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ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (臨床心理士・赤坂正人) https://blog.goo.ne.jp/red777slope

こころの困りごと・悩みごと相談でじーじ臨床心理士が公園カウンセリングや海岸カウンセリング、里山カウンセリング、訪問カウンセリングとメールカウンセリングや面会交流の相談・援助などをやっています

赤坂正人 1954年生まれ 家庭裁判所調査官として司法臨床に従事 放送大学大学院臨床心理学プログラム修了 心理カウンセリング個人開業 臨床心理士 新潟市西区 心理療法、家族療法、遊戯療法、面会交流の相談・援助など 精神分析学会、遊戯療法学会会員 論文「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006,『臨床心理学』)「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011,『遊戯療法学研究』)ほか

ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (臨床心理士・赤坂正人)
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2015/02/19

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  • 新野剛志『明日の色』2017・講談社文庫-決してめげない中年男子の頑張りを描く

    2018年1月のブログです*新野剛志さんの『明日の色』(2017・講談社文庫)を読みました。おもしろかったです。新野さんは小説『あぽやん』がヒットして直木賞候補になった作家さんですが、シリアスな小説も書いていて、私はそちらの作品も好きです。この小説は、いろいろな現実の中で決してめげない中年男を描く、とご紹介をしましたが、テーマは重層的で深いです。金儲け、離婚、別れた子どもとのつきあい、仕事、男同士のつきあい、友情、絵画、虐待体験、ホームレス、などなど。いずれもが、かなり苦しい状況で展開し、時には絶望的になりますが、主人公の中年男はなんとかしのいでいきます。まさに、しのぐ、という言葉どおりで、じーじはここで、生き残る、という精神分析の言葉を思い出しました。ふらふらになりながらも、決してつぶれないで、生き残る...新野剛志『明日の色』2017・講談社文庫-決してめげない中年男子の頑張りを描く

  • 北陸応援割が始まるらしい?また税金からだよね?-じーじのじいじ日記・セレクト

    2024年3月の日記です*北陸応援割が始まるらしい。税金による旅行割引だ。しかし、北陸を応援するなら、自腹を切って応援してほしい。税金による割引で応援をしても、地元の人はあんまりうれしくないのではないか。地域も北陸などと広範囲なことを言わずに、能登半島地震の被災地に限ってほしい。被災地は断水が続き、仮設住宅は十分でなく、復興はこれからだ。被災地の良心的なホテルや旅館には、二次避難の人々も多くいらっしゃるかもしれない。被災者の方々から地震や津波や火災のお話を聞くことは、都会からの応援旅行の人々にもきっと勉強になるはずだ。もし、日程に余裕があるなら、一日くらいはボランティアに参加するのもいい。それが本当の応援だ。税金を使っての応援割で、旅行に行ける人々とそれでも旅行に行けない人々との格差はますます広がってしま...北陸応援割が始まるらしい?また税金からだよね?-じーじのじいじ日記・セレクト

  • 柄谷行人『講演集成1995-2015 思想的地震』2017・ちくま学芸文庫

    2017年のブログです*柄谷行人さんの『講演集成1995-2015思想的地震』(2017・ちくま学芸文庫)を読みました。本の帯には、大いなる破壊の後に、思想は何を語れるか?とありますが、2011年の東日本大震災による被害を受けて、柄谷さんが考えたこと、語ったことが集められています。柄谷さんの本はこれまでにも何冊か読んでいますが、なかなか難しい本が多く、そんなにたくさんは読めていないのですが(柄谷さん、ごめんなさい)、今回は講演集なので、少しは読みやすいかな、と思って、手に取りましたが、やっぱり難しかったです(再び、ごめんなさい)。そんな中で、しかし、印象に残ったことを一つ、二つ…。まずは、東日本大震災で大勢の死者が出たことは、柄谷さんにとってとても大きな衝撃だったようで、講演の中では、それ以前の大震災や戦...柄谷行人『講演集成1995-2015思想的地震』2017・ちくま学芸文庫

  • 高田勝『ある日,原野で』1981・朝日新聞社-北海道を読む

    たぶん2015年ころのブログです*1981年の本,これも北海道の古本屋さんで2000年頃に買ったと思います。最近は昔に買って読んだ本を久しぶりにまた読み返しています。まるで北海道で放牧されている牛さんになったような気分です。高田さんは北海道根室に在住の人,道東の自然や人々へのまなざしが温かいです。風連湖,春国岱,野付半島…,自然のままの素敵な景色が出てきます。冬の厳しさは過酷ですが,その分,なんと豊かな自然なのかとためいきが出ます。そんな中で面白かったのは,原生花園を「新しく」作るというお話の顛末。野山を整備して,そこに高山植物などを植えるという嘘のような計画が持ち上がります。しかし,それでは「原生」花園ではなくなってしまいます。幸い計画は中止となり,豊かな自然はそのままで,名もない小さな「原生花園」とし...高田勝『ある日,原野で』1981・朝日新聞社-北海道を読む

  • 滝川一廣『「こころ」の本質とは何か-統合失調症・自閉症・不登校のふしぎ』2004・ちくま新書

    2019年5月のブログです*先日の遊戯療法学会で児童精神科医の滝川一廣さんのお話に感心をしたので、本棚の隅っこにあった滝川さんの『「こころ」の本質とは何か-統合失調症・自閉症・不登校のふしぎ』(2004・ちくま新書)を見つけ出して読む。久しぶりだが、いい本だ。統合失調症の発症の経過がとてもていねいに説明されて、中井久夫さんと同じくらいにわかりやすい。幻聴の生じ方もよく理解できる。自閉症に関しては、共同性という概念の導入で、こちらもとても理解しやすい。自閉症が単なる発達の正規分布の一部であることも述べられて(いわゆる自閉症スペクトラムだ)、いたずらに原因追及をすることの弊害も説明される。それよりも、関係性の発達の遅れととらえて、周囲がかかわることの大切さが説明される。昔と違って、一次産業や二次産業の人口が減...滝川一廣『「こころ」の本質とは何か-統合失調症・自閉症・不登校のふしぎ』2004・ちくま新書

  • 伊東徹秀『北紀行-風の恋歌』1995・麦秋社-北海道を読む

    2015年のブログです*伊東徹秀さんの『北紀行-風の恋歌』(1995・麦秋社)を再読しました。1995年の本ですが,帯広の古本屋さんのシールがついているので,おそらくは2000年前後に買って読んだ本だと思います。それでも15年ほど前になります。北海道の山々を歩いた紀行文が中心のエッセー集で,前回は狩場山を歩いた文章が記憶に強く残っていたのですが,今回は愛山渓から大雪山の沼や山々に入る紀行文が印象的でした。前に自分が歩いた道が出てきて,文章家が書くとこんなふうに描写されるんだと感動しました。前回も文章がうまいなと思ったのですが,今回はさらにその美しさと清冽さに感心させられました。本当にとてもいい文章です。読んでいて気持ちがよくなり,こころが洗われるような,すがすがしい感じになる文章です。文章でもカウンセリン...伊東徹秀『北紀行-風の恋歌』1995・麦秋社-北海道を読む

  • 夢はなかなかかなわないと思う、でも生きていくことはできると思う-じーじのひとりごと

    2022年3月のブログです*朝ドラを観ていて考えた。夢と挫折。スポーツ選手のインタヴューなどで、努力をすれば、夢は必ずかなう、という人がいる。確かに、努力をして、メダルを取る人はすばらしいと思う。ただ、そういう恵まれた人は少数ではないかとも思う。その陰には、努力をしても夢がかなわず、別な道に進んだりする人も多いだろう。夢はかなうものではなく、なかなかかなわないものだと思う。じーじの拙い文章で、青少年の夢を奪うことは避けたいが、人生とはそういう厳しいものだ。挫折は人生の常だ。でも、挫折をしても、そこで、また新しい夢を見つけることができるのも人間だ。新しい夢に向かって生きていくことは誰にでもできる。ひょっとすると、いろいろな夢を創造できることが、イコール、生きることなのかもしれない。夢に挫折をして、死んだ人生...夢はなかなかかなわないと思う、でも生きていくことはできると思う-じーじのひとりごと

  • 立原正秋『その年の冬』1984・講談社文庫-立原さんの最後の長編小説です

    2023年5月のブログです*立原正秋さんの長編小説『その年の冬』(1984・講談社文庫)を再読する。立原さん最後の長編小説。1979年(昭和54年)10月18日から読売新聞朝刊に連載され、翌年4月18日に第一部完となる。この間、立原さんは、1980年(昭和55年)2月に肺気腫ということで入院、3月1日にいったん退院をするが、4月7日に再入院、肺がんと判明する。立原さんは再入院後もこの作品を書き続け、しかし、さすがに、当初、9月までの連載予定を4月で第一部完という形にして、責任を果たす。すごいプロ意識と責任感に感動する。同年8月12日死去。立原さんらしい最後であった。この小説もあらすじはあえて書かないが、本物の生き方を求めるものと虚飾の世界を生きるものとの対比を厳しく描く。美しいものには温かく、優しいが、醜...立原正秋『その年の冬』1984・講談社文庫-立原さんの最後の長編小説です

  • 新潟では五つの自治体が北朝鮮のミサイルからの避難訓練をやるらしいです-じーじのひとりごと

    2023年5月の日記です*ニュースを見ていると、新潟の五つの自治体で北朝鮮からのミサイルの避難訓練をやるという。ご苦労なことだ。北朝鮮のミサイルはやっかいなことだが、狙いはアメリだろう。間違って日本に墜ちる可能性はなくはないだろうが…。仮に北朝鮮がミサイルを発射しても、日本ではすばらしい(?)Jアラートが鳴るから心配ない(?)。北朝鮮の発射位置やミサイルの飛行経路なんてばっちり把握だ(?)。日本海に墜ちるミサイルを、日本本土に墜ちるなんて予想をするようなことはまったくない(?)、と思う。もし間違ってミサイルが日本に着弾しそうな時は、イージスミサイルが撃破してくれる(?)、はずだ。だから、国民のみなさんが避難をする必要はない、と思う。なのに、なぜ避難訓練をするのだろう。どこかに心配のタネがあるのかな?怖いの...新潟では五つの自治体が北朝鮮のミサイルからの避難訓練をやるらしいです-じーじのひとりごと

  • 朝日新聞社編『わが思索 わが風土』(1974・朝日新聞社)ーキラ星のような執筆陣です

    2025年5月のブログです*朝日新聞社編『わが思索わが風土』(1974・朝日新聞社)をすごく久しぶりに読む。二階の隅っこの本の山から救出(?)した。1974年、じーじが大学2年生の時の本。朝日新聞に1年半にわたって連載されていた、とある。この執筆陣がすごい。加藤周一、渡辺一夫、小田実、神谷美恵子、花森安治、大岡昇平、森有正、宮本常一、などなど、キラ星のような豪華さ。こんな連載をしていた朝日新聞はやはりすごい。そして、大学2年でこんなすごい本を読んでいたじーじもすごい(?)。今、それぞれのかたがたの文章を改めて読んでみると、みなさん、そのお考えにブレがないことに感動する。すごい人たちは本当にすごいな、と感心する。この中で、意外な収穫(?)だったのが、森有正さん。森さんは有名な思想家だが、じーじはこれまで読ま...朝日新聞社編『わが思索わが風土』(1974・朝日新聞社)ーキラ星のような執筆陣です

  • カードの過払い金請求のコマーシャルを見て思ったこと-じーじのじいじ日記・セレクト

    2023年4月のブログです*テレビを見ていると、カードの過払い金請求のコマーシャルをよく見る。過払い金があるかどうか、弁護士や専門家が無料で調べてくれるらしい。親切な人たちがいるなぁ、と思うが、一方で、弁護士や専門家にいちいち相談しないと過払い金は戻ってこないのかあぁ、とも思ってしまう。じーじはカード制度や過払い金のことについてはまったくの素人で仕組みがわからないが、カード会社というのは、過払い金の請求がなければ、過払い金を返さなくてもいいという仕組みになっているらしい。すごい仕組みだ。おそらく、政府がいろいろな形で法律的にカード会社を優遇しているのだろうと思うが、それにしてもよくわからない仕組みだし、普通の社会では理屈の通らない話だと思う。過払い金が発生している可能性が大きいなら、カード会社は、請求され...カードの過払い金請求のコマーシャルを見て思ったこと-じーじのじいじ日記・セレクト

  • 村上春樹 『遠い太鼓』1993・講談社文庫-村上さんのギリシャ・イタリア滞在記です

    2019年のブログです*村上春樹さんの『遠い太鼓』(1993・講談社文庫)を再読しました。村上さんの1986年から1989年にかけてのギリシャとイタリア滞在記です(村上さんはこの間に『ノルウェイの森』と『ダンス・ダンス・ダンス』を書いています)。この本はかなり前から再読をしたかったのですが、やはり本棚の脇の文庫本の山の中に埋もれていて、背表紙は見えているのになかなか出せず、今回ようやくなんとか引っ張り出して読めました。面白かったです。30歳後半の若い村上さんと奥さんの姿を見ることができて、とても楽しいです。先日、ご紹介をした村上さんのアメリカ・プリンストンの滞在記である『やがて哀しき外国語』の少し前の外国滞在記になりますが、村上さんの行動や考え方がやはりかなり若い感じがして、これはこれで好ましいです。ギリ...村上春樹『遠い太鼓』1993・講談社文庫-村上さんのギリシャ・イタリア滞在記です

  • 金平茂紀『金平茂紀の新・ワジワジ通信』2019・沖縄タイムス社ー「報道特集」より少しだけ過激かもしれません!

    2022年5月のブログです*金平茂紀さんの『金平茂紀の新・ワジワジ通信』(2019・沖縄タイムス社)を読む。金平さんはご存じのかたも多いと思うが、TBSのニュース番組「報道特集」のキャスター。TBSの報道記者として、政府や自治体、大企業などを相手にいつも鋭い質問をされ、恐れを知らないかのようなその姿がすごい。最近では、ベラルーシの大統領やロシアの駐日大使にすごいインタヴューを行なった様子が印象に残る。東大を出てもこんなにすごい人もいるんだ、とびっくりする(東大を出て悪徳政治家や悪徳役人になっている者はともかく、真面目に頑張っているみなさん、ごめんなさい)。その金平さんが、取材で何年も沖縄に通いながら、地元の「沖縄タイムス」に連載したエッセイをまとめたのが本書のシリーズ。続巻の本書は2015年から2018年...金平茂紀『金平茂紀の新・ワジワジ通信』2019・沖縄タイムス社ー「報道特集」より少しだけ過激かもしれません!

  • 岡松和夫『無私の感触』2002・講談社-敗戦直後の日本で、文学や政治に真面目に取り組む青年を描く

    2023年5月のブログです*岡松和夫さんの『無私の感触』(2002・講談社)をすごく久しぶりに読む。おそらく20年ぶりくらいだ。本棚の横の本の山の中から発掘をした(?)。岡松和夫さんのことはどれくらい知られているのだろう(岡松さん、ごめんなさい)。じーじは、たぶん学生時代に、立原正秋さんの随筆に立原さんの近隣に住む友人として登場する岡松さんを知り、岡松さんと立原さんが小説の同人誌で切磋琢磨して以来の付き合いであることを知って、岡松さんの小説を読むようになった記憶がある。そして、岡松さんの小説の中で、若者を主人公とした『深く寝ざめよ』や『詩の季節』『魂ふる日』などを読んで、その端正で堅牢な日本語を味わっているが、一方で、きちんと読んでいない小説も多くあり、あまりいい読者とはいえないかもしれない(岡松さん、再...岡松和夫『無私の感触』2002・講談社-敗戦直後の日本で、文学や政治に真面目に取り組む青年を描く

  • 小野有五『北海道 森と川からの伝言』1997・北海道新聞社-北海道の自然保護を考える

    2020年4月のブログです*小野有五さんの『北海道森と川からの伝言』(1997・北海道新聞社)を久しぶりに読みました。面白かったです。小野さんは当時、北大大学院の先生。専攻は地球環境科学。その難しそうな肩書とはうらはらに、森や植物、川などのお話をわかりやすくしてくれます。もともとは「北海道新聞」に週1回連載されたエッセイ。ミズバショウやカタクリなどの春の花のお話から始まって、北大構内のハルニレ伐採のお話や札幌の河畔林伐採のお話、さらには、士幌高原道路とナキウサギのお話、千歳川放流路のお話、などなど、だんだんと深刻なお話になってきます。深刻になるのは小野さんのせいではなく、住民の声を聞かずに開発(?)を進めようとするお役所のせいなのですが、住民無視、企業優先のお役所体質は今も変わりません。小野さんのお話は、...小野有五『北海道森と川からの伝言』1997・北海道新聞社-北海道の自然保護を考える

  • 立原正秋『風景と慰藉』1974・中公文庫-立原さんのヨーロッパ・韓国紀行です

    2023年5月のブログです*立原正秋さんの紀行文集『風景と慰藉』(1974・中公文庫)をかなり久しぶりに読む。これも古い本で、当時、大学生だったじーじには少し難しいところがあったらしく、本にはめずらしくアンダーラインも付箋もなく(?)、きちんと読んだのか、やや不明(立原さん、ごめんなさい)。就職後も読んだのかどうか記憶がはっきりしない。しかし、改めて読んでみると、これがとてもいい本だった。じーじのその後の50年(!)の経験が無駄ではなかったようで、読んでいて立原さんの文章がこころに染み入ってくるような感じがする。本書は、立原さんのヨーロッパと韓国の紀行文集だが、ヨーロッパではスペイン・ポルトガル・ギリシア・イタリアを旅する。なかなか渋い選択だ。スペインやギリシアの大地を旅しながら、日本の風土との違いを考え...立原正秋『風景と慰藉』1974・中公文庫-立原さんのヨーロッパ・韓国紀行です

  • 保護者のPТA不加入と子どもの登校班拒否の問題-じーじのじいじ日記(2024.5)

    2024年5月の日記です*夕方のニュースを見ていたら、保護者がPТAに加入していない子どもが小学校の登校班に入れないという問題が出ていた。保護者のPТA不加入と子どもの登校班拒否とがどう関係するのかまったくわからない。同調社会の日本らしいことだなと思うが、笑いごとではすまされないだろう。PТAは保護者の任意参加が原則で、強制ではない。入らない保護者が増えるとPТAは困るかもしれないが、あくまでも任意の団体だ。困るPТAは対策を考えて、加入している保護者や教師と相談をして、できる範囲で行事を行なうべきだと思う。PТAに入らない保護者の子どもを小学校の登校班から締め出すというのはいじめだろう。もっとも、じーじが小学校の頃には登校班なんてなかったし、子どもたちの時もなかった。それで特に支障もなかったと思う。ニュ...保護者のPТA不加入と子どもの登校班拒否の問題-じーじのじいじ日記(2024.5)

  • 新潟のじーじのお部屋は孫娘たちも大好きなプレイルーム(?)-遊ぶことのちから

    2016年、上の孫娘が5歳、下の孫娘が2歳の時のブログです*車で1時間ほど離れたところに住んでいる孫娘たちが、時々、新潟に住んでいるじーじのところに遊びに来てくれます。車から降りた孫娘たちが最初に駆け込むのが2階にあるじーじのお部屋。上の孫娘は軽やかな足取りで、下の孫娘は一所懸命に階段をのぼってきます。じーじのお部屋に入ると、上の孫娘はお絵かきやパズル、風船遊びに、下の孫娘はぬり絵やお絵かき、シャボン玉に熱中です。上の孫娘はお絵かきがとても上手になりました。かわいい女の子の絵を描くことが多く、じーじが「これ、だーれ?」ときくと、「ママ!」とママが大喜びしそうな返事をします。そして、さっそく下の部屋にいるママのところに見せにいきます。下の孫娘の絵はまだ少し解読が困難。それでも、じーじが「うまいね」とほめると...新潟のじーじのお部屋は孫娘たちも大好きなプレイルーム(?)-遊ぶことのちから

  • チューリップを眺めながらの公園カウンセリングや原っぱカウンセリングは、こころもカラフル明るくなります

    こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で,じーじ臨床心理士が公園カウンセリングや原っぱカウンセリング,里山カウンセリング,海岸カウンセリングなどと訪問カウンセリングを新潟市で時々やっています。また,メールカウンセリングや面会交流の相談・援助もたまにやっています。公園カウンセリングや原っぱカウンセリング,里山カウンセリング,海岸カウンセリングなどは、屋外で行なう個人カウンセリングや親子・夫婦の家族カウンセリング,子どもさんの遊戯療法などで,お近くの公園や自然の中で,ゆっくりとご自分やご家族のことなどを考えてみます。料金・時間は1回,50分,3,000円で,隔週1回,あるいは,月1回などで行ないます。訪問カウンセリングは,屋内で行なう個人カウンセリングや家族カウンセリング,子どもさんの遊戯療法などで,ご自宅や...チューリップを眺めながらの公園カウンセリングや原っぱカウンセリングは、こころもカラフル明るくなります

  • 立原正秋『夢幻のなか』1976・新潮社-美意識・勁さ・潔さ

    2023年5月のブログです*立原正秋さんの随筆集『夢幻のなか』(1976・新潮社)を読む。すごく久しぶりの再読。本棚の横に積んであった単行本の山の中から発掘した(?)。1976年第1刷。貧乏学生だったのに、新刊で買ったらしい。相当、立原さんに熱中していたようだ。1976年(昭和51年)といえば、じーじは大学4年生。大学生のくせに、授業に出ないでこんな本(立原さん、ごめんなさい。先生方もごめんなさい)を読んでいたわけだ。しかし、今、読んでもいい本だ。あとがきに、立原正秋さんの3冊目の随筆集とある(1冊目、2冊目は、まだ本の山の中で迷子になっている)。立原さんの随筆といえば、読んだことのあるかたはおわかりだろうが、美しいものにはとても優しいが、醜いものや卑怯なものにはとても手厳しいことで印象的だ。小説も同じだ...立原正秋『夢幻のなか』1976・新潮社-美意識・勁さ・潔さ

  • オグデン(狩野力八郎監訳・藤山直樹訳)『こころのマトリックス-対象関係論との対話』1996・岩崎学術出版社

    2023年5月のブログです*久しぶりに再読をしたアメリカの精神分析家のオグデン(狩野力八郎監訳・藤山直樹訳)『こころのマトリックス-対象関係論との対話』(1996・岩崎学術出版社)をようやく読み終える。藤山直樹さんの翻訳デビュー作である。藤山さんが土居健郎さんの7年にわたるスーパーヴィジョンを終えて、狩野力八郎さんのスーパーヴィジョンを受けはじめた頃、狩野さんから紹介のあったこのオグデンさんの本を藤山さんが翻訳、それを狩野さんと藤山さんが4年をかけて検討したという労作。学者さんの世界も大変だ。オグデンさんの本の紹介は2冊目だと思うが、オグデンさんはアメリカの精神分析家で、フロイトさんやクラインさんの考えを深化させ、ウィニコットさんやビオンさんのアイデアを発展させている人で、じーじもよくわからないなりに(?...オグデン(狩野力八郎監訳・藤山直樹訳)『こころのマトリックス-対象関係論との対話』1996・岩崎学術出版社

  • 村上春樹・柴田元幸『翻訳夜話』2000・文春新書-翻訳という生き方

    2019年春のブログです*村上春樹さんと柴田元幸さんの『翻訳夜話』(2000・文春新書)を久しぶりに再読。ついこの間読んだような気がしていたが、19年も経っていた(村上さん、ごめんなさい)。そういえば、この時点で、村上さんは、キャッチャー・イン・ザ・ライもグレイト・ギャッツビーもまだ訳していなくて、いずれ訳してみたい、と話されている。話したことでこれらの翻訳が実現をしたということもあったのかもしれない。村上さんと柴田さんの翻訳をめぐる話は読んでいて、とても楽しい。東大の柴田さんの教え子たちの質問に答えたり、翻訳学校の生徒さんとお話したり、翻訳家のたまごさんたちと議論をしたり、いろんなレベルの人たちとの話の中で、村上さんの翻訳や小説などについての考えが読めて、刺激的だ。そして、面白かったのは、村上さんの「カ...村上春樹・柴田元幸『翻訳夜話』2000・文春新書-翻訳という生き方

  • 北山修ほか編『語り・物語・精神療法』2004・日本評論社-神田橋條治さんの症例検討会ライブがすごいです

    2023年5月のブログです*北山修・黒木俊秀さん編著の『語り・物語・精神療法』(2004・日本評論社)を久しぶりに再読する。2002年の第9回日本語臨床研究会の記録。日本語臨床研究会は、北山修さんや藤山直樹さんなどが参加されていた精神分析を日本語で研究しようという勉強会で、じーじも何回か参加させてもらったことがあるが、型にとらわれない、自由でなかなか刺激的な研究会だった。何回目だったかは忘れたが、甲南大学で行われた時に、中井久夫さんが講演をされたが、以前どこかにも書いたが、パワーポイントがお嫌いだという中井さんが、黒板にいっぱい板書をされてお話をされたのが印象的だったのを覚えている。今回もいろいろなプログラムがのっているが、圧巻なのが神田橋條治さんの症例検討会でも公開スーパーヴィジョン。すごい!のひと言だ...北山修ほか編『語り・物語・精神療法』2004・日本評論社-神田橋條治さんの症例検討会ライブがすごいです

  • イザベラ・バード(高梨健吉訳)『日本奥地紀行』1973・平凡社-英国婦人による明治11年の日本紀行

    2021年5月のブログです*先日、テレビを観ていたら、英国の旅行家イザベラ・バードさんの特集番組の再放送をやっていました。とても面白かったので、本も読もうと思い、本棚を探したところ、じーじにはめずらしく、すぐに見つかったので(?)、久しぶりに読みました。バードさんの『日本奥地紀行』(高梨健吉訳・1973・平凡社)。1878年(明治11年)にバードさんが通訳と2人で東日本を旅した時の紀行文で、横浜から関東、東北、北海道の日高地方まで旅した記録です。まだ道路がまったく整備されていない明治初期、人力車や馬、徒歩などによる旅行です。しかも、泊まる宿屋もノミや虫でひどいところが多く、さらに、外国人を初めて見る人々は、バードさんの泊まる部屋の障子にたくさんの穴を開けて(?)、興味津々と眺めます。そういう旅を続けて、北...イザベラ・バード(高梨健吉訳)『日本奥地紀行』1973・平凡社-英国婦人による明治11年の日本紀行

  • オグデン(藤山直樹監訳)『精神分析の再発見-考えることと夢見ること、学ぶことと忘れること』2021・木立の文庫

    2022年5月のブログです*アメリカの精神分析家であるオグデンさんの『精神分析の再発見-考えることと夢見ること、学ぶことと忘れること』(藤山直樹監訳・2021・木立の文庫)を読む。2021年10月の発行時に一回読み、半年後の今回、再読をする。勉強嫌いのじーじにはめずらしいこと。すごく面白い本だが、なかなか難しく、どれだけ理解できたか。再読をしても、感想文を書くほど理解できているかどうかもわからないが、とりあえず今の段階でわかっているらしいことを記す。そういえば、オグデンさんの本はとても面白くて数冊読んでいるが、いずれも感想文は書けずにいる。今後の課題だ(藤山さんの翻訳デビュー作であるオグデンさんの『こころのマトリックス-対象関係論との対話』(1996・岩崎学術出版社)もとてもいい本で、いつかご紹介できれば...オグデン(藤山直樹監訳)『精神分析の再発見-考えることと夢見ること、学ぶことと忘れること』2021・木立の文庫

  • ウェストン(青木枝朗訳)『日本アルプスの登山と探検』1997・岩波文庫-明治時代の山歩き

    2021年5月のブログです*ウォルター・ウェストンさんの『日本アルプスの登山と探検』(青木枝朗訳・1997・岩波文庫)を久しぶりに読みました。ウェストンさんは、初夏に上高地で行なわれるウェストン祭で有名なかたで、登山家。この本を読むのはおよそ20数年ぶり。40代後半になって、山歩きをするようになった頃に読んで以来です。このところ、なぜか明治から昭和にかけての山歩きの本を読んでいて、昔の山の紀行文を読むと、こころが落ち着いてとてもいいです。田部重治さん、木暮理太郎さん、武田久吉さん、若山牧水さん、などといった人たちの山の文章を読むと、昔の日本の山の美しさに感心させられますし、山里に住む人たちの素朴さにこころうたれます。古きよき日本の姿がたしかに描かれています。それは本書でも同様で、本書は明治20年代の日本ア...ウェストン(青木枝朗訳)『日本アルプスの登山と探検』1997・岩波文庫-明治時代の山歩き

  • 北山修ほか編『日本語臨床3「甘え」について考える』1999・星和書店-「甘え」の臨床に学ぶ

    2020年5月のブログです*北山修ほか編『日本語臨床3「甘え」について考える』(1999・星和書店)をかなり久しぶりに読みました。土居さんの「甘え」理論を1997年の第4回日本語臨床研究会で討議をしたあとの論文集ですが、読むのはなぜか久しぶりになってしまいました(土居さん、北山さん、ごめんなさい)。例によって、付箋やアンダーラインがあるものの、記憶がほとんどなく、なんと藤山直樹さんも論文を書いていて、ラッキーでした(一回読んだはずなのに、ラッキーもないのですが…。藤山さん、ごめんなさい)。言い訳になりますが、人はやはりその時の実力に応じた読書しかできないのですね。さて、今回の実力(?)で、印象に残ったことを一つ、二つ。一つは、小此木啓吾さんの論文。小此木さんは土居さんより10歳後輩らしいのですが、土居さん...北山修ほか編『日本語臨床3「甘え」について考える』1999・星和書店-「甘え」の臨床に学ぶ

  • 沢木耕太郎『旅のつばくろ』2020・新潮社-沢木さんが日本を旅する

    2020年5月のブログです*沢木耕太郎さんの『旅のつばくろ』(2020・新潮社)を読みました。沢木さんの新刊です(えっへん!すごいでしょ)。本書はJR東日本の車内誌「トランヴェール」に連載されたエッセイをまとめたもの。おもしろいです。老人になった(?)沢木さん(沢木さん、ごめんなさい。でも、沢木さんはじーじより7歳年上なのです)の、しかし、気持ちの若々しさがうらやましいです(何がちがうんだろ?)。旅は、沢木さんの高校時代の東北貧乏旅の思い出から始まって、東北、北陸の旅や思い出話などが綴られますが、沢木ファンには懐かしいお話も出てきます。例えば、エッセイ集『246』(たぶん?)に出てきたハチヤさん(養蜂家)のお話や、別のエッセイでの高倉健さんのお話、『深夜特急』でのお話などなど。また、作家吉村昭さんとの仙台...沢木耕太郎『旅のつばくろ』2020・新潮社-沢木さんが日本を旅する

  • 山中康裕『こころと精神のはざまで』2005・金剛出版-こどもごころを残したすてきな臨床家に学ぶ

    2020年5月のブログです*精神科医で遊戯療法家の山中康裕さんの『こころと精神のはざまで』(2005・金剛出版)を久しぶりに読みました。このところ、BS放送大学の小野けい子先生の「イメージと心理療法」を見ていて、ゲストで登場される山中さんの切れのいい、しかし、温かみとユーモアのあるお話をお聞きして、やはりすごい先生だな、と思い、何冊かの本を読み返しています。本書は、雑誌「臨床心理学」に、河合隼雄さんの後を受けて連載されたエッセイというか、論文で、山中さんの学術的な経験が本音でどんどんと語られます。バウムテストや絵画療法の思い出、ひきこもりの「内閉論」、こころの「窓」論、箱庭療法のカルフさんとの思い出、などなど、その専門性の高さはじーじも尊敬をするところです。また、河合隼雄さんだけでなく、中井久夫さんや木村...山中康裕『こころと精神のはざまで』2005・金剛出版-こどもごころを残したすてきな臨床家に学ぶ

  • 村上春樹 『猫を棄てる-父親について語るとき』2020・文藝春秋-村上さんが猫とお父さんを語る

    2020年4月のブログです*村上春樹さんの『猫を棄てる-父親について語るとき』(2020・文藝春秋)を読みました。つい最近、出た本ですが、小さな本ですので、あっという間に読んでしまいました。しかし、内容は深いです。村上さんのお父さんのことを書いた本ですが、村上さんとお父さんとの二人の思い出も出てきます。タイトルの、猫を棄てる、はそういう思い出の一つ。不思議な、しかし、少しだけほっとする、猫とのお話です。一方、お父さんのお話は、その青春時代が戦争中と重なっていて、なかなかつらいものがあります。中国で捕虜を虐殺するのを見た、という話を村上さんのお父さんがされるのを、村上さんは一回だけ聞いたことがあるそうですが、それがお父さんだけでなく、村上さんのこころにも、大きな影響を与えていることが記されています。父子の葛...村上春樹『猫を棄てる-父親について語るとき』2020・文藝春秋-村上さんが猫とお父さんを語る

  • 下坂幸三『摂食障害治療のこつ』2001・金剛出版-摂食障害とその家族に向き合う

    2019年5月のブログです*精神科医で精神分析家、家族療法家の下坂幸三さんの『摂食障害治療のこつ』(2001・金剛出版)を再読しました。先日、同じ下坂さんの『拒食と過食の心理-治療者のまなざし』(1999・岩波書店)を再読して、かなり勉強になったので、その続きです。この本もかなり久しぶりの再読。最近は摂食障害の患者さんにお会いすることがあまりないので、つい足が遠のいてしまいました。本書のほうが岩波本より2年後に出た本で、出版社も精神医学関係の会社からであり、少しだけ専門的かもしれませんが、基本はぶれていません。今回、印象に残ったことを、一つ、二つ。一つめは、繰り返しになりますが、面接論で、患者さんや家族の発言をなぞるように繰り返して、要約することの大切さ。このことはよく言われますし、たまたま、今読んでいる...下坂幸三『摂食障害治療のこつ』2001・金剛出版-摂食障害とその家族に向き合う

  • 米村晃多郎『サイロ物語』1980・作品社-北海道の農家と大自然を描く物語たち

    2020年4月のブログです*米村晃多郎さんの短編集『サイロ物語』(1980・作品社)を久しぶりに読みました。この本もだいぶ昔に帯広の古本屋さんで買ったもの。何回か読んではいるのですが、今回はかなり久しぶりになってしまいました(米村さん、ごめんなさい)。しかし、いい発見がありました!?なんと、あの天陽くんのモデルになった神田日勝さんをモデルにした小説があったのです(今ごろ気づいて、あった、もないのですが…)。日勝さんのことを昨年まではあまりよくわからずにいたので(日勝さん、ごめんなさい)、これまで読み流していたと思うのですが、今回は、えっへん!やっと気がつきました。日勝さんと奥さんの生活が戦後開拓農家の苦労話として、かなり詳しく描かれています。いい小説です。米村さんの文章はとても美しい日本語で、余韻が残って...米村晃多郎『サイロ物語』1980・作品社-北海道の農家と大自然を描く物語たち

  • 母の日,母性,ウィニコットさん-精神分析に学ぶ

    2015年5月のブログです*今日は「母の日」。「母の日」といえば「母親」や「母性」を連想しますね。ただし,「母性」は「=母親」というわけではありません。家庭裁判所の実務でも,子どもの監護に関しては,「母親優先」の原則ではなくて,「母性優先」の原則といわれています。子どもに大切なのは「母性」であって,「母性」は母親のみでなく,父親でも祖父母でも,あるいは第三者であっても,「母性的」な人間であれば誰でも実現可能と考えられています。また,小児科医で精神分析家のウィニコットさんは,「母性」の体現者について,「完璧な」母親ではなく,「ほどよい」母親が大切,と述べました。そして,「ほどよい」ことが子どもの創造性や遊びに重要なことを述べています。さらに,精神分析では,「母親」の乳房の身近さ,柔らか,温かさ,優しさ,美し...母の日,母性,ウィニコットさん-精神分析に学ぶ

  • 村上春樹 『ダンス・ダンス・ダンス』(上・下)1991・講談社文庫-『羊をめぐる冒険』の世界へ

    2019年6月のブログです*村上春樹さんの『ダンス・ダンス・ダンス』(上・下)(1991・講談社文庫)を再読しました。なんとなく、あらすじの一部をぼんやりと覚えているような気がしていたので、再読がしばらくぶりになってしまいましたが、細部はほとんど忘れていたので、例によって(?)、またまたとても新鮮な気分で読んでしまいました。さきほど、読み終えたばかり、この感情をどう表現したらいいのか、戸惑います。やはり、すごい小説です。今まで思っていた以上にすごいです。読むほどに、生きる経験を積んで読むほどに、うなずけることと不思議さの両方が、哀しみや微笑みや笑いととともに増えていきそうな小説です。そう、この小説の中で、読者は人生を生き、哀しみ、苦しみ、喜び、そして、死を眺めるのだと思います。生きることのしんどさ、辛さ、...村上春樹『ダンス・ダンス・ダンス』(上・下)1991・講談社文庫-『羊をめぐる冒険』の世界へ

  • 下坂幸三『拒食と過食の心理-治療者のまなざし』1999・岩波書店-摂食障害と向き合う

    2019年5月のブログです*精神科医で精神分析家の、家族療法家の下坂幸三さんの『拒食と過食の心理-治療者のまなざし』(1999・岩波書店)を再読しました。これもかなり久しぶりの再読。昔、家裁調査官の時に、万引きをした女の子が摂食障害の子で、対応に苦労した時に、下坂さんの本で勉強をしたことを思い出します。いわゆる不良少女とは違う真面目な女の子の非行で、非行というよりやはり精神的な病いとして理解する必要を感じたことがありました。以来、摂食障害はじーじの中で大切なテーマの一つですが、なかなか難しいです。この本もアンダーラインや付箋がいっぱいですが、どれくらいきちんと理解できているのかは心許ないですし、ましてやそれを心理療法の中でどれくらい実践できるのかについてはまだまだだな、と思ってしまいます。それでも、今回、...下坂幸三『拒食と過食の心理-治療者のまなざし』1999・岩波書店-摂食障害と向き合う

  • 藤沢周平『三屋清左衛門残日録』1992・文春文庫-老いることと生きること

    2019年5月のブログです*藤沢周平さんの『三屋清左衛門残日録』(1992・文春文庫)を再読しました。久しぶりでしたが、堪能しました。やはりいい小説です。この小説も、テレビドラマを観たのがきっかけで読みました。嫁役の南果歩さんがとても可愛かったのを覚えています。その後、原作を読んだのですが、すばらしい小説で、それがきっかけでじーじは藤沢周平さんの小説をたくさん読むことになりました。さて、本書、おとなの小説です。おとなというより年寄りの小説かもしれません。しかし、物語は結構、現代的で、描かれる主題は、例えば、組織で、あるいは、社会で、生きていく、とはどういうことか、と問いかけてきます。そして、そこに、男女のことがらが絡み、人として生きることとは、ということも出てきます。出てきますが、当然、正解はなく、様々な...藤沢周平『三屋清左衛門残日録』1992・文春文庫-老いることと生きること

  • 川上範夫『ウィニコットがひらく豊かな心理臨床-「ほどよい関係性」に基づく実践体験論』2012・明石書店

    2020年5月のブログです*心理療法家の川上範夫さんの『ウィニコットがひらく豊かな心理臨床-「ほどよい関係性」に基づく実践体験論』(2012・明石書店)を初めて読みました。川上さんの論文は、これまでにいくつか読ませていただいています。そのこまやかでていねいな実践を踏まえた論考にはすごく感心させられることが多かったのですが、今回、単行本を古本屋さんで手に入れることができました(こんないい本が品切れなのはもったいないことです)。すごい本です。川上さんは、ご自分のケースを紹介しながら、ウィニコットさんをとてもわかりやすく説明してくれていますが、それがすごいです。ウィニコットさんをこんなに深く理解して、説明されるかたはそういません。ひょっとすると、ウィニコットさんが表現できなかったことも説明されているような気もし...川上範夫『ウィニコットがひらく豊かな心理臨床-「ほどよい関係性」に基づく実践体験論』2012・明石書店

  • 読書三昧・村上春樹さん・藤沢周平さん-じーじのじいじ日記・セレクト

    2019年5月の日記です*金曜日のボランティアで疲れたせいか、週末は小説三昧。村上春樹さんの『ダンス・ダンス・ダンス』(2004・講談社文庫)と藤沢周平さんの『三屋清左衛門残日録』(1992・文春文庫)を交互に読む。すごい組み合わせ、自分でも驚く(!)。しかし、これがとてもいい。カステラとおせんべいを交互に食べているような感じ(?)。洋風と和風のコラボレーションだ。どちらもなかなか深くて、しかし、少々のユーモアが効いているので、読み心地がいいし、後にひく。人生とは、出世とは、仕事とは、男女とは、などなど、久しぶりに考えながら、しかし、時おり、ニヤリとしながら読む。どちらもおとなの小説で、じーじにも読みごたえを感じさせてくれる。いい週末だ。そして、もうすぐビールの時間だ。(2019.5記)読書三昧・村上春樹さん・藤沢周平さん-じーじのじいじ日記・セレクト

  • 30年ぶりの冬の北海道旅行は、さすがに寒いです!-じーじの2025冬の北海道の旅

    2025年2月9日(日)の日記です*今朝の旭川市の天気、雪時々晴れ、のちまた雪の予想。気温-8℃。比較的暖かめ(なんせ-20℃を覚悟してきたので、これくらいの気温なら大丈夫です(?)。ん?あ・さ・ひ・か・わ?そうなんです!じーじと安全地帯の玉置浩二さん、そして、なんと、やり投げ女子の北口遥花さんのふるさと旭川に来ています。北口さんは、じーじの高校の52年後輩。じーじは北口さんのひと昔前以上も前の大先輩にあたります(えっへん!もっともじーじは1年で転校をしてしまいましたが…)。さて、30年前の冬の北海道旅行では、ある雑誌の企画で、知床で流氷を見ながら、焚火を楽しむ!という贅沢を経験しました。今年の北海道では、旭山動物園のペンギンさんのお散歩タイムを楽しみます。そろそろ、出発しましょう。(2025.2記)*2...30年ぶりの冬の北海道旅行は、さすがに寒いです!-じーじの2025冬の北海道の旅

  • 神田橋條治『精神科診断面接のコツ』1984・岩崎学術出版社-精神科面接の名著に学ぶ

    2020年5月のブログです*神田橋條治さんの『精神科診断面接のコツ』(1984・岩崎学術出版社)を久しぶりに読みました。この有名な精神科臨床の面接の名著、じーじも家裁調査官の時代から何度も読んで参考にさせていただいていますが、感想文は初めてです。このまるで宝箱のような本を再読して、今の力量で何をどう感じるのか、自分で確かめてみたいと思いました。あいかわらず、付箋とアンダーラインだらけで、少し整理をしながら読み進めました。あくまでも、今の時点で印象に残ったことを一つ,二つ。一つめは、読んでいて思い出したのですが、ごく近い未来を予測することの大切さ。その後、この予測と結果を比較することで、面接や診断の善し悪しがわかり、面接の技術が上がるといいます。頷けます。二つめは、いつでも、あと5分で面接を終われるような面...神田橋條治『精神科診断面接のコツ』1984・岩崎学術出版社-精神科面接の名著に学ぶ

  • えぞゆきうさぎくんとの遭遇1回、きたきつねくん2回、美人ちゃん0回ーじーじの2025春の北海道の旅

    じーじの2025春の北海道の旅を総括(?)したい。まずは、えぞゆきうさぎくんとの遭遇1回、きたきつねくんとの遭遇2回、そして、美人ちゃんとの遭遇0回の件。うさぎくんときつねくんと合わせて3回遭遇したが、1か月弱の旅行で会えた回数としては最高に近い。東川町がいかに自然豊かかを証明していると思う。くまさんはまだ冬眠から目覚めたばかりで、美瑛の青い池や層雲峡でのお散歩だけだったようで、残念ながら今回もお会いすることはできなかった(?)。美人ちゃんも、以前のように、じーじをとり囲んだり、写真のモデルにしようとすることはなく(ブログがあります)、平穏な日々だった(?)。次が、あるお父さんのおしっこ遊戯療法(?)の件。すばらしい実践で(?)、びっくりしたし、すてきなお父さんがいるんだな、と感動した。さらには、雪の大雪...えぞゆきうさぎくんとの遭遇1回、きたきつねくん2回、美人ちゃん0回ーじーじの2025春の北海道の旅

  • 山中康裕『親子関係と子どものつまずき-子どもと教育を考える22』1985・岩波書店

    2019年5月のブログです*精神科医で遊戯療法家の山中康裕さんの『親子関係と子どものつまずき-子どもと教育を考える22』(1985・岩波書店)を再読しました。この本もかなり久しぶりで、本棚の隅のほうに隠れていた(?)のを見つけ出して、読んでみました。全然古くありません。まだ大家になる前の山中さんの若々しい姿が、そこにあって、新鮮な感じで読めてよかったです。自閉症の子どもさんなどのケースをていねいに提示して、ケースの理解と治療の様子をかなり詳しく述べておられるので、とても参考になります。山中さんは理屈抜きに、自分に正直に子どもさんやお母さんと向き合っており、やはりその情熱と熱意がすごいなと思います。例によって、今回、印象に残ったことを一つ、二つ。一つめは、子どもの出生について。世間では、子どもをつくる、つく...山中康裕『親子関係と子どものつまずき-子どもと教育を考える22』1985・岩波書店

  • 立原正秋『冬の旅』1973・新潮文庫-凛とした孤高の青年を描く

    2019年5月のブログです*立原正秋さんの『冬の旅』(1973・新潮文庫)を久しぶりに読みました。おそらく30代の終わりくらいに再読をして以来、約30年ぶりくらいの再読です。とてもいい小説で、記憶力の悪いじーじにしてはめずらしくあらすじを覚えていて、再読が久しぶりになってしまいました。本当にいい小説なので、あらすじだけでなく、文章もじっくりと味わうことができるのですが、すごいご無沙汰でもったいないことをしてしまいました。今回は、文章を丁寧に味わいながら、ゆっくり、ゆっくりと読みました。やはりすごい小説です。文章がたびたび胸に迫ってきて、こころを平静に保つのが難しくなることもありました。じーじが持っている文庫本は1973年に購入したもの。大学1年の時です。おそらく高校時代に「冬の旅」のテレビドラマを観て、印...立原正秋『冬の旅』1973・新潮文庫-凛とした孤高の青年を描く

  • 遊戯療法・箱庭療法・プレイセラピー-2019年遊戯療法学会

    2019年の日記です*昨日から遊戯療法学会で東京にいる。昨日はワークショップとシンポジウム。ワークショップは山中康裕さん。箱庭療法のカルフさんと思い出話。今も昔も「熱い」先生で尊敬をする。山中さんのお元気なお話を堪能してまことに幸せな時間を過ごす。シンポジウムは養護施設の子どもさんのケース。いつもお世話になっている新潟大の横山知行先生が指定討論者のお一人だったが、先生のすごいケースも提示されて、教わることが多かった。今日の午前中は研究発表。じーじは田中千穂子さんが助言者の分科会に参加したが、田中さんのあいかわらず切れのいい助言に酔う。とても幸せな時間だった。午後、もう少しだけ勉強をして帰りの新幹線に乗る予定。新幹線で吞むビールが今から楽しみだ。(2019.5記)*ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ...遊戯療法・箱庭療法・プレイセラピー-2019年遊戯療法学会

  • 冬の旅・愛読書・物語のちから-じーじのじいじ日記・セレクト

    2019年5月の日記です*昨日から立原正秋さんの『冬の旅』(1973・新潮文庫)を再読している。じーじにとってはもっとも大切な小説。「もっとも」という言葉は簡単には使いたくないが、この小説はじーじにとっては本当に大切な小説。この小説を読んだことで、非行少年の相手をしてみたくなり、臨床の世界に入ったからだ。おそらく、自分の中の、非行少年、不良少年、の部分に向き合わされたのだろうと思う。あらすじはさすがに、じーじにはめずらしく(?)まだ覚えているので、再読を少し迷ったが、やはりいい小説を読んで、こころを豊かにしたいな、という思いが強くなった。いい小説の文章の力、物語の力は、やはりすごいと思う。そういう意味で、再読をしたい大切な小説はまだたくさんあって、たとえば、村上春樹さんの『海辺のカフカ』(2005・新潮文...冬の旅・愛読書・物語のちから-じーじのじいじ日記・セレクト

  • 心理臨床・イメージ・箱庭療法-じーじのカウンセリング日記

    2019年5月の日記です*BSの放送大学の「心理臨床とイメージ」を見る。今日は箱庭療法の講義。講師は心理療法家、遊戯療法家の小野けい子先生。放送大学大学院で勉強していた時にたいへんお世話になった先生だ。臨床心理学、心理療法、箱庭療法、絵画療法など、とても詳しく、ていねいに、わかりやすく教えていただいた。そして、今日のゲストがなんと山中康裕さん。遊戯療法学会の会長で、このブログにも何度も登場している先生。じーじの尊敬する心理療法家だ。山中さんはスイスの箱庭療法家のカルフさんから箱庭療法を習い、その後、河合隼雄さんなどと一緒に、箱庭療法を世界的なものに発展させた人でもある。このお二人が箱庭療法のお話をするということで、とても豪華な講義である。久しぶりに学生になったような気分で真面目に勉強をする。実は今月中旬に...心理臨床・イメージ・箱庭療法-じーじのカウンセリング日記

  • 村上春樹 『やがて哀しき外国語』1997・講談社文庫-村上さんのプリンストン滞在記です

    2019年春のブログです*村上春樹さんのエッセイ『やがて哀しき外国語』(1997・講談社文庫)を再読しました。じーじが持っている本は2011年発行で、読むのはおそらく今回が3回目くらいかなと思います。もっと早くに再読したかったのですが、なぜか本棚の脇の文庫本の山(!)の下のほうに埋もれていて、やっと今回、救出(?)できました。面白かったです。そして、読んでいて、心地良かったです。村上さんのエッセイは文章のテンポがじーじと合うというか、のんびりな感じがして、あまり切れきれでないところがいいのかもしれません(?)。本書は村上さんがプリンストン大学で少しだけ授業を持っていた2年間のエッセイなのですが、村上さんらしさがたくさん出ていて面白いです。一例ですが、村上さんは当時、日本では新聞を取っていなかったとか、ニュ...村上春樹『やがて哀しき外国語』1997・講談社文庫-村上さんのプリンストン滞在記です

  • 河合隼雄『対話する生と死-ユング心理学の視点』2006・だいわ文庫-心理療法を深める

    2019年4月のブログです*河合隼雄さんの『対話する生と死-ユング心理学の視点』(2006・だいわ文庫)を再読しました。これもかなり久しぶりで、小さな文庫本なので、本棚の片隅にあったのを見つけて読んでみました。しかし、中身は充実していて、いい勉強になりました。さすがは河合さん!です。今回、特に印象に残ったところを一つ、二つ。一つめは、治療者の私が、もう一人の私としての病者を自覚すると、病者の心の中のもう一人の私としての治療者が働きはじめる、ということ。深い言葉です。転移・逆転移を表現しているとも言えそうですし、患者さんの自己治癒力の発現の機序を語っているようにも思えますし、さらには、もっと深いことがらを表現しているようにも思えます。たぶん北山修さんも同じようなことを話されていて、もっともっと考えてみたいな...河合隼雄『対話する生と死-ユング心理学の視点』2006・だいわ文庫-心理療法を深める

  • 村上春樹『女のいない男たち』2016・文春文庫-おとなが味わう不思議な小説たち

    2016年のブログです*村上さんの短編集『女のいない男たち』(2016・文春文庫)を読みました。単行本は2014年に出ましたので、3年ふりの再読です。いつものことですが、年のせいもあって記憶力が低下しており、あらすじをかすかに覚えている作品もありましたが、ほとんど初めて読むように(?)、新鮮な気持ちで読みました。不思議な味わいの小説が多いです。そしておとなが楽しめる小説だと思います。じつは今、河合俊雄さんの『村上春樹の「物語」-夢テキストとして読み解く』(2011・新潮社)を再読中です。その中で河合さんが、村上さんの小説はあまり分析をしても意味がなく、純粋に味うことが大切、と指摘をされています。そんな中で感想を述べることはやや難しいのですが、この短編集は、読むとどんどん「不思議な」感覚の中に入っていくよう...村上春樹『女のいない男たち』2016・文春文庫-おとなが味わう不思議な小説たち

  • 加藤周一『夕陽妄語2 1992-2000』2016・ちくま文庫-ドイツと日本の戦争責任のあり方を考える

    2022年5月のブログです*加藤周一さんの『夕陽妄語21992-2000』(2016・ちくま文庫)を再読する。加藤さんの『夕陽妄語』の感想文は、なぜか、『1』と『3』だけがあって(よかったら読んでみてください)、『2』がなかったので、再読してみた。1992年から2000年にかけて、『朝日新聞』に月1回ずつ連載されたエッセイをまとめたもの。この間、日本では、戦後50年問題、阪神淡路大震災、オウムサリン事件などがあり、海外ではユーゴスラビア紛争その他が起きた。加藤さんはそれぞれの出来事を冷静に、時に熱く述べるが、じーじの見るところ、その通底には日本の戦争責任のあり方の不十分さを問うているものがあるように感じられた(加藤さん、間違っていたら、ごめんなさい)。ドイツが、ナチスの戦争責任とそれへの協力者に対して長年...加藤周一『夕陽妄語21992-2000』2016・ちくま文庫-ドイツと日本の戦争責任のあり方を考える

  • 東北・道の駅・車中泊-じーじの2019東北の旅・5

    2019年5月の日記です*今朝、新潟に戻る。6泊7日の東北の旅。初めての日本海側の旅だったので、じーじもワクワク、ドキドキの旅だった。三内丸山遺跡もすごかったし、本州から見る北海道もすごかった。時間や空間が雄大になった感じで、今も気持ちがいい。一方、車中泊をした道の駅。人さまのことは言えないが、車中泊の車が増えてたいへん。ホテルや旅館に泊らない貧乏人が増えているのかな?景気が悪いのかな?やはり消費税増額などをしている場合ではないのかもしれない。というより、この際、消費税は廃止したほうがいいかも…。足りない税収は大企業や高額所得者からいっぱいいただくようにしたい。ちょうど参議院選挙もあるし、ひょっとすると衆議院選挙もあるかもしれず、いい機会かも?貧乏な庶民をいじめる消費税は廃止しましょう!あ、久しぶりに吠え...東北・道の駅・車中泊-じーじの2019東北の旅・5

  • 桜吹雪の山形・庄内路を南下中です-じーじの2019東北の旅・4

    2019年5月のブログです*今日の東北地方日本海側はやや強めの風。わが愛車タントくんは秋田から山形県庄内地方に入りました。散りかけの桜が風に舞って、タントくんのフロントガラスに付き、とってもきれい。無粋なじーじでもひと時の詩人にしてくれそうです。山形美人ちゃんは…、と探しますが、風が強いせいか、見当たりません。残念。途中、日帰り温泉があったので寄りました。湯船がいくつもあって、立派な温泉。5分以上入らないこと、と書かれた湯船もあって、本格的です。旅の疲れを癒しました。庄内は作家藤沢周平さんのふるさと。あちらこちらから周平さんの描くお侍さんや農民さんが出てきそうな雰囲気です。しばらく読んでいなかったので、帰ったらまた読みたいと思います。さてさて、旅も終盤。安全運転で新潟を目指します。(2019.5記)桜吹雪の山形・庄内路を南下中です-じーじの2019東北の旅・4

  • 川上弘美『ゆっくりさよならをとなえる』2004・新潮文庫-電車の中で読むのは少し危険な本です

    2019年5月のブログです*川上弘美さんのエッセイ集『ゆっくりさよならをとなえる』(2004・新潮文庫)を再読しました。川上さんのエッセイを読むのは、『赤ゾンビ…』以来ですかね?少し前の本で、本棚の端のほうでなんとなく寂しそうにしているのを見つけて(?)読みました。いい本です。軽いタッチの文章のわりに、なんというかいみじみとした感じが漂っていて、文章も少しだけ寂し気です。しかし、内容がとても面白いので、時々、フフフ、と笑ってしまいます。大笑いをするわけではないのですが、時おり軽く笑ってしまうので、電車の中では要注意です。もともとは日経や朝日、中日などの新聞や月刊雑誌に連載したエッセイたちらしいのですが、こんなに笑わせていいのだろうか、と思ったりしながら読んでいました。川上さんのサービス精神もあるのかもしれ...川上弘美『ゆっくりさよならをとなえる』2004・新潮文庫-電車の中で読むのは少し危険な本です

  • 今年の5月1日は秋田美人ちゃんがいっぱいです!-じーじの2019東北の旅・3

    2019年5月のブログです*5月1日といえばメーデー。現役時代はメーデーの行進をしたものですが、引退後はひとり旅の日々。今日は秋田県内を南下しました。秋田美人といいいますが、確かに美人ちゃんが多いです。街を歩く女性の2人に1人は美人ちゃん。青森も意外と(?)美人ちゃんが多く、街を歩く3人に1人は美人ちゃんでしたが、さすがは秋田です。美人恐怖症のじーじにはうれしい悲鳴(?)。そういえば、じーじの母方の先祖は秋田出身(ちなみに父方は仙台出身で、戊辰戦争後に北海道に渡ったらしいです)。ということで、じーじも秋田美人の血をひいていますが(?)、そんなじーじが新潟美人の奥さんと結婚をしましたので、その間にできた娘(孫娘たちのママですね)は新潟・秋田連合の最強の美人ちゃん。孫娘たちも新潟・秋田最強連合の血をひいた美人...今年の5月1日は秋田美人ちゃんがいっぱいです!-じーじの2019東北の旅・3

  • 司馬遼太郎『胡蝶の夢』(1)~(4) 1983・新潮文庫-幕末・維新の「医」を描く

    2019年3月のブログです*司馬遼太郎さんの『胡蝶の夢』(1)~(4)(1983・新潮文庫)を再読しました。本棚を眺めていたら目にとまって読み始めたのですが、すごく久しぶりで、おそらく十数年ぶりです。いい小説なのに、じーじの怠慢で、ご無沙汰しすぎです。こういういい小説は、年寄りになったら、もっともっと読んで、こころを豊かにしなくてはいけません。反省です。さて、この小説、紹介するのはなかなかたいへんです。主人公は幕末の医師松本良順。千葉・佐倉のオランダ医学所である順天堂の出身ですが、将軍の医師にまでなります。その良順が自らオランダ医学を学ぶために、長崎でオランダの軍医ポンぺから西洋医学を学ぶ学校を作るのですが、この小説はそこで学んだ同僚や後輩たちとの物語ということになりそうです。特に、幕府一筋の良順と、佐渡...司馬遼太郎『胡蝶の夢』(1)~(4)1983・新潮文庫-幕末・維新の「医」を描く

  • 雄大ですばらしい津軽海峡春景色(?)-じーじの2019東北の旅・2

    2019年5月のブログです*昨日、4月30日は津軽半島の北端、竜飛崎に行ってきました。ここも前から来てみたかったところ、本州から北海道を眺めてみました。すばらしいです。雄大な眺め。北海道の渡島半島や百名山の駒ヶ岳、そして、函館山まで見えます。日本海には渡島大島と渡島小島。いずれも無人島ですが、なかなか立派です。小樽行きのフェリーから見たことはありましたが、本州から見るのは初めて。なかなか興味深いです。いずれも意外と近く感じます。小心者のじーじでさえ、行ってみたいな、と思ってしまいますので、昔の勇敢な縄文人はきっと丸木船で渡ったのではないでしょうか。北海道の黒曜石が三内丸山遺跡から出てきますので、おそらくそういう縄文人がいたのでしょう。あるいは、北海道のアイヌの人たちもそうだったのでしょうか。夢は広がります...雄大ですばらしい津軽海峡春景色(?)-じーじの2019東北の旅・2

  • 椎名誠『おなかがすいた ハラペコだ。』(2019・集英社文庫)-シーナさん・たき火・ハラペコ

    2019年4月のブログです*シーナさんの椎名誠『おなかがすいたハラペコだ。』(2019・集英社文庫)を読む。シーナさんの久しぶりの文庫本新刊、すごくおもしろい。本書は雑誌「女性のひろば」に連載をされたエッセイで、食についての文章が並ぶ。世界中を旅行して、いろいろな食べ物を食べてきているシーナさんだけに、その文章はすごい。シーナさんは辺境の旅が多いので、そこでの食べ物も決して高価なものではないが、新鮮、素朴で、うなずけるものがたくさん出てくる。一方で、子どもたちが独立し、愛妻との二人の食事や、その愛妻も旅に出て、一人っきりでの食事も描かれる。ここではシーナさんはシーナじいじいになってしまうが(じーじと同じだ)、これはこれで楽しそうだ。総じて、シーナさんの場合、高価なものに背中を向け、身近なものの良さを再発見...椎名誠『おなかがすいたハラペコだ。』(2019・集英社文庫)-シーナさん・たき火・ハラペコ

  • 桜満開の青森にやってきました-じーじの2019東北の旅・1

    2019年4月のブログです*10連休ということで、ボランティアもお休みなので、じーじも貧乏旅に出ることにしました。目的地は青森の三内丸山遺跡。去年、司馬遼太郎さんの『北のまほろば』(街道をゆく)を読んで、一度行きたいと思い、今回、実現しました。4月27日に新潟を出発、その日は秋田の道の駅で車中泊、そして、28日の午後、三内丸山遺跡に着きました。すごかったです。5000年前の縄文の人たちの遺跡。特に、大きくて高い物見やぐら(?)、すごいのひと言です。5000年前にあんな大きな建物を造るなんて、感動です。現代人にも負けていません。人の営みというものに感動をします。実際に見てみて、本当によかったと思いました。29日はこちらも念願の本州最北端の大間崎。本州から北海道を見てみたいと思い、行ってみたのですが、こちらも...桜満開の青森にやってきました-じーじの2019東北の旅・1

  • 村上春樹『ラオスにいったい何があるというんですか?-紀行文集』2018・文春文庫

    2018年4月のブログです*村上春樹さんの『ラオスにいったい何があるというんですか?-紀行文集』(2018・文春文庫)を読みました。2015年に単行本が出ていて、2回くらい読んでいたのですが、今回の文庫本には、その後にあった熊本地震の後に書かれた「熊本再訪」が収録されているとのことでしたので、さっそく買ってしまいました。やっぱりおもしろかったです。表題は、ラオスに行く途中に、飛行機の乗り継ぎで寄ったヴェトナムのハノイの人の言葉ですが、村上さんは、その何かを探すために旅をするのだと思う、と書いています。たしかに、団体旅行やパック旅行とは違って、自分の足で歩く旅というのは、そういうものかもしれません。今回の村上さんの旅は、ボストン、ニューヨーク、ギリシャ、イタリア、ラオス、アイスランド、フィンランド、熊本、な...村上春樹『ラオスにいったい何があるというんですか?-紀行文集』2018・文春文庫

  • 鳩沢佐美夫『コタンに死す-鳩沢佐美夫作品集』1973・新人物往来社-アイヌ民族からの叫びをきく

    2020年4月のブログです*アイヌ民族の作家である鳩沢佐美夫さんの『コタンに死す-鳩沢佐美夫作品集』(1973・新人物往来社)を再読しました。この本は20年くらい前に帯広の古本屋さんで購入したもので、一度読んだきりだったのですが(鳩沢さん、ごめんなさい)、今回、すごく久しぶりに読みました。1973年、じーじが大学に入った年の本ですが、内容は全く古くありません。それどころか、アイヌの人々への差別問題だけでなく、最近、問題になった知的障碍者の避妊手術事件などがすでに描かれていて、作者の問題意識の深さにびっくりさせられます。短編集ですが、じーじは作者の自伝的な小説である二つの小説が印象に残りました。一つはおばあちゃんとの思い出話を描いたもの。おばあちゃんのアイヌ民族の知恵がたくさん描かれていて、美しい小説です。...鳩沢佐美夫『コタンに死す-鳩沢佐美夫作品集』1973・新人物往来社-アイヌ民族からの叫びをきく

  • 東直己『鈴蘭』2010・角川春樹事務所-私立探偵・畝原シリーズ第8作、生きる哀しみと喜びを描く

    2023年4月のブログです*東直己さんの『鈴蘭』(2010・角川春樹事務所)を読む。私立探偵・畝原シリーズの第8作。生きる哀しみと喜びを描いている、と思う。いい小説だ。このところ、樋口有介さんと東直己さんの小説にはまっていて、ずっと読み続ける毎日。幸せな日々だ。主人公の畝原は、第4作の『熾火』で関わりのできたみなしごを引き取り、養女とし、さらに、長年、娘の学童保育を通じて付き合いのあった女性とその連れ子と一緒に生活をするようになる。娘と再婚した女性の連れ子の女の子と養女との3人の女の子の父親となって、なかなかにぎやかだ。第5作から第8作まで、畝原が私立探偵として関わる事件とともに、女の子たちの成長ぶりが読んでいて楽しいが、特に養女となったみなしごの成長ぶりにとても癒される。その子は、保護された時、虐待の跡...東直己『鈴蘭』2010・角川春樹事務所-私立探偵・畝原シリーズ第8作、生きる哀しみと喜びを描く

  • 菜の花を眺めながらの公園カウンセリングは、こころもきれいに明るくなります

    こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で,じーじ臨床心理士が公園カウンセリングや海岸カウンセリング,里山カウンセリングと訪問カウンセリングを新潟市で時々やっています。また,メールカウンセリングや面会交流の相談・援助もたまにやっています。公園カウンセリングや海岸カウンセリング,里山カウンセリングは,屋外で行なう個人カウンセリングや親子・夫婦の家族カウンセリング,子どもさんの遊戯療法などで,お近くの公園や自然の中で,ゆっくりとご自分やご家族のことなどを考えてみます。料金・時間は1回,50分,3,000円で,隔週1回,あるいは,月1回などで行ないます。訪問カウンセリングは,屋内で行なう個人カウンセリングや家族カウンセリング,子どもさんの遊戯療法などで,ご自宅やお近くの屋内施設で,じっくりとご自分やご家族のことな...菜の花を眺めながらの公園カウンセリングは、こころもきれいに明るくなります

  • 坂本直行『山・原野・牧場-ある牧場の生活』1975・茗溪堂-直行さんの素敵な画文集です

    2020年3月のブログです*先日、坂本直行さんの息子さんの坂本嵩さんの『開拓一家と動物たち』を読みましたので、こんどは直行さんご自身の『山・原野・牧場-ある牧場の生活』(1975・茗溪堂)を久しぶりに読みました。直行さんは何度もご紹介していますが、六花亭の包装紙の花の絵を描かれたかた。この本にもいくつかのきれいな草花の絵が描かれています。もっとも、直行さんが有名なのは花の絵だけではなく、山の絵もすばらしく、日高の山や利尻、大雪など数多くの山の絵を描かれていて、じーじの部屋にも直行さんの山の絵や花の絵が孫娘たちの絵と並んで(直行さん、ごめんなさい)、たくさん飾ってあります。本書は昭和初期に北海道の南十勝で開拓に従事した独身時代の直行さんと仲間の生活が描かれていますが、希望に燃えた若者の頑張りが読んでいて楽し...坂本直行『山・原野・牧場-ある牧場の生活』1975・茗溪堂-直行さんの素敵な画文集です

  • うんどうかいがあるのですね。見にいきたいなあ-じいじからのおてがみ・セレクト

    2022年4月、小6と小3の孫娘たちへのおてがみです*さーちゃん・あーちゃん、メールとしゃしんをどうもありがとう。ふたりともあいかわらずびじんちゃんですね。こころがうつくしい人は、おかおもうつくしいらしいです。よしよし!うんどうかいがあるのですね。見にいきたいなあ。100メートルと80メートルとリレーも走るのですね。すごいなあ!このあいだ、こうえんであーちゃんとかけっこをしたら、あーちゃんがすごくはやくなっていて、びっくりしました。さすがは3年生です。こんどはさーちゃんともはしってみたいですね。5月のれんきゅう、たのしみにしています。にいがたのじいじより(2022.4記)うんどうかいがあるのですね。見にいきたいなあ-じいじからのおてがみ・セレクト

  • 坂本嵩『開拓一家と動物たち-北の大地に素手で立ち向かった開拓家族の生活誌』1996・朝文社-直行さん一家の開拓話

    2020年3月のブログです*坂本嵩さんの『開拓一家と動物たち-北の大地に素手で立ち向かった開拓家族の生活誌』(1996・朝文社)を再読しました。坂本嵩さんは六花亭の包装紙の草花の絵で有名な坂本直行さんの二男さん。その6人兄妹の二男坊の目から見た直行さん一家の北海道十勝での開拓生活がとても魅力的に描かれます。魅力的といっても開拓地のこと、その生活はいろいろと我慢と苦労の多いものですが、一方で、大自然の中での素敵な生活でもあります。馬や牛、羊、豚、鶏などとの生活、じゃがいもやとうもろこし、ビートなどの畑作、そして、熊の恐怖。今から70年から80年前の十勝です。当然、電気もない生活。しかし、一家は厳しい自然の中で協力をして、開拓の生活を進めます。そして、豊かな自然の中で子どもたちは伸び伸びと育ちます。嵩少年は料...坂本嵩『開拓一家と動物たち-北の大地に素手で立ち向かった開拓家族の生活誌』1996・朝文社-直行さん一家の開拓話

  • 村上春樹 『羊をめぐる冒険』(上・下)1985・講談社文庫-ふしぎな「冒険」を味わう

    2015年のブログです*村上春樹さんの『職業としての小説家』を読んでいたら,村上さんの小説も読みたくなり,本棚の上に積み上げていた文庫本の『羊をめぐる冒険』を読みました。約10年ぶりくらいで,5回目くらいの再読です。しかし,とっても新鮮でした。あらすじや表現がうろ覚えになっていたというせいもあるのかもしれませんが,ドキドキ,ワクワクしながら読み通しました。文体というか,文章がやはり新鮮です。こんな文章は村上さんくらいでしょう。個人的には,樋口有介さんの文章が少し近い気もしますが,これだけ深く,重い内容を,これだけ軽やかな文章で表せるのは,やはり村上ワールドだと思います。今回,気づいたのは(今頃になって気づくのは少しはずかしいのですが…),底流に大きく流れているのは,戦争と権力に反対するというテーマ。戦争,...村上春樹『羊をめぐる冒険』(上・下)1985・講談社文庫-ふしぎな「冒険」を味わう

  • 梨木香歩『西の魔女が死んだ』2001・新潮文庫-おばあちゃんの知恵と対話をしながら成長する女の子を描く

    たぶん2017年のブログです*自然の素晴らしさやすごさや厳しさなどをていねいに小説やエッセイに描いていらっしゃる梨木香歩さんの小説、『西の魔女が死んだ』(2001・新潮文庫)をようやく読みました。前から気になってはいたのですが、なかなか読めずにいて、ようやく読めました(梨木さん、ごめんなさい)。いい小説です。いろいろ大切なことが、自然に述べられていて、心地よいです。主人公は、友達関係から不登校になった女の子。気分転換をかねて、おばあちゃんのうちでしばらく過ごします。お父さんやお母さんとは違う価値観、考え方、生活スタイルの中で過ごすうちに、女の子も少しずつ変化します。楽しいことや甘いことだけではなく、厳しいことやつらいこと、悲しいことともいっぱい遭遇しますが、少しずつ女の子は強くなっていきます。いろんなこと...梨木香歩『西の魔女が死んだ』2001・新潮文庫-おばあちゃんの知恵と対話をしながら成長する女の子を描く

  • 宮下奈都『羊と鋼の森』2018・文春文庫-調律師の青年のこころと魂の成長を描く

    2018年2月のブログです*宮下奈都さんの『羊と鋼の森』(2018・文春文庫)を読みました。2016年の本屋大賞受賞作で、読むのを楽しみにしていましたが、ようやく文庫本で出ましたので、さっそく読みました。期待にたがわず、とてもいい小説です。17歳の秋、たまたますばらしい調律師と出会い、その感動のあまり、自分もそんな存在になりたいと調律師になった青年のこころと魂の成長をていねいに描いた小説です。あこがれの調律師だけでなく、職場の先輩調律師や女性事務員さんも、それぞれがひとくせもふたくせもありながら、主人公の純粋さと真剣に向き合ってくれます。主人公は、ひとことでいうと、ねくらで奥手な青年。北海道の山奥で育った田舎者の青年で、不安や焦りや少しの希望で胸がはち切れそうな状態。そんなナイーブな青年が少しずつ周囲に助...宮下奈都『羊と鋼の森』2018・文春文庫-調律師の青年のこころと魂の成長を描く

  • 村上春樹『職業としての小説家』2015・スイッチパブリッシング-小説家としての覚悟を語る+追記です

    2015年のブログです*村上さんの『職業としての小説家』(2015・スイッチパブリッシング)を読みました(なぜかマックス・ウェーバーさんの『職業としての学問』を思い出したのですが,あまり関係はないのかな?)。とても刺激的な本です。小説家としての村上さんの覚悟が述べられていると思います。もちろん,村上さんのことですから,押しつけはしていませんが…。正直に,ご自分の立場,考え,小説の書き方,体の鍛え方(長編小説を書くには体力も大切らしいです)などが述べられています。意外だったのは(意外でもないか?),小説を書き上げると最初に奥さんに読んでもらうということ。よくエッセイなどで,奥さんが怒ってる時には小さくなってやりすごすしかない,などと書いているので心配をしていましたが,なんだ!仲よし夫婦なんですね。よかった,...村上春樹『職業としての小説家』2015・スイッチパブリッシング-小説家としての覚悟を語る+追記です

  • 村上春樹『街とその不確かな壁』2023・新潮社-喪失・疎外・魂

    2023年4月のブログです*村上春樹さんの『街とその不確かな壁』(2023・新潮社)を読む。重厚な物語だと思う。まだ一回読んだだけなので、今後、印象は変わるかもしれないが、一回読んだところで連想したことは、喪失、疎外、魂、という言葉。激しい喪失が何度も描かれる。読んでいても胸が痛くなるようないくつかの喪失。そして、喪失による哀しみ。人生は喪失と哀しみの繰り返しなんだなあ、と思う。次に、疎外。現実社会でも、壁の「街」でも、人々は疎外されている。疎外されて、生き生きと生きられず、なかば死んだように生きる。何かを恐れるように、生きる。個性は潰され、人々は平板な人生を生きる。そこに魂はない。一方、信ずることの大切さが述べられる。何を信ずるかにもよるのだろうが、信ずることと魂の復権は関係するのかもしれない。重厚で重...村上春樹『街とその不確かな壁』2023・新潮社-喪失・疎外・魂

  • 東直己『悲鳴』2001・角川春樹事務所-東直己さんの私立探偵・畝原シリーズの第3作です

    2023年4月のブログです*東直己さんの小説『悲鳴』(2001・角川春樹事務所)を久しぶりに読む。このところ、樋口有介さんと東直己さんの小説にはまってしまい、ずっと読み続けている。この小説は、東さんの私立探偵・畝原シリーズの第3作。ご存じのかたもいらっしゃるかもしれないが、東さんにはススキノ探偵シリーズがあって、映画化もされて、それなりに知られているが、こちらの私立探偵・畝原シリーズも負けないくらいに面白い。舞台はやはり札幌。地元の元大手新聞の記者だったが、事件関係者の陰謀で誤認逮捕をされ、新聞社を解雇された中年男性が主人公。奥さんに逃げられ、小学生の女の子を育てながら、私立探偵をして生計を立てている。その畝原の正義感と、以前と変わらずに友情を示してくれる友人らの姿が読んでいてすがすがしい。しかし、仕事に...東直己『悲鳴』2001・角川春樹事務所-東直己さんの私立探偵・畝原シリーズの第3作です

  • 子育て支援金は敵基地攻撃用ミサイルのトマホーク代を充てませんか?-じーじのじいじ日記・セレクト

    2024年2月の日記です*ニュースを見ていると、子育て支援金で当面、月500円程度を保険料に上乗せして徴収することになるという。計算によれば、月1,000円程度になる国民もいるらしく、えらい「増税」である(政府は「増税」でないというが、言葉のペテンにすぎない)。じーじのような年金生活者は、税金プラス介護保険料だけでもアップアップなのに、どういうことかと思う。子育て支援にお金を使うことには反対しないが、あくまでも税金の範囲内で行なうべきだろう。税金といえば、防衛費の増額が著しい。特にびっくりしたのが、敵基地攻撃能力の議論。議論がきちんとなされないままに、攻撃用ミサイルのトマホークの購入が決まってしまったらしい。憲法違反の可能性もあるのに、そんなに拙速に決めていいのだろうか。1発数億円、400発を注文するらし...子育て支援金は敵基地攻撃用ミサイルのトマホーク代を充てませんか?-じーじのじいじ日記・セレクト

  • 辻仁成『函館物語』1998・集英社文庫-辻仁成さんの青春時代の函館と今の函館を歩く

    2021年2月のブログです*辻仁成さんの『函館物語』(1998・集英社文庫)をすごく久しぶりに読みました。20年ぶりくらいでしょうか。本棚の上のほうに重ねてあったのですが、偶然、目にとまりました。おもしろかったです。2日間で一気に読んでしまいました。辻さんは青春時代の4年間を函館で過ごされたそうですが、その思い出の地を散策する旅行記です。じつは、じーじは函館の生まれ。母の実家が函館にあって、そこで生まれました。1年ほどで旭川に引っ越したので、育った記憶はないのですが、時々、函館のじーじとばーばのところに遊びに行ったので、函館の記憶は少しだけあります。親戚がお寿司屋さんをやっていたので、遊びに行くと、お寿司をお腹いっぱい食べさせてもらった楽しい記憶があります。さて、本書、辻さんの青春時代の函館と今の(といっ...辻仁成『函館物語』1998・集英社文庫-辻仁成さんの青春時代の函館と今の函館を歩く

  • 坂本直行『雪原の足あと』1965・茗溪堂-直行さんの画文集を姿勢正しく(?)読む

    2020年4月のブログです*坂本直行さんの画文集『雪原の足あと』(1965・茗溪堂)を読む。ふだん読書の時は座椅子に寝っ転がって読んでいるので、大きな本は敬遠気味だが(直行さん、ごめんなさい)、今回は姿勢正しく直行さんの大判の本を読む。直行さんが原野での開墾生活をやめて、画業一本になってからの本で、山歩きの話や開墾生活の思い出が語られ、それに山や花の絵が添えられている。とても贅沢な本で、六花亭の包装紙で有名なきれいな花々や六花の森の売店の絵葉書などでしか見れなかったすばらしい山の絵が、大判の本の中にいっぱいだ。見ていると気持ちがすがすがしくなってくる。こころが疲れた時などには、ぜひ眺めたいと思う。今後は姿勢正しく(?)、直行さんの本を読んでいきたい。(2020.4記)*2024年春の追記です今も直行さんの...坂本直行『雪原の足あと』1965・茗溪堂-直行さんの画文集を姿勢正しく(?)読む

  • 安保法を見据えてのベトナム寄港と踏切の安全問題のニュースを見て考える-じーじのひとりごと

    2016年のブログです(ずいぶん前の文章ですが、その後も政府のやっていることは戦争への再軍備化だと思われるので、再録します)*先日、海上自衛隊の自衛艦がベトナムの港に寄港をしているニュースを見ました。自衛隊の艦船がベトナムに(?)、何のためなのか、よくわかりませんでした。安保法のせいなのでしょうか。当然、中国は抗議の声明を出していました。それらを見て、じーじは、日本を守るために、自衛隊がベトナムにまで行く必要があるのだろうか、と単純に思いました。そして、ひょっとすると、太平洋戦争の前にも、これと同じような光景がアジアの各地であったのかな、と想像をしました。ベトナムにいる日本人を守るためにという理由で、また、中国や東南アジアの国々にいる日本人を守るためにという理由で、自衛隊があちこちに派遣されるのでしょうか...安保法を見据えてのベトナム寄港と踏切の安全問題のニュースを見て考える-じーじのひとりごと

  • 椎名誠『三匹のかいじゅう』2013・集英社-三匹の孫かいじゅうとシーナじいじいの物語です

    2019年4月のブログです*椎名誠さんの『三匹のかいじゅう』(2013・集英社)を再読しました。シーナじいじいの孫物語シリーズの第三作。シーナさんの息子さんの岳くん家族が、第三子を日本で出産するためにアメリカから来日、その前後のシーナさんのじいじいぶりが描かれます。おもしろいです。とてもおもしろいです。じーじにも心当たりがあるようなできごともあって、思わず笑ってしまいます。頻繁に笑ってしまい、この本も電車の中で読むのは危ない本だと思いました。第三子は無事に生まれ、琉太くんと名づけられます。そして、風太くん、海ちゃん、琉太くんの三匹のかいじゅう相手にシーナじいじいの奮闘が始まります。しかし、2011年3月11日の東日本大震災があり、その後、原発事故が起こります。シーナじいじいは孫たちへの放射能汚染を心配して...椎名誠『三匹のかいじゅう』2013・集英社-三匹の孫かいじゅうとシーナじいじいの物語です

  • キタキツネくんを眺めながらの公園カウンセリングは、こころもこんこん軽やかになりそうです

    こころの困りごと・悩みごと相談で,じーじ臨床心理士が公園カウンセリングや海岸カウンセリング,里山カウンセリングと訪問カウンセリングを新潟市で時々やっています。また,メールカウンセリングや面会交流の相談・援助もたまにやっています。公園カウンセリングや海岸カウンセリング,里山カウンセリングは,屋外で行なう個人カウンセリングや親子・夫婦の家族カウンセリング,子どもさんの遊戯療法などで,お近くの公園や自然の中で,ゆっくりとご自分やご家族のことなどを考えてみます。料金・時間は1回,50分,3,000円で,隔週1回,あるいは,月1回などで行ないます。訪問カウンセリングは,屋内で行なう個人カウンセリングや家族カウンセリング,子どもさんの遊戯療法などで,ご自宅やお近くの屋内施設で,じっくりとご自分やご家族のことなどを考え...キタキツネくんを眺めながらの公園カウンセリングは、こころもこんこん軽やかになりそうです

  • 喜多由布子『知床の少女』2007・講談社-北のじーじとばーばの知恵に学ぶ

    2020年4月のブログです*喜多由布子さんの小説『知床の少女』(2007・講談社)をしばらくぶりに読みました。いい小説です。涙もろいじーじは、終わりのほうは、涙じわーんで読んでしまいました。高校受験に失敗をして、浪人中の女の子が主人公。家庭不和もあって、精神的に余裕がなくなっています。そんな女の子に、札幌に住むじーじが遊びに来ることをすすめます(いいじーじですね)。そして、じーじのはからいで知床で水産工場を営む、さくらばあ、というばーばのところに。そこで、働く人たちとの生活の中で、女の子は本当にだいじなことはなにかを学んでいきます。飾りはないけど、質素で純朴な人たち。厳しいけれど、こころ温かい人々とのやりとりの中で、女の子は都会では見失われている大切なものに気づいていきます。梨木香歩さんの『西の魔女が死ん...喜多由布子『知床の少女』2007・講談社-北のじーじとばーばの知恵に学ぶ

  • 山秋真『ためされた地方自治-原発の代理戦争にゆれた能登半島・珠洲市民の13年』2007・桂書房

    2024年4月のブログです*山秋真さんの『ためされた地方自治-原発の代理戦争にゆれた能登半島・珠洲市民の13年』(2007・桂書房)を読む。今年3月、TBS「報道特集」の能登半島地震の特集番組を見ていたら、久しぶりに金平茂紀さんが出ていて、地元の人から珠洲岸発の話を取材していた。珠洲原発?じーじはうかつにも全く知らなかった。調べてみると、1980年代に能登半島の珠洲に北陸電力・関西電力・中部電力が原発を作る計画を発表、反対派と賛成派が激しく争ったが、2003年に電力3社が撤退を表明したという。この間、新潟の巻原発計画では、住民投票の末に反対派が勝利し、東北電力は撤退をしている(じーじも組合の役員をしている時だったので、こっそりと原発反対のビラ配りにいったりした)。珠洲原発計画では、賛成派の選挙違反や土地の...山秋真『ためされた地方自治-原発の代理戦争にゆれた能登半島・珠洲市民の13年』2007・桂書房

  • 村上春樹 ・川上未映子『みみずくは黄昏に飛びたつ』2017・新潮社-ただのインタヴューでは「あらない」です

    2017年4月のブログです*村上春樹さんに作家の川上未映子さんがインタヴューをした『みみずくは黄昏に飛びたつ』(2017・新潮社)を読みました。すごく面白かったです。騎士団長ふうにいうと、ただのインタヴューでは「あらない」、です。とても深いインタヴューです。もともと村上さんの大フアンである川上さんが、周到な用意をしてのインタヴューで、しかし、その鋭い(?)質問に村上さんは飄々と答えています。時には、村上さんも熱く語る場面がありますが、やはり基本は真面目さに裏づけられたユーモアとゆとり、という印象です。そこが村上さんの真骨頂なのでしょう。個人的には、ここのところ、『騎士団長殺し』に出てきた、スバル・フォレスターのタイヤケース、が、そんなのあったっけ?と、少しだけ心配だったのです(村上さんのことだから間違いは...村上春樹・川上未映子『みみずくは黄昏に飛びたつ』2017・新潮社-ただのインタヴューでは「あらない」です

  • 朝ドラ「虎に翼」を観て-じーじのじいじ日記

    2024年4月の日記です*朝ドラ「虎に翼」を観る。じーじは朝ドラはあまり観ないほうだが、今回は裁判所が舞台なので、観ている。主人公の寅子さんが元気いっぱいでいい。寅子さんのモデルは三淵嘉子さん。女性初の弁護士で、後に裁判官になり、さらには、女性初の裁判所長になったという方だ。じつは、じーじが50年くらい前に浦和の家庭裁判所(今のさいたま家裁ですね)に採用になった時の所長さんが三淵さん。びっくり、ぽん!だ(古いなあ)。三淵さんから採用辞令をいただいたはずなのだが、全然記憶がない(三淵さん、ごめんなさい)。じーじが緊張していて、記憶がないのかもしれない(じーじにもそういう時代があったんだなあー)。当時は、そんなにすごい経歴の方とはまったく知らずに、おばさんの裁判官が所長さんなんだ、と思っていた(三淵さん、再び...朝ドラ「虎に翼」を観て-じーじのじいじ日記

  • あーちゃん、さくぶんがじょうずになりましたね!-じいじからのおてがみ・セレクト

    2022年4月、小6と小3の孫娘へのお手紙です*さーちゃん・あーちゃん、げんきですか。じいじはげんきです。ばあばはすごくげんきです。あーちゃんのアルバム、まいにちみています。あーちゃん、さくぶんがじょうずになりましたね。マラソンたいかいのさくぶん、とてもいいですね。あーちゃんが、はしりながらおもったことやかんがえたことが、すなおにかかれていて、とてもすてきです。よんでいるじいじまでげんきになります。1ねんせいのときに、ママとえにっきをがんばったおかげかな?こんどまた、あたらしいさくぶんをかいたら、よませてください。たのしみにしています。そして、さーちゃんのさくぶんもぜひよんでみたいです。にいがたのじいじより(2022.4記)あーちゃん、さくぶんがじょうずになりましたね!-じいじからのおてがみ・セレクト

  • なつ・じーちゃん・北海道弁ーじーじのじいじ日記・セレクト

    2019年4月の日記です*またまた、「なつぞら」を観てしまう。不覚にも(?)、面白い。フフフ、と小声で笑いながら観てしまう。勧善懲悪でないところがいい。矛盾と葛藤と、その他もろもろを、そのまま描いているところがいい。その底に、少しのユーモアと優しさが透けて見えて、なんだか心地よい。じーじのふるさと北海道のお話、というだけでなくて、いいと思う。十勝の自然を観ていると、気持ちが雄大になる。北海道弁を聞いていると、なんだかなつかしくなる。やっぱりふるさとはいい。言っていることが矛盾しているか?しかし、矛盾も大切だ。矛盾と葛藤の中でこそ人は大きくなる、と誰かが言っていた(誰だ?)。じーじもたまには、じーじ、ではなく、じーちゃん、と呼ばれてみたい!じーじの孫娘たちは、ほんのたまに、じーちゃん、と呼んでくれることもあ...なつ・じーちゃん・北海道弁ーじーじのじいじ日記・セレクト

  • 雪の狩勝峠を越えて帯広にやってきました-じーじの2025春の北海道の旅

    2025年4月のブログです*今朝の東川は雨。新聞の天気欄を見ると、一日中雨の予報。他の土地の予報を見ても、上川盆地はみんな雨。晴れるところはないかな?と探してみると、帯広が晴れそう。それで、予報を信じて、帯広に向かうことにした。グーグルくんを見ると、車で3時間、ちょうどいい。で、出発。松山千春くんを聴きながら、車を走らす。途中、南富良野の道の駅あたりでみぞれから雪になる。狩勝峠は完全に雪。4月半ばの雪は人生で初めてだ。北海道は広い!スタッドレスタイヤのままで来て、よかった。さすが、どさんこ!自画自賛。しばらくして、道の駅音更。なつぞらの道の駅だ。さらに、北上して、道の駅上士幌。日本一になったことがあるらしく、きれいなところだ。さて、今日は、どこの道の駅で車中泊をしようか。ぜいたくな悩みで(?)、困っている...雪の狩勝峠を越えて帯広にやってきました-じーじの2025春の北海道の旅

  • なつ・なつぞら・十勝-じーじのじいじ日記・セレクト

    2019年4月の日記です*NHKの朝ドラ「なつぞら」を観てしまう(朝ドラはあまり観ないほうだが、今回はやっぱりじーじのふるさと北海道が舞台なので、つい観てしまう)。いつの間にか、急に登場人物が大きくなっていて、驚く。月日の経つのは早い。じーじも年を取るわけだ(?)。小さななつも可愛かったが、大きくなったなつも悪くはない(少々美人過ぎるのがなんだが…。美人恐怖症のじーじにはやや辛い?)。しかし、それにしても、十勝の自然はいい。それだけ、気候は厳しいわけだが…。今日は、大きくなったなつがじーちゃんに勧められて馬で登校する。まるで西部劇のようだ。そういえば、十勝を訪れると、なんとなく外国の雰囲気が漂っているのは気のせいでもないのかもしれない。じゃがいも、牛乳、バター、どれも素朴だが、とてもおいしい。コメ作りが主...なつ・なつぞら・十勝-じーじのじいじ日記・セレクト

  • チューリップの国旗とチューリップの国歌の夢を見た-じーじのじいじ日記・セレクト

    2023年12月の日記です*お昼寝をしていたら、とても楽しい夢を見た。日の丸がチューリップの図柄(!)の国旗にかわり、国歌が君が代にかわってチューリップの歌(!)になるというもの。すごいでしょう!夢の中では、小学校の入学式で、新入生がチューリップの花を持ち、チューリップの国旗に向かって、チューリップの国歌を元気に歌っていた。日の丸・君が代の強制が厭で、自分の子どもたちの入学式と卒業式は全部欠席したじーじだが(子どもたち、ごめん)、こういう入学式や卒業式なら列席してみたい。孫娘たちが学生のうちに実現しないかな?そうしたら、じーじもぜひ出席させてもらって、チューリップの歌を大声で歌いたい(?)。そもそも、日の丸はもとより、菊や桜の図柄だと、なんとなくキナ臭いイメージがつきまとう。その点、チューリップはいい。チ...チューリップの国旗とチューリップの国歌の夢を見た-じーじのじいじ日記・セレクト

  • 村上春樹『海辺のカフカ』(上・下)2011・新潮文庫-生きることの不思議さとユーモアの大切さを味わう本物の物語

    2017年4月のブログです*村上さんの新作『騎士団長殺し』を読んでいたら、『海辺のカフカ』を思い出しました。物語の底を流れるユーモアの質にじーじは同じような印象を受けました。特に、ホシノくんをめぐるユーモアと同質のように思える前向きなユーモアは絶品だと思います。どんなに苦しい状況でもホシノくんのようなユーモアがあれば、なんとかなれそうな気がします。『海辺のカフカ』については2012年にブログを書いていて、とても十分な文章とはいえませんが、しかし、全くの的外れでもないようなので、再録してみます。(2017.4記)*2012年のブログです村上春樹さんの『海辺のカフカ』を再読しました。単行本が出てすぐ、ついこないだに読んだばかりのような気がしていたのですが(この間、いろいろな村上春樹論を読んでいたせいもあるかも...村上春樹『海辺のカフカ』(上・下)2011・新潮文庫-生きることの不思議さとユーモアの大切さを味わう本物の物語

  • 2歳の孫娘の保育園デビューにおける小さくてもとっても大きな大冒険!-遊ぶことのちから

    2016年、下の孫娘が2歳、上の孫娘が5歳の時のブログです*車で1時間ほど離れた町に住んでいる孫娘たちが遊びに来ました。2人とも元気いっぱいです。2歳になる下の孫娘はこの4月に保育園に入園しました。いよいよ保育園デビューです。年少さんのさらに一つ下のチョー年少ぐみで、「こあらぐみ」というのだそうです(とてもかわいいネーミングですね。園長せんせいの「あそびごころ」がひかります)。最初は、おうちがいい!、と下の孫娘は泣き叫んだようですが、今では笑顔で通園バスに乗って保育園に通っているようです。我が家に来ると、下の孫娘は覚えたての「チューリップ」のうたを大声で歌って、なにやら自慢げです。さらには、お絵かきを始めて、画用紙に大きなまるを描いては、でかい!といい、小さなまるを描いては、ちっちゃい!とお話しています。...2歳の孫娘の保育園デビューにおける小さくてもとっても大きな大冒険!-遊ぶことのちから

  • 氏原寛・成田善弘編『転移/逆転移-臨床の現場から』1997・人文書院-心理療法における転移・逆転移を学ぶ

    2020年6月のブログです*氏原寛さんと成田善弘さんが編集された『転移/逆転移-臨床の現場から』(1997・人文書院)を久しぶりに読みました。中級者向けの事例中心の本ですが、理論面でもかなり高い水準の本で、じーじなどはまだまだ十分に読み込めていない論文もあります。2001年に購入したと思うのですが、購入の動機は若き日の藤山直樹さんと松木邦裕さんの論文があったことから。お二人とも、いい論文を寄せられています。藤山さんは、「私」の危機としての転移/逆転移、というテーマで、心理療法中の「再演」などの危機の状況の時に、どのくらい事態を読めるかの重要性などについて論じています。提示されている事例がすごいケースで、勉強になります。松木さんも、難しい事例の中で、転移の占める部分をできるだけ明確に理解していくことの大切さ...氏原寛・成田善弘編『転移/逆転移-臨床の現場から』1997・人文書院-心理療法における転移・逆転移を学ぶ

  • エゾユキウサギくんを眺めながらの公園カウンセリングは、こころもぴょんぴょん元気になりそうです

    こころの困りごと・悩みごと相談で,じーじ臨床心理士が公園カウンセリングや海岸カウンセリング,里山カウンセリング,訪問カウンセリング,メールカウンセリングを新潟市と北海道東川町(夏期)でやっています。また,面会交流の相談・援助もやっています。公園カウンセリングや海岸カウンセリング,里山カウンセリングは,屋外で行なう個人カウンセリングや親子・夫婦の家族カウンセリング,子どもさんの遊戯療法などで,お近くの公園や自然の中で,ゆっくりとご自分やご家族のことなどを考えてみます。料金・時間は1回50分3,000円で,隔週1回,あるいは,月1回などで行ないます。訪問カウンセリングは,屋内で行なう個人カウンセリングや家族カウンセリング,子どもさんの遊戯療法などで,ご自宅やお近くの屋内施設で,じっくりとご自分やご家族のことな...エゾユキウサギくんを眺めながらの公園カウンセリングは、こころもぴょんぴょん元気になります

  • 今朝のびっくりはきたきつねくんとの遭遇です!-じーじの2025春の北海道の旅

    2025年4月のブログです*じーじの北海道の旅では、いろいろとびっくりすることが多いが、今朝はなんときたきつねくんとの遭遇!いつものように、道の駅の近くの公園を散歩していると、前方から茶色の動物が接近!最初は丸っこいのでたぬきくんかな?と思ったが、よく見るときたきつねくん!夏に見るガリガリにやせた姿ではなく、冬を越したせいか丸々と太っていて、しっぽもすごく太くて立派!堂々としている。見ていると、臆することなく近くまで来て、平然と通りすぎる。思わず、後ろを振りむいて、見送ってしまった(じーじはふだん美人ちゃんとすれ違っても、めったに振りむくことはないが(?)、今回は思わず振りむいてしまった)。そして、不覚にも(?)少しだけ後をつけてしまったが、きたきつねくんのあしは早く、あっという間に見えなくなってしまった...今朝のびっくりはきたきつねくんとの遭遇です!-じーじの2025春の北海道の旅

  • 相田信男『実践・精神分析的精神療法-個人療法そして集団療法』2006・金剛出版-精神科病院での実践に学ぶ

    2020年4月のブログです*相田信男さんの『実践・精神分析的精神療法-個人療法そして集団療法』(2006・金剛出版)を読みました。相田さんは精神科医で群馬県にある精神科病院の院長先生、そして慶応大学医学部の講師、さらに精神分析協会正会員というかた。じーじはお名前を知っている程度でしたが(相田さん、ごめんなさい)、去年秋の札幌での精神分析学会の分科会でみっちりとお話をお聞きして、すごいちからのあるかただなと驚きました。若手治療者のケース検討会の助言者をされたのですが、お話が的確で正確、かつわかりやすい語りで、本当に勉強になりました。そして、その相田さんの本を読んでみたくなり、今回、本書を読みました。この本もすごい本で、相田さんは正直に飾りなく、さまざまな事柄を率直に語っていらっしゃいます。例によって、印象に...相田信男『実践・精神分析的精神療法-個人療法そして集団療法』2006・金剛出版-精神科病院での実践に学ぶ

  • 今朝の東川町は晴れ、気温0.8℃、寒いですが、十勝岳連峰がきれいです!-じーじの2025春の北海道の旅

    2025年4月のブログです*東川町に車中泊。今朝6時の天気晴れ、気温0.8℃、寒い!しかし、大雪山がよく見える。旭岳は日の出の逆光で黒く見えるが、中腹の噴煙までが見える。一方、十勝岳連峰が真っ白で、とてもきれい!十勝岳、美瑛岳、美瑛富士、富良野岳などが並ぶ。十勝岳は噴煙をもくもくと上げて、すごい。そういえば、十勝岳は1962年に噴火をした。当時、じーじは旭川市立大有小学校の2年生。担任の佐藤ひでお先生(英夫せんせい、だったように思うがあやしい。お世話になったのに、ごめんなさい)が、クラスの生徒を小学校の3階まで連れて行ってくれて、黒い噴煙をもくもくとあげる十勝岳を見せてくださった。思えば、じーじの火山好き、地学好きは、ここから始まったような気がする(佐藤先生、ありがとうございます)。山が噴火をするというこ...今朝の東川町は晴れ、気温0.8℃、寒いですが、十勝岳連峰がきれいです!-じーじの2025春の北海道の旅

  • 中井久夫『精神科治療の覚書』1982・日本評論社-中井さんの名著に細やかさやていねいさを学ぶ

    2024年4月のブログです*中井久夫さんの『精神科治療の覚書』(1982・日本評論社)をかなり久しぶりに読む。中井さんの名著なのに、再読がすっかり遅くなった。反省。中井さんが日々の精神科治療で経験されたことをすごく細やかに、ていねいに記されていて、勉強になる。真摯な精神科医はこんなにもいろいろなことを考えて治療をされているのか、と本当に感心させられる。それでいて、そこから患者さん中心の精神医学が立ち上がってくるさまが見えてくるようですごい。例は違うかもしれないが、松田道夫さんの『育児の百科』を思い出す。松田さんも、子どもの症状をていねいに細やかに記して、そこから親ごさんが安心できるような情報を導き出すが、そこがそっくりな印象を受ける。患者さんや家族を大切にする大家は分野が違っても、同じような作業をされてい...中井久夫『精神科治療の覚書』1982・日本評論社-中井さんの名著に細やかさやていねいさを学ぶ

  • 春の北海道で残雪と戯れながら露天風呂に入ってみました!

    2025年4月のブログです*毎年、夏に東川の道の駅に車中泊をすると、お邪魔をしている隣り町の東神楽町にある日帰り温泉がある。露天風呂から大雪山が見えて、それはいい眺めの露天風呂が最高。丘の上にある温泉で、露天風呂はさらに高いところにあるので、目隠しなどはなく、大雪山とまわりの景色が素敵だ。そこの露天風呂に今回、入ってみることにした。テレビなどで、冬の北海道の雪景色の露天風呂に入る映像などを見ることがあるので、春ならじーじでも大丈夫か(?)と考えた。まずは用心で、内湯でしっかりと体を温めて、いざ露天風呂に挑戦。一瞬、冷たい外気にひるんだが、なんとか露天風呂に入湯、顔は涼しく、体はぽかぽかでとても気持ちがいい。大雪山の見えるほうに少しずつ移動をするが、この日は曇り空で大雪山は見えず、残念。しかし、代わりに、露...春の北海道で残雪と戯れながら露天風呂に入ってみました!

  • 河合俊雄「最終講義-発達障害の心理療法と物語の縁起」2023・河合隼雄財団

    2023年4月のブログです*河合俊雄さんの「最終講義-発達障害の心理療法と物語の縁起」(2023・河合隼雄財団)のビデオを観る。文字通り、河合さんの京都大学での最終講義。ご自分が大学院生の時に担当をした小学校低学年の発達障害の男の子のプレイセラピーの事例検討を通じて、発達障害の心理療法について論じる。これがすごい。当時のケースを40年後の今の河合さんがコメントをしていくのだが、そのコメントの数と奥深さがすばらしい。じーじは家裁調査官の時に、先輩から、仮説は少なくとも三つ以上持ちなさい、と教わったが、河合さんはケースの仮説を十も二十も提示して、その有効性を検証する。さすがだ。そして、発達障害については、世間的には訓練や教育が有効で、心理療法には否定的な空気がある中で、河合さんは心理療法の有効性を強く示唆する...河合俊雄「最終講義-発達障害の心理療法と物語の縁起」2023・河合隼雄財団

  • 朝の散歩でエゾユキウサギくんに遭遇しました!-じーじの2025春の北海道の旅

    2025年4月のブログです*いつものように東川の道の駅の近くの公園を散歩していると、田んぼになにか白い生き物が…。最初は白鳥さんか?と思ったが、よく見ると、ぴょんぴょんと…。なんと、エゾユキウサギくん!白いエゾユキウサギくんを初めて発見!道端に残雪があるので、白でも不思議ではないが、田んぼは代掻きを控えてまっ茶色、よく目立つ。ワシさんやタカさんに襲われないか、と心配になる。じーじが見ていると、気配を察知したのか、向こうに走っていく。一直線に走るが、あぜ道で直角に曲がるところがおもしろい。しばらく行ってから、こちらを見ている。じーじが少し移動すると、エゾユキウサギくんもまた向こうへ。あまり邪魔をしても悪いな、と思っていると、近くに巣穴でもあるのか、見えなくなった。夏に、黒いエゾゆくウサギさくんや茶色のエゾユ...朝の散歩でエゾユキウサギくんに遭遇しました!-じーじの2025春の北海道の旅

  • 心理臨床とイメージ・小野けい子先生・山中康裕さん-じーじのカウンセリング日記

    2020年4月の日記です*BS放送大学の、心理臨床とイメージ、を見る。いつも途中から見ていたので、今回は新学期ということもあり、先週の第1回から見ている。今日は第2回、表現療法ということで、なんとゲストが山中康裕さん。小野先生(大学院在学中はたいへんお世話になりました)のインタヴューがうまいこともあって、山中さんのいろいろな思い出話が展開される。山中さんの若い頃のエネルギッシュな様子がうかがえて、とても面白い。中井久夫さんや河合隼雄さんのお話も出て、勉強になる。時に、山中さんが逆に小野先生にインタビューをされて、小野先生もいつになくリラックスをされて、貴重なお話をされる。とても勉強になる番組だなと思う。下手な学会や研究会に出るより、ずっと勉強になる。みなさん、BS放送大学の、心理臨床とイメージ、はお勧めで...心理臨床とイメージ・小野けい子先生・山中康裕さん-じーじのカウンセリング日記

  • 今年2回目の北海道上陸はタフトくんと一緒です-じーじの2025春の北海道の旅

    ん?北海道?ん?タフトくん?そうなんです。今回は新しい相棒のタフトくんと一緒の北海道の旅です。これまでの相棒だったタントくんは、じーじが定年退職をして、年金生活に入った、2015年春からお世話になりました。年金生活でも大丈夫なように、軽自動車で車中泊ができるモデルというじーじのわがままな条件に合う車ということで、タントくんが選ばれました。いろいろと問題の起きたダイハツさん(?)でしたが、タントくんはさすがに主力車ということで、すばらしいできの車で、10年間、故障なしで走ってくれました。さすが、ママさんたちの味方(?)です(別にダイハツさんの宣伝をしているわけではありませんが、本当に丈夫でいい車です)。10年間乗って、タントくんはまだまだ元気でしたが、じーじの年金生活がだんだんと苦しさを増してきて、もっと小...今年2回目の北海道上陸はタフトくんと一緒です-じーじの2025春の北海道の旅

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