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  • 右翼とは何か

    新聞記事でも論説文でも同じことだが、一まとまりの文章というものは、中心になる言葉の意味が解らないと、全体の理解がぼやけて、なにやら消化不良に似た気持ちになるものだ。おとといの新聞記事がそうだった。「独・右翼、第2党に躍進中道右派が政権復帰へ、連立は拒否総選挙」「(時時刻刻)右傾化の波、ドイツまで移民・東西格差に不満、マスク氏ら加勢総選挙」(朝日新聞2月25日)この日は第1面と第2面にこんな見出しが張られ、それぞれが大きなスペースを占めていたが、ここにある「右翼」や「右傾化」という言葉の意味が私にはよく解らなかった。ごく大ざっぱに考えれば、「右翼」とは「左翼」の対義語であり、アカ、共産主義とは反対の思想信条を持った者たちがつくる政治団体を意味する。「右傾化」とは、そういう政治団体が勢力を持つ傾向のことをいう...右翼とは何か

  • 予算、そして国家

    読者は「トラス・ショック」ということばをご存知だろうか。私は知らなかった。先日、起きがけにスマホで朝日新聞を読んでいて、はじめて知ったことばである。こんなふうに書かれていた。「(予算案の)修正にあたり、政権がこだわったのが財源だった。維新が求める教育無償化には約6千億円が必要で、国民民主が主張する所得税の課税ラインの引き上げには、7兆~8兆円の税収減が見込まれる。財務省幹部は『政権が(野党の言い分を)全部受け入れれば話はまとまる。そのかわり財政は持たない』と言う。背景には、2022年秋に起きた英国の『トラス・ショック』がある。当時、(イギリスの)首相に選任されたばかりのトラス氏は、財源の裏付けがないまま、歳出拡大や減税などの政策を打ち出した。それに市場が反応し、金利が急騰して英ポンドも急落。混乱の責任を取...予算、そして国家

  • 待てば海路の(その3)

    (承前)「高齢者施設」にまつわる闇の事情。その根本にある問題は何か。それは「紹介料の高さが優先され、入所者が希望の施設に入れない事態」が起きることだ、と記事はいう。だが、ホントにそうだろうか。それがホントの問題なのだろうか。この問題について考えるために、朝日新聞第2面の記事「(時時刻刻)入所者争奪、紹介ビジネス望まぬホーム、動いた110万円」に目を移すことにしよう。まず、この記事を引用する。あらかじめ断っておくが、引用は非常に長い。それだけで、読む気が萎えてしまうほど長い。だから読者は、この部分を読み飛ばしていただいてもかまわない。私が(ケース・スタデイにあたる)この記事を長々と引用するのは、この問題に関する私の見解が正しいかどうかを、読者に判断していただきたいと思うからである。興味がある読者は、この記事...待てば海路の(その3)

  • 待てば海路の(その2)

    (承前)私が目をつけたのは、朝日新聞の第1面、第2面にでかでかと載った記事「介護度応じ、高齢者に『値付け』施設から高額紹介料得る業者、横行」(朝日新聞2月17日)である。この記事は、高齢者が入る老人ホームなどの「高齢者施設」にまつわる闇の事情を暴こうとしたものである。老人ホームなどの高齢者施設といえば、この私もいずれは(おそらく4〜5年後か)お世話になるかもしれず、決して他人事ではない。その施設に関して何か問題がある、つまり闇の事情があるというのなら、それはぜひ知りたいものだ。私はそう思ったのである。記事の内容に移ろう。「要介護度が高く、施設が多く報酬を得られる入所者ほど、紹介料を高額にするビジネスが横行している」と記事は書くが、こうした「ビジネス」の背景にあるのは、要介護度が高い入所者ほど、施設側が多く...待てば海路の(その2)

  • 待てば海路の(その1)

    ちっとも変わらない。3ヶ月前、私がブログに次のように書いたことを、読者は憶えておいでだろうか。「何かに追い立てられるように、毎日、ブログのネタ探しに心を奪われ、汲々と日々を過ごす。そんなあくせくした生き方はすっぱりと放り出し、年寄りなら年寄らしく、時間を残らず自分のために用いるような、老年にふさわしい悠々自適の生き方をせよ。ーーそうセネカは言っていた。その通りだ。残り少ないこの人生。何がおもしろくてそんな社畜営業マンのような窮屈な生き方をしなければならないのか。セネカの言葉にぐさりと胸を刺された私は、とりあえずブログ書きを止めることにしよう、と考えた。」(24/10/19《変更のお知らせ》)そのような思いから、私はこのブログを「更新は週に1度」と変更し、さらに「更新は2日おき(隔日)」へと改めたのだった。...待てば海路の(その1)

  • トランプと石破 ディール(取り引き)のゆくえ(その2)

    (承前)暴走老人・トランプ大統領との会談を終え、我が石破首相はホッと胸をなでおろしたに違いない。この「関税マン」は(会談の間は)切り札の「関税」カードを切らなかったからである。ところが安心したのも束の間、したたかなこの「関税マン」は、会談の2日後になって「関税砲」を放ってきた。「すべての国を対象に米国への鉄鋼・アルミニウム輸入品に25%の関税を課す」というのである。「ええ?!何だって?!話が違うじゃないか!」この砲の報を受けて、石破首相は地団駄踏んだものの、後の祭りである。後日、石破首相は国会答弁の席で「この措置の内容や、わが国への影響を十分に精査しつつ、措置の対象からの除外を働きかけるなど、必要な対応を行っていく」と釈明しているが、トランプ大統領は、この「関税25%」の措置に「例外は認めない」と断言して...トランプと石破ディール(取り引き)のゆくえ(その2)

  • トランプと石破 ディール(取り引き)のゆくえ

    アメリカ株式会社のCEO・トランプ氏、もといトランプ米大統領は、ディール(取り引き)にかけてはやはり我が石破首相より数段上手(うわて)だったようだ。「関税マン(tariffman)」を自認するこの暴走老人は、切り札の関税カードを(後出しジャンケンの形で)最後に切ってきた。どういうことか。先日のブログでも書いたように、「対日貿易赤字を解消するため、トランプは今後、日本製品に高率の関税をかけるのではないか」と懸念した石破政権は、「米国産のLNGを大量に輸入すれば、アメリカの対日貿易赤字はほぼ解消する。トランプ大統領は日本を『関税』のターゲットから除外してくれるはずだ」と考え、先の日米首脳会談で「米国産LNGの大量輸入」のカードを切ったのだった。その首脳会談の席で、トランプ大統領は関税については何も触れなかった...トランプと石破ディール(取り引き)のゆくえ

  • 八潮の道路陥没事故に思う「一寸先は闇」

    ずっと気になっていることがある。埼玉県八潮市の道路陥没事故である。すっぽりと開いた穴の、その闇の空間へと転落したトラック運転手は、74歳の爺さんだという。この事故が起こったのは、先月の28日。それからきょうで2週間以上がたつ。この爺さんは果たして生きているのか。彼の安否が、私はとても気になるのである。水があふれる暗くて寒い空間である。屈強な若者でも、生存は難しいだろう。この爺さん、今のところ安否は不明ということだが、今書いたように、もう亡くなっているに違いない。それでも「もしや・・・」と一縷の望みをかけてしまうのは、この爺さんが私と同い年だからである。私は、もし自分が同様の境遇に陥ったら、と考えると、ぞくっと身震いを禁じ得ない。74歳といえば、ふつうならリタイアして、(悠々自適、とはいかないまでも)そこそ...八潮の道路陥没事故に思う「一寸先は闇」

  • 石破政権とトランプ

    トランプ米大統領と我が石破首相との会談がどうなったか、私はとても気になっていた。日本の行く末を案じてのことではない。トランプといえば、その無茶ぶり発言と、型破り・びっくり発言で国際世論を呆れさせ、あるいはあっと驚かせるのが常の、超大国のリーダーである。今回の日米首脳会談では、想定外のどんなトンデモ発言が飛びだしたのか、私は野次馬的な興味からわくわくと首を長くしていた。会談は日本時間の2月8日未明に行われる、ということだった。その日の朝、私は会談の結果を早く知りたくて、朝食をとるとさっそくネットのニュース記事に向かった。だが、どの記事も「想定外のトンデモ」が起こったとは書いていなかった。「想定外のトンデモ」を期待していた私には、「想定外のトンデモ」が起こらなかったことそれ自体が「想定外のトンデモ」であり、期...石破政権とトランプ

  • 〈他力〉について

    けさ私は朝メシをたべた。メシといっても、たいていはパンである。けれども私は「きょうは味噌汁にご飯がいいなあ」と考え、和食風の朝メシを食べることだってできる。いや、そうではない。実際はそんなことは不可能だ。パン食をつくるのも、味噌汁をつくるのもすべて家内任せだから、私は「きょうは味噌汁にしてほしい」などとは言いだせないのである。そんなことを言ったら、私は三日間、家内から口をきいてもらえないだろう。デイサ行きにしても然り。「きょうは休むことにしよう」と思えば、私はデイサに行かず、自室に引きこもることもできる。実際はそうではない。よほど体調が悪いのでなければ、私は何も考えないまま、「●曜日はデイサに行く」というルーチンのベルトコンベアーに乗っていることだろう。独り自室に引きこもっていても、良いことは何もない。ヒ...〈他力〉について

  • 最後の親鸞

    デイサで次に読む本は、何にしようか。これといって読みたい本が思い浮かばなかった私は、文庫本の書棚から一冊の本を引っ張り出した。『最後の親鸞』(吉本隆明著・ちくま学芸文庫)である。奥付を見ると、「2002年第1刷発行」とある。23年前のことだ。『共同幻想論』の著者が書いたこの本を、私は多分そのころに買ったと思う。読みはじめたものの、歯が立たず、途中で投げ出してしまった記憶がある。にもかかわらず、どういう気まぐれからか、きのうはこの本にもう一度挑戦してみようという気になったのである。浩瀚な『暇と退屈の倫理学』を読了したことで、最近私は「忍耐と訓練によって読書・思考の楽しみを味わうこと」を学び、一段と忍耐強さに自信を深めた。過信の盲動によって、「何でもござれ」の心境だったのかもしれない。デイサのスキマ時間にさっ...最後の親鸞

  • 暇と退屈のデイサで

    やっと『暇と退屈の倫理学』(國分功一郎著、新潮文庫)を読み終えた。頁数にして500頁の大著である。デイサでの(リハビリ待ちの)スキマ時間に読んだので、ずいぶん日数がかかった。この本は軽いノリで読めるノベルの類ではなく、どちらかといえば重たい内容がぎっしり詰まった思想書である。途中で投げ出さず、最後まで読み通せたのは、この本が私のアタマと馬が合ったというか、著者の思考と私の思考と、その波長がうまく噛み合ったからだろう。私は著者の國分功一郎氏を、NHK「100分de名著スピノザ」の講師として知っていた。私より二まわりも年下の「若手」だが、スピノザを論じたその力量に脱帽したものだ。この人の『暇と退屈の倫理学』は以前から読みたいと思っていた。デイサへの携行に便利な文庫本に収録されたのは、運がよかったと言うべきだろ...暇と退屈のデイサで

  • 参考人招致をめぐる国会審議のドタバタ(その2)

    (承前)民主主義の本質、ーーそれは、この政治体制が問答無用で少数派を切り捨て排除し、多数派(マジョリティー)の意見だけを是認することにほかならない。フランスの思想家トクヴィルは約200年前、このやり方を民主主義の欠点とみなし、これを「多数者の専制(tyrannyofmajority)」と名づけた(『アメリカの民主主義』)。注目すべきは、この「多数者の専制」からどんな事態が生じるかである。「数の力」に物を言わせる民主主義の政治体制では、多数派工作がさも大事なことのようにみなされ、これをめぐって政界のドタバタ劇がくりひろげられることになる。このどさくさの中では、ホントに「大事なこと」は容易に見失われてしまう。議題にのぼる法案の中身など、だれも問題にしようとはしないのだ。これが民主主義の第一の欠点(=多数者の専...参考人招致をめぐる国会審議のドタバタ(その2)

  • 参考人招致をめぐる国会審議のドタバタ

    おとといのことだか、夕餉の食卓でNHKの「ニュース7」を聞いていた。思わず吹き出してしまったのは、次のニュースが流れたときである。「自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題で、衆議院予算委員会では、旧安倍派の会計責任者の参考人招致について採決が行われ野党側の賛成多数で議決されました。(中略)与党側の筆頭理事を務める自民党の井上元万博担当大臣は記者団に対し(中略)『招致は今まで全会一致が原則だったので、その慣例を半世紀ぶりに破ることは大変遺憾だ。数の力による議事運営は厳に慎んでもらいたい』と述べました。」(NHKNEWSWEB1月30日配信)え?「数の力」に物を言わせるのは厳に慎んでもらいたい、だって?一体、どの口が言っているのだ!私は開いた口がふさがらず、それを通り越してつい吹き出してしまったのである...参考人招致をめぐる国会審議のドタバタ

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