政治家が「専門家会議に諮問する」などと言うのを聞いていて、私は不思議な気分です。だって政治家は「政治の専門家」でしょ?どうして自分もその会議に「専門家」として参加しないのかな?【ただいま読書中】『まともがゆれる──常識をやめる「スウィング」の実験』木ノ戸昌幸著、朝日出版社、2019年、1560円(税別)知的障害、精神障害、発達障害、身体障害、さらにはそれらの複合の障害、などの障害者が集うNPO法人「スウィング」での日々の活動をまとめた本です。これがもう、楽しそう。たとえば毎朝10時5分からの朝礼。見学に来た人が感動するのだそうですが、とにかく「本当にどうでもいいこと」と多くの人が発言するそうです。「街の美化活動」でさえ、一種のパフォーマンスになってます。芸術活動も盛んです。本書にも何枚か作品が掲示されていますが...専門家
先日読書した『錆と人間』では、最初の部分に「自由の女神」が錆でぼろぼろになっているシーンが印象的に描かれていました。私は自由の女神がフランスから寄贈された、くらいは知っていますが、あとはまったくの無知。知らないのだったら知りましょう、ということで本日の読書です。【ただいま読書中】『「自由の女神」物語』小田基著、晶文社、1990年、2300円(税別)『錆と人間』にもあった「自由の女神」大修復から本書は始まります。この時行われた募金キャンペーンは、実は100年前に行われたのとほぼ同じ手法だ、と著者は指摘し、そこから話は100年前に戻る、かと思ったら、著者はフランス旅行に出かけます。「自由の女神」を製作したパルトルディ、像の骨格を設計したエッフェル、彼らの足跡をたどる旅です。ただ、著者の呼吸のリズムや心拍数と私のそれ...錆から女神
私は小学校の社会で「スイスとオーストリアは(小さな)永世中立国」と習いました。その後映画の「サウンド・オブ・ミュージック」で第二次世界大戦前の状況を知り、「第三の男」で戦争直後のウィーンの惨状も見ました(あの映画は(一部セットも使っていますが)破壊されたウィーンにロケをして撮影をされています)。私がオーストリア=ハンガリー帝国の“臣民”だったら、どんな思いで生きていただろう、なんてことを思うこともあります。とても“リアル”な想像はできませんが。【ただいま読書中】『「第三の男」誕生秘話──チター奏者アントン・カラスの生涯』内藤敏子著、マッターホルン出版、2001年、1905円(税別)第一次世界大戦中のウィーンで苦しい生活をしていたアントン・カラス少年は、他の子供たちと遊び場にしていた屋根裏部屋で壊れかけたチターを...オーストリアという国
「きれいな心と汚れた手の人」と「きれいな手と汚れた心の人」がいたら、私が価値が高いと思うのは(社会のために熱心に働いている)前者ですが、社会で高く評価されるのは(上手く立ち回って他人を動かすことで大儲けをする)後者の方です。そういえば「清濁併せのむ」とやらの政治家の手って、とってもきれいそうですね。思わず握手したくなるくらい。【ただいま読書中】『錆と人間──ビール缶から戦艦まで』ジョナサン・ウォルドマン著、三木直子訳、築地書館、2016年、3200円(税別)海軍は、敵と戦う前にまず錆と戦う必要があります。水、塩、風、時間によって、錆は容赦なく攻め込んでくるのです。凍結防止にまかれる塩によって橋はどんどん錆びています。もちろん自動車も。空港で使われる凍結防止剤は(高価ですが)錆は起こしにくいため、「自動車を錆びさ...清濁
「親族の「死亡届」提出夫婦を「死亡」と入力、年金支給されず」(讀賣新聞)ケアレスミスと言えばケアレスミスなのですが、それで年金を停止されたら困りますよねえ。大問題です。》市は「あってはならないことで大変申し訳ない。再発防止策を徹底する」としている。ここにも私は「問題」を感じます。「あってはならない」ではなくて「入力ミスはあり得る」でないところに。こんなことを言ったら私に対して「ミスを奨励するのか」と非難する人が登場するでしょうが、私はそんなことは言っていません。奨励するとかしないとか、あるいは「良い」とか「悪い」とかの価値判断の前に、現実として「人はミスをするもの」だと思っているだけ(そもそも「ミスをしない人間」って、います?あなたはどうです?会話で言い間違いは皆無だとか、小学校から今までテストでは100点満点...「あってはならない」と言うから再発する
エマニュエル・トッドさんは「人口動態」に注目することで、ソ連の崩壊・アメリカの衰退・ウクライナ危機・EUの危機などを予言しそしてそれを次々的中させたことで世界から注目されてしまいました。彼の手法から学べば他の人もこれから「予言者」になれそうなものですが、「第二のトッド」が登場した、という話は聞きません。なぜなんでしょう?ともかく「人口」についてちょっと勉強しよう、と今日の本を借りてきました。私は人口では「マルサスが人口と食糧生産のことで何か言ったよな」程度の知識しかないので、自分が第二のトッドになれる、とは思っていませんけど、先日読書した『世界史を「移民」で読み解く』(玉木俊明)や『移民の一万年史──人口移動・遙かなる民族の旅』(ギ・リシャール)で「人口動態」が歴史を直接動かしていることはわかったので、もうちょ...第二のトッド
昭和の時代の日本には、御用聞きと呼ばれる人たちがいました(最近見ていないのですが、サザエさんのアニメにはまだいますか?)。自宅まで御用を聞きに来てくれる人たちで、そこで「あ、お酒が切れそう」とか聞くと、店に戻ってすぐに配達してくれました。スーパーが普及してこういった人は絶滅してしまいましたが、老人世帯が増えた21世紀の日本にこそこういった仕事をしてくれる人が、ネットも活用する形で復活してくれたら、とっても便利な生活ができそうな気がします。【ただいま読書中】『アマゾンと物流大戦争』角井亮一著、NHK出版(新書495)、2016年、740円(税別)本書では「アマゾンは『ロジスティクス・カンパニー』である」という観点から「アマゾン」が論じられています。最近楽天が「送料無料」を各店舗に強制しようとして失敗しましたが、本...御用聞き
私は毎朝同じメニューでも平気です。実際に大学生時代、平日の朝はほとんど私は「トースト、コーヒー、目玉焼き」でした。だって作るのが簡単なんだもの。だけど昼食や夕食は同じメニューが三日も続くと嫌になります。なぜなんでしょう。「主食」(たとえば米)は食事ごとに同じものが続くのが当然ですが、「主な食事」にはバリエーションが必要なのかもしれません。【ただいま読書中】『朝食の歴史』アンドリュー・ドルビー著、大山晶訳、原書房、2014年、2800円(税別)文献上最初の「朝食」は「オデュッセウス」です。その次は新約聖書(ヨハネによる福音書)。ただしこれが「史実」かどうかは不明です。ただ、昔の人々も朝食を摂っていたことは間違いないでしょう。新石器時代、人が目覚めて最初にする仕事は食物集め(狩猟や採集)だったはずです。十分な量が集...主食
昭和39年は、東京オリンピックの開催や「夢の超特急」の開業があり、私にとっては忙しい年でした。東京の人にはこれにさらに首都高速道路の開通もあったのですから、もっと忙しいことだったでしょう。開業した頃の「超特急」は時速200kmでしたが、それまでの在来線の特急は時速がせいぜい100kmくらいだったので、とんでもない速度を出しているように思えましたっけ。たしかに「夢の超特急」だったのです。もっとも戦前の蒸気機関車の世界記録はイギリスの時速200kmだったはず。ただ、蒸気機関車でその速度で走るものに乗りたいとは思いませんね。とんでもない轟音と振動になるでしょうから。【ただいま読書中】『東海道新幹線の誕生──0系新幹線電車の開発から改良まで』リニア・鉄道館監修、交通新聞社、2019年、1700円(税別)戦前の「弾丸列車...夢の超特急
昭和の頃、SF作家同士の対談でだったかな、「将来テレビ電話が普及するか」という話になって「技術的には可能になるだろうが、女性が『化粧しなければ出られない』と言って嫌がるのではないか」という結論になったのを読んだことがあります。今回のコロナ禍で、テレビのリモート出演を見ていると、化粧、というか、メイクをどうしているのだろう、なんてことは気になります(この場合には男女の差はありませんね)。それよりも、画面の後ろを家族がうっかり横切ったり、電話がかかってきたり来客や宅配でドアホンがピンポン鳴ったり、そういったことが起きるのではないか、ということはもっと気になりました。テレビではまだ「本番中」でなんとかなるかもしれませんが、会社のテレビ会議だったら日常生活がもっとどんどん画面に侵入してきそうです。時代はかつてのSFの世...テレビ電話
よく子供や若者に対して「まだ社会を知らないくせに」と言って馬鹿にする大人がいますが、その人はどのくらい「社会」を知っているつもりなんでしょう?実は「自分が知っている社会」しか知らないのでは?【ただいま読書中】『山小屋ガールの癒やされない日々』吉玉サキ著、平凡社、2019年、1400円(税別)自分のことを社会不適合者と思っていた著者は、ひょんなことで北アルプスの山小屋に就職します。山小屋というのは私から見たら「異世界」ですから、そこでどんな生活をしているのか、と興味半分で本書を手に取ったのですが……これは儲けものでした。のっけの第一章「仕事ができない私はポンコツ?」。料理が苦手な著者は、厨房業務ではミスばかりで落ち込みます。落ち込むのに忙しすぎて、料理を上手になるように努力や工夫をする暇がありません。ところが著者...社会に対して無知
「説明責任を果たす」と政治家が言って、実際に果たしたことって、過去に何回ありましたっけ?【ただいま読書中】『空の境界未来福音』奈須きのこ著、星海社、2011年、552円(税別)「空の境界」の外伝で、これも同人作品として発表されたあと、商業出版されたものです。「空の境界(下)」で登場した私立礼園女学院には、未来視ができるお嬢様がいました。確実に未来を見ることができるのだったら、いろいろむふふな生活ができそうですが、この瀬尾お嬢様、あまりやる気がありません。ところがこのお嬢様が黒桐くんと出会ってしまうから話がややこしく、もとい、面白くなっていきます。というか、黒桐くんと出会うことが未来視できなかった点で、何かありますね(ちょっと伏線を読みすぎかな)。でこの瀬尾お嬢様、「未来が視えること」よりも「視える未来を変えるこ...言動不一致
「ジャップは宣戦布告なしにパール・ハーバーを襲撃した卑怯者だ」はアメリカ人の好きなフレーズですが、そのアメリカは、朝鮮戦争やベトナム戦争、あるいは世界各地での戦争の数々(ビッグス湾、グレナダ、リビア、パナマ、ソマリア、ハイチ、イラク、アフガニスタンなど)で、きちんと宣戦布告をしたことが何回ありましたっけ?【ただいま読書中】『北爆──ベトナム戦争と第七艦隊』マルセル・ジュグラリス著、松尾邦之助訳、現代社、1966年、480円南ベトナムの米軍基地プレークがベトコンに襲われたことの報復として第七艦隊に北ベトナム攻撃の命令が出されました。著者はその時、取材のために空母「コーラル・シイ」に乗っていました。ハノイを訪問中だったソ連のコスイギン首相は「北ベトナムが攻撃されたら全力で援助をする」と宣言します。しかしアメリカは、...宣戦布告
「ゲノム編集」ということばは、現在けっこう普通に使われています。しかし「チコちゃん」ではありませんが「それって、何?」と聞かれたとき5最の子供にわかるようにきちんと説明できる人はどのくらいいるでしょうか……というか、私はできません。だから“それ”を発見した人の本を読むことにしました。「5最の子供の質問」に答えるのも、けっこう大変です。【ただいま読書中】『クリスパーCRISPR──究極の遺伝子編集技術の発見』ジェニファー・ダウドナ、サミュエル・スターンバーグ著、櫻井祐子訳、文藝春秋、2017年、1600円(税別)高校の生物の授業で「DNA」について私は習いました。人は23対の染色体を持ち、その中に二重螺旋構造のDNAが遺伝情報を抱えて存在、その情報はDNAを鋳型としてRNAにコピーされ、その情報がリボソームで翻訳...ゲノム編集って、何?
「冷凍サーロインステーキ肉」の宣伝を見つけました。「訳あり特価」とはありますが、どんな「訳」なんだろうと文章を読むと、大きさや形が不揃い、とのこと。それだったら味には無関係だろう試しに注文しようかな、と思っていたら「原材料」の所で目を疑いました。「牛肉」だけではなくて「牛脂、ショートニング、調味料」とあるではないですか。ショートニングとは植物性油脂のことですが、なんでステーキ肉にそんなものが?というか、「牛脂」も本来「牛肉」に含まれているものなのに、なんでわざわざ別に記載を?広告の最後に小さい字で「牛脂注入加工肉」とあって、納得。納得はしましたが、「サーロインステーキ肉」にわざわざ脂肪を注入しなければならない理由はなんでしょう?おそらくまともな肉牛ではない牛の「サーロインステーキの部位」を加工したものなのだろう...牛肉の原材料
上巻の解説(笠井潔)に、「空の境界」ははじめはホームページに分割掲載され、2001年にコミケなどで同人誌として発売、ファンの圧倒的な支持を得て商業出版された、という一種の“シンデレラ・ストーリー”が紹介されていました。そういえば新海誠さんがほとんど独力で制作したアニメ「ほしのこえ」が公開されたのは2002年。“そんな時代”だったのでしょうか。それから20年近くたって、「ユーチューバー」なんて「個人の活動→世界的な名声」のルートを求める人が多く活動しています。ただ、「問題は作品の完成度」なんて思うのは、私が「20世紀の人間」だからなのでしょうね。現代の「観客」は数秒間の快楽さえあれば良いのかな、と感じることがよくあります。これって、作る側のモチベーションはどうなるんだろう?【ただいま読書中】『空の境界(下)』奈須...自費→商業
ポストコロナの時代、皆がマスクをしているのが当然となったら、一目惚れはどのようになるのでしょう?むしろネットで素顔を確認してそこで一目惚れをするようになるのかな?【ただいま読書中】『空の境界(上)』奈須きのこ著、講談社、2004年、1100円(税別)なすときのこ、というふざけたペンネームだし、二段組みの新書版で上巻だけで400ページという厚みだし、表紙にはいかにものアニメ絵だし、で、なんでこの本を読む気になったのか、自分でも不思議です。本に呼ばれた、としか言いようがないです。ちなみにタイトルは「そらのきょうかい」ではなくて「からのきょうかい」です。私服OKの高校に和服で登校するとんでもない美形の両儀式は、交通事故で2年間昏睡状態に。そこから覚めたとき、式は記憶障害となっていて、その代わりのように「死」が見えるよ...一目惚れ
昭和43年に「明治100年」の記念式典がありました。「明治なんか、大昔のことじゃないか」なんて子供の私は思っていましたが、祖父母や曾祖父母が生まれ育った時代だからそこまで「昔」ではなかったのです。そう言えば2025年は「昭和100年」ですね。平成以降生まれの人たちには「(自分たちには無関係な)大昔」でしょうが、私にとっては今でも「現役の時代」です。昭和の時代には「明治は遠くなりにけり」なんて言っていましたが、今は「何、それ?」かもしれません。【ただいま読書中】『農学と戦争──知られざる満州報国農場』安達太郎・小塩海平・藤原辰史著、岩波書店、2019年、2500円(税別)1927年金融恐慌、29年世界恐慌、32年満州国「建国」、34年ころ東北地方で大飢饉。そこで「満州移民」が推進されました。飢え死に寸前の農民の口...100年前
昔のアナログ時計は、時刻合わせが簡単でした。ぐるぐる針を回せば良い。ところが最近のデジタル時計は、たとえば電池を交換したら大体のものはややこしい手続きで時刻合わせをする必要があります。これが面倒なんですよね。我が家の「時計」はいくつあるか、と数えてみたら、いわゆる目覚まし時計が3つ、車にも時計があるし、エアコンなどのリモコン、炊飯器、給湯器、スマホ、パソコン……全自動のスマホや電波時計以外は全部「時計を合わせる手順」が異なっています(そういえばパソコンも昔は時刻合わせが必要だったんですが、いつの間にか全自動になってますね)。アナログ時代に比較して時計が正確になったのは嬉しいのですが、手間が煩雑になったのは悲しい。特にこれから私の知的能力は加齢に従ってどんどん低下してきますから、将来を悲観してしまいます。【ただい...時計合わせ
肉じゃがは海軍発祥で、呉と舞鶴がそれぞれ「ここが発祥の地」と競っているそうです。ところで戦前には「肉じゃが」と呼ばれる料理は存在しなかったって、皆さんご存じです?【ただいま読書中】『国民食の履歴書──カレー、マヨネーズ、ソース、餃子、肉じゃが』魚柄仁之助著、青弓社、2020年、1800円(税別)現在日本人がふつうに食べている食べものの“履歴書”です。明治〜昭和の、料理本・生活雑誌・科学雑誌などから資料を集めてあります。「科学雑誌?」と思いましたが、国民の栄養向上のためにレシピが色々発表されていたのだそうです。「カレー」だけで私はいろいろ感心してしまいます。「カレー味の椀種」「油揚げのカレー」「蓮根のカレー」などは味が大体想像できますが(というか、著者はレシピを頼りに自分で全部作って食べています)、「魚の骨のカレ...肉じゃが
漫画「美味しんぼ」に「これ以上ないくらい最高の材料で作ったアイスクリームなのに全然売れない」という話がありました。私の記憶ではたしか、空気の含ませ方が不十分で舌触りが重たすぎたから、となっています。さて、今日の本でも「おいしいアイスクリーム」が売れないそうです。それはなぜなのでしょう?というか、消費者って、食べる前から「このアイスクリームは買わない方が良い」とわかるものでしたっけ?【ただいま読書中】『なぜおいしいアイスクリームが売れないの?──ダメな会社をよみがえらせる3つのレッスン』シビル・チョウドリ著、中山宥訳、講談社、2006年、1200円(税別)小さなアイスクリーム工場の工場長の「わたし」は、売上が伸びないことで経営者からプレッシャーをかけられていました。旧知が支店長をやっていることを頼りに売り込みに行...おいしいのに売れないアイスクリーム
香港で「中国を批判したら罰する」ことになりそうだ、と懸念の声が世界のあちこちで上がっているそうです。もちろんそれは心配ですが、「中国」で政府批判が許されないこと自体も、とても大きな問題ではありませんか?【ただいま読書中】『生体認証技術の動向と活用』国立国会図書館調査及び立法考査局編、国立国会図書館、2019年特定の人間だけ入室を許したい、となった場合、よく行われるのは「所有物による方法(事前に配布した許可証などを持った人だけ入室許可)」や「知識による方法(合い言葉など)」です。しかしこの双方にはいろいろ欠点もあります。そこで間違いとリスクを減らすために「生体認証(バイオメトリクス)」が最近注目されています。スマホでも、パスワード入力は「知識による方法」ですが、指紋認証や顔認証は「生体認証」ですね。生体認証に用い...政府批判
安倍首相が勝利宣言をしています。「私が陣頭指揮を執り、国民の協力があったから、死者はたった5千人ですんだ。これがあの民主党政権だったら死者は10倍以上になっただろう」。さて、それに対してやんやの拍手喝采が浴びせられているか、「もっと有能な政府だったら、死者はその十分の一以下ですんだ」という非難が浴びせられているか、どちらかな?【ただいま読書中】『熊野詣──熊野古道を歩く』神坂次郎著、講談社、1993年、1456円(税別)「熊野」は、『日本書紀』に「黄泉の国(イザナミが葬られた地)」として(『古事記』では「黄泉の国」は出雲と伯耆の境の比婆山)、また神武天皇が東征で通過した地として名前を残しています。熊野の険しい山と深い森は自然崇拝の対象でしたが、仏教が伝来し、本地垂迹説によって山岳信仰や神道と混交し、熊野三山は、...未来のある日のできごと
テレビではテレワークが当たり前になり、かつてひな壇にずらりと並んでいたタレントのかわりに、でかいモニターがずらりと並んでいるのが不思議ではなくなっています。オンライン会議も楽々とできるようになりました。そう言えばかつてネットではウェブカメラを通じて若い女性の部屋を覗かせるサービスがありましたが(もしかして、今でもある?)、その覗き部屋がハイスペックになって復活するかもしれませんね。三密を避けたら仕事にならないセックスワーカーの人たちにも、テレワークの可能性が開けるかもしれません。【ただいま読書中】『無人の兵団──AI、ロボット、自律型兵器と未来の戦争』ポール・シャーレ著、伏見威蕃訳、早川書房、2019年、3700円(税別)20世紀になって米軍ではドローンの配備がどんどん増えました。最初は敵に気づかれずに24時間...古くて新しいサービス
マスクだ換気だ、と色々生活が難しいことになっています。特にこの夏、熱中症にならないためにはエアコンが重要ですが、エアコンをかけながら換気をするのはエネルギーの大変な無駄になります。だったら換気ができるエアコンがもっと普及できないでしょうか。熱交換器を空気の流出入口に仕込むなどして、エネルギー効率を少しでも下げないようにしてエアコン効果と換気を両立させるものです。すごく売れるんじゃないかな?【ただいま読書中】『ペスト&コレラ』パトリック・ドゥヴィル著、辻由美訳、みすず書房、2014年、3400円(税別)ペスト菌の学名(Yersiniapestis)に名前を残したイェルサンの人生を扱った小説です。生まれる前に父が死亡したアレクサンドル・イェルサン(父と同名)は、スイスで独仏のバイリンガルとして育ってからドイツのマー...換気できるエアコン
夜目遠目マスク顔【ただいま読書中】『応天の門(11)』灰原薬作、新潮社、2019年、600円(税別)菅原道真少年は、自分の能力が世のために生かせないことに欲求不満を抱いていますが、同時に、権力者に注目されて上手く使われてしまうことへの危惧も抱いています。しかし彼は世渡りが下手。絶望的なくらい、下手。権力闘争の中に、巻き込まれる、というか、逃げることをわざと避けているかのようにしています。この世界では数少ない「未来」を見つめている人間が何人か登場します。敵役の藤原基経(とその義父良房)はもちろんそうです。そう言えば、ヒーローものでは「未来を見ている(現状を変えようとしている)」のは大体敵役(悪役)で、ヒーローはその妨害役ですね。おっと、敵役以外でも未来を見ている人物が本書にもいます。毒を盛られたところを道真に助け...最近の美人
「暴君トランプからの解放」を叫びながらたとえばロシア軍や中国の人民解放軍がアメリカに侵攻して正規軍がなぜか敗れてしまったら、アメリカの愛国者たちは全員手に武器を持って抵抗するでしょう。アメリカからはそれは「愛国者」「民兵」と呼ばれ、侵攻者からはテロリストと呼ばれるでしょうが。ところで「暴君からの解放」をスローガンに侵攻した軍隊に抵抗しているアフガニスタン人やイラク人は、なんと呼ばれているのでしたっけ?【ただいま読書中】『レッド・プラトーン──14時間の死闘』クリントン・ロメシャ著、伏見威蕃訳、早川書房、2017年、2500円(税別)イラクに二度、アフガニスタンに一度出征した著者の作品です。2009年10月3日早朝、アフガニスタン北東部の戦闘前哨キーティング。険しい山々に囲まれた谷間に位置し、戦術的には使い物にな...正義の反対側
「外気のフィルター」と「呼吸のしやすさ」と「自分が唾や痰を飛び散らせない」のすべてを満足させるマスクはなかなか難しいものです。さらにコストの問題もあります。これをたとえば、今の不織布のマスクのプリーツの織り方を工夫することでいろいろな機能を満足させることはできないでしょうか、というか、できて欲しい。折り紙作家や数学者たちに、期待。【ただいま読書中】『幻影(イメジ)の時代──マスコミが製造する事実』D・J・ブーアスティン著、星野郁美・後藤和彦訳、東京創元社、1964年(72年14刷)、590円hアメリカ人は、世界で一番多くを期待する国民です。それは「世界の出来ごとに対する期待」と「自分たちが世界を変えることができる能力への期待」で、その結果「幻影(イメジ)の需要」が生まれました。我々が途方もない期待に裏切られない...簡単にできてほしい高機能マスク
人類で最初の音楽の「教師」は、囀る小鳥たちだったことでしょう。【ただいま読書中】『蜜蜂と遠雷』恩田陸著、幻冬舎、2016年、1800円(税別)「宇宙は数学の言葉で書かれている」はガリレオ・ガリレイですが、「世界は音符で描かれている」をモチーフとして描かれたのが本書です。舞台は架空の「芳ヶ江国際ピアノコンクール」(でも多分、浜松国際ピアノコンクールがモデル)。“予習”としたわけではありませんが、5月21日に読書記録を書いた『チャイコフスキー・コンクール』(中村紘子)の審査員席の描写を思い出しながら本を開くと、まさにその審査(パリでの予選)のシーンから始まっていて、私は思わず笑ってしまいます。そして次々登場するのが「まったく正規の音楽教育を受けたことがない少年」「天才少女だったが、13歳の時にコンサートをドタキャン...最初の音楽教師
人を幸福にできない「正しさ」は、「正しいゴミ」でしかない、と言えます。もちろん「正しくないゴミ」よりはマシなのですが。【ただいま読書中】『北朝鮮の博物館』張慶姫著、池貞姫・村上和弘・松永悦枝訳、同成社、2018年、7000円(税別)「北朝鮮に博物館があったんだ!」という単純な驚きから、借りてきた本です。北朝鮮に対して実に失礼な言い方ですが、食うに困る国が博物館に回す予算をどうやって捻出したのだろう、なんて思いましてね。本書は、南北関係がまだ良好だった2000年代はじめに得た情報でまとめられたそうです。北朝鮮の国立博物館は、1945年12月1日の「朝鮮中央歴史博物館」から65年4月30日の「平城歴史博物館」まで13館。各道の中心地にそれぞれ設置されているそうです。おっと、北朝鮮では「私立」の概念が通用しませんから...正しいゴミ
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