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おかだ 外郎という乱読家です。mixiに書いている読書日記を、こちらにも出しています。

おかだ外郎
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2015/01/19

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  • 昔のおやつ

    スーパーのお菓子売り場をうろうろすると、昔(昭和)とはずいぶんな様変わり。昔普通だったおやつがごっそり姿を消しています。たとえば私が好きだった甘納豆はほとんど目撃できなくなりました。そういえば芋けんぴは増えましたが、ポテトチップスの売り場と比べたらずいぶん肩身が狭い状態です(というか、ポテチ、あんなにたくさんの種類が必要です?)。安倍首相は「美しい日本を取り戻す」となぜか最近言わなくなりましたが、私は「美味しい日本を取り戻せ」と言いたいな。これからもずっと。【ただいま読書中】『善光寺の歴史と信仰』牛山佳幸著、法蔵館、2016年、2500円(税別)善光寺の本尊は絶対的秘仏ですが、その模刻像(コピー)は、善光寺だけではなくて日本各地に(さらには流出して海外にも)存在しています。この善光寺式如来像(阿弥陀三尊像)は、...昔のおやつ

  • ヒッチコックの声

    私が子供のころに、家にあった白黒テレビで「ヒッチコック劇場」をやっていました。ヒッチコックの声は熊倉一雄さん。実は番組の内容は全然覚えていないのですが、「皆さん、こんばんは」という熊倉さんの声はしっかり刷り込まれています。あのころ「ひょっこりひょうたん島」も見ていたのに、トラヒゲに同じ熊倉さんが声を当てているなんて、全然気づかなかったなあ。【ただいま読書中】『ヒッチコック万歳!』植草甚一著、晶文社、1976年(86年5刷)、890円ヒッチコックの映画の特徴の一つが「ユーモアとショックを同時に与える」ことで、それを「ヒッチコック・タッチ」と呼ぶそうです。なんだかチクタク言っているみたい。戦前からヒッチコックの映画を観ている著者は、スリラー映画に関してはヒッチコックを神様扱いしています。ヒッチコックはイギリスで映画...ヒッチコックの声

  • 保護者

    私が通った小学校のPTAでは、学校に属する人は「生徒」「教師」「保護者」でした。ところで「保護者」は「生徒を保護する者」だと思うのですが、生徒を何(誰)から保護しているのでしょう?それと、「保護者が必要」ということは「生徒」は「保護者を必要とする存在」ということになります。するとその「保護者を必要とする存在」は、学校の中でも「何(誰)」からの保護は常に必要なはずですよね?【ただいま読書中】『国家民営化論──「完全自由社会」をめざすアナルコ・キャピタリズム』笠井潔著、光文社(KAPPASCIENCE)、1995年、903円(税別)小松左京に「第二日本国誕生」という短編があります。政府が二重構造になっていて、「第二政府を選択します」と申告したら、交通違反の反則金が第二警察の管轄に移動して割引になったりする、などとい...保護者

  • パスカルが出てこない

    昨夜妙な夢を見ました。夢の中で「『人は一本の蘆である』は誰の言葉だったっけ?」と考えているのに、どうしても「パスカル」が出てこないのです。こんな有名な固有名詞が出てこないとは、ああ、歳を取って呆けてきたか、と悲しい思いをしていると、「たとえばフェルマーから連想したら出てこないか?」という“ヒント”が出されます。自分一人でボケてそこに自分が柔らかくツッコミを入れている、という一人漫才の体ですが、夢の中のことですから私は別に不思議には感じません。フェルマーねえ。フェルマーの最終定理は蘆には無関係だろうし、そもそもパスカルは哲学者、おっと数学者でもあったな、パスカルとフェルマーの往復書簡から「確率論」が形作られたのは数学界では有名な話だった……というところで目が覚めて、さっそく「おいおい、ちゃんと『パスカル』(とフェ...パスカルが出てこない

  • 滴り落ちてこない

    アベノミクスでは「トリクルダウン」という言葉も使われていました。「富裕層をさらに富ませたら、そこから貧困層にも富の滴りが落ちてくる」という理屈でした。で、アベノミクスは大成功していたんですよね?(たしか半年前までの政府および政府寄りのマスコミの論調はそうだった、と私は記憶しています)だったら、その成功でたっぷり貯め込んだ人は、今こそ「滴らせ」を開始するべき時ではないです?アベノミクスで富んだ人たちは、こんなときに使わないで、いつお金を使う気なんだろう?同じ金額を使っても、平時の十倍くらい感謝されるのに。【ただいま読書中】『応天の門(10)』灰原薬作、新潮社、2018年、600円(税別)菅原道真が兄の敵と考える藤原家の内情は複雑です。良房の養子の基経は、子供時代に父および異母兄の国経と遠経に疎んじられていました(...滴り落ちてこない

  • 言葉と行動

    「スピード感を持って/これまではもたもたやっていた」「やらなければならない/まだやってない」……結局、過去にはやってないし現在もやってないし、未来への具体的な行動計画もないのね。【ただいま読書中】『善光寺建立の謎──日本文化史の探究』杉山二郎著、信濃毎日新聞社、2006年、2000円(税別)平家物語を読んでいたら、第二巻に唐突に「善光寺が炎上したらしい」とありました。善光寺と言えば「牛に引かれて」くらいしか知らないので、どんなお寺だったか?と一〜二冊読んでみることにしました。著者は「寺社縁起は、文献としての価値はいかがなものか」となにか肩すかしのようなことを述べた後、信濃国の縄文時代から話を始めます。農作はおこなわれ、おそらく男女では女性の方が上位だったはず、と推定して、弥生時代、古墳時代、と歴史を辿ります。そ...言葉と行動

  • マイナーバーカードの紐付け

    マイナンバーカードと銀行口座とを紐付けてしまったら、いろいろ便利、と政府が考えているそうです。そんなに便利なのだったら、まず国会議員全員がマイナンバーカードとご自分の口座全部を率先して紐付けて見せてくれないかなあ。そもそも「個人資産の公開」もきちんとしているのだから、まさか隠し資産の発覚を恐れる、なんてことはないですよね?【ただいま読書中】『自由と規律』池田潔著、岩波書店(岩波新書青版17)、1949年(63年25刷改版、85年55刷)、480円第一世界大戦後に渡英し、パブリック・スクールのリース・スクールに3年、ケンブリッヂ大学に5年、ドイツのハイデルベルグ大学で3年学んだ著者が、その体験を描いた本です。パブリック・スクールは特権階級の子弟のための学校です(でした)。1387年にオックスフォードのニュー・カレ...マイナーバーカードの紐付け

  • ツバメの飛行高度

    「ツバメが高く飛ぶと晴れ、低く飛ぶと雨」という言葉があります。最近のテレビでは気象予報士が時々これを言っています。で、その理由は「ツバメのエサの虫が、晴れたときには高く、湿度が高いときには低く飛ぶから」。ところがいくつか気象予報士のブログを読んでみると、「なぜ虫がそのように飛ぶのか」についての理由が書いてありません。せいぜい「湿度が高いと羽根が動かしにくくなるのではないか」という推定だけです。さて、本当に湿度が高いと虫は羽根が動かしにくくなるのでしょうか?そもそも虫は天候によって飛ぶ高度が違うのでしょうか?たとえば蚊柱、最近私は見なくなりましたが、晴れの時ははるか上空で、曇りの時には地面すれすれ、でしたっけ?(記憶が定かではありません)必要なのは実証でしょうね。虫は湿度によってどの高度を好んで飛ぶのか。それがわ...ツバメの飛行高度

  • ライフ

    英語のLifeは「生命」「人生」「生活」といった意味があります。ところで、covid-19での「自粛」は「Life」の中でも一番大切なのは生命、つまり「生命>生活」という価値判断に基づいておこなわれた、と私は思っています。しかし、じっと籠もったばかりでは「病気では死なないが、経済が回らないと餓死をする」といわれるようになりました。では最近の自粛の緩和は「生命<生活」という判断からおこなわれているのでしょうか?いやいや、死んでしまったら生活ができません。すると「生命=生活」の価値で?ここの「等号あるいは不等号」についてきちんと議論しておかないと、社会は結局混乱のままウイルスのなすがままになってしまうのではないか、という嫌な予感がしています。【ただいま読書中】『プー横町にたった家』A・A・ミルン著、石井桃子訳、岩波...ライフ

  • 耀く街

    「自粛」で暗かった街に、灯が戻ってきました。閉めていた店が、次々開店して店内に明かりを灯しています。道路の車の数も明らかに増えています。だけど、「元に戻る」で良いのかなあ。だってコロナウイルスが消えたわけじゃないでしょ?画期的な治療法が確立したわけでもないでしょ?とりあえず私はまだ外食には出ません。混む店に買い物にも行きません。なんだか「自粛解除だ〜」とまるで祝賀ムードのように人が「三密」になっている気がするものですから。これで感染の確率をゼロにできるわけではありませんが、自らその確率を上げる行為はしたくないのです。【ただいま読書中】『クマのプーさん』A・A・ミルン著、石井桃子訳、岩波書店(岩波少年文庫1011)、1957年(85年35刷改版、97年65刷)、640円(税別)子供の時に夢中になった本です。「ぬい...耀く街

  • 小学生の放送部員は大臣になれるか?

    今回のコロナ禍で「使える知事」がある程度「普通の知事」や「使えない知事」から差別化して見えてきたような気がします。で、国会でも「使えない大臣」が見えますね。たとえばどんな質問をされてもあらかじめ用意された原稿だけ読み上げてそれで仕事をしたつもりになっている人。原稿読むだけで良いのだったら、小学生の放送部員でもできるでしょう。大人には小学生以上の能力を要求したいし、大人の大臣には普通の大人以上の能力を要求したい、つまり、小学生の放送部員と同じ程度の仕事しかできない大人は、大臣はしない方が良い、が私の“三段論法”です。いや、実は能力はあるのに、なぜか政権中枢から「お前は小学生並みの仕事だけしていれば良いのだ」と原稿読みだけ強制されているのかもしれませんね。だったら、ある一つの適当なテーマに関して、たとえば私とフリー...小学生の放送部員は大臣になれるか?

  • 新しい生活様式

    お金を払うときの「指なめ」も禁止事項に入れて欲しいです。あれ、ウイルスの有無に無関係に、お札を受け取る人が、気の毒。【ただいま読書中】『煖爐棚上陳列品一覽(日本のライト・ヴァース1)』谷川俊太郎編、長新太絵、書肆山田、1980年、1000円「ライト・ヴァース」とは、無理に日本語にしたら「軽い詩」くらいになる、読んで微苦笑できるタイプの詩だそうです。そう言えば確かに「詩」は「真面目なもの」というイメージがつきまとっていますね。もっとも谷川俊太郎さんの詩は、読んでいて楽しくなるものが多いのですが。「土」(藤富保男)の「土管のなかをのぞいて待っていた/遂にゴリラが入ってきた」で始まり、「詩又又又」(堀口大學)の「一人の心に灯をともす/別の一人に欠伸をさせる」で終わる、実に洒落た一冊です。誰かのお袋のように尻ポケットに...新しい生活様式

  • 誤解

    「ごまかす/解釈変更/隠蔽」のことかな?それともこれも「誤解」かな?【ただいま読書中】『はじめての構造主義』橋爪大三郎著、講談社(講談社現代新書)、1988年、530円フランスから構造主義が日本に紹介されて大ブームになったのが、1960年代末頃から70年代。ところがすぐに「もう構造主義なんか古い」と「ポスト構造主義」が評判になったのだそうです。ところが、構造主義者にしてもポスト構造主義者にしても「構造主義」の「構造」とはなにかをきちんと理解せずに論じている人がやたらと多いのが問題、と著者は言います。肯定するにしても否定するにしても、知らないものをとやかく言うのはなんだろうね、と。そこで著者は「最初の構造主義者」としてクロード・レヴィ=ストロースを挙げ、彼の先行者として重要なのは、言語学者のフェルディナン・ド・ソ...誤解

  • 八億円と800万円

    「妊婦向けマスク検品、8億円→800万円厚労省が修正」(朝日新聞)「8億円じゃありません。たった800万円です」だそうです。厚生労働省にとっては「800万円なんかはした金」なのかもしれませんが、私はそうは思いません(本当にはした金なのだったら、私にください)。というか、47万枚のマスクの内4万7千枚が不良品だった、という時点でこのプロジェクトは“アウト”では?さらに妊婦向けはアベノマスク全体の1%以下、ということは、ぐちゃぐちゃ言い訳をしているけれど、結局最終的に8億円はかかるということですよね?厚生労働省にとって8億円ははした金?だったら私に下さい。待ってます。【ただいま読書中】『百億の昼と千億の夜』光瀨龍著、早川書房(ハヤカワ文庫JA6)、1973年(2008年37刷)、780円(税別)まずは宇宙の起源につ...八億円と800万円

  • スピード感

    「スピード感を持って」とよく喋る人に限って動作が鈍重に見えるのは、私の偏見ですか?「スピード」は行動であって、座り込んでべちゃべちゃ喋っていることではない、と思うのですが。「スピード感を持って」とあいまいに先延ばし的に抽象的に言うのではなくて「とりあえずこれとこれをすでに始めました」「○時間後にはあれを始めます」と具体的に言うことだと思うのですが。緊急事態に自分にだけ通用する精神論を聞かされても、嬉しくありません。【ただいま読書中】『百億の昼と千億の夜』光瀨龍原作、萩尾望都漫画、秋田書店、1994年(2009年38刷)、705円(税別)以前読みましたが、また読みたくなりました。ただ、順番を変えます。11年前にはまず小説を読んでから漫画を読みましたが、今回は逆にして、まず漫画を読んでみます。理由は特にありません。...スピード感

  • 巣ごもり生活

    どうして「引きこもり」と呼ばないのだろう、と「引きこもり」と呼ばれてきた人たちは思っているかもしれません。【ただいま読書中】『マンホールのふたはなぜ丸い?──暮らしの中の数学』中村義作著、日本経済新聞社、1984年(86年13刷)、980円クイズで出るようなお題ですが、著者は一筋縄ではいきません。四角形でも穴に落ちないようにできる(蝶番をつければ良い)し、「ルーローの三角形」(ギターのピックのような、辺が膨らんだ三角形)でも穴に落ちないふたは可能なのだそうです。しかもこの「ルーローの三角形」、どこかで見た形だと思ったらロータリーエンジンの中に入っているし、理論的にはこの形のドリルの歯で掘れば「ほぼ正方形の穴」が掘れるのだそうです。面白いなあ。実際の映像を見てみたい。「シェークスピアの正体はベーコンか?」の疑問に...巣ごもり生活

  • 汚染水

    それほど科学的に安全なのだったら、「安全だ」と主張する人の地元のお城のお堀に大量に流し込んでも“科学的には安全”ですよね?【ただいま読書中】『蘭学事始』杉田玄白著、緒方富雄校注、岩波書店(岩波文庫)、1959年(82年28刷改版、96年47刷)、398円(税別)著者が83歳の時、約50年前に数人の輩(ともがら)と始めた事業について著した回想録です。世間では「蘭学」が大人気ですがその風潮を「志を立つる人は篤く学び、無識なる者は漫(みだ)りにこれを誇張す」とちょっと厳しい見方をしています。蘭方(オランダ式医術)は、長崎出島でオランダ人医師の医術を実際に見ていた日本人通詞(通訳)が見よう見まねで始めました。杉田玄白は、小浜藩の「見よう見まねの蘭方医」の家の出身です(ただし子供時代から江戸屋敷にずっといるので、小浜にど...汚染水

  • 寄り添う

    よく「沖罠に寄り添う」とか「被災地に寄り添う」とかのことばを冷たい表情で平然と述べる政治家がいますが、本当に寄り添っている自信があるのだったら、次の選挙はそこから立候補したらどうでしょう。「寄り添われている」と本当に感じた有権者はこぞって投票してくれるのでは?県会議員じゃなくて国会議員だったら、国のどこから選出されても良いですよね?【ただいま読書中】『ダーウィン以来(下)』スティーヴン・ジェイ・グールド著、浦本昌紀・寺田鴻訳、早川書房、1984年(88年8刷)、1400円下巻は上巻とは少し趣が違って、「地球科学」「人種差別」など一見「進化論」とは関係ない分野の話題が集められています。私が初めて本書を読んだとき、著者が人種差別に“進化論的に”反対しているのに強い感銘を受けました。それまでの私が読んだ人種差別反対論...寄り添う

  • 専門家

    専門家政府は責任逃れのためか「専門家に諮問する」を連呼していますが、「新型コロナウイルスの専門家」って、この世界に何人いましたっけ?つい最近出現したばかりのウイルスですから、まだ専門家はいない(現在育成中)でしょう。すると政府が頼って諮問している「専門家」って、一体何の専門家?ところで「政治家」というのは、「自分が素人である分野の専門家から専門知識をレクチャーしてもらって政治決断をする専門家」ではありませんでしたっけ?政治決断まで「専門家会議」に任せるのだったら、政治家は不要では?【ただいま読書中】『ダーウィン以来(上)』スティーヴン・ジェイ・グールド著、浦本昌紀・寺田鴻訳、早川書房、1984年(88年8刷)、1400円「ダーウィンは百年間誤解されている」と著者は述べます。進化論は登場した瞬間から熱狂的なファン...専門家

  • せこいやり口

    自分や自分の友達が将来訴追されないように自分のポチを検察のトップに置いておくために「法解釈の変更」によって不自然な定年延長をして、それが不評だとその後「法そのものを変更」しようとしている人がいますが、日本国民が命がかかっていると必死に自粛をしているときに、こそこそと自分の利益のために法をいじろうとしている……なんともせこいやり口だと私は感じます。【ただいま読書中】『秀吉の経済感覚──経済を武器とした天下人』脇田修著、中央公論社(中公新書1015)、1991年、544円(税別)秀吉の経済感覚の鋭さを最初に示したのが、有名な「清洲城の割普請」です。石垣が百間崩れて、10日かけても修理できなかったのが、秀吉が引き受けて十間ずつ十組で競争させたら1日で修理完了、というもの。これは、近代的な分業体制の原点と位置づけること...せこいやり口

  • サンタクロースを信じる理由

    「サンタクロースを信じているとは、子供だね」と言う大人がいます。だけど、子供たちに「サンタクロースは存在している」と最初に教え、そして口裏を合わせていたのは、大人たちではありませんか?【ただいま読書中】『サンタクロースっているんでしょうか?──子どもの質問にこたえて』中村妙子訳、東逸子絵、偕成社、1977年(85年改訂、2009年改訂版108刷)、800円(税別)「サンタなんかいない」と友達が断言するのにショックを受けた八才の女の子バージニアが、父親の勧めで、ニューヨーク・サン新聞に質問の手紙を出しました。「サンタクロースって、ほんとうに、いるんでしょうか?」と。サン紙では1897年9月21日の「社説」にその返事を載せました。本書はその翻訳です。子供に過去はありません。まだこの世に生まれたばかりなのですから。そ...サンタクロースを信じる理由

  • 高校の図書館

    私の高校の図書館には、エドガー・アラン・ポーや安部公房がずらりと並んでいて私は大喜びで端から読破していました。で、書棚が一列ずれたところには講談社のブルーバックスや岩波文庫がずらりと並んでいて、こちらも私は大喜びで端から読んでいました。あれだけの熱意と集中力と体力を読書に使ったのは、高校生の時だけですね。あのエネルギーを別のことに向けていたら、今とは違う私になっていたかも、と思うことはありますが、現在の自分にそれほど不満はないから、後悔はありません。【ただいま読書中】『マックスウェルの悪魔──確率から物理学へ』都築卓司著、講談社(ブルーバックスB152)、1970年(85年37刷)、660円半透膜は受動的な仕分け装置ですが、マックスウェルの悪魔は能動的な半透膜とでも言えそうな装置です。特定の分子だけ通過させる点...高校の図書館

  • 言い訳

    「外出自粛なのに出歩いている人がいる」「休日にバーベキューをやっている人がいる」とマスコミはさかんに同調圧力をかけて回り、かけられた方は画面の中でなにかいろいろな言い訳を並べています。ただその言い訳の中に「自己責任でやっている。だから2週間後に発熱したとしても、病院に駆けつけて医療崩壊を助長させるようなことはしない。自己責任できちんと処理する」と言っている人がいなかったことは、ちょっと気になります。結局、やりたいことは好き放題やって、その結末の責任は他人に押しつける気満々、ということ?それは「甘え」だと私は感じるし、いい大人がそんなことを言ってはいけないだろう、とも思います。【ただいま読書中】『医師はなぜ治せないのか』バーナード・ラウン著、小泉直子訳、築地書館、1998年、2000円(税別)原著「TheLost...言い訳

  • わかりにくい上下巻

    今日の読書の『治せる医師・治せない医師』は、1996年に著者が書いた「TheLostArtofHealing」の前半部分の翻訳です。後半は『医師はなぜ治せないのか』と別タイトルで出版されています。それぞれ薄い本なので全一冊で出版して欲しかったと思いますが、「4000円の本」になるから厳しい、という判断だったのかな。それにしても、うっかりすると後半から読んでしまいそうで、注意が必要です。【ただいま読書中】『治せる医師・治せない医師』バーナード・ラウン著、小泉直子訳、築地書館、1998年、2000円(税別)著者はアメリカ医学界では頂点を極めた心臓専門医で、ノーベル賞も受賞しています。日本だったら「ノーベル医学賞受賞→最高の医者」となるでしょうが、アメリカだと「すごい業績の最高の医者が様々な賞を受賞してその中にノーベ...わかりにくい上下巻

  • 形にする

    「これは素晴らしいアイデアだ」という理論で特許は取れますが、それを「現実の形」にするのはまた別の問題です(東洋工業(現マツダ)がロータリーエンジンのアイデアを現実のエンジンにするのにとても苦労したことを私は思っています)。さらに「試作品として形にする」と「商業の世界で大量生産をする」ともまた別の問題です。学術の世界でも「アイデア」と「実験結果がそのとおり出せる」と「再現性がある」とはそれぞれ別の問題であることも私は思います。私は、思いつくままに「アイデア」を述べているだけ、が楽だなあ。【ただいま読書中】『電子立国日本の自叙伝(完結)』相田洋著、日本放送出版協会、1992年、1456円(税別)電卓の次は(マイクロ)コンピューターの時代です。ただその前に著者は電電公社の「電子交換機」について話を始めます。電子交換機...形にする

  • 昔の電卓

    昔の電卓私が初めて電卓を買ったのは昭和49年。実験でややこしい数字を大量に計算する必要があったので友人と購入しましたが、今百均で売ってる程度の計算能力でしたが、単三電池駆動でずいぶんでかいし値段は1万円以上した記憶があります。【ただいま読書中】『電子立国日本の自叙伝(下)』相田洋著、日本放送出版協会、1992年、1456円(税別)日本でもIC開発が始まります。ものすごい苦労があることが開発者の証言でわかります。これはやはり「生の声」の効果ですね。やっと開発と製造に成功。ところが売れません。何に使ったら良いのか誰も知らないのです。そこに“救世主”として登場したのが「電卓競争」です。ここでの撮影裏話が興味深い。撮影用にシャープから800個、カシオから450個の電卓が届くのですが、これをどう並べて撮影するか、撮影後に...昔の電卓

  • 政府の諮問委員会

    諮問の「諮」って、唯々諾々の「諾」となんだか似ていますね。実際問題として、政府の方針に委員会が明確に異を唱えたことって、どのくらいあるのでしょう?【ただいま読書中】『電子立国日本の自叙伝(中)』相田洋著、日本放送出版協会、1991年、1456円(税別)日本電気でトランジスタ製造を始めた頃、良品の生産歩留まり率があまりに悪いため、「トランジスタ製造は、工業ではなくて、農業か漁業だ(あるいは名人芸を必要とする芸術だ)」と内部では悪口を相当言われていたそうです。トランジスタ研究を始めようとした人に対して「研究費は出さない。仕事以外の時間に勝手にやれ」と言い、研究が成功して製造ができるようになったらその歩留まりの悪さを責めまくる……なんだか、先見の明とか協力体制とか部下にとってありがたいアドバイスとかにまったく縁がない...政府の諮問委員会

  • 黄色人種には独創性はない

    19世紀より前、欧米列強には「清国にはたしかに文明や文化のように見えるものがあることはある。しかし彼らはキリストを信じない上に、我々を文明国家人として特徴付ける独創性がない」という見方が支配的でした。人種差別と清国を侵略する行為の自己弁護、と私は見ますが、当時の欧米人は「自分たちはフェアに戦っている」と主張するでしょうね。昭和の末頃、日本はGDPが自由世界二位となり対米輸出は急増、自動車や半導体生産では世界トップを誇りました。そこで「ジャパンバッシング」をする人たちが熱弁したのが「日本はアンフェアだ」「日本人は勤勉だが独創性がない」でした。日本でもそれを受けてか「DRAMの生産は確かに世界一だが、知的独創性の塊であるCPUはアメリカが世界一だ」と自虐だかアメリカへの阿りだかを表明する人がいましたっけ。コロナ禍の...黄色人種には独創性はない

  • 雑誌の最高峰

    私の知人の論文が「NATURE」や「SCIENCE」に掲載された、となったら、その論文の内容以前に、掲載されたこと自体で私は大騒ぎをするでしょう。本当はその論文で世界がどう変わるか、が重要なんですけどね。これが凡人(自分の論文がこの二つの雑誌に掲載される“心配”が絶対にない人間)の限界なのです。【ただいま読書中】『150年前の科学誌「NATURE」には何が書かれていたか』滝澤美奈子著、ベレ出版、2019年、1500円(税別)「NATURE」は1869年(明治二年)に創刊されました。当時のイギリスはヴィクトリア朝時代の後半に入ったところ。まだ「scientist」という呼び名は定着しておらず(「ーist」は尊称ではなかったため、この時代に少しずつ増えていたプロの科学者たちはお互いを「manofscience」と呼...雑誌の最高峰

  • 依存症の証拠

    アルコールやニコチン依存症の人の特徴は、口では「いつでもやめられる」と言うが実際の行動は「飲み続ける/吸い続ける(やめることができない)」ことです。すると、現在「自粛していないパチンコ店」を探してパチンコを続けている人は、口で何を言っていたとしても、実はパチンコ依存症である、と判断しても間違いはなさそうです。【ただいま読書中】『データは騙る──改竄・捏造・不正を見抜く統計学』ゲアリー・スミス著、川添節子訳、早川書房、2019年、2000円(税別)「世の中には3種類の嘘がある。嘘、大嘘、そして統計だ」という有名な言葉があります。また、「データを使って私たちをだまそうとするのは、他人だけではない。私たちはよく自分にもだまされる」と本書は始まります。ではどうしたらそういった「嘘」にだまされずにすむか、そのためには「だ...依存症の証拠

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