これはいかん…羽化二日目、お食事の支度もどうにか調って、気がつけば彼の者は、気ままに当家の居住空間を飛び廻り、什器のあちこちに安らい、すっかり居続けの態であった。指をひょいと脚先に出すと、私の手に移ってくるほどに慣れてきたのだ。これでは手乗り文鳥ならぬ手乗り鳳蝶ではなかろうか…一昨年、国書刊行会の創業50周年フェアで『蝶を飼う男』という外国文学を入手した私は、しかし読む間がなく積読のまま放置していたが、もとより、蝶をペットにするつもりもなかった。小学何年生だったか忘れた…ある時とても手乗り文鳥が欲しくなり…そのとき既に我が家には犬、猫、金魚、カエルなどが居たのだが、なんとか親を説得して、鳥を飼ってもよいという許可を得た。『ペットの飼い方』というハウツー本を読み込んでいたので、大概の動物の飼い方は心得たつも...放チョウ大作戦