2025年11月18日をもってgooblogがサービス終了するとのこと。2014年9月13日に「OCNブログ人」の終了により引っ越してきて、10年以上お世話になりました。今後このBlogは、4月18日より、「はてなブログ」(https://norio0923.hatenablog.com/)に移行して続けていきます。引き続きよろしくお願いいたします。〔お知らせ〕gooブログから引越しします
師弟百景 “技”をつないでいく職人という生き方 (井上 理津子)
いつも聴いているピーター・バラカンさんのpodcast番組に著者の井上理津子さんがゲスト出演していて紹介された著作です。内容は、今日に続く“職人”の世界を舞台に、“伝統的技芸”を伝えていく師弟関係の「今」を小文と写真で紹介したものです。丹念な取材で描き出された“職人の世界”のエピソードはどれもとても興味深かったのですが、それらの中から特に印象に残ったところをいくつか書き留めておきましょう。まずは、井上さんが本書で特に注目した「現代の職人像」が表れているくだり。文化財修理装潢師の現実から。(p112より引用)経験値は大事だが、「つべこべ言わずに、これをやれ」的な職人仕事では、そこ止まりだ。培われてきた技術や作法には「なぜ、そうするのか」を裏付ける理論がある。作品の時代背景から、用具や作業空間への科学的エビデ...師弟百景“技”をつないでいく職人という生き方(井上理津子)
2022年に公開されたアメリカ映画です。“おのぼりさん”?が引き起こす騒動がモチーフになったコメディです。主人公の夢の実現の舞台はパリ、“クリスチャン・ディオール”のブティック。そこでの心優しい味方たちの存在が、主人公を演じたレスリー・マンヴィルのキャラクタとともに、この作品のハートウォーミングなテイストを作り上げたポイントですね。ちょっとエピソードを詰め込み過ぎた感もありますが、こういう“Happy”に徹した物語は、映画ならではだと思います。ミセス・ハリス、パリへ行く[DVD]4550510083094レスリー・マンヴィルNBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン〔映画〕ミセス・ハリス、パリへ行く
2023年に公開された日本映画です。2023年3月に開催された「2023WorldBaseballClassic」での日本代表チームの実像を映したドキュメンタリー作品です。チーム専属のカメラにより撮影された映像は、栗山監督をはじめとした選手・コーチのみなさんの姿、声、そこに迸る想いを見事にとらえていました。表舞台での3大会14年ぶりの世界一はもちろん素晴らしい勲章ですが、仮に結果がどうであったとしても、この晴れの場での彼らの気持ちの高まりと躍動は、観ている私たちの心に響きます。憧れを超えた侍たち世界一への記録通常版[DVD]三木慎太郎TCエンタテインメント〔映画〕憧れを超えた侍たち世界一への記録
いつも利用している図書館の新着本リストで目についた本です。ストレートに“タイトル”に反応して手に取ってみました。私も「定年」を目の前に控える歳になりました。これからは、僅かな資産を取り崩しながら日々暮らしていく生活に移ります。この物価上昇の世の中、少しでも資産運用をとの気持ちもありますが、やはりそれが定年後のやるべきこと中心というのは如何にもおかしな話です。そのあたり、著者の大江英樹さんはどうとらえ、どうアドバイスしているのか。本書のタイトルでもある「お金の減らし方」について、大江さんはこんなふうに議論を進めます。(p156より引用)まず本章では、「お金の使い方、減らし方」について、4つの側面から考えます。それは、(1)自分の好きなことにお金を使う、(2)思い出にお金を使う、(3)人のためにお金を使う、そ...90歳までに使い切るお金の賢い減らし方(大江英樹)
2007年に公開されたアメリカ映画です。メキシコのシウダー・フアレスで起きた連続女性殺人事件をもとに作られた作品とのこと。事実を掘り下げたドキュメンタリーではありませんし、主人公を中心としたストーリーは完全にフィクションだと思いますが、モチーフになった事件の背景等については“さもありなん”という感じを抱かせるリアリティがあります。ラストはスッキリした幕切れではありませんが、この作品のテイストだと、こういうエンディングが相応しいのでしょう。ボーダータウン報道されない殺人者[DVD]ジェニファー・ロペスアミューズソフトエンタテインメント〔映画〕ボーダータウン報道されない殺人者
2022年~2023年にかけて放送されたテレビアニメ作品です。「機動戦士ガンダム」とあったので観てみましたが、お馴染みのモビルスーツは登場するものの、私が見慣れていた「機動戦士ガンダム」シリーズとは全く別物でした。ここまでモチーフやテイストが変わってしまうと、私のような世代の者は、登場するキャラクタに共感も感じませんし、物語の世界観に入り込む余地もありませんでした。時の移ろいですね、残念・・・。機動戦士ガンダム水星の魔女vol.1(特装限定版)[Blu-ray]機動戦士ガンダム水星の魔女vol.1(特装限定版)小林寛バンダイナムコフィルムワークス〔アニメ〕機動戦士ガンダム水星の魔女
いつも利用している図書館の新着本リストで目に付いた本です。加藤周一さんの著作は、以前は何冊か読んでいたのですが、このところご無沙汰でした。本書は加藤さん本人の著作ではなく、加藤さんの文章を材料に、彼の卓越した「文章力」を腑分けして紹介した内容です。著者の鷲巣力さんは、平凡社で加藤さんらの担当編集者として活躍したのち、現在は、立命館大学加藤周一現代思想研究センター顧問をされています。本書には、そういう加藤さんの文章を知り尽くした方ならではの読み解きのポイントや関係するエピソードが数多く記されていました。ここでは、そのいくつかのくだりを覚えとして書き留めておきます。まずは、「第7章起承転結をつくるー「小さな花」」で指摘された“考え抜かれた『例示』”。(p93より引用)加藤は具体的に例示するとき、頭に浮かんだ偶...書く力加藤周一の名文に学ぶ(鷲巣力)
2021年に公開されたアメリカ映画です。クライム・サスペンスといったジャンルだと思いますが、アクションがウリではありません。リアリティは今ひとつですが、しっかりした設定とストーリーでみせる作品です。舞台となったマルセイユの退廃的な街の風情も、作品のテイストにマッチしていました。キャスティングも秀逸です。主演のマット・デイモンは、こういう性格の役も見事に演じますね。共演のカミーユ・コッタン、アビゲイル・ブレスリンもとてもよかったと思います。あとは、相手役の娘を演じたリルー・シュヴォー、彼女抜きには登場人物間の人間関係は描けなかったでしょう。素晴らしい。スティルウォーター[DVD]4550510049601マット・デイモンNBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン〔映画〕スティルウォーター
2017年に公開されたアメリカ映画です。「バットマンvsスーパーマンジャスティスの誕生」を引き継いだ物語です。スーパーマン、バットマン、ワンダーウーマンに、フラッシュ、アクアマン、サイボーグが新たに加わったDCコミックスの選抜チームが活躍します。ただ、悪役のモチーフに今ひとつインパクトがなく、戦いの背景にも納得感がありません。単に、ヒーロー、ヒロインが“空疎な空中戦”をしているだけのように見えてしまいます。大きなウリのひとつの“スーパーマンの復活”も、取って付けたようで・・・。この作品を見る限りでは、それぞれのキャラクターの「単独作品」の方が楽しめるように思いますね。ジャスティス・リーグ[DVD]ベン・アフレックワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント〔映画〕ジャスティス・リーグ
聴きポジのススメ 会話のプロが教える聴く技術 (堀井 美香)
著者の堀井美香さんは、2022年4月にTBSを退社しフリーとして新たな道を歩始めた元TBSアナウンサーです。堀井さんの著作は、ちょっと前に「一旦、退社。~50歳からの独立日記」というエッセイ集を読んでいます。とても読み心地のいい内容でした。今度は、前著とはかなりテイストが変わった“HowToもの”ですね。「アナウンスのプロ」である堀井さんは、数多くの番組やイベントでインタビュアーとして“聞き役”を務めることが多々ありました。その経験をもとに、実践に役に立つ具体的な“聴く技術”を紹介していくのですが、併せて、“聴く心構え”や“聴くための話し方”といったテーマにも話題は拡がっていきます。そのあたりの問題意識も「アナウンスのプロ」としての心配りの表れですね。さて、本書を読んでの感想です。堀井さんが実践してきた“...聴きポジのススメ会話のプロが教える聴く技術(堀井美香)
2001年に制作されたアメリカのクライム・サスペンス映画です。ロバート・デ・ニーロとマーロン・ブランドの共演というので観てみたのですが、かなり以前に1度観ていましたね。数人の主要人物だけで物語は進んでいくのですが、正直、マーロン・ブランドにはそれほどの存在感は感じられず(まあ、そういう演技だったのかもしれませんが・・・)、本作では、ロバート・デ・ニーロの相棒役のエドワード・ノートンのうまさが際立っていたように思いました。最後の“どんでん返し”はある程度のところで予想はできるのですが、ミエミエでも、ここまでシンプルなHappyendにもっていかれるとスッキリしますね。スコア[Blu-ray]通常版ロバート・デ・ニーロギャガ〔映画〕スコア
2020年に公開されたアメリカ映画です。児童文学「ドリトル先生」シリーズを原作としているとのことですが、“動物と話せる”というモチーフと助手のトミー・スタビンズを除くと全く別の物語ですね。それでは翻って、別作品としての印象はどうかというと、どうにも「?」です。ストーリー自体は陳腐ですし、動物たちの演技をみて喜ぶ観客は限られるでしょう。動物の声で出演した役者の方々も含めると、かなり豪華なキャスティングなのですが、残念ながらそれには不釣り合いな出来でした。ドクター・ドリトルブルーレイ+DVD[Blu-ray]ロバート・ダウニーJr.NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン〔映画〕ドクター・ドリトル
ちょっと前に片岡義男さんの最近の書き下ろしエッセイ集「僕は珈琲」を読んだのですが、その独特の感性が気になって、彼の往年の代表作を読んでみようと思い立ちました。1975年に雑誌「野生時代」で発表されたとのことなので、もう50年近く前の作品です。本書は、表題作「スローなブギにしてくれ」をはじめとして「モンスター・ライド」「ハートブレイクなんて、へっちゃら」「マーマレードの朝」「さしむかいラブソング」の計5編を集めた短編集です。どの作品にも、街々の情景描写、男女のキャラクタ設定、オートバイ、たばこ、ファッションといった小道具類に、当時の時代が色濃く映し出されています。(p229より引用)昼のあいだ、美紀は、なんとなく学校にかよっているようだった。ノートや辞書をブック・ベルトでしばって持ち、出かけていく。“ブック...スローなブギにしてくれ(片岡義男)
2022年に公開されたアメリカ映画です。女性が主人公のスパイ映画ですが、プロットやストーリーは今ひとつでした。その代わり、キャスティングは豪華絢爛です。ジェシカ・チャステイン、ダイアン・クルーガー、ペネロペ・クルス、ルピタ・ニョンゴ、ファン・ビンビンと主役クラスが揃い踏みでした。このあたり、「オーシャンズ8」を彷彿とさせます。ただ、そうなると、個々の魅力も“フルに発揮”とはいかないのが残念ですね。355[DVD]ジェシカ・チャステイン(佐古真弓)Happinet〔映画〕355
2012年に公開されたアメリカ映画です。観るのは2、3回目だと思います。私の世代だと、「トータル・リコール」といえば、まずは、アーノルド・シュワルツェネッガー主演のもの(1990年)を思い浮かべますが、こちらは同じ原作に基づくコリン・ファレル主演版です。次々に展開するアクションシーンがウリなのでしょうが、ともかく本作で強烈な印象を残したのはケイト・ベッキンセイル演じる「ローリー」の凄まじき執念ですね。1990年版ではシャロン・ストーンが演じた役で、“Mr.&Mrs.スミス”を彷彿とさせるものがありました。トータル・リコールBokeemWoodbine〔映画〕トータル・リコール(2012)
いつも利用している図書館の新着本リストで目についた本です。私自身、大学は“法学部”出身ではありますが、民法も総則と物権法ぐらいしか履修していませんし訴訟法系はノータッチ、社会人になってからも「法務」を専門的に所掌したことはありません。さらには、いわゆる“生活の中の法律”という切り口いえば、その実務的な法的知識は全くの素人レベルという恥ずかしい有様です。ということで、少しはこの手の法律知識も整理しておきたいと思い、本書を手に取った次第です。まず、著者が本書を記すにあたって掲げた基本コンセプトですが、それは「予防法学」です。「予防法学」とは、「法的紛争を防ぐための知識、知恵、法的リテラシー」のことだと定義づけていますが、本書でその重要性を説くに至った問題意識について、著者はこう語っています。(p32より引用)...我が身を守る法律知識(瀬木比呂志)
2016年に公開されたアメリカ映画です。「マン・オブ・スティール」の続編との位置づけですが、スーパーマンとバットマンを戦わせるとは思い切った構想ですね。私の感覚では、この組み合わせは、“ゴジラ対ガメラ”に相当するぐらいのインパクトです。複数のヒーローたちが登場するパターンとしては、「アベンジャーズ」のようにオールスターチームのメンバーとして参集するタイプのものがありますが、本作の場合は、“正義のヒーローどうし”がガチで戦うという点で、とても画期的ですね。その分、戦いの背景や理由の作り込みが悩ましく、本作では「ガメラ3邪神覚醒」のパターンに類似した動機を採用しています。ちなみに、ラストの「ワンダーウーマン」の参戦は、後続シリーズへの導線という意味が大きいのでしょうが、唐突であってもガル・ガドットを引っ張り出...〔映画〕バットマンvsスーパーマンジャスティスの誕生
2017年に制作されたアメリカ映画です。定番の人気シリーズ、主人公のジャック・スパロウはジョニー・デップの“はまり役”ですし、彼にとっても代表作ですね。たぶん作品の出来としては極々“並”だと思いますが、エンターテイメント作品としてはそこそこの水準はキープしています。加えて、今回登場した新キャラクタの設定は、過去のシリーズからのコアファンにとっては結構楽しめたのではないでしょうか。あと、特にラスト、あまりにも唐突ですが、キーラ・ナイトレイの登場はインパクトがありましたね。パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊[DVD]ジョニー・デップウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社〔映画〕パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊
ヤラセと情熱 水曜スペシャル『川口浩探検隊』の真実 (プチ鹿島)
以前聴いていた「未来授業」というpodcastの番組に著者のプチ鹿島さんがゲスト出演していて紹介していた著作です。1970年代後半から1980年代にかけて登場した“娯楽としてのテレビ番組”は、昨今のバラエティとは全く別物で異様に高揚したエネルギーに包まれていました。本書は、そのころの「エンターテインメント番組の制作現場」を、当時の関係者からの取材をもとに掘り下げた気になる内容だったので、楽しみに手に取ってみました。“『川口浩探検隊』の探検隊”というコンセプトもいいですね。実際、期待どおりとても刺激的なトピックが満載だったのですが、それらの中から特に印象に残ったものをいくつか書き留めておきましょう。まずは、制作現場の実体、放映された映像以外の部分。“川口浩探検隊”の放映で「見えているところ(テレビで映してい...ヤラセと情熱水曜スペシャル『川口浩探検隊』の真実(プチ鹿島)
2015年に制作されたイギリス映画です。SF・コメディ作品なので“荒唐無稽”でもいいのですが、着想もストーリーも、私の好みのテイストではなく、まったく楽しめるものではありませんでした。モンティ・パイソンといっても、私には特段の思い入れはありませんし、その“笑い”の波長は私にはどうにも合わなかったですね。登場するキャラクタの設定も共感できるところはなく、エイリアンたちの造型にもセンスを感じません。せっかくのケイト・ベッキンセイルが出演も、残念な結果で、もったいなかったですね。ミラクル・ニール!スペシャル・プライス[DVD]サイモン・ペッグHappinet〔映画〕ミラクル・ニール!
2016年に放送されたアニメ作品です。遥か昔のガンダムを知っている人からみると懐かしいでしょう。“宇宙世紀”を舞台にしたテレビアニメシリーズは久しぶりです。ストーリー自体は、「ラプラスの箱」というモチーフについての納得感はともかく、シンプルです。だとすると、登場人物の魅力がポイントになるのですが、ともかく一番光っていたのは「マリーダ・クルス」ですね。そのキャラクタ設定は秀逸で、儚くも強烈な存在感がありました。反面「?」だったのは敵役の「フル・フロンタル」。こちらは、キャラクタの表情・姿・ファッション・・・、どれをとっても、もったりと時代がかっていて垢抜けない印象でした。機動戦士ガンダムユニコーンRE:0096COMPLETEBEST(期間生産限定盤)ヴァリアスSME〔アニメ〕機動戦士ガンダムユニコーンRE:0096
以前聴いていたTokyoFMのpodcastの番組「未来授業」で橘玲さんが講師として出演したとき紹介していた著作ですが、その内容が面白そうだったので読んでみたものです。かなり評判になっている本なので図書館での貸出の待ち行列が長く、手にするまでにかなりの時間がかかってしまいました。刺激的なタイトルですが、内容も橘さんの主張がストレートに表明されていて思い切りの良さを感じますね。それらの中から特に印象に残ったところをいくつか書き留めておきます。まずは、“ほめて伸ばす子育て/教育”についての考察。「やっかいな自尊心」の項からです。1970年代にアメリカ社会で“自尊心ブーム”があり、“ほめて伸ばす教育”が提唱されました。しかしながら、近年の研究では、ほめる(=自尊心を高める)教育は学業の成績とは無関係だというので...バカと無知(橘玲)
2006年に公開されたアメリカ映画です。「9.11(アメリカ同時多発テロ)」でハイジャックされた航空機のうちの1機を舞台とした作品です。乗員・乗客・テロリスト・航空関係者・軍関係者、それぞれのハイジャック時の様子をリアリスティックに描き出しています。そのため出演者も有名な俳優は敢えて起用せず、役柄によっては、当該業務経験者や当時現場にいた当事者も起用したという徹底ぶりです。重いテーマですし、結末もショッキングな作品ですから、私見をもってどうこう評価するのは避けたいと思います。ユナイテッド93(ユニバーサル・ザ・ベスト)[DVD]シェエン・ジャクソン.ジョン・ロスマン.クリスチャン・クレメンソンユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン〔映画〕ユナイテッド93
2021年に公開されたアメリカ映画です。SF小説「デューン砂の惑星」を原作とした作品の前編ですが、それだけで155分、全体ではかなりの大作ですね。同名の映画は、今から40年ほど前、1984年に映画館で観ています。残念ながら「砂漠の怪物」の印象だけで、ストーリーは全く記憶に残っていません。本作も、前半部分ということもあってあまりインパクトのない展開ですし、舞台も“砂漠”で平板です。とはいえ、その割には、映像自体は結構見応えがありました。あと、出演者でいえばレベッカ・ファーガソン。「ミッション:インポッシブル/デッドレコニングPARTONE」では、最後の出演になって残念だったのですが、こちらの方で、いい役にはまっているようです。DUNE/デューン砂の惑星[DVD]4548967463514ドゥニ・ヴィルヌーヴ...〔映画〕DUNE/デューン砂の惑星
いつも利用している図書館の新着本リストで目についた本です。このところ“地政学”という言葉をよく目にします。今日の世界情勢を理解するに必須の視点を提示しているようですが、私は全く勉強したことがありません。ということで、手近な本書を手に取ってみました。私のような初学者にとって、初めの一歩としては馴染みやすい構成ですね。さっそく、私の興味を惹いたところをいくつか書き留めておきます。まずは、「地政学」の基礎としての“2つの異なる源流”について。「英米系地政学」と「大陸系地政学」の世界観の整理です。(p53より引用)マッキンダー地政学は、地理的条件によって作り出される構造的な要因で生まれる二つの政治共同体のグループの間の葛藤を描き出したうえで、シー・パワー群のネットワークが持つべき普遍主義の世界観にそった政策がどの...戦争の地政学(篠田英朗)
2018年に放送されたアニメ作品です。一世を風靡したコミック「北斗の拳」の流れを汲むシリーズですが、本作は、メッセージ性が強かったり、絵のトーンが柔らかになったりとかなりテイストが変わっています。特に異なっているのは“主人公のキャラクタ”でしょう。“ストイック”な北斗の拳の「ケンシロウ」と、“茫洋”とした蒼天の拳の「霞拳志郎」、好みは分かれますね。ちなみに、私は“もったりとしながら理屈っぽい”「拳志郎」よりも、一本気で素直な「ケンシロウ」の方が好きですね。また「コミックの北斗の拳」を読み直すとしましょうか。蒼天の拳REGENESIS第1巻<初回生産限定版>[Blu-ray]山寺宏一NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン〔アニメ〕蒼天の拳REGENESIS
2013年に公開されたアメリカ映画です。「スーパーマン」が主役のヒーローものですが、以前にクリストファー・リーヴがスーパーマン役を演じた作品も制作されているので、スーパーマン誕生時から描いている作品としては“リブート版”ということになります。ストーリーは大雑把、映像も派手で、特に終盤のニューヨークの摩天楼での戦闘シーンは少々やり過ぎ感も否定できません。ただ、SFエンターテイメント作品ですから、このくらい思い切ってもいいのかも知れませんね。批評家のスコアはバラバラのようですが、それでも、しっかりした作りだと感じるのはキャスティングに手を抜いていないからだと思います。ヒロインのエイミー・アダムスもよかったですが、ケビン・コスナー、ラッセル・クロウ、ダイアン・レインという重量級の布陣は、なかなかの存在感でした。...〔映画〕マン・オブ・スティール
会社の友人がSNSで紹介していた本です。刺激的なタイトルなので、大いに気になりました。著者の中野善壽さんは、日本や台湾の企業にて要職を勤めた後、2011年からは寺田倉庫の代表取締役社長兼CEOとして幅広い分野で活躍された方です。本書では、その中野さんのユニーク?な思考が気さくな語り口で開陳されています。なかなかマネできるものではありませんが、期待どおりのメッセージの中から特に印象に残ったものを覚えに書き留めておきます。まずは、「慣れを捨てる」(p58より引用)人間は慣れるとバカになる。頭を使わなくなって、衰えていく。だから、できるだけ不慣れな機会に身を置くことが大切だと、普段から意識しています。私は、初対面の人が苦手で、人付き合いが下手です。ズボラな性格なので、あちこち出歩くこともありません。そういう私に...ぜんぶ、すてれば(中野善壽)
2008年に公開されたアメリカ映画です。「インディ・ジョーンズ」シリーズの第4作。ちょうど今年(2023年)、第5作目にあたる「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」が公開されたのですが、劇場で見損ねてしまったので、代わりにその直前の作品である本作を観直したということです。前作といっても「15年」も経っているんですね。ちなみに、公開時のこの作品の評価はかなり酷かったようです。ケイト・ブランシェットのアカデミー賞受賞後の出演作としては、少々もったいない役どころだったり、核実験のシーンのように意味不明な演出もあったりしましたが、宝探しの途上の仕掛けやドタバタも適度でしたし、プロット自体はそれほど悪くは無いですよ。定番のエンターテイメント作品としては、今でも十分楽しめる出来だと思います。インディ・ジョーンズ/ク...〔映画〕インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国
1965年に公開された日本映画です。東宝の“ゴジラ”シリーズに対抗して作られた大映の“ガメラ”シリーズ第1作目の作品です。昭和ガメラシリーズは、第2作目の「大怪獣決闘ガメラ対バルゴン」以降の作品は、劇場公開時も含め結構何度も観ているのですが、この第1作目は初めて観ました。この時期までに東宝のゴジラシリーズは、モスラやキングギドラといった人気怪獣が登場していたので、怪獣映画は日本映画のヒットコンテンツとしては定着しつつありました。そういう時流に乗って、大映としても後発ではありますが当時の社長の肝煎りで手掛けたそうです。さて、その大看板の“ガメラ”、文字通り「カメ」がモチーフですが、口から火を噴き、頭や手足を引っ込めたところからの火炎噴射で空を飛ぶという奇抜なアイデアは大当たりしました。ゴジラシリーズは途中か...〔映画〕大怪獣ガメラ
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2025年11月18日をもってgooblogがサービス終了するとのこと。2014年9月13日に「OCNブログ人」の終了により引っ越してきて、10年以上お世話になりました。今後このBlogは、4月18日より、「はてなブログ」(https://norio0923.hatenablog.com/)に移行して続けていきます。引き続きよろしくお願いいたします。〔お知らせ〕gooブログから引越しします
日本経済新聞の書籍紹介の欄で書評家の東えりかさんが取り上げていました。前野ウルド浩太郎さんの著作は初めてです。本書は、7年前に出版し新書大賞を受賞した「バッタを倒しにアフリカへ」の続編とのこと、エネルギッシュなタイトルも刺激的です。期待どおりインパクトのあるエピソードが数多く紹介されていましたが、その中でも特に印象に残ったところをいくつか書き留めておきます。まずは、「論文作成の現実」についてです。学術論文では当然なのでしょうが、記述内容はどんなに些細なことであってもすべて実際に確認されていなくてはならないという“探求への真摯さの程度”には改めて驚かされました。「卵母細胞は毎日、徐々に大きくなる」「メスは自力でオスを蹴っ飛ばすのに苦労する」といった一行にも満たない記述の裏には、解剖や実験にもとづく測定数値が...バッタを倒すぜアフリカで(前野ウルド浩太郎)
1979年に「宇宙戦艦ヤマトIIヤマトよ永遠なれ!」というタイトルで放送され、1985年「宇宙戦艦ヤマト2総集編」に改題され再放送された日本のアニメ作品です。大ヒットしたテレビアニメ「宇宙戦艦ヤマト」は劇場映画化され、その続編として「さらば宇宙戦艦ヤマト愛の戦士たち」が作られましたが、本作品は、同じ「白色彗星帝国」との戦いを描きつつもラストシーンをはじめかなり内容を改変して放映されたものです。両者の違いについてはそれぞれの捉え方があると思います。ドラマチックなエンディングという点では、「さらば宇宙戦艦ヤマト愛の戦士たち」の方に軍配が上がるのでしょうが、それをもたらしているメンタリティを思うと、やはり強い違和感を感じざるを得ません。宇宙戦艦ヤマト2総集編松本零士〔アニメ〕宇宙戦艦ヤマト2総集編
2024年に公開された日本映画です。安田淳一さん脚本・監督の自主製作映画ですが、第48回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞という快挙を成し遂げました。“タイムスリップ”というモチーフは、映画ではそれこそ山のように前例があってオリジナリティはありませんが、登場人物のキャラクタやストーリーだてが素直だったせいか、とても自然に楽しませていただきました。ラストに向かうシーンの組み合わせも秀逸でしたし、作品に通底する“映画作り”への情熱は、はるか昔に観た「蒲田行進曲」に通じるものがありますね。ちなみに、エンドロールをみていると、作品で「助監督」役を演じた沙倉ゆうのさんは、本作そのものでも「助監督」だったようですし、安田監督にいたっては、編集や照明等、いたるところに「安田淳一」の名前があるのには笑ってしまいました。楽し...〔映画〕侍タイムスリッパー
かなり以前に読んでいた内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら“シリーズ全作品制覇”にトライしてみようと思い始めました。この作品は「第42作目」です。今回の舞台は“奈良”。奈良は、仕事関係で出張に行ったことはなかったと思いますが、遥か昔の修学旅行やプライベートでの旅行では、大仏、興福寺、春日大社、唐招提寺や斑鳩あたりにも訪れています。またゆっくり散策してみたい町ですね。ミステリー小説ですからネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、この作品、いつもの浅見光彦シリーズの展開や幕引きとは一味違っているように感じまし...平城山を越えた女(内田康夫)
1980年に公開された日本映画です。有名な黒澤明監督の作品ですが、私は黒沢作品は数えるほどしか観たことがありません。確かに、よくいわれているように「色」へのこだわりは随所に見られましたし、多数の騎馬や歩兵が登場する野戦のシーンの迫力は出色でしたね。その鉄砲と騎馬との戦いの描き方も、直接的な衝突を写すのではなく、それぞれのシーンを交互に挟み込み、野太い音楽とのセットで表現していたあたり、素人目にも強烈なこだわりが伝わってきます。キャスティングも仲代達矢さん、山﨑努さん、志村喬さん等々大物揃いでしたが、なかでも格別の存在感を発揮していたと私が感じ入ったのは大滝秀治さん、素晴らしい役者さんですね。あと、エンドロールで外国版プロデューサーとしてフランシス・コッポラ、ジョージ・ルーカスの二人の名前が並んでいたのは、...〔映画〕影武者
いつも聴いている大竹まことさんのpodcast番組に著者の東畑開人さんがゲスト出演していて紹介していた本です。臨床心理士として、メンタルの悩みを抱える本人はもとより、突然にそういった身近な人のケアをし始めた人たちのカウンセリングに携わっている東畑さんの話はとても興味深い内容なのですが、それらの中から特に私の関心を惹いたところをいくつか書き留めておきます。まずは、東畑さんが語る「こころのケア」の話に登場する基本概念、「ケア」と「セラピー」についてです。ケアとは何か?・ケアとは傷つけないことである・ケアとはニーズを満たすことである・ケアとは依存を引き受けることであるでは、セラピーとは何か?・傷つきと向き合うのがセラピー・セラピーとはニーズを変更することである・セラピーとは自立を促すことであるそして、ケアとセラ...雨の日の心理学こころのケアがはじまったら(東畑開人)
2024年に放映されたフランスのテレビドラマです。いうまでもなく北条司さんの往年の大ヒットコミック「キャッツ・アイ」の実写版。フランスでは1986年に日本版アニメが放送されて人気を博したとのことですが、原作とはかなり異なったテイストにアレンジされているので、評価は大きく分かれたようですね。私のような原作コミックをリアルタイムで知っている世代のファンからすると、あえて別物として捉えた方がよさそうです。正直な印象では、“B級”のノリのストーリー展開や現代フランスを意識したキャラクタ設定を楽しむといった作品でしょう。キャッツ・アイBIGBANDSTORY〔ドラマ〕Cat'sEyes
2003年に公開された日本映画です。向田邦子さん脚本のテレビドラマから始まり、映画・ドラマ・舞台とさまざまな形で何度となく作品化されました。昭和後期が舞台なので、当時の社会観念が色濃く出ている台詞や演出については、観る世代によって印象や評価がかなり変わるでしょうね。四姉妹を中心としたエピソードを綴るヒューマンコメディなので、姉妹や家族、それを取り巻く面々のキャスティングが興味を惹くところですが、本作の、大竹しのぶさん、黒木瞳さん、深津絵里さん、深田恭子さんの四姉妹、その両親に、仲代達也さん、八千草薫さん、さらには坂東三津五郎さん、桃井かおりさんと居並ぶラインナップは空前絶後、最強でした。特に八千草薫さんの雲をつかむようなほっこりしたキャラクタは出色でしたね。あとは、長澤まさみさん、まだオーラを発する前でし...〔映画〕阿修羅のごとく
このところ気分転換に読んでいるミステリー小説は、読破にチャレンジしている内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”に偏っているのですが、時折、以前よく読んでいた大沢在昌さんの作品の中から未読作にもトライしています。先日、“狩人シリーズ”の現時点での最新作「冬の狩人」を読んでみて結構面白かったので、今度はこのシリーズにも手を伸ばしてみようと思いました。というわけで、まずはシリーズ第1作目“北の狩人”、第2作目“砂の狩人”を読み終わり、今度は第3作目の本作という次第です。エンターテインメント作品なのでネタバレになるとまずいでしょうから内容には触れませんが、この作品も十分楽しめました。物語の展開という点では、かなりの部分まで多くの登場人物が次々と起こるエピソードに絡んできて、正直“ごちゃごちゃ”し過ぎている感じがしまし...黒の狩人(大沢在昌)
2024年に公開されたアメリカ映画です。ともかく観て単純に楽しめる“アクション・コメディ作品”です。スタントマンが主人公なのでスリリングなシーンが満載ですが、VFXでの映像制作にも少なからず生のスタント的な要素が不可欠なんですね。そのあたりの様子も興味深く知ることができました。あとは、キャスティング。エミリー・ブラントは芸域も広く私の好きな役者さんの一人なのですが、この作品では無難な役どころでかなり物足りませんでしたね。ちょっと残念ですが、まあこういった顔見世もあるのでしょう。フォールガイブルーレイ+DVD[Blu-ray]4550510120324ライアン・ゴズリングNBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン〔映画〕フォールガイ
2024年に公開された日本映画です。柚木麻子さんの小説が原作で、堤幸彦さんが監督のライト・コメディ作品ですが、少し前に全面休館となった「山の上ホテル」を舞台とした点も話題性がありますね。主人公はのんさんが演じているのですが、これが見事にはまっていましたね。ちょっと屈折したネアカのキャラを適度なメリハリで魅せてくれました。それを引き立てる相手役の滝藤賢一さん、田中圭さんもいい演技だったように思います。ストーリー、キャスティング、演出、そして舞台となったホテル、それぞれのよさが相俟って穏やかなバランスを醸し出していました。面白かったです、楽しめました。私にふさわしいホテル堤幸彦〔映画〕私にふさわしいホテル
いつも利用している図書館の書架をつらつらと眺めていて目につきました。私も世の中的にいえば“老人”と呼ばれる年代に突入してしまったので、タイトルにも親近感を抱きますね。著者の下重暁子さんは、NHKのアナウンサーとして活躍後フリーとなり、現在では文筆家として多彩なジャンルの作品を世に送り出しています。本書は、そんな下重さんの得意なテーマのひとつである“高齢化社会”を扱ったエッセイで、“明日は我が身”だからというノリもあって読んでみました。で、結果ですが、正直なところ、かなり期待外れでしたね。“私は、他の人たちとは考え方が違うんだという思い込み”が、強烈な自己主張という形でちょっと表に立ち過ぎていたようです。エッセイなら、著者ならではの“感性”が、とりあげたモチーフの捉え方のオリジナリティとともに伝わってくるの...老人をなめるな(下重暁子)
1998年に公開された日本映画です。“平成モスラ”シリーズ3部作の第3作目、完結編にあたる作品で、こちらも“こども向けSFファンタジー”ですね。今回の見どころはゴジラシリーズの人気キャラの「キングギドラ」の降臨ですが、この強敵と一戦を交えるために、「巨大な蛾」をあの手この手でパワーアップさせています。とはいえ、なかなか苦労したようですね。とても残念なことに、せっかくの主役のモスラは、“形態変化”のたびにリアリティのない薄っぺらい造型になってしまいました。モスラ3キングギドラ来襲[東宝DVD名作セレクション]小林恵東宝〔映画〕モスラ3キングギドラ来襲
2023年に放映された日本の長編テレビドラマです。2022年に連続テレビドラマとして人気を博した番組のスペシャル版で、主要な登場人物も引き継がれたテレビシリーズとの連続モノとして制作されました。江戸時代に「家電がタイムスリップして出現する」という発想がすべてですね。さらに本作はそのアイデアを「忠臣蔵」の物語に織り込む形で“無邪気なエンタメ”として楽しませてもらいました。滝藤賢一さんの独り舞台のようなつくりですが、その他のキャスティング面では、何といっても田島令子さんが目に留まりました。よかったです。もうこういった年季の入った役どころにはまるんですね。家電侍スペシャルストップ!忠臣蔵〔ドラマ〕家電侍スペシャルストップ!忠臣蔵
日本経済新聞の書籍紹介の欄でサイエンスライターの竹内薫さんが取り上げていました。ちょっと前に、いつも利用している図書館の新着本の棚で目には入っていたので、さっそく改めて借りてきました。恐竜絶滅の原因は最近では“隕石衝突説”が定説に近い位置にあるようですが、本書では、隕石衝突後“生物が絶滅に至るプロセス”と、その直後からの“再生のプロセス”を具体的に描き出して解説しています。興味深い内容が満載だったのですが、その中でも特に印象に残ったところをいくつか覚えとして書き留めておきます。まずは、「隕石衝突の生命史上のインパクト」について。(p14より引用)地球の生命史は、「偶然性」というたったひとつの事象によって、不可逆的な変化を経験した。もし小惑星の衝突が起こらなかったり、もっと遅かったりしていたなら、あるいは、...恐竜最後の日:小惑星衝突は地球をどのように変えたのか(ライリー・ブラック)
2015年に公開された日本映画です。大泉洋さんが主演のコメディ作品ですが、井上ひさしさんの小説「東慶寺花だより」を原案にした原田眞人さんの脚本がとてもよかったですね。喜劇風の台詞回しも効果的でした。キャスティングも、樹木希林さん、堤真一さん、キムラ緑子さんに山﨑努さんといったベテランが脇を固めた中で、満島ひかりさん、戸田恵梨香さん、内山理名さんといった中堅どころの実力派が魅力的でそれぞれに持ち味を存分に発揮していました。あと、出色だったのが陽月華さん。彼女が演じたキャラクタがこの作品に爽やかな微笑みを纏わせてくれました。駆込み女と駆出し男[DVD]大泉洋バンダイビジュアル〔映画〕駆込み女と駆出し男
2024年に公開されたアメリカ映画です。ジェイソン・ステイサム主演の“アクション作品”なので、リアリティは「0(ゼロ)」、超安心の“ワンパターン”の復讐モノです。ただ、今回は「養蜂家」というキャラクタの設定にちょっとオリジナリティが感じられました。さらに、「ハチ」の社会の仕組みをしっかりと物語の舞台の背景に織り込んでいるのは、なかなか面白い着眼で秀逸だったと思います。ビーキーパーデヴィッド・エアー〔映画〕ビーキーパー
かなり以前に読んでいた内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら“シリーズ全作品制覇”にトライしてみようと思い始めました。この作品は「第41作目」です。今回の舞台は“伊香保(群馬)”。伊香保には、かなり昔になりますが、近場の温泉地ということで、(たぶん)同期入社の研修後の親睦会で訪れた記憶があります。(正直、かなり朧げです)プライベートでも、家族ドライブで立ち寄ったことがあるように思うのですが、こちらも定かではありません。こどもたちと「ガラス細工の体験」をしたのが、伊香保だったような記憶が・・・。この作品、ミステリー小...伊香保殺人事件(内田康夫)
2015年公開のオーストラリアとアメリカの合作映画です。先に観た「マッドマックス/サンダードーム」に続くシリーズ第4作目ということですが、前作からは、なんと30年ぶりの登場ということになります。このシリーズは、初期に作られた3作の中でもかなりトーンは変わっていきました。その点、本作品は、主人公はメル・ギブソンからトム・ハーディに交代していますが、ストーリーよりもカーアクションシーンで見せるという路線はしっかり引き継がれています。確かにアクションシーンの迫力はかなりのものですが、ただ、それを2時間近くも延々と見せられると、さすがに食傷気味になりますね。マッドマックス怒りのデス・ロード[DVD]トム・ハーディーワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント〔映画〕マッドマックス怒りのデス・ロード
1985年公開のアメリカ・オーストラリア合作の映画です。「マッドマックス」シリーズの第3作目の作品ですが、最初のテイストとかなり変わってきましたね。完全に“劇画”路線に舵を切ったようです。キャスティング面では、“ロックンロールの女王”ティナ・ターナーも出演していますが、正直なところ、「話題性」以外に彼女である必然性は感じられないですね。かなり“もったいない”感じがします。マッドマックス/サンダードーム[DVD]メル・ギブソンワーナー・ホーム・ビデオ〔映画〕マッドマックス/サンダードーム
1995年公開のアメリカ映画です。専門家の評価はそこそこ高いようなのですが、私の感覚が鈍いのか、正直かなり退屈でした。ストーリー展開に全くスピード感がなく山谷もありません。キャスティング的には、ジョン・トラボルタ、ジーン・ハックマン、レネ・ルッソ、ダニー・デヴィートと錚々たる面々が並んでいるのですが、やはりこういったコメディには今ひとつ合わないようです。ゲット・ショーティ[DVD]ジョン・トラボルタソニー・ピクチャーズエンタテインメント〔映画〕ゲット・ショーティ
2012年公開の日本映画です。伊坂幸太郎さんの短編小説が原作の作品ですが、無駄のないストーリーでサクッと楽しめます。キャスティングも、大森南朋さん、石田えりさんといった味のある実力派の俳優さんに、ブレイクし始めた木村文乃さんといった魅力的な面々で、さらに音楽は斉藤和義さんという私的には大いに満足した作品でした。それにしても、石田えりさんと木村文乃さんとの居酒屋のシーンは、なんともほのぼのと自然体で印象的でしたね。よかったです。ポテチ[DVD]濱田岳アミューズソフトエンタテインメント〔映画〕ポテチ
2015年公開の日本とトルコの合作映画です。日本・トルコ友好125周年の記念、朝日放送創立65周年の記念、BSフジ開局15周年の記念という名目で制作された作品ですが、さすがにここまでコテコテの“優等生的映画”も珍しいでしょう。当時の両国のトップ同士でも話し合われた末に実現した企画ということですから、さもありなんです。出演している役者の皆さんの熱演は印象的ではありましたが、やはり、こういった経緯で作られた映画の“危うさ”はとても気になりますね。海難1890[DVD]内野聖陽TOEICOMPANY,LTD.(TOE)(D)〔映画〕海難1890
いつも利用している図書館の新着本リストで目につきました。このところ気分転換に読んでいるミステリー小説は、全作読破にチャレンジしている内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”に偏っているので、久しぶりの松本清張作品です。初期の短編8作を収録した傑作集とのこと。ミステリー小説なのでネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、やはり清張さんの構成力と筆力は素人目にも卓越しているのを感じます。たとえば、4番目に編まれている「白い闇」。読み進めるにつれ高まりゆくクライマックスに向かっての緊迫感。(p174より引用)濃い霧は二人を閉ざした。一メートル先が、白い、厚い紗でぼかされていた。ボートとその近い周囲のあおぐろい水だけが人間の視界にはいっている最大限であった。距離感も遠近感もまったく失われ、白い宙の中を舟は動いてい...空白の意匠:初期ミステリ傑作集(二)(松本清張)
2019年公開のアメリカ映画です。詐欺師が主人公のコメディ作品はそれこそ山のようにありますし、サプライズもかなりの確率で途中で透けて見えてしまいます。本作もそうですが、まあ見どころはアン・ハサウェイとレベル・ウィルソンのコントラストと、ともかく軽いタッチの作風にあるので、それ以外の出来についてとやかく言うものではありません。専門家の評価はかなり厳しいようですが、この手のコメディで「名作」というのはなかなかお目にかかれませんから。“詐欺師が主人公”の名作といえば「スティング」に勝るものを私は知りませんし・・・。ザ・ハッスルアン・ハサウェイスティング[DVD]ポール・ニューマンジェネオン・ユニバーサル〔映画〕ザ・ハッスル
1992年公開のアメリカ映画です。ありがちなモチーフで、想像どおりのストーリー展開ですが、それでも素直に楽しめるのは、役者のみなさんの素晴らしい演技の賜物でしょう。主人公を演じたウーピー・ゴールドバーグさんを筆頭に、キャシー・ナジミーさん、ウェンディ・マッケナさんの対照的ながらとても好感の持てるキャラクター、そして院長役のマギー・スミスさん、こちらは出色の存在感でしたね。このところ、マッドマックスやリディックといった濃い口の映画に浸っていたところなので、久しぶりに心洗われるコメディにホッと一息です。天使にラブ・ソングを…[DVD]ウーピー・ゴールドバーグブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント〔映画〕天使にラブ・ソングを…
そこそこ使っていた私のスマホPixel3XLですが、バッテリーの膨張で裏蓋が数ミリ持ち上がってしまいました。docomoの「ケータイ補償サービス」を契約していたので、サポートセンタに問い合わせたところ「バッテリー膨張でも代替機に交換可能」とのこと。早速、サイトから申し込みを始めたのですが、数ステップ進んだところで、「Pixel3XLの整備品は無く、代替機は『SamsungGalaxyA51』になる」とのメッセージ。負担額は8千数百円ではありますが、数年前のミドルレンジの機種というのには少々抵抗があります。Pixelの数世代前の機種あたりだったらよかったのですが。ということで、いったん「ケータイ補償サービス」の申し込みは中断して、「googleの故障修理店」でバッテリー交換を相談してみました。店員さん曰く、...〔買い物〕Pixel3XLからPixel8aに機種変更
2021年公開のアメリカ映画です。サスペンス・スリラーといったジャンルでしょうか、主人公の心理を独白で語りながらのストーリー展開は、最後にその主役が入れ替わるところも含め、面白いチャレンジだったように思います。とはいえ、キャスティングを眺めただけで、大体のサプライズの予想はついてしまいます。まあ、そういったことは本作品に限ったことでもありませんが、それだけアビー・コーニッシュの存在感が大きかったということですね。エージェント:0漆黒の暗殺者[DVD]通常盤ニック・スタグリアーノアメイジングD.C.〔映画〕エージェント:0漆黒の暗殺者
2004年公開のアメリカ映画です。ヴィン・ディーゼルが主役の作品なので、誰でも雰囲気は予想できるのですが、そのとおりのテイストでした。舞台は「宇宙」ですが、やはり結局は同じですね。ラストもこういう形になったけど、さて、その後はいったいどうなるのか、とても不安に思ってしまう結末です。同じ“ワンパターン・キャラ”なら、まだ「ワイルド・スピード」シリーズの方が私は好みです。まあ、五十歩百歩ですが。リディック通常版[DVD]ヴィン・ディーゼルアミューズソフトエンタテインメント〔映画〕リディック
かなり以前に読んでいた内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら“シリーズ全作品制覇”にトライしてみようと思い始ました。この作品は「第22作目」です。今回の舞台は“日光”。有名な観光地ですから私も何度か訪れたことがありますが、いわゆる観光シーズンの「紅葉の盛り」とかには縁がないので、あまり印象に残ってはいません。ポピュラー過ぎて新鮮さに乏しく感じるのかもしれません。で、肝心の作品について。ネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、「1勝2敗」ですかね。何かといえば、今回、浅見光彦は3つの事件に遭遇したのですが、そ...日光殺人事件(内田康夫)
1981年公開のオーストラリアの映画です。少し前に、前作の「マッドマックス」を観た流れで、この2作目にもトライしてみました。独特の近未来の退廃的な世界観は、人気コミックの「北斗の拳」にも通じるところがあります。しかし、主演にこれほど「台詞」が少ない作品もなかなかお目にかかりませんね。ともかくバイオレンス色に塗り籠められたカーアクションの迫力が最大の魅力ですから、そこが合わないと、別段ストーリーがあるわけではないので全く楽しめないでしょう。まあ、今しばらく付き合ってみるとして、とりあえず第3作目にはチャレンジしましょう。マッドマックス2[DVD]メル・ギブソンワーナー・ホーム・ビデオ〔映画〕マッドマックス2
2019年公開のアメリカ映画です。マーベル・コミックのスーパーヒーローたちを主人公にした「アベンジャーズ」シリーズの“中締め”のような位置づけの作品です。シリーズものではありますが、前作の「インフィニティ・ウォー」を観ていない私の印象としては、独立作品として観てもそれほど違和感はないでしょう。もちろん、シリーズ中の何か一作ぐらいは観ておいた方が、少しでも登場人物間の関係性が浮かぶので、より楽しめるとは思いますが。ともかく、どこまでもエンターテインメントに徹し切った作品ですね。出来栄えがどうこうというより、ここまで豪華絢爛な役者のみなさんを揃えて、これでもかと凝った映像と、懐かしいシーンを織り交ぜた演出をみせられると、やはり敵いませんね。アベンジャーズ/エンドゲームロバート・ダウニーJr.ウォルト・ディズニ...〔映画〕アベンジャーズ/エンドゲーム
1979年公開のオーストラリア映画です。最近、シリーズ第5作目が封切られたようですが、45年間で5作なので、シリーズといってもピンとこないぐらいに悠長なテンポでの制作ですね。観た感想ですが、ストーリーはともかく、アクションシーンも本人やスタントマンによる実写なのでしょう、なかなかの迫力ですし、背景に流れる音楽も直裁的で、まさにシーンの盛り上げ役を十分に果たしていました。思いのほか楽しめましたね。しかしまあ、何より、主役のメル・ギブソン。40年以上前の彼の初々しい姿には驚かされます。マッドマックス[DVD]メル・ギブソンワーナー・ホーム・ビデオ〔映画〕マッドマックス
2016年に公開された日本映画です。テレビシリーズの劇場版ですが、劇場版もシリーズ化されていて本作が7作目とのことです。私はテレビも映画もほとんど観た記憶はありませんが、改めて本作を観てみて、「これは合わない、ダメだ」と感じましたね。中途半端なギャグ映画としか思えませんし、荒唐無稽な設定に加え、ひと昔もふた昔も前の演出センスは情けなくなります。(まあ、ひと昔前の作品ですが・・・)舘ひろしさんも浅野温子さんも、ちょっと前の言いようでは“イタイ”キャラクタの典型でしょう。最近、復活版の映画が上映されているようですが、どうでしょう・・・、私は全く食指が動きません。さらばあぶない刑事(通常版)[DVD]舘ひろしバップ〔映画〕さらばあぶない刑事
いつも利用している図書館の新着本リストを見ていて、タイトルに惹かれて手に取ってみました。哲学者三木那由他さんによる“哲学的な視座”からのエッセイ集です。トランスジェンダーである三木さんならではの起点からの興味深い指摘や思索の紹介が数々ありましたが、そういった類のものとはちょっと違ったユーモラス?なエピソードをひとつ書き留めておきましょう。三木さんはかれこれ30年来の“GLAY(日本のロックバンド)ファン”とのことですが、言語哲学を学んだあと、歌詞の解釈に新たなバイアス?がかかったというのです。その歌詞は、こうです。(p125より引用)避けられぬ命題を今背負って迷ってもがいて真夜中出口を探している手探りで「puresoul」という楽曲の歌詞なのですが、この中の“命題”という単語に鋭敏に反応してしまうようにな...言葉の風景、哲学のレンズ(三木那由他)
2022年に公開された日本映画です。BLコミックを小道具に、年の離れたふたりの人間関係を描いたオリジナルシナリオの作品ですが、芦田愛菜さんと宮本信子さんが主役なだけに、とても落ち着いた優等生的な仕上がりですね。正直、ふたりの演技力や存在感を考えると、作品の出来はかなり物足りない印象です。まあ、たまには観る映画にこういった感じのものを混ぜるのも、心穏やかでいいかもしれません。「メタモルフォーゼの縁側」通常版(DVD1枚組)DVD芦田愛菜バップ〔映画〕メタモルフォーゼの縁側
2022年に公開されたイギリスとアメリカ合衆国の合作映画です。テレビドラマシリーズの続編を映画化したものとのことですが、確かにテイストは“ホームドラマ”的ですね。ストーリー展開もいくつかのエピソードが並行して進みつつも分かりやすく、HappyEndに収束していきます。そういったお決まりの安心感は万人受けする王道パターンなのでしょう。その点、物足りなさを感じるかもしれませんが、私はこの“ほどほど”が程よいのです。ダウントン・アビー/新たなる時代へ[DVD]4550510077604ヒュー・ボネヴィルNBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン〔映画〕ダウントン・アビー/新たなる時代へ
2010年から放送されたBBC制作のテレビドラマです。シリーズ1から4まで特別編を含めると13話。それぞれが1時間を超える長尺で、一流の映画だとっても十分通用するしっかりした作りです。ストーリーは一筋縄ではいかないとても凝ったもので、正直その複雑さと奇抜さにはついていけないところがありました。キャスティングも、主役のベネディクト・カンバーバッチをはじめマーティン・フリーマン、アンドリュー・スコットら映画俳優としても有名どころが配されていて、見応え十分のドラマですね。SHERLOCK(シャーロック)#3『大いなるゲーム』スティーヴン・モファット〔ドラマ〕SHERLOCK(シャーロック)