師弟百景 “技”をつないでいく職人という生き方 (井上 理津子)
いつも聴いているピーター・バラカンさんのpodcast番組に著者の井上理津子さんがゲスト出演していて紹介された著作です。内容は、今日に続く“職人”の世界を舞台に、“伝統的技芸”を伝えていく師弟関係の「今」を小文と写真で紹介したものです。丹念な取材で描き出された“職人の世界”のエピソードはどれもとても興味深かったのですが、それらの中から特に印象に残ったところをいくつか書き留めておきましょう。まずは、井上さんが本書で特に注目した「現代の職人像」が表れているくだり。文化財修理装潢師の現実から。(p112より引用)経験値は大事だが、「つべこべ言わずに、これをやれ」的な職人仕事では、そこ止まりだ。培われてきた技術や作法には「なぜ、そうするのか」を裏付ける理論がある。作品の時代背景から、用具や作業空間への科学的エビデ...師弟百景“技”をつないでいく職人という生き方(井上理津子)
2023/09/30 09:37