2018年のブログです*河合俊雄さんと田中康裕さんが編集をした『大人の発達障害の見立てと心理療法』(2013・創元社)を読みました。なかなか難しい本でしたが、かなり刺激的な本で、勉強になりました。お二人ともユング派の分析家ですが、ユングにこだわらずに、精神分析や心理療法全般にも目配りがなされており、バランスのいい本です。発達障害、と聞くと、空気を読めない、とか、自己流とか、マイペース、とかいったイメージが湧いてきますが、河合さんは、それらよりも、主体のなさや主体の未成立がその本質ではないか、という仮説を持っていらっしゃいます。主体が未成立だからこそ、状況に関係なく、刺激に流されてしまい、状況と関われないのではないか、とおっしゃっているように思います(間違っていないと思うのですが…)。したがって、主体を確立...河合俊雄・田中康裕編『大人の発達障害の見立てと心理療法』2013・創元社-発達障碍を考える