2019年5月のブログです*先日の遊戯療法学会で滝川一廣さんのお話に感心をしたので、本棚の隅っこにあった滝川さんの『「こころ」の本質とは何か-統合失調症・自閉症・不登校のふしぎ』(2004・ちくま新書)を見つけ出して読む。久しぶりだが、いい本だ。統合失調症の発症の経過がとてもていねいに説明されて、中井久夫さんと同じくらいにわかりやすい。幻聴の生じ方もよく理解できる。自閉症に関しては、共同性という概念の導入で、こちらもとても理解しやすい。自閉症が単なる発達の正規分布の一部であることも述べられて(いわゆる自閉症スペクトラムだ)、いたずらに原因追及をすることの弊害も説明される。それよりも、関係性の発達の遅れととらえて、周囲がかかわることの大切さが説明される。昔と違って、一次産業や二次産業の人口が減り、三次産業と...滝川一廣『「こころ」の本質とは何か-統合失調症・自閉症・不登校のふしぎ』2004・ちくま新書