任務-松本清張未刊行短篇集 (松本 清張)
いつも利用している図書館の新着本リストで目に付いた本です。松本清張さんは私の好きな作家のひとりですが、本書は、松本さんの没後三十年記念企画の1冊で、いままで未収録だった短編から10篇を選んで書籍化したものとのことです。小説なので、ネタバレになるような引用は控えますが、松本清張さんと言えば「点と線」「ゼロの焦点」等に代表される“社会派推理小説の巨匠”というイメージが大きく、せいぜい初期は歴史小説も手掛けていたということぐらいしか知らない私にとって、この10篇、それぞれに色合いが異なっていて、その筆の多彩さに素直に驚きました。そして、その作家としての開花までの道程の険しさを、本書の最後に収録されている自伝的小品「雑草の実」で読み知りました。日々の暮らしすら困難で文学とは距離を置いていた松本氏は昭和25年「週刊...任務-松本清張未刊行短篇集(松本清張)
2023/08/31 08:17