やくもあやかし物語2042『ヴォルフガング・フォン・ナザニエル卿・1』四時間目の魔法史の時間が終わると全員講堂に集められた。「グ……校長が来てんぞぉ」ハイジが地声で呟いた。本人は呟いたつもりでも、ハイジの声はよく通る。とたんに集会指揮のメグ・キャリバーン教頭先生が睨む。あ、気持ちは分かる。校長はめったに顔を見せないし、いかつくってとっつきにくい。なんでも、学校を立ち上げるについて、各方面に気を使ったり抑えが聞くようにしたそうで、それは総裁にヨリコ王女を頂いていることでも分かる。でも、議会や貴族たちの抑えとしてはヨリコ王女は若すぎるし、日系でもあることから軽んじられることも無きにしも非ず。それで、直接のファイアーウォールとして長老的貴族であるカーナボン卿を校長に戴いているんだとか。ハイジが睨まれたので、その...やくもあやかし物語2・042『ヴォルフガング・フォン・ナザニエル卿・1』