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ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (臨床心理士・赤坂正人) https://blog.goo.ne.jp/red777slope

こころの困りごと・悩みごと相談でじーじ臨床心理士が公園カウンセリング、訪問カウンセリング、面会交流の相談・援助などをやっています

赤坂正人 1954年生まれ 家庭裁判所調査官として司法臨床に従事 放送大学大学院臨床心理学プログラム修了 心理カウンセリング個人開業 臨床心理士 新潟市西区 心理療法、家族療法、遊戯療法、面会交流の相談・援助など 精神分析学会、遊戯療法学会会員 論文「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006,『臨床心理学』)「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011,『遊戯療法学研究』)ほか

ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (臨床心理士・赤坂正人)
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2015/02/19

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  • ジェイ・ルービン『村上春樹と私-日本の文学と文化に心を奪われた理由』2016・東洋経済新報社-村上さんを翻訳する(?)

    2019年3月のブログです*ジェイ・ルービンさんの『村上春樹と私-日本の文学と文化に心を奪われた理由』(2016・東洋経済新報社)を読みました。ルービンさんはハーバード大学の名誉教授、村上さんの『ノルウェイの森』や『ねじまき鳥クロニクル』などの翻訳で知られます。そのルービンさんの、村上さんとの出会いから最近の交流までを描いたエッセイです。面白いです。いろんな村上さんらしい逸話が出てきて、飽きません。例えば、ルービンさんのクラスで村上さんの『パン屋再襲撃』を取り上げた際、ルービンさんが、海底火山は何の象徴か?と学生にきくと、ゲストで来ていた村上さんが、火山は象徴ではない、ただの火山だ、あなたがたはお腹がすくと火山が思い浮かびませんか?僕は浮かぶんです、空腹だったから、と述べる場面が出てきて、象徴よりも物語を...ジェイ・ルービン『村上春樹と私-日本の文学と文化に心を奪われた理由』2016・東洋経済新報社-村上さんを翻訳する(?)

  • 村上春樹『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです』2012・文春文庫-その2・インタヴューの楽しみ

    2019年春のブログです*久しぶりに村上さんの『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです-村上春樹インタビュー集1997-2011』(2012・文春文庫)を再読しました。村上さんが夏目漱石さんの『坑夫』が好きだ、というお話をどこかで読んだ気がしていて、それでじーじも60を過ぎてから『坑夫』を読んだくらいなのですが、どこで読んだのかはっきりしなかったのですが、やはり本書だったようです(先日、ご紹介をしたジェイ・ルービンさんの本でもそのようなお話が出てきます)。本書はインタビュー集ですが(副題が『村上春樹インタビュー集1997-2011』)、じーじは島森路子さんと古川日出男さんのインタビューが個人的には好きです。お二人とも、村上さんのことや村上さんの作品をよく理解されたうえで、お話をお聞きしている様子が見えて、読...村上春樹『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです』2012・文春文庫-その2・インタヴューの楽しみ

  • 岸良範さん・サリンジャーさん・村上春樹さん-2018年秋の県臨床心理士会の定例研修会で学ぶ

    2018年秋のブログです*昨日の日曜日に新潟大学で開催された県臨床心理士会の定例研修会に出席しました。土曜日から孫娘たちが遊びに来ていたのですが、たまには真面目に勉強しているじーじの姿も見せようと思い(?)、「じーじは勉強会に行ってくるね」といって、出かけました。孫娘たちはじーじの予想に反して、なぜか笑顔で(?)、お見送りをしてくれました。研修会の講師は福島学院大教授の岸良範さん。お名前は以前から存知あげていましたが、お話をお聞きするのは初めて、楽しみにしていました。テーマは、思春期・青年期と彷徨い歩く力。岸さんは大学の先生らしからぬ(?)ユーモアたっぷりのお話で、会場はまたたくまに岸さんのお話に引き込まれました。岸さんが、サリンジャーさんの『キャッチャー・イン・ザ・ライ』の中から、村上春樹さんの訳した、...岸良範さん・サリンジャーさん・村上春樹さん-2018年秋の県臨床心理士会の定例研修会で学ぶ

  • 村上春樹『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです』2012・文春文庫-その1・魂からの声をきく

    たぶん2015年ころのブログです*村上春樹さんの『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです-村上春樹インタビュー集1997-2011』(2012・文春文庫)を再読しました。文庫本では2回目、単行本も含めると、たぶん3回目だと思います。今回も、小説の力や物語の力などについて語られているところに共感して、うなずくところが多くありました。表題は、村上さんにとって、小説を書くことは夢を見ることと同じで、自分の無意識からの声に耳を傾けるための作業である、という意味のようです。村上さんは、あらすじから小説を展開するという意識的な書き方ではなく、無意識からのメッセージを大切にして小説を書くという書き方をされているようで、ご自分でも先の展開はわからないといいます。いわば、生命全体からの訴えや叫びに丁寧に寄り添っているかのよう...村上春樹『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです』2012・文春文庫-その1・魂からの声をきく

  • 伊坂幸太郎『サブマリン』2016・講談社-陣内くん、主任家裁調査官になる

    2017年のブログです*伊坂幸太郎さんの『サブマリン』(2016・講談社)を読みました。名作『チルドレン』に続く、家裁調査官の陣内くんと武藤くんの物語です。2016年3月出版の小説ですが、家裁調査官をやめてしまって情報に疎くなっていたのか、つい最近になってようやく、このすばらしい小説の存在に気がついて、読むことができました。おもしろかったです。笑ったり、泣いたりで、忙しい小説でした。あらすじは書きません。書く能力がないせいもありますが、この小説はぜひ、自分でじっくりと味わってほしいと思います。いろんな人物が出てきます。復讐に燃えていた少年、パソコンでしか世の中が見えなくなっていた少年、その家族、交通事故の加害少年だった青年、主任になったもののマイペースの陣内くん、結婚をして小さな子ども二人の父親になった武...伊坂幸太郎『サブマリン』2016・講談社-陣内くん、主任家裁調査官になる

  • 松木邦裕ほか編『精神病の精神分析的アプローチ-その実際と今日的意義』2008・金剛出版

    2017年のブログです*松木邦裕・東中園聡編『精神病の精神分析的アプローチ-その実際と今日的意義』(2008・金剛出版)を再読しました。この本もかなり久しぶりの再読で、しかも、最初に読んだ時にはじーじの力量がとても貧弱だった時で、あまり理解をできずに終わってしまったという記憶がありました。今回、精神科デイケアでのボランティアも5年目に入り、以前よりは少しだけ精神病のことや精神分析的アプローチのことが理解できるかもしれないという淡い期待を持って読みました。しかし、やはり精神病という病いはなかなか難しい病いで、そのアプローチも並大抵のことでは難しいということを再認識させられました。そんな中、本書の著者らは、本当に地道な努力と患者さんとの協同作業で、一歩一歩患者さんの治療に当たっていることが読み取れます。今回、...松木邦裕ほか編『精神病の精神分析的アプローチ-その実際と今日的意義』2008・金剛出版

  • 立原正秋『冬のかたみに』1981・新潮文庫-その2・暗い時代を勁く、凛と生きる少年とその後

    2023年春のブログです*立原正秋さんの『冬のかたみに』(1981・新潮文庫)を久しぶりに読む。おそらく6年ぶり。日本が朝鮮を併合していた時代、朝鮮の臨済宗の寺で育つ日朝混血の主人公を描く。主人公の父親も僧侶であったが、日本人と朝鮮人のはざまで苦悩し、主人公が幼少期に自殺をする。主人公は、その後も寺の老師や先達に見守られて、禅の世界の中で精神的な成長をとげる、という物語である、と理解をしていた。今も物語の内容はそれでよいと思うのだが、今回、今ごろになって、この物語の底流に、この時代背景としての日本の朝鮮併合や軍国主義、侵略などの問題が大きく横たわっていることに気づかされた。小説の中で、主人公の朝鮮人の祖父は日本に協力をした地主として登場し、これが父親の自殺のもととなってしまう。また、当時、ベルリンオリンピ...立原正秋『冬のかたみに』1981・新潮文庫-その2・暗い時代を勁く、凛と生きる少年とその後

  • エディプス・藤山直樹さん・小此木啓吾さん-2019年精神分析学会・その3

    2019年秋のブログです*昨日は学会3日目、最終日。午後からシンポジウムがありました。テーマはエディプス・コンプレックス。フロイトさんの時からの精神分析の大事なテーマ。藤山直樹さんが指定討論をされるので、楽しみに参加しました。藤山さんが初めて精神分析学会のシンポジウムに登壇した20数年前もテーマがエディプス・コンプレックスだったそうで、その時の論文は藤山さんの『精神分析という営み』に収録されているとのこと。帰ったらさっそく読みなおそうと思いました(ブログもあるので、よかったら読んでみてください)。その時のスーパーヴァイザーとのやりとりや小此木啓吾さんとの討論を懐かしそうにお話されているのが印象的でした。さて、エディプス・コンプレックス。重要な概念で、藤山さんの説明でもそのことは伝わってくるのですが、なんせ...エディプス・藤山直樹さん・小此木啓吾さん-2019年精神分析学会・その3

  • 立原正秋『冬のかたみに』1981・新潮文庫-その1・勁く、凛とした、おとなの小説

    たぶん2017年のブログです*本棚の上に積み重ねられた文庫本の中に、立原正秋さんの『冬のかたみに』(1981・新潮文庫)を見つけたので、ものすごく久しぶりに読んでみました。おそらく30代に読んで以来なので、30年ぶりくらいの再読です(立原さん、ごめんなさい)。立原さんは、じーじが20代から30代にかけて集中的に読んでいた小説家ですが、今では同年代の人達くらいにしかわからないかもしれません。名作『冬の旅』が有名で、じーじは非行少年たちが主人公のこの小説を読んで、結局、家庭裁判所調査官になりました(この小説を読んで調査官になったという人をじーじはほかに2人知っていますので、この小説の影響力はすごいと思います)。『冬の旅』もしばらく読んでいませんので、そろそろ再読をしようかな、と思っているのですが、なにせ、昔、...立原正秋『冬のかたみに』1981・新潮文庫-その1・勁く、凛とした、おとなの小説

  • 精神病・生き残ること・藤山直樹さん-2019年精神分析学会・その2

    2019年秋のブログです*昨日は学会2日目。午前中は精神病の分科会に参加。みなさん、すごいケースのご紹介で、いろいろと考えさせられます。たくさんの学びがあったのですが、じーじとっての再確認は「生き残る」ことのテーマでしょうか。患者さんの攻撃性に、報復をせずに「生き残る」ことがまず出発点のような感じを持ちました。そのことだけでも、患者さんには大きな意味がありそうです。午後は終結症例の分科会。司会が藤山直樹さん。司会だけでなく、結構、自由に発言をされるので、面白いですし、とても参考になります。個人的には、発表者と司会の藤山さんの対談でもいいように思うほどでした。発表者がだんだんと率直になっていく様子が見られて、藤山さんの力量に改めて感心させられました。力のある臨床家は本当にすごいなと思います。もっともっと経験...精神病・生き残ること・藤山直樹さん-2019年精神分析学会・その2

  • 宮下奈都 『神さまたちの遊ぶ庭』2015・光文社-北海道の「大地」と「人々」の「大きさ」を味わう

    2016年のブログです*素朴で,穏やかで,温かい小説をたくさん書いておられる宮下奈都さん。そんな自然体の宮下さんが北海道での自然たっぷりの生活を記したエッセイ集『神さまたちの遊ぶ庭』。とても面白く,興味深くて,一気に読んでしまいました。北海道を愛する夫の希望で,福井からトムラウシに移り住んだ宮下さんご夫婦と3人の子どもたちの笑い話のような,しかし,大自然での素敵な生活を綴ります。エゾシカやキタキツネ,さらには,ヒグマも出てくるという知床並みの秘境。トムラウシは日本百名山トムラウシ山のふもとにあり,大雪山国立公園の真ん中にあるので,当然といえば当然ですが,びっくりすると同時に,うらやましくなります。ちなみに,「神さまたちの遊ぶ庭」とは,アイヌ語の「カムイミンタラ」の訳で,大雪山のことを指します。大自然とその...宮下奈都『神さまたちの遊ぶ庭』2015・光文社-北海道の「大地」と「人々」の「大きさ」を味わう

  • 助言・明確化・藤山直樹さん-2019年精神分析学会・その1

    2019年秋のブログです*昨日から札幌で開催されている2019年精神分析学会に参加しています。昨日は藤山直樹さんが助言者の研修症例の分科会に出てみました。藤山さんはあいかわらずのきれの良さで、ポイントをズバズバと指摘されます。久しぶりに元気な藤山節を聴かせてもらって、こちらまで元気になりました。しかし、同じ資料を読んでいるのに、藤山さんの気づきの豊かさは驚きです。すごいな、と感心するとともに、少しでも近づきたいな、と思います。ポイントの指摘だけでなく、明確化のための質問の例示もていねいにされて、初学者にもとても勉強になりました。今日は一般演題。じーじは精神病の分科会などで、統合失調症の患者さんへの面接などを学びたいと思っています。(2019.10記)助言・明確化・藤山直樹さん-2019年精神分析学会・その1

  • 高田勝『ある日,原野で』1981・朝日新聞社-北海道を読む

    たぶん2015年ころのブログです*1981年の本,これも北海道の古本屋さんで2000年頃に買ったと思います。最近は昔に買って読んだ本を久しぶりにまた読み返しています。まるで北海道で放牧されている牛さんになったような気分です。高田さんは北海道根室に在住の人,道東の自然や人々へのまなざしが温かいです。風連湖,春国岱,野付半島…,自然のままの素敵な景色が出てきます。冬の厳しさは過酷ですが,その分,なんと豊かな自然なのかとためいきが出ます。そんな中で面白かったのは,原生花園を「新しく」作るというお話の顛末。野山を整備して,そこに高山植物などを植えるという嘘のような計画が持ち上がります。しかし,それでは「原生」花園ではなくなってしまいます。幸い計画は中止となり,豊かな自然はそのままで,名もない小さな「原生花園」とし...高田勝『ある日,原野で』1981・朝日新聞社-北海道を読む

  • 伊東徹秀『北紀行-風の恋歌』1995・麦秋社-北海道を読む

    2015年のブログです*伊東徹秀さんの『北紀行-風の恋歌』(1995・麦秋社)を再読しました。1995年の本ですが,帯広の古本屋さんのシールがついているので,おそらくは2000年前後に買って読んだ本だと思います。それでも15年ほど前になります。北海道の山々を歩いた紀行文が中心のエッセー集で,前回は狩場山を歩いた文章が記憶に強く残っていたのですが,今回は愛山渓から大雪山の沼や山々に入る紀行文が印象的でした。前に自分が歩いた道が出てきて,文章家が書くとこんなふうに描写されるんだと感動しました。前回も文章がうまいなと思ったのですが,今回はさらにその美しさと清冽さに感心させられました。本当にとてもいい文章です。読んでいて気持ちがよくなり,こころが洗われるような,すがすがしい感じになる文章です。文章でもカウンセリン...伊東徹秀『北紀行-風の恋歌』1995・麦秋社-北海道を読む

  • 中井久夫『統合失調症の有為転変』2013・みすず書房-その2・こまやかな精神科治療に学ぶ

    2017年のブログです*中井久夫さんの『統合失調症の有為転変』(2013・みすず書房)を再読しました。前に読んだのは2013年秋ですから4年ぶりです(当時のブログもありますので、拙いものですが、よかったら読んでみてください)。いい本なので早めに再読をしようと思っていましたが、4年たってしまいました(中井さん、ごめんなさい)。しかし、やはりいい本です。中井さんの統合失調症の患者さんへの優しさが本からあふれてくるような感じで、読んでいてこちらまで優しくなれるような気がします。4年で自分がどれだけ成長できたのかは心もとないのですが、こういういい本を見つけて読むのも、一応、才能かもしれません。本の中身は、やはり中井さんの精神科診療のさまざまな工夫、丁寧な考察、そして、優しい祈りでしょうか。そうなんです。中井さんは...中井久夫『統合失調症の有為転変』2013・みすず書房-その2・こまやかな精神科治療に学ぶ

  • 道下俊一『霧多布人(きりたっぷじん)になった医者-津波の村で命守って』2004・北海道新聞社

    2017年夏のブログです*道下俊一さんの『霧多布人(きりたっぷじん)になった医者-津波の村で命守って』(2004・北海道新聞社)を読みました。いい本です。涙が出ました。道下さんは道東の霧多布の診療所で長くお医者さんを続けたかた。元々、北大医学部から1年交代の約束で霧多布に赴任したものの、1年後に北大に戻ろうとすると、地元の人たちに引き留められ、とうとう47年も診療所のお医者さんを続けられたという人です。その熱意と責任感と頑張りには本当に頭が下がります。道下さんはもともとは内科が専門ですが、田舎の診療所ではなんでもできなければ一人前とは言えませんし、住民の方々に信頼してもらうこともできません。命が懸かっている緊急を要することの場合には、できないなどと言わずに果敢に挑戦されます。もちろん、どうしても無理な病気...道下俊一『霧多布人(きりたっぷじん)になった医者-津波の村で命守って』2004・北海道新聞社

  • 中井久夫『統合失調症の有為転変』2013・みすず書房-その1・ていねいな精神科臨床に学ぶ

    2013年11月のブログです*6月~8月にかけて放送大学大学院臨床心理プログラムの病院実習で精神科病院におじゃましました。統合失調症の患者さんと接するなかで,いろいろなことを考え,学ばせていただきました。実習中は本を読む余裕がなかったのですが,実習が終わってから中井久夫さんの『精神科医がものを書くとき』(2009),『隣の病い』(2010),『世に棲む患者』(2011,いずれも,ちくま学芸文庫)などを読んで,実習中のじーじの疑問などがすでに中井さんによって丁寧に説明されていることがわかりました。実習前に読んでおけばよかったと後悔の毎日です。そんな中井さんの『統合失調症の有為転変』を読みました。中井さんのご本はいつもそうですが,この本も実践第一の本です。絵画療法など,じーじにとってもとても興味深い文章も載っ...中井久夫『統合失調症の有為転変』2013・みすず書房-その1・ていねいな精神科臨床に学ぶ

  • 村上春樹『村上さんのところ』2015・新潮社-「ユーモア」と「遊びごころ」の大切さ

    2015年のブログです*村上春樹さんの,村上さんのこころ,ならぬ,『村上さんのところ』を読みました。すごくおもしろかったです。村上さんの読者やファンの質問に,村上さんが一つ一つ丁寧に答えるという本ですが,ユニークな質問に,ユニークな回答がとてもよかったです。中でも,個人的には,妖怪ポロンのやりとりがおもしろかったです(くわしくは本書59ページをお読みください)。村上さんの小説は,内容がけっこう重かったり,深かったりしますが,少しのユーモアやゆとりや遊びなどがそれを救っているような気がします。真面目で苦しくても,決して煮詰まらずに,いつか前向きになれる印象です。本書でもそれは同じ感じです。心理療法やカウンセリングでもなかみや内容,雰囲気などが重いことが多いですが,少しのユーモアや遊びで救われることが多いと思...村上春樹『村上さんのところ』2015・新潮社-「ユーモア」と「遊びごころ」の大切さ

  • 中井久夫『統合失調症の有為転変』2013・みすず書房-その1・ていねいな精神科臨床に学ぶ

    2013年11月のブログです*6月~8月にかけて放送大学大学院臨床心理プログラムの病院実習で精神科病院におじゃましました。統合失調症の患者さんと接するなかで,いろいろなことを考え,学ばせていただきました。実習中は本を読む余裕がなかったのですが,実習が終わってから中井久夫さんの『精神科医がものを書くとき』(2009),『隣の病い』(2010),『世に棲む患者』(2011,いずれも,ちくま学芸文庫)などを読んで,実習中のじーじの疑問などがすでに中井さんによって丁寧に説明されていることがわかりました。実習前に読んでおけばよかったと後悔の毎日です。そんな中井さんの『統合失調症の有為転変』を読みました。中井さんのご本はいつもそうですが,この本も実践第一の本です。絵画療法など,じーじにとってもとても興味深い文章も載っ...中井久夫『統合失調症の有為転変』2013・みすず書房-その1・ていねいな精神科臨床に学ぶ

  • 藤山直樹・松木邦裕・細澤仁『精神分析を語る』2013・みすず書房-その2・ていねいで正直な精神分析の実践に学ぶ

    たぶん2016年のブログです*藤山直樹さん、松木邦裕さん、細澤仁さんの鼎談、『精神分析を語る』(2013・みすず書房)を再読しました。ちょっと前に読んだつもりでしたが、本棚にあった本をよく見ると2013年11月の発行で、そういえば精神分析学会の書籍売り場で買ったんだっけ、と思い出しました。当時のブログもありますが、少し短い文章でしたので、今回はもう少し追加してみます。再読をしてみた印象は、やはりすごい!です。三人とも、それぞれの思いをかなり正直に話されているのが印象的で、初学者にもとても参考になります。精神分析の大家は、ご自分の失敗も含めて、臨床での思いや考えや感情をていねいに記されるのが特徴と思いますが、それがよき実践のためには大切なのだろうと思わされます。特に、藤山さんはふだんから飾りのない正直な発言...藤山直樹・松木邦裕・細澤仁『精神分析を語る』2013・みすず書房-その2・ていねいで正直な精神分析の実践に学ぶ

  • 竹田津実『オホーツクの十二か月-森の獣医のナチュラリスト日記』2006・福音館書店-北海道を読む

    2015年のブログです*竹田津さんの2006年の本です。先日,ご紹介した竹田津さんの『北の大地から』を読み返して,とても良かったので,さっそくこの本も購入して読みました。この本も『北の大地から』と同じく,落ちついた文章と美しい写真が印象的です。文章はユーモアの中に静かな怒りがこめられていて,自然を愛する竹田津さんの素朴で素直な思いが伝わってきます。12か月の文章の中で私が一番印象に残ったのは,やはり子ギツネのヘレンのお話。ヘレンは目,耳,鼻などの障害で,一人では(一匹というべきか?)生きていけない状態で竹田津さんがお世話をしますが,味方と敵の区別がつかず,竹田津さんご夫婦にもはむかいます。しかし,竹田津さんの奥さんが,ヘレンを抱いて子守唄をうたってあげると,なんと落ちついて眠ります。このエピソードは,子守...竹田津実『オホーツクの十二か月-森の獣医のナチュラリスト日記』2006・福音館書店-北海道を読む

  • 藤山直樹・松木邦裕・細澤仁『精神分析を語る』2013・みすず書房-その1・正直な精神分析に学ぶ

    2013年11月のブログです*11月15日~17日,京都で開かれた精神分析学会に参加しました。この本はその会場で販売されていて,さっそく購入しました。前回,土居さん,中井さん,神田橋さんの鼎談のすごさをご紹介しましたが,今回は藤山直樹さん,松木邦裕さん,細澤仁さんという現在の日本の精神分析の世界ではかなり豪華な三者による鼎談です。それぞれの皆さんの率直な発言が贅沢なほどに綴られており,帰りの飛行機の中から一気に読んでしまいました。とても深い内容だと思いますし,何度か繰り返して読みたいなとつくづく思っています。いい本に出会えたなと感動しました。精神分析,やはり奥深い,すごい世界だなと再認識をしました。(2013.11記)*2022年12月の追記ですこの本については、その後、2016年に再度、ブログを、202...藤山直樹・松木邦裕・細澤仁『精神分析を語る』2013・みすず書房-その1・正直な精神分析に学ぶ

  • 田部重治『わが山旅五十年』1996・平凡社ライブラリー-明治から昭和にかけての自伝的山歩きの記録

    2023年秋のブログです*田部重治さんの『わが山旅五十年』(1996・平凡社ライブラリー)を読む。もう何回も読んでいるが、読むたびに明治時代から大正、昭和の日本の山歩きを楽しめる本だ。田部さんは、ご存じの人も多いかもしれないが、漱石門下の英文学者で、大学で英文学を教え、ワーズワースさんの詩などを研究されたかた。そのかたわら、山の仲間と秩父の山歩きから始めて、日本アルプスなどを踏破し、日本山学会の草創期のメンバーのお一人だったかたでもある。秩父の山歩きや日本アルプスの山登りなどの記録を記した田部さんの『山と渓谷』(新編・1993・岩波文庫)は日本の山の古典として有名だ。本書は、その田部さんの、自伝を含めての山歩きの記録で、興味深い。田部さんの文章は、英文学者なので当然かもしれないが、単なる山登りの記録ではな...田部重治『わが山旅五十年』1996・平凡社ライブラリー-明治から昭和にかけての自伝的山歩きの記録

  • コスモスの花を眺めながらの公園カウンセリングは、こころもたおやか美しくなります

    こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で,じーじ臨床心理士が公園カウンセリングや海岸カウンセリング,里山カウンセリング,訪問カウンセリング,メールカウンセリングを新潟市と北海道東川町(夏期)で行なっています。また,面会交流の相談・援助も行なっています。公園カウンセリングや海岸カウンセリング,里山カウンセリングは,屋外で行なう個人カウンセリングや親子・夫婦の家族カウンセリング,子どもさんの遊戯療法などで,お近くの公園や自然の中で,ゆっくりとご自分やご家族のことなどを考えてみます。料金・時間は1回50分3,000円で,隔週1回,月1回などで行ないます。訪問カウンセリングは,屋内で行なう個人カウンセリングや家族カウンセリング,子どもさんの遊戯療法などで,ご自宅やお近くの屋内施設で,じっくりとご自分やご家族のこと...コスモスの花を眺めながらの公園カウンセリングは、こころもたおやか美しくなります

  • プレイセラピー・子ども・主体-2017年精神分析学会・その3

    2017年秋のブログです*新潟に帰ってきました(昨日の帰りの東海道新幹線は連休最終日のせいでひどい混雑で、田舎者のじーじは、ニュースで見るだけだった都会のすごさを、この年になって初めて実感させられてしまいました)。昨日の分析学会は3日目、最終日。会長講演やシンポジウムなどがありました。会長講演は生地新さん。うかつなことに、じーじは昨日まで生地さんが児童精神科医であることに気づいていなくて、講演をお聞きして初めて気づきました。しかし、講演の内容は、プレイセラピーについて、とてもていねいにこまやかに検討をされていて、勉強になりました。本当に子どもの主体性を尊重されていて、治療者が、子どもを単に楽しませること、を戒めていることが印象的でした。午後のシンポジウムは、ここ数年、分析学会で話題になっている精神分析と分...プレイセラピー・子ども・主体-2017年精神分析学会・その3

  • 柄谷行人『講演集成1995-2015 思想的地震』2017・ちくま学芸文庫

    2017年のブログです*柄谷行人さんの『講演集成1995-2015思想的地震』(2017・ちくま学芸文庫)を読みました。本の帯には、大いなる破壊の後に、思想は何を語れるか?とありますが、2011年の東日本大震災による被害を受けて、柄谷さんが考えたこと、語ったことが集められています。柄谷さんの本はこれまでにも何冊か読んでいますが、なかなか難しい本が多く、そんなにたくさんは読めていないのですが(柄谷さん、ごめんなさい)、今回は講演集なので、少しは読みやすいかな、と思って、手に取りましたが、やっぱり難しかったです(再び、ごめんなさい)。そんな中で、しかし、印象に残ったことを一つ、二つ…。まずは、東日本大震災で大勢の死者が出たことは、柄谷さんにとってとても大きな衝撃だったようで、講演の中では、それ以前の大震災や戦...柄谷行人『講演集成1995-2015思想的地震』2017・ちくま学芸文庫

  • エディプス・ナルシシズム・土居健郎さん-2017年精神分析学会・その2

    2017年秋のブログです*今日も名古屋にいます。昨日は分析学会の2日目がありました。一般演題、学会出版賞受賞講演、講演と討論などがありました。一般演題は、じーじは、エディプス、と、ナルシシズム、に出てみました。実は、本当は、対象喪失、に出てみたかったのですが、会場が満員で、諦めました(これが本当の、対象喪失、です)。しかし、エディプス、の発表も、ナルシシズム、のほうも、どちらもなかなかすごい症例で、いろいろと勉強になりました。学会出版賞受賞講演は藤山直樹さん。誰に向かって書くか、という演題で、ご自分の論文執筆の歴史をこまやかに振り返りました。土居健郎さんや狩野力八郎さんのもとでの、修行時代の思い出話などはとても参考になりました。講演と討論は、イギリスの分析家のマイケル・パーソンさんというかた。初めて知りま...エディプス・ナルシシズム・土居健郎さん-2017年精神分析学会・その2

  • 竹田津実『北の大地から』1993・恒文社-北海道・道東・ポンヤンベツ川

    2015年のブログです*竹田津さんは北海道在住の獣医で写真家,エッセイスト。映画<キタキツネ物語>を作った人でもあります。その竹田津さんの22年前のエッセイと写真の本です。特に,写真は秀逸で,もっと大きな写真集で見てみたいようなすばらしいものばかりです。舞台は道東を流れる一本の川。その変わりざまとそこに関わる農家や漁業,林業の人たち,そして,そこに生活をする人々を冷静な文章で描きます。その文章は冷静ながらも,抑えた怒りがにじみます。あからさまな怒りにならないのは,誰もがそこで生きているせいでしょうか。自分も加害者であるという事実が筆を抑えるかのようですが,しかし,なんとかしようよ,なんとかしなければ,という熱い思いが伝わります。批判は簡単ですが,堅実な変革は痛みを伴い,ゆっくりとしか変わらないようです。今...竹田津実『北の大地から』1993・恒文社-北海道・道東・ポンヤンベツ川

  • わからないこと・不思議なこと・喪の作業-2017年精神分析学会・その1

    2017年秋のブログです*名古屋に来ています。昨日から2017年精神分析学会が開催されており、2年ぶりに参加させてもらいました。1日目は、編集委員会企画セミナー、研修症例、教育研修セミナーの三つのプログラムを選択、じーじはいずれも藤山直樹さんが出席される会場に参加させてもらいました。午前中の編集委員会企画セミナーのテーマは、事例の書き方。事例をいかに説得力のある形にまとめるかで議論がされました。藤山さんの、客観性は必要だが、書き物なので創造的で美的であることが重要と思う、との発言は刺激的でしたし、同意できました。午後の研修症例は、若手治療者による表情恐怖の事例に藤山さんが助言をされました。面接では優しく共感するだけでなく、わからないことや不思議なことは聴くのが自然、治療者が怖がって聴かないことは不親切では...わからないこと・不思議なこと・喪の作業-2017年精神分析学会・その1

  • 瀬尾まいこ『あと少し、もう少し』2015・新潮文庫-中学男子の生きにくさと友情と希望を描く

    たぶん2015年のブログです*瀬尾さんの中学男子を描いた小説、『あと少し、もう少し』(2015・新潮文庫)を読みました。またまた、泣いてしまいました。年のせいか、涙もろくなってきているようですが、いい小説です。中学男子の駅伝をめぐるひと夏の小説。スポーツ根性小説ですから、涙は必見でしょうが、予想を裏切りません。しかし、単なるお涙ちょうだい小説とは違います。まずはそれぞれの登場人物の抱えている「生きにくさ」。瀬尾さんの小説の登場人物にはこういう人たちが多く出てきますが、今回も、みんな等身大に悩み、苦しみ、もがいている中学生と、その周囲にいるおとなたちが描かれます。そういう「生きにくさ」を抱えている登場人物が、お互いの不器用な優しさや心配りで、傷つけあいながらも少しずつ変わっていきます。部活の顧問をまかされて...瀬尾まいこ『あと少し、もう少し』2015・新潮文庫-中学男子の生きにくさと友情と希望を描く

  • どんぐりで遊びながらの公園カウンセリングは、こころもコロコロ楽しくなります

    こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で,じーじ臨床心理士が公園カウンセリングや海岸カウンセリング,里山カウンセリング,訪問カウンセリング,メールカウンセリングを新潟市と北海道東川町(夏期)で行なっています。また,面会交流の相談・援助も行なっています。公園カウンセリングや海岸カウンセリング,里山カウンセリングは,屋外で行なう個人カウンセリングや親子・夫婦の家族カウンセリング,子どもさんの遊戯療法などで,お近くの公園や自然の中で,ゆっくりとご自分やご家族のことなどを考えてみます。料金・時間は1回50分3,000円で,隔週1回,あるいは,月1回などで行ないます。訪問カウンセリングは,屋内で行なう個人カウンセリングや家族カウンセリング,子どもさんの遊戯療法などで,ご自宅やお近くの屋内施設で,じっくりとご自分やご...どんぐりで遊びながらの公園カウンセリングは、こころもコロコロ楽しくなります

  • 山中康裕『心理臨床プロムナード』2015・遠見書房-山中さんと素敵なゲストの対談集です

    2015年春のブログです*山中康裕さんの対談集『心理臨床プロムナード』(2015・遠見書房)を読みました。北山修さんらの専門家だけでなく,詩人の谷川俊太郎さんや哲学の中村雄二郎さん,ドイツ文学の池内紀さん,そしてなんと,手塚治虫さんとの対談まで収録されています。そんな中でじーじが最初に読んだのが成田善弘さんとの対談でした(じーじは実は成田さんの大フアンでもあります)。この対談もとても面白かったです。成田さんはもう大先生で,じーじはいろいろな学会で,そのお姿をお見かけしたり,お話をお聞きしたりしていますが,成田さんははずかしがりやさんのようで,いつも目立たないようにひっそりとされています(でも,背が高いので目立っています。すみません,成田さん)。山中さんと成田さんは中学の同級生ということで,お二人とも精神科...山中康裕『心理臨床プロムナード』2015・遠見書房-山中さんと素敵なゲストの対談集です

  • 梨木香歩『雪と珊瑚と』2015・角川文庫-シングルマザーと赤ちゃんの小さな冒険

    たぶん2015年のブログです*女性らしく、素敵で、読みごたえのある文章をたくさん書かれている梨木香歩さん、その梨木さんの小説『雪と珊瑚と』(2015・角川文庫)を読みました。久しぶりにいい小説を読んで、またまた泣いてしまいました。とてもいい物語です。シングルマザーの珊瑚さんとその赤ちゃんである雪ちゃんのお話。きれいすぎず、がんばりすぎず、力不足でたいへんなところもあって、等身大の若い女性の迷いと不安がさらりと描かれます。しかし、中身は深いです。周りの人間を含めて、弱さやずるさや何もかもが描かれます。救いはやはり赤ちゃん(とはいえ、赤ちゃんや小さな子どもさんの子育てはやっぱりたいへんですけどね)。赤ちゃんや子どもの存在というのは母親だけでなく、やっぱりおとな全体にとって大切なものなのでしょう。そして、子育て...梨木香歩『雪と珊瑚と』2015・角川文庫-シングルマザーと赤ちゃんの小さな冒険

  • 日下紀子『不在の臨床-心理療法における孤独とかなしみ』2017・創元社-不在・かなしみ・待つこと

    2017年のブログです*日下紀子さんの『不在の臨床-心理療法における孤独とかなしみ』(2017・創元社)を読みました。日下さんの本は初めて読ませていただきましたが、少し難しかったものの、テーマが興味深く、一所懸命に読ませてもらいました。メインテーマは、心理療法における不在について、ということだと思いますが、それに伴うクライエントの孤独とかなしみ、そして、「待てる」ようになることの意味、などではないかと思います。日下さんはこれらのテーマを、ケースをもとにていねいに説明されています。日下さんは、まず、現代社会は、「待つ」ことができにくい社会になっていることを指摘し、フロイトさんの、いないいないばあー、やウィニコットさんの、ひとりでいる能力、などを挙げて、「待てる」ことの大切さを説明します。さらに、心理療法にお...日下紀子『不在の臨床-心理療法における孤独とかなしみ』2017・創元社-不在・かなしみ・待つこと

  • 村上春樹『村上春樹・雑文集』2015・新潮文庫-「普通」の中に「意味」を見つけること

    2015年のブログです*村上さんの『村上春樹・雑文集』の文庫本を読みました。単行本が出たのが2011年でしたので,久しぶりの再読です。文庫化に当たって,あとがきと各文章への短いコメントが追加されたので,楽しみが倍増しています単行本の時に読んで,今でも覚えていた文章もありましたし,まったく忘れていて(ごめんなさい,村上さん),あらあためて新鮮に読めた文章もありました。中でもじーじが一番好きな文章は,やはりエルサレム賞・受賞のあいさつ「壁と卵」。あまり政治的な発言はしない村上さんですが,ここでは,弱いものの側に立つ,という村上さんの文学者としての決意と覚悟を述べられていると思います。もうひとつ,今回,印象に残ったのは,村上さんの敬愛するジャズ・ピアニストのセロニアス・モンクさんの言葉。あなたの弾く音はどうして...村上春樹『村上春樹・雑文集』2015・新潮文庫-「普通」の中に「意味」を見つけること

  • 山中康裕『子どものシグナル-心を護り育てるカウンセリング』2006・バジリコ-子どもの「窓」を大切にすること

    たぶん2017年のブログです*山中康裕さんの『子どものシグナル-心を護り育てるカウンセリング』(2006・バジリコ)を再読しました。2006年の本ですので、10年ぶり以上です。その間に1回くらいは読んでいるのかもしれませんが(?)、記憶があいまいで、いずれにせよ勉強不足、記憶力不足で、今回も例のごとく、改めてとても新鮮に(?)読んでしまいました。内容は、山中さんのケースの紹介(スーパーヴィジョンを含みます)と内科医で心理臨床に詳しい岸本寛史さんとの対談からなっていますが、山中さんの発言はまったくブレません。感心させられるのは、その面接の温かさとケース理解の丁寧さ、そして、ユーモアと楽観性でしょうか。子どもより子どもっぽい(!)ところがすごいです。とにかく人間的で、読んでいて、本当に学ぶところが多いです。さ...山中康裕『子どものシグナル-心を護り育てるカウンセリング』2006・バジリコ-子どもの「窓」を大切にすること

  • 南木佳士『陽子の一日』2015・文春文庫-不器用に、無骨に、ゆっくりと生きる人たちを描く

    2015年夏のブログです*じーじの大好きな小説家の南木佳士さんの文庫最新作『陽子の一日』(2015・文春文庫)です。南木さんはじーじより三つ年上で,1989年に『ダイヤモンドダスト』で芥川賞を取っていますが,じーじはその時からのファンです。あまり派手ではないですが,身の丈を大切にした小説家で,なんとなく人生を闘う同志という感じがします。この小説も,主人公の中高年の女性内科医,同期の男性内科医,若い男性内科医,その他,さまざまな人生模様が描かれます。いずれも不器用に,いかにも生きづらい人生を無骨に歩む姿が大変そうですが,自分を見ているようでもあり,共感させられます。地道に生きていこう!とあらためて考えさせられる一冊です。(2015.7記)*2022年春の追記ですその後の南木さんの小説を読んでいても、不器用な...南木佳士『陽子の一日』2015・文春文庫-不器用に、無骨に、ゆっくりと生きる人たちを描く

  • 樋口有介『雨の匂い』2007・中公文庫-おとなへの愛憎に冷静に対峙する青年を描く

    2018年秋のブログです*なにか面白そうな小説はないかな?と本棚を眺めていたら、隅っこのほうに樋口有介さんの『雨の匂い』(2007・中公文庫)があったので、再読しました。2007年の本で、読むのはかなりしばらくぶりなので、たぶん2回目です。当然(?)なかみもほとんど忘れていたのですが、読んでみるととてもおもしろく、2日で読んでしまいました。少し暗い小説なので、60歳を過ぎた今のじーじにはちょうどいい小説なのですが、11年前のじーじには少し暗すぎて、本箱の隅に置いたのかもしれません。暗い小説です。有介版『悪霊』かもしれません。主人公の男子大学生が、癌で入院中の父の看病と在宅療養中の祖父の介護をするという、それだけでも暗い設定ですが、しかし、主人公はそれを淡々とこなし、そういう中でも女友達らと淡々とつきあって...樋口有介『雨の匂い』2007・中公文庫-おとなへの愛憎に冷静に対峙する青年を描く

  • あかちゃんとも遊びながらの訪問カウンセリングは、こころもウーウーにっこりします

    こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で,じーじ臨床心理士が訪問カウンセリングや公園カウンセリング,海岸カウンセリング,里山カウンセリング,メールカウンセリングを新潟市と北海道東川町(夏期)でやっています。また,面会交流の相談・援助もやっています。訪問カウンセリングは,屋内で行なう個人カウンセリングや親子・夫婦の家族カウンセリング,子どもさんの遊戯療法などで,ご自宅やお近くの屋内施設で,じっくりとご自分やご家族のことなどを考えてみます。料金・時間は1回50分3,000円で,隔週1回あるいは月1回などで行ないます。公園カウンセリングや海岸カウンセリング,里山カウンセリングは,屋外で行なう個人カウンセリングや家族カウンセリング,子どもさんの遊戯療法などで,お近くの公園や自然の中で,ゆっくりとご自分やご家族のこ...あかちゃんとも遊びながらの訪問カウンセリングは、こころもウーウーにっこりします

  • 松木邦裕・藤山直樹『夢,夢見ること』2015・創元社-夢の不思議さと夢のちから

    2015年秋のブログです*松木邦裕さんと藤山直樹さんの『夢,夢見ること』(2015・創元社)を読みました。2015年の精神分析学会の書籍売り場で購入した本です。お二人とも私の大好きな精神分析家で,もっとも信頼をする臨床家であり,学会でもお二人ともすばらしいご発言をされていました。本書は,松木さんの研究会に藤山さんがゲストで参加された時の講演と討論の記録ですが,内容がとてもすばらしく,充実しています。テーマは,夢,あるいは,夢を見る人,さらには,夢を見ること,などなど。夢という精神分析の大きな課題について,お二人が縦横に語り,夢を見る人,夢を見ることに繋げていきます。精神分析の分析空間が夢と同じかもしれない,というお話は説得力があります。さらに,転移や逆転移についても,夢を見ることという視点から理解をすると...松木邦裕・藤山直樹『夢,夢見ること』2015・創元社-夢の不思議さと夢のちから

  • 池澤夏樹『タマリンドの木』(1999・文春文庫)-おとなの真摯な恋愛を描く小説です

    2020年11月のブログです*本棚を眺めていたら、池澤夏樹さんの小説『タマリンドの木』(1999・文春文庫)が目に入ったので、久しぶりに読みました。おそらく20年ぶりくらい(池澤さん、ごめんなさい)。当然(?)、なかみは忘れていて、またまたどきどきしながら読みました。池澤さんにはめずらしく(?)すごい恋愛小説(池澤さん、ふたたびごめんなさい)。それもかなり純粋なおとなの恋愛小説です。66歳のじーじでもどきどきしながら読みました。例によって、あらすじは書きませんが、エンジニアの男性と海外ボランティアの女性の恋。一緒に住むことはとても難しい男女の切ない恋物語が、すごく真面目に展開をして、はらはら、どきどきしてしまいます。物語のちからはすごいです。じーじでも本当にどきどきしてしまいます。この男女が、真面目に自分...池澤夏樹『タマリンドの木』(1999・文春文庫)-おとなの真摯な恋愛を描く小説です

  • 藤山直樹さんのすごさと温かさに感動し,帰りの京葉線で北山修さんに遭遇する-2015年精神分析学会

    2015年秋のブログです*10月中旬,幕張で開催された精神分析学会に行ってきました。1日目午前は臨床ケースセミナー。じーじは助言者が藤山直樹さんのセミナーに参加しました。司会者が森さち子さん。大胆な藤山さんと繊細な森さんというたいへんに豪華な顔合わせで,とても深い勉強ができました。クライエントを具体的に理解することの大切さを学びました。夜は教育研修セミナー。やはり藤山さんの企画のセミナーに参加しました。分析と開業がテーマ。開業で保険診療をしている奥寺崇さんのお話に感動しました。また,フロアーにいた古賀靖彦さんが辛口のコメントをされて内容が深まりました。いつか,藤山さんと古賀さんの共同企画のセミナーが実現するといいなと思いました。2日目は一般演題と指定討論演題。指定討論演題では飛谷渉さんの難しいお話を指定討...藤山直樹さんのすごさと温かさに感動し,帰りの京葉線で北山修さんに遭遇する-2015年精神分析学会

  • 加藤周一『夕陽妄語3 2001-2008』2016・ちくま文庫-「今、ここで」を冷静に視る

    2020年春のブログです*加藤周一さんの『夕陽妄語32001-2008』(2016・ちくま文庫)を再読しました。加藤さんが朝日新聞に連載していたエッセイ「夕陽妄語」最後の8年分。世界は激動の時代で、しかし、加藤さんは冷静に批評します。2001年は9・11の同時多発テロ。ブッシュ大統領が報復を宣言します。2003年はイラク戦争。日本はアメリカに追従をしますが、大量破壊兵器は見つかりません。その後、アメリカは戦争を反省し、2008年にはオバマ大統領が誕生します。ところが、日本は右傾化を強めたまま、今日に至ります(もっとも、アメリカも、その後、最悪のトランプ大統領の誕生となるのですが…)。こういう目まぐるしい戦争状態の継続の中でも、加藤さんの反戦、反核の姿勢はぶれません。さらに、「夕陽妄語」の魅力は政治のお話だ...加藤周一『夕陽妄語32001-2008』2016・ちくま文庫-「今、ここで」を冷静に視る

  • 新潟のじーじのおうちは孫娘たちも大好きなかくれんぼランド(?)-遊ぶことのちから

    たぶん2017年2月ころ、孫娘たちが6歳と3歳のころのブログです*またまた、孫娘たちが遊びに来てくれました。つい最近、ディズニーランドに行ってきたとのことで、上の孫娘はアナの光るペンダント、下の孫娘は光る魔法のつえを自慢そうに見せてくれます。ペンダントやつえからは不思議な音まで聞こえてきて、最近のおもちゃはすごいです。その後、じーじのお部屋で、上の孫娘はリカちゃんのぬり絵を上手にぬり、下の孫娘ははさみでアンパンマンのぬり絵を切っています。ぬり絵は切るものじゃあないんだがなー、と思いながらも、楽しそうに切っているので、うまいなあー、と思わずほめてしまいました。さらに、いつもは近くの公園に遊びにいくのですが、この日は雨。そこで、家の中でかくれんぼをすることにしました。いつもは広い公園でやっているかくれんぼをせ...新潟のじーじのおうちは孫娘たちも大好きなかくれんぼランド(?)-遊ぶことのちから

  • 宮下奈都 『静かな雨』2019・文春文庫-一所懸命に生きる二組の男女を描く

    2019年秋のブログです*宮下奈都さんの『静かな雨』(2019・文春文庫)を読みました。表題作の「静かな雨」は雑誌『文学界』2004年6月号に掲載されたなんと宮下さんのデビュー作。それから15年しか経っていませんが、宮下さんは今や本屋大賞を受賞するような作家さんです。デビュー作とはいえ、「静かな雨」は完成度の高いいい小説です。交通事故で記憶力を失った女性とそれを支える男性の物語ですが、特に、女性の姿がすばらしいです。おおらかで、生き生きとしていて、もちろん、哀しみを抱えていますが、めそめそはしていません。静かな、静寂の中に、しっかりと生きています。男性やその家族も温かいです。びっくりしたのは男性の行助という名前。彼のお父さんが立原正秋の『冬の旅』のファンという設定ですが、宮下さんも立原正秋ファンなのかな?...宮下奈都『静かな雨』2019・文春文庫-一所懸命に生きる二組の男女を描く

  • こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で,じーじ臨床心理士が公園カウンセリングや海岸カウンセリング,里山カウンセリングなどをやっています

    こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で,じーじ臨床心理士が公園カウンセリングや海岸カウンセリング,里山カウンセリング,訪問カウンセリング,メールカウンセリングを新潟市と北海道東川町(夏期)でやっています。また,面会交流の相談・援助もやっています。公園カウンセリングや海岸カウンセリング,里山カウンセリングは,屋外で行なう個人カウンセリングや親子・夫婦の家族カウンセリング,子どもさんの遊戯療法などで,お近くの公園や自然の中で,ゆっくりとご自分やご家族のことなどを考えてみます。料金・時間は1回50分3,000円で,隔週1回,あるいは,月1回などで行ないます。訪問カウンセリングは,屋内で行なう個人カウンセリングや家族カウンセリング,子どもさんの遊戯療法などで,ご自宅やお近くの屋内施設で,じっくりとご自分やご家族...こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で,じーじ臨床心理士が公園カウンセリングや海岸カウンセリング,里山カウンセリングなどをやっています

  • 立原正秋『きぬた』1976・文春文庫-凛としたこころの父親を描く

    2018年秋のブログです*またまた本棚の隅っこに古い小説を見つけ出して、読んでしまいました。立原正秋さんの『きぬた』(1976・文春文庫)。じーじがまだ大学生の頃の本です(当時からこんな暗い小説を読んでいたんですから、やっぱりかなりネクラの大学生だったんでしょうね)。内容を一言で紹介するのはとても難しい小説で、あらすじもあえて書きませんが、生きる道に迷った男性とそれに翻弄される女性たち、そして、それらを静かに見守る主人公のこころの父親を描く、といったところでしょうか。もっとも、端正で、正確で、美しい日本語で知られる立原さんの小説ですので、登場人物の造形や内面描写はしっかりしていますし、男女の愛憎や親子の確執が描かれていても、底流には美しさへの希求が流れていて、読後感は悪くありません。立原さん独特の醜いもの...立原正秋『きぬた』1976・文春文庫-凛としたこころの父親を描く

  • 映画『レナードの朝』(1991)-精神神経疾患と闘う患者さんと医師らの勇気ある物語

    たぶん2017年のブログです*テレビを観ていたら、たまたま映画『レナードの朝』が始まりましたので、観はじめたらとうとう最後まで観てしまいました。この有名な映画をじーじはこれまできちんと観たことがなく(レナードさん、ごめんなさい)、今回、初めてしっかりと観させてもらいました。いい映画です。途中からは涙を浮かべながら観ていました。感想をひと言で述べるのは難しいです。いろんなことを考えながら、観ていました。精神科医のあり方とは?精神科看護師のあり方とは?精神科職員のあり方とは?そして、患者さんの回復とは?などなど。問いかけられているテーマは深く、重く、多層的で、答えも難しいです。しかし、どのようなことにせよ、患者さんに、より添う、という姿勢やこころ構えは、不可欠なのだろうと思います。そして、それらは、決して同情...映画『レナードの朝』(1991)-精神神経疾患と闘う患者さんと医師らの勇気ある物語

  • マラソン大会があったのですね?-じいじからのおてがみ・セレクト

    2022年10月、小6と小3の孫娘たちへのおてがみです*さーちゃん・あーちゃん、げんきですか?じいじはげんきです。ばあばはすごくげんきです。マラソン大会があったのですね。小学校のホームページを見ましたよ。3年生は1500メートル、6年生は1800メートルも走るのですね。すごい!すごい!タイムは去年とくらべてどうでしたか?あーちゃんもさーちゃんもあしがどんどん長くなっているので(!)、きょねんよりはやくなったかな?また、マラソン大会の作文をかいて(?)、がんばったようすをおしえてください。たのしみにしています。じいじより(2022.10記)マラソン大会があったのですね?-じいじからのおてがみ・セレクト

  • 野田知佑『風になれ波になれ-野田知佑カヌー対談集』1991・山と渓谷社-野田さんの素敵な対談集です

    2022年秋のブログです*本棚を眺めていたら、すみっこのほうに、野田知佑さんの『風になれ波になれ-野田知佑カヌー対談集』(1991・山と渓谷社)を見つける。かなり久しぶりで、中身は当然忘れている。1991年の本だから、なんと31年ぶり(野田さん、ごめんなさい)。雑誌『山と渓谷』に連載された野田さんの対談シリーズをまとめた本だが、対談相手がすごい。椎名誠さんと椎名さんの奥さんの渡辺一枝さんは当然としても(?)、立松和平さん、倉本聰さん、C・W・ニコルさん、遠藤ケイさんなどなど、そうそうたるメンバー。じーじの大好きな人たちばかりで、じーじはそれぞれの人たちの本を何冊ずつかは持っているが、野田さんとの対談は、椎名夫婦を除いては初めてで、すごく面白い。毎回、野田さんと対談相手のみなさんが、全国各地の川でカヌーをし...野田知佑『風になれ波になれ-野田知佑カヌー対談集』1991・山と渓谷社-野田さんの素敵な対談集です

  • 大騒ぎのJアラート(?)-じーじのじいじ日記・セレクト

    2022年10月4日の日記です*今朝、Jアラートがなる。北朝鮮からのミサイルが北海道や青森、伊豆諸島などに落下する可能性があるという(なんという広い範囲)。地下室や建物内に避難するようにとのこと。しばらくして、ミサイルは上空を通過して、太平洋に落下した模様と出る。人騒がせな通報だ。ミサイルが日本に落下するのか、通過するのかも識別できないとは…。こんなことで、本当にイージスで迎撃できるのだろうか?なさけないなぁ。太平洋に落ちるミサイルは前にも確かあったような?大騒ぎのわりに不確かな情報で、国民を不安にした事案だったと思う。そういえば、政府が内政で危ない時に、外に敵を作り、不安をあおり、内政の失敗から目をそらせるのは、政府の常套手段。統一教会の問題で支持率を下げている自民党政府にとっては格好の材料だったかもし...大騒ぎのJアラート(?)-じーじのじいじ日記・セレクト

  • 加賀乙彦『海霧』1992・新潮文庫-北海道の大自然の中の精神病院で働く心理療法士を描く

    2018年秋のブログです*加賀乙彦さんの『海霧』(1992・新潮文庫)を再読しました。久しぶりでしたが、いい小説で、いい物語を十分に堪能しました。加賀乙彦さんはご存じのように精神科医で小説家、その加賀さんが描く心理療法士はなかなかリアルです。描かれるテーマは恋愛、精神科医療、精神病院のあり方、精神病、心理療法、加えて、漁業、貧富の問題、そして、信仰、などなど、多様で多層的です。さらには、北海道の自然も魅力たっぷりに、しかし、自然の厳しさも含めて、美しく、確かな日本語で丁寧に描かれます。思わず引き込まれてしまい、ボランティアの最中にも読んでしまい(メンバーさん、ごめんなさい)、あっという間に読みおわりました。読後感はいいです。とても充足した感じです。結末は明るくはなく、幸せでもありませんが、なにか満たされた...加賀乙彦『海霧』1992・新潮文庫-北海道の大自然の中の精神病院で働く心理療法士を描く

  • 南木佳士『落葉小僧』1996・文春文庫-おとなが味わう生きる痛みと哀しさの物語たち

    2020年秋のブログです*南木佳士さんの短編集『落葉小僧』(1996・文春文庫)を再読しました。この本も本棚を眺めていたら、読んで、読んで、という感じで並んでいて、つい読んでしまいました。おそらく20数年ぶりです。当然(?)、中身は忘れていて、またまた新鮮な気持ちで(?)、読めました。南木さんはじーじの大好きな作家さんのお一人で、芥川賞を受賞した『ダイヤモンドダスト』以来、ずっと追いかけてきている小説家です。『阿弥陀堂だより』『冬物語』『医学生』その他もろもろ、いい小説だね、うまいなあ、とうなる小説が多いです。本書もすてきな短編小説が並んでいますが、じーじが今回、気に入ったのが、表題にもなっている「落葉小僧」とその続編の「金印」。いずれも信州の田舎の村で開業医をしている男性が主人公ですが、なかなかいい味を...南木佳士『落葉小僧』1996・文春文庫-おとなが味わう生きる痛みと哀しさの物語たち

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