原爆の映像は、それと同じぐらいの衝撃を、年老いた私に与えたのである。番組のナレーションによれば、原爆投下後しばらくの間、(米軍を主体...2人の原爆少女

  • 革命の使徒トランプ その政策の意味を問う(その2)

    (承前)ハーバード大学への助成金を打ち切り、それを国内の職業訓練学校に振り向ける。ーーこの措置によって、トランプは一体、何をどうしようと考えているのか。これだけを見れば、彼の意図はまったく理解不能で、支離滅裂としか言いようがない。そこで、次のような記事が出ることになる。「ドナルド・トランプ米大統領は24日、同国の名門ハーバード大学を『反ユダヤ主義の極左機関』だと非難した。同大はトランプ政権による助成金凍結の差し止めを求め、連邦地裁に提訴している。」(AFP=時事4月25日配信)この記事は、ハーバード大学への助成金を打ち切ったトランプ大統領の措置を、「反ユダヤ主義の排斥」という意図から出たものと見なす、憶測の観点から書かれている。つまり、「イスラエルを支援するトランプは、米国内の大学にはびこる『反ユダヤ主義...革命の使徒トランプその政策の意味を問う(その2)

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