2025年11月18日をもってgooblogがサービス終了するとのこと。2014年9月13日に「OCNブログ人」の終了により引っ越してきて、10年以上お世話になりました。今後このBlogは、4月18日より、「はてなブログ」(https://norio0923.hatenablog.com/)に移行して続けていきます。引き続きよろしくお願いいたします。〔お知らせ〕gooブログから引越しします
いつも利用している図書館の新着本リストで目に付いた本です。松本清張さんは私の好きな作家のひとりですが、本書は、松本さんの没後三十年記念企画の1冊で、いままで未収録だった短編から10篇を選んで書籍化したものとのことです。小説なので、ネタバレになるような引用は控えますが、松本清張さんと言えば「点と線」「ゼロの焦点」等に代表される“社会派推理小説の巨匠”というイメージが大きく、せいぜい初期は歴史小説も手掛けていたということぐらいしか知らない私にとって、この10篇、それぞれに色合いが異なっていて、その筆の多彩さに素直に驚きました。そして、その作家としての開花までの道程の険しさを、本書の最後に収録されている自伝的小品「雑草の実」で読み知りました。日々の暮らしすら困難で文学とは距離を置いていた松本氏は昭和25年「週刊...任務-松本清張未刊行短篇集(松本清張)
2020年に制作されたアイルランド・カナダ共作の映画です。タイトルからアメリカの映画のように思いましたが違うんですね。テイストとしては、主人公の成長を描いた“青春ドラマ”です。物語の流れや上司とのやり取りは「プラダを着た悪魔」を彷彿とさせるものがあります。メリル・ストリープの役まわりがシガニー・ウィーヴァーというわけです。この手のプロットには不可欠な“優しいおじさんサポーター”もしっかりついていて、ハートウォーミングな作品に仕上がっています。ステレオタイプ的で少々物足りないきらいもありますが、好感の持てる作品だと思います。マイ・ニューヨーク・ダイアリー[DVD]通常盤マーガレット・クアリーHappinet〔映画〕マイ・ニューヨーク・ダイアリー
2014年に制作されたアルジェリア映画です。珍しいですね、アルジェリアの作品を観るのは初めてだと思います。ジャンルとしてはアクション作品ですが、“可もなく不可もなし”といった普通の作品です。ラストのサプライズはかなり無理筋の唐突感がありましたが、それも何の工夫もなく解決している大胆さはちょっと驚きです。あと、驚きといえば、何と言ってもマイク・タイソンの出演ですね。こちらも何の脈絡もなく“本人役”で登場して去っていきました。全く意味不明ですが、エンターテインメントとしての話題作りという点では何でもありということですね。ゲイト・オブ・ザ・サン~終わりなき聖戦~[DVD]ザカリア・ラムダンアメイジングD.C.〔映画〕ゲイト・オブ・ザ・サン~終わりなき聖戦~
〔ドラマ〕トム・クランシー/ CIA分析官 ジャック・ライアン(シーズン4)
2023年に配信されたテレビドラマシリーズです。シーズン4の舞台は、アフリカ、メキシコ、ミャンマー、ヨーロッパと全世界にわたっていますが、ストーリーの基軸は、ジャック・ライアンのチームの活躍によるアメリカへのテロ行為の阻止です。物語自体、ある程度のところで見えてくる「悪役」がすべてお縄になる“勧善懲悪”ものなので、世界共通、老若男女に受け入れられますね。そして、このシリーズの魅力。ストーリー展開の鮮やかさは言うに及ばずですが、何よりジャック・ライアンを中心とした登場人物の多彩なキャラクターでしょう。シリーズ後半からのエリザベス・ライト、そしてこのシリーズ4にはマイケル・ペーニャが演じるドミンゴ・シャベスが加わり、ますます強力な布陣になりました。ちなみに、私は、飄々としていながらプロフェッショナル・スピリッ...〔ドラマ〕トム・クランシー/CIA分析官ジャック・ライアン(シーズン4)
いつも利用している図書館の新着本リストで目についた本です。著者の堀井美香さんは、元TBSアナウンサー。2022年4月、50歳でTBSを退社しフリーとして歩を進めました。本書は、その節目を迎えてのさまざまな想いを綴った堀井さんのエッセイ集です。期待どおり私の興味を惹いたところは数多くありましたが、その中から特に印象に残った部分をいくつか書き留めておきます。まずは、最初の章「2月2日とりあえず、箱を借りた」から。(p17より引用)覚悟は自分で作っていく。背水の陣かもしれない。でも図らずもいい方法を見つけたとも思っている。“実行”に裏打ちされたいい言葉です。この“腹の括り方”は見事ですね。こういった“悟り”の決意は、本書のあちらこちらでお目にかかります。(p161より引用)捨て駒になっても、いなくていい存在と言...一旦、退社。~50歳からの独立日記(堀井美香)
2022年に公開された日本映画です。耳が聞こえない元プロボクサー小笠原恵子さんの自伝を原案とした作品です。物語というより、主人公の日々をそのままに映した作りで、ドラマチックな演出等は皆無ですが、自然と惹き込まれるような魅力がありました。主人公を取り巻く登場人物の描き方がとても丁寧だったのが、その大きな要因だと思います。併せて、キャスティングも秀逸。主人公の岸井ゆきのさんを筆頭に、三浦友和さん、仙道敦子さん、三浦誠己さん、松浦慎一郎さん、佐藤緋美さんと、この作品のテイストに相応しいしっかりとした役者さんが揃っていましたね。ケイコ目を澄ませて岸井ゆきの〔映画〕ケイコ目を澄ませて
2021年に公開されたアメリカ映画です。DCコミックスの「スーサイド・スクワッド」をベースにしたスピンオフ的な作品です。全く私の好みではないのですが、こういった感じの映画がアメリカでは好まれるのでしょうか?登場するキャラクタがどれも濃くて、観ているだけでも結構疲れますし、登場する“怪獣?”も芸のない“どぎつい造型”で面白味がありません。ちょっと気になっていたハーレイ・クイン役のマーゴット・ロビーも今ひとつ役に冴えがなかったですね、残念です。ザ・スーサイド・スクワッド“極”悪党、集結[DVD]4548967461039ジェームズ・ガンワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント〔映画〕ザ・スーサイド・スクワッド“極”悪党、集結
2008年に公開されたアメリカのコメディ映画です。ジョージ・クルーニーとブラッド・ピットに加え、私は知らなかったのですが、フランシス・マクドーマンド、ティルダ・スウィントンという二人のアカデミー賞を受賞した女優さんも出演しているというとても豪華なキャスティングです。ただ、作品は私にはまったく合いませんでした。ボタンの掛け違いがドタバタ劇を引き起こしていくのですが、正直、そのギャグ?のセンスに私の感性がついていけませんでした。こういうのが“面白い”のですかねぇ???バーン・アフター・リーディング[DVD]ブラッド・ピットHappinet(SB)(D)〔映画〕バーン・アフター・リーディング
からだの錯覚 脳と感覚が作り出す不思議な世界 (小鷹 研理)
いつも利用している図書館の新着本リストで目についた本です。「ブルーバックス」は時折手を伸ばしたくなりますね。今回は「認知科学」関係の著作ですが、“錯覚”をテーマにした解説本ということで興味を持ちました。もちろん、私はこういった分野は全くのど素人なので、初めて知ることばかりでしたが、それらの中から特に私の関心を惹いた「第6章幽体離脱を科学する」の章での解説を覚えとして書き留めておきます。そこでは、小鷹さんは、「体の錯覚(フルボディ錯覚)」の一種として“天井を見下ろす”という「寝転がる姿勢での視点反転(重力反転)」が生じることを示したうえで、こう続けています。(p229より引用)幽体離脱は、この寝転がりの特異性を、想像世界におけるスペクタクルな対面の演出のために、単に都合よく利用しているのです。しばしば超常現...からだの錯覚脳と感覚が作り出す不思議な世界(小鷹研理)
2023年に配信されたアメリカのスパイ・アクションドラマです。第一印象はスマートな感じで期待度は高かったのですが、その期待の割には“今一歩”という印象ですね。ストーリー展開が現在と過去との往還によって進んでいくのですが、その場面転換が観ていてちょっと煩わしかったのと、二者対立の図式が基本であるがゆえに物語に拡がりがなかったように思います。とはいえ、出演していた俳優さんたちはみなさん個性的でなかなかよかったので、続編が配信されるようなら観たいですね。シタデルシーズン1:特別編お前が知っていることはすべてウソだRichardMadden〔ドラマ〕シタデル
このところ配信サービスで観ている作品が今ひとつのものばかりなので、口直しに昔の定番シリーズを引っ張り出してきました。今ちょうど最新作が公開されているようですが、これは1981年に公開されたシリーズ第1作目の作品です。ジョージ・ルーカスの原案、スティーヴン・スピルバーグの監督という豪華な制作陣で始まり、このあと人気シリーズとして定着したこのシリーズ、何度見ても楽しめますね。まあ、正直なところ、今観直すと、この1作目の映像にはかなりショボいところが目につくのですが、それでも、これでもかとテンポよく次々にエピソードが展開する構成は流石にインパクト大ですね。このシリーズのあと、トゥームレイダー、ナショナル・トレジャーといった似たような宝探し的エンターテイメント作品が次々に登場して、ひとつの必勝パターンが作られてい...〔映画〕レイダース/失われたアーク《聖櫃》
かなり以前に読んだ内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら“浅見光彦シリーズ”の制覇にトライしてみようと思い始ました。この作品は「第9作目」です。舞台は“高千穂”。宮崎の方です。仕事関係では、以前勤めていた会社のお客様ご招待イベントで宮崎市は訪れていますし、熊本勤務時代は日南のあたりもドライブしました。また本作でも登場する“高千穂峡”は、遥か昔、高校時代に九州一人旅をしたのですが、そのときに訪れたことがあります。ネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、この作品は書籍としてのボリュームの割には、ミステリー本体は...高千穂伝説殺人事件(内田康夫)
2007年に公開された日本映画です。あさのあつこさんの小説が原作で、コミックやアニメにもなっているようです。もともとが児童文学だったこともあり、ストーリーは無難な展開で、ラストも八方丸く収まる予定調和。主役の林遣都さんもこれが映画初出演とのことで、初々しい演技がこの作品の雰囲気にはよく合っていたように思います。あと、キャスティングで光っていたのは、主人公の弟役の鎗田晟裕くん。等身大の演技は爽やかでした。バッテリー[DVD]林遣都KADOKAWA/角川書店〔映画〕バッテリー
1995年に公開されたアメリカ映画です。海洋を舞台にしたアドベンチャー作品ですが、見応えのあるその雄大なスケールの割に興行的には厳しかったようです。確かに、ほとんどがCGで処理できる“スペース(宇宙)”ものと比較すると結構実写シーンも多く、撮影時の苦労は十分想像できますね。作品としてはどうでしょう。どういうマーケットをイメージしていたのか・・・。ストーリーは予定調和的ですし、リアリティは薄いので、観る人によっては物足りないと感じるでしょう。無難なファミリー向けエンターテイメント作品といったところだと思います。ウォーターワールド[DVD]ケビン・コスナージェネオン・ユニバーサル〔映画〕ウォーターワールド
いつも利用している図書館の新着本リストで目に付いた本です。岡本太郎さんの著作は、かなり以前に「自分の中に毒を持て」を読んだことがありますが、予想どおり強烈なインパクトのある内容でした。本書は、岡本さんが“芸術”をテーマに新聞や雑誌等様々な媒体で語った原稿を再録したものとのこと。半世紀前のメッセージですが、私の興味を惹いたたくさんのフレーズがありました。それらの中からいくつかを書き留めておきます。まずは、岡本さんの若き日、18歳でパリに渡って、世界的抽象芸術家の集まりである「アプストラクシオン・クレアシオン協会」の運動に加わったころです。(p32より引用)私は確信していた。芸術表現は人間の存在、その運命全体を、無条件につき出すべきものであって、色と形の美を基準に安定する、いわゆる「美学」であってはならない。...誰だって芸術家(岡本太郎)
〔ドラマ〕トム・クランシー/ CIA分析官 ジャック・ライアン(シーズン3)
2022年に配信されたテレビドラマシリーズです。中東、南米に続いて、今回は、本命ロシアを中心としたヨーロッパが舞台です。実際、このドラマのような状況が生じうるのか、その場合CIAはこういった活動を実行するのか、そのあたりの可能性は全く伺い知ることはできませんが、サスペンス作品としてはよく出来ていると思います。もちろん偉大なるフィクションですが、主要人物にとどまらず画面に登場しているすべての人の表情や台詞がしっかり演出されているので、エンターテイメント作品としてのリアリティが感じられるのでしょう。これなら「シーズン4」も観たくなりますね。CIA分析官ジャック・ライアンシーズン3DVD-BOX4550510080635ジョン・クラシンスキーパラマウント〔ドラマ〕トム・クランシー/CIA分析官ジャック・ライアン(シーズン3)
2020年に公開された日本映画です。佐藤浩市さん、石田ゆり子さん、西島秀俊さん、中村倫也さん、広瀬アリスさんと、キャスティングはかなり贅沢なのですが、その割には、今ひとつ冴えない作品でした。過去のシーンでの登場人物の年齢による役者さんの交替も、見た目も含めキャラクタがかなり変わってしまったので、観ていて不自然でしたね。作品自体は、サスペンスタッチなのですが、原作を映像化するにあたって、何かチューニングをミスったような感じを受けました。ストーリー展開もそうですが、致命的なのは「犯行の動機」と「犯行内容」との連関に納得性が薄かったところでしょう。その動機で、こういう行動になるのか?かなり無理筋で違和感が残ります。なので、ラストのどんでん返しのインパクトも薄れてしまったのだと思います。残念ですね。サイレント・ト...〔映画〕サイレント・トーキョー
いつも利用している図書館の新着本リストで目に付いた本です。ご存じのとおり姜尚中さんは政治学者ですが、エッセイの達人でもあります。本書はコロナ禍が収まりきらない今日、心の安寧に誘うエッセイを採録したものです。姜さんの穏やかな言葉の中から私の心に響いたくだりを覚えとしてひとつ書き留めておきます。姜さんと中村哲さんとの関わりに触れた小文「『川上』に向かう生き方」より、新型コロナ感染症への対応の構えについて。当初医療活動で赴いたアフガンの地で、中村さんが井戸掘りや灌漑用水路の開削に邁進された理由を、姜さんはこう捉えました。(p34より引用)やがて中村さんは悟った。自分のやっていることは「川下」で対症療法的に格闘しているだけではないかと。もっと、「川上」に目を向けなければならない。そうすれば、問題はもっとシンプルな...生きる意味(姜尚中)
2018年に公開されたアメリカ映画です。アクション作品なので、筋書はシンプルこの上なし、ともかく空港までの22マイルを移動するというミッションを映像化しただけです。ただ、そのためのナビゲーションは先進技術を駆使したもので、私としてはちょっと面白く観ることができました。お決まりの戦闘シーンですが、イコ・ウワイスが見せた格闘アクションはなかなかにスピーディーで迫力がありました。彼は、スタントマンでもあり武術家でもあるんですね。あとは、「mother」というキーワード。今回の出来事のきっかけも含め、なるほどそういうことかと、勝手に自己満足に浸りました。Mile22[DVD]CzechVersionDVDPAL(Region2MadeinEurope-pleasecheckyourDVDplayercompati...〔映画〕マイル22
2016年に公開されたデンマーク映画です。シリーズものの第2作目、暗く沈んだトーンのサスペンス作品ですが、しっかりした出来でなかなか見応えがあります。出演している俳優の方々はまったく馴染みがない顔ぶれなので、いきおい作品のウリは「ストーリー」「演出」「映像」がどうかということになりますが、どれも私の感覚では及第点だと思います。あと、ヒロインを演じたダニカ・クルチッチさんの演技にはインパクトがありました。いい役者さんですね。特捜部Q~キジ殺し~[DVD]ニコライ・リー・コスアメイジングD.C.〔映画〕特捜部Qキジ殺し
「65歳の壁」を乗り越える最高の時間の使い方 心と身体の健康を保つために何をすべきか (和田 秀樹)
いつも使っている図書館のサービスの中に「電子図書館」があります。試しに使ってみようと登録して、借りられる本の中で最初に目についたのがこの本です。和田秀樹さんの著作は、10年以上前に「テレビの大罪」「大人のためのスキマ時間勉強法」を読んだことがありますが、最近は手に取っていません。このところの和田さんは「高齢者向け」の本を立て続けに出していますね。本書もタイトルに「65歳」という年齢が含まれていますが、ちなみに私も65歳が間近になってきたので、さてどんな“勧め”が書かれているか楽しみに手に取ってみました。もちろん、極々ありきたりのものもありますが、なるほどと改めて気づかされるようなアドバイスもありました。まずは、和田さんも、同様の啓発本と同じく、退職後は現役時代とは「時間の使い方の自由度」が格段に変わること...「65歳の壁」を乗り越える最高の時間の使い方心と身体の健康を保つために何をすべきか(和田秀樹)
2022年に公開された日本映画です。コミックやアニメで大人気の「キングダム」シリーズの第2作目。今年(2023年)、第3作目も劇場公開されたところですが、どこまでシリーズとして続くのでしょう。この第2作目についていえば、シリーズを意識した完全な「つなぎ」パートですね。第1作目では登場しなかったメインキャラクタのひとり「羌瘣」をメンバに加えるためだけといってもいいような位置づけです。ただ、原作での「羌瘣」のキャラクタのインパクトが大きかった分、清野菜名さんをもってしてもちょっと物足りない印象ですね。ストーリー面での面白さは何もなく、映像的にも冗長な戦場シーンがほとんどで、その出来も特筆すべきものではありませんでした。評判の高さに反して、かなり残念な作品だと思います。キングダム2遥かなる大地へブルーレイ&DV...〔映画〕キングダム2遥かなる大地へ
2017年に公開された日本映画です。小説が原作ですが、それをグッと半分程度に整理・圧縮して映画化したそうです。ストーリーはともかく、対人の戦いのシーンは見応え十分でした。このあたりは、嵐の大野くんの類稀な身体能力によるところが大きいですね。評判どおり見事です。観る前にはほとんど期待していなかったのですが、それだけでもエンターテイメント作品として楽しめるレベルでしたね。あと、キャスティング面でいえば、立川談春さん、でんでんさん、きたろうさんといった多彩な脇役陣とヒロインの石原さとみさんでしょう。特に石原さんは、こういった役どころも予想外?にはまっていましたね。登場するシーンごともっていく存在感はなかなかものです。「忍びの国」通常版[DVD]大野智TCエンタテインメント〔映画〕忍びの国
このところ気分転換に読んでいるミステリー小説は、読破にチャレンジしている内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”に偏っているので、ちょっと息抜きとして、今まであまり読んだことのない作家の方々の作品にトライしてみようと思っています。手始めに、これまた今まで意識的に避けていた「有名な文学賞」を受賞した作品からあたろうと考えて本作品を選んでみました。第142回直木賞受賞作、表題作も含め6つの短編で構成されている著作です。6編はそれぞれが独立した作品ですが、一連のものとしての流れも意識されているようです。さて、ミステリー小説なのでネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、読み終わった印象は“nagative”でした。すべての作品が揃って極くあっさりとラストを迎え、しかも動機や犯行の謎解きも中途半端。もちろん作者と...廃墟に乞う(佐々木譲)
2020年に公開された日本映画です。久しぶりに観た「コミック」原作の作品ですが、徹底的に“爽やか系”で貫き通したストーリーですね。4人の主要人物の誰もが主人公と擬することができるので、観る側の受容度は大きく広がります。その点では、合わない受け手を作らない映画です。それはキャスティングにも表れていて、主役級4名のアサインは成功でしょう。特に、浜辺美波さんは、最近こそ大きな役、さまざまなキャラクタの役にチャレンジして大きく成長しつつありますが、この作品では“等身大”の素直な演技でとても良かったと思います。(やはり「シン仮面ライダー」での役は、彼女の持ち味とはかなり違うんですね)思い、思われ、ふり、ふられDVDスペシャル・エディション浜辺美波東宝〔映画〕思い、思われ、ふり、ふられ
〔ドラマ〕トム・クランシー/ CIA分析官 ジャック・ライアン(シーズン2)
2019年に配信されたアメリカのテレビドラマシリーズです。シーズン1は、イスラムのテロリスト、今回は、南米の独裁政権が相手です。アメリカの抱いている南米諸国の地政学的位置づけを反映しているのか、今回のジャック・ライアンの思考や行動はかなり強引ですね。ここまで個人として突っ走るのは、演出としても少々行き過ぎの感があります。そのあたりは、最後のHappyEndとアメリカ本国の黒幕の逮捕でバランスをとっているのかもしませんね。CIA分析官ジャック・ライアンシーズン2[DVD]ジョン・クラシンスキーパラマウント〔ドラマ〕トム・クランシー/CIA分析官ジャック・ライアン(シーズン2)
13歳からの地政学: カイゾクとの地球儀航海 (田中 孝幸)
SNSで紹介されていたので読んでみました。いつもの図書館にも収蔵されていましたが、予約は40人を超える待ち行列でびっくりしました。かなり話題になっているようですね。私も「地政学」にはちょっと興味があるので、こういった入門的な本はとても助かります。まったくの初学者なのでどの項目も勉強になったのですが、特に私の関心を惹いたところをひとつ書き留めておきます。「絶対に豊かにならない国々」との章。アフリカ諸国の社会構造や労働環境に言及しつつ、“安くて良いものの危うさ”をカイゾクさんはこう説きました。(p168より引用)「買う側からしたらそうだろう。だが異常に安くて良い物は、なんらかの人々の犠牲がともなっている物だと考えてみてもいいだろう」これは“フェアトレード”への関心を惹起させるコメントですが、本書では、“国の地...13歳からの地政学:カイゾクとの地球儀航海(田中孝幸)
1997年に公開されたスタジオジブリ映画です。観るのは何度目かになると思うのですが、あまり記憶にありません。ジブリ映画の中では、特にストーリー性やメッセージ性が強いですね。そのせいもあり、宮崎駿作品の中でもとても評価の高い作品のようですが、私にはあまり響きませんでした。「絵」の水準も最近のジブリ作品と比較すると正直“今ひとつ”で、やはり古さを感じざるを得ません。ただ「声の出演」の方々のお名前をみると、森繁久彌さん、森光子さん、美輪明宏さん・・・、圧倒的な存在感をもった役者さんたちで、こればかりは驚かざるを得ません。もののけ姫[DVD]宮崎駿ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社〔映画〕もののけ姫
2007年に公開されたアメリカ映画です。ご存じの人気シリーズですが、私としては特段の思い入れもないので、テレビ放映されたものをちょこちょこ観ているといった関わり方です。なので、物語の流れもほとんど把握していませんし、当然、過去のエピソードや登場人物間の人間関係、さらには細かな伏線のようなものも全く理解しきれていません。それでも、このシリーズの作品の場合、ある程度は楽しめますね。ストーリーの出来を脇に置いても、映像やキャスティングがしっかりしているからでしょう。とはいえ、そもそもの期待値が高い分、可もなく不可もなしという印象になってしまうのですが・・・。ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団[Blu-ray]ダニエル・ラドクリフワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント〔映画〕ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団
いつも聴いている大竹まことさんのpodcastの番組に著者の山崎ナオコーラさんがゲスト出演していて、本書についてお話ししていました。山崎さんは大学時代の卒論で「『源氏物語』浮舟論」をテーマにしたとのこと。それから20年以上を経て、今度は「源氏物語」を材料に、そこに描かれた登場人物たちの言葉や思考を現代の社会規範からの視点(問題意識)で感じるところを記していきます。数々の興味深い指摘がありましたが、まずは、山崎さんが語る「源氏物語」の形式的な特徴です。(p178より引用)『源氏物語』の登場人物は、読者によって付けられたあだ名で現在の多くの人に認識されていますが、作中には名前がほとんど出てきません。そうなのですね、本文中に名前がなくても、文脈と敬語の使い方で特定できたということのようですし、今に伝わる登場人物...ミライの源氏物語(山崎ナオコーラ)
2022年に公開されたアメリカ映画です。“ロマンティック・コメディ”ですから、ストーリーは完全にステレオ・タイプです。なので、物語としては何も言うべきところはありません。見どころはといえば、舞台となった“バリ島”の美しい風景とキャスティングでしょう。ともかく、この作品は、ジュリア・ロバーツとジョージ・クルーニーの共演に尽きます。こういうノリの役作りは二人にとってはそれこそ手慣れたものですね。サプライズはありませんが、安心して楽しませてくれます。チケット・トゥ・パラダイス[DVD]4550510082318ジョージ・クルーニーNBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン〔映画〕チケット・トゥ・パラダイス
「ブログリーダー」を活用して、OMOI-KOMI - 我流の作法 -さんをフォローしませんか?
2025年11月18日をもってgooblogがサービス終了するとのこと。2014年9月13日に「OCNブログ人」の終了により引っ越してきて、10年以上お世話になりました。今後このBlogは、4月18日より、「はてなブログ」(https://norio0923.hatenablog.com/)に移行して続けていきます。引き続きよろしくお願いいたします。〔お知らせ〕gooブログから引越しします
日本経済新聞の書籍紹介の欄で書評家の東えりかさんが取り上げていました。前野ウルド浩太郎さんの著作は初めてです。本書は、7年前に出版し新書大賞を受賞した「バッタを倒しにアフリカへ」の続編とのこと、エネルギッシュなタイトルも刺激的です。期待どおりインパクトのあるエピソードが数多く紹介されていましたが、その中でも特に印象に残ったところをいくつか書き留めておきます。まずは、「論文作成の現実」についてです。学術論文では当然なのでしょうが、記述内容はどんなに些細なことであってもすべて実際に確認されていなくてはならないという“探求への真摯さの程度”には改めて驚かされました。「卵母細胞は毎日、徐々に大きくなる」「メスは自力でオスを蹴っ飛ばすのに苦労する」といった一行にも満たない記述の裏には、解剖や実験にもとづく測定数値が...バッタを倒すぜアフリカで(前野ウルド浩太郎)
1979年に「宇宙戦艦ヤマトIIヤマトよ永遠なれ!」というタイトルで放送され、1985年「宇宙戦艦ヤマト2総集編」に改題され再放送された日本のアニメ作品です。大ヒットしたテレビアニメ「宇宙戦艦ヤマト」は劇場映画化され、その続編として「さらば宇宙戦艦ヤマト愛の戦士たち」が作られましたが、本作品は、同じ「白色彗星帝国」との戦いを描きつつもラストシーンをはじめかなり内容を改変して放映されたものです。両者の違いについてはそれぞれの捉え方があると思います。ドラマチックなエンディングという点では、「さらば宇宙戦艦ヤマト愛の戦士たち」の方に軍配が上がるのでしょうが、それをもたらしているメンタリティを思うと、やはり強い違和感を感じざるを得ません。宇宙戦艦ヤマト2総集編松本零士〔アニメ〕宇宙戦艦ヤマト2総集編
2024年に公開された日本映画です。安田淳一さん脚本・監督の自主製作映画ですが、第48回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞という快挙を成し遂げました。“タイムスリップ”というモチーフは、映画ではそれこそ山のように前例があってオリジナリティはありませんが、登場人物のキャラクタやストーリーだてが素直だったせいか、とても自然に楽しませていただきました。ラストに向かうシーンの組み合わせも秀逸でしたし、作品に通底する“映画作り”への情熱は、はるか昔に観た「蒲田行進曲」に通じるものがありますね。ちなみに、エンドロールをみていると、作品で「助監督」役を演じた沙倉ゆうのさんは、本作そのものでも「助監督」だったようですし、安田監督にいたっては、編集や照明等、いたるところに「安田淳一」の名前があるのには笑ってしまいました。楽し...〔映画〕侍タイムスリッパー
かなり以前に読んでいた内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら“シリーズ全作品制覇”にトライしてみようと思い始めました。この作品は「第42作目」です。今回の舞台は“奈良”。奈良は、仕事関係で出張に行ったことはなかったと思いますが、遥か昔の修学旅行やプライベートでの旅行では、大仏、興福寺、春日大社、唐招提寺や斑鳩あたりにも訪れています。またゆっくり散策してみたい町ですね。ミステリー小説ですからネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、この作品、いつもの浅見光彦シリーズの展開や幕引きとは一味違っているように感じまし...平城山を越えた女(内田康夫)
1980年に公開された日本映画です。有名な黒澤明監督の作品ですが、私は黒沢作品は数えるほどしか観たことがありません。確かに、よくいわれているように「色」へのこだわりは随所に見られましたし、多数の騎馬や歩兵が登場する野戦のシーンの迫力は出色でしたね。その鉄砲と騎馬との戦いの描き方も、直接的な衝突を写すのではなく、それぞれのシーンを交互に挟み込み、野太い音楽とのセットで表現していたあたり、素人目にも強烈なこだわりが伝わってきます。キャスティングも仲代達矢さん、山﨑努さん、志村喬さん等々大物揃いでしたが、なかでも格別の存在感を発揮していたと私が感じ入ったのは大滝秀治さん、素晴らしい役者さんですね。あと、エンドロールで外国版プロデューサーとしてフランシス・コッポラ、ジョージ・ルーカスの二人の名前が並んでいたのは、...〔映画〕影武者
いつも聴いている大竹まことさんのpodcast番組に著者の東畑開人さんがゲスト出演していて紹介していた本です。臨床心理士として、メンタルの悩みを抱える本人はもとより、突然にそういった身近な人のケアをし始めた人たちのカウンセリングに携わっている東畑さんの話はとても興味深い内容なのですが、それらの中から特に私の関心を惹いたところをいくつか書き留めておきます。まずは、東畑さんが語る「こころのケア」の話に登場する基本概念、「ケア」と「セラピー」についてです。ケアとは何か?・ケアとは傷つけないことである・ケアとはニーズを満たすことである・ケアとは依存を引き受けることであるでは、セラピーとは何か?・傷つきと向き合うのがセラピー・セラピーとはニーズを変更することである・セラピーとは自立を促すことであるそして、ケアとセラ...雨の日の心理学こころのケアがはじまったら(東畑開人)
2024年に放映されたフランスのテレビドラマです。いうまでもなく北条司さんの往年の大ヒットコミック「キャッツ・アイ」の実写版。フランスでは1986年に日本版アニメが放送されて人気を博したとのことですが、原作とはかなり異なったテイストにアレンジされているので、評価は大きく分かれたようですね。私のような原作コミックをリアルタイムで知っている世代のファンからすると、あえて別物として捉えた方がよさそうです。正直な印象では、“B級”のノリのストーリー展開や現代フランスを意識したキャラクタ設定を楽しむといった作品でしょう。キャッツ・アイBIGBANDSTORY〔ドラマ〕Cat'sEyes
2003年に公開された日本映画です。向田邦子さん脚本のテレビドラマから始まり、映画・ドラマ・舞台とさまざまな形で何度となく作品化されました。昭和後期が舞台なので、当時の社会観念が色濃く出ている台詞や演出については、観る世代によって印象や評価がかなり変わるでしょうね。四姉妹を中心としたエピソードを綴るヒューマンコメディなので、姉妹や家族、それを取り巻く面々のキャスティングが興味を惹くところですが、本作の、大竹しのぶさん、黒木瞳さん、深津絵里さん、深田恭子さんの四姉妹、その両親に、仲代達也さん、八千草薫さん、さらには坂東三津五郎さん、桃井かおりさんと居並ぶラインナップは空前絶後、最強でした。特に八千草薫さんの雲をつかむようなほっこりしたキャラクタは出色でしたね。あとは、長澤まさみさん、まだオーラを発する前でし...〔映画〕阿修羅のごとく
このところ気分転換に読んでいるミステリー小説は、読破にチャレンジしている内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”に偏っているのですが、時折、以前よく読んでいた大沢在昌さんの作品の中から未読作にもトライしています。先日、“狩人シリーズ”の現時点での最新作「冬の狩人」を読んでみて結構面白かったので、今度はこのシリーズにも手を伸ばしてみようと思いました。というわけで、まずはシリーズ第1作目“北の狩人”、第2作目“砂の狩人”を読み終わり、今度は第3作目の本作という次第です。エンターテインメント作品なのでネタバレになるとまずいでしょうから内容には触れませんが、この作品も十分楽しめました。物語の展開という点では、かなりの部分まで多くの登場人物が次々と起こるエピソードに絡んできて、正直“ごちゃごちゃ”し過ぎている感じがしまし...黒の狩人(大沢在昌)
2024年に公開されたアメリカ映画です。ともかく観て単純に楽しめる“アクション・コメディ作品”です。スタントマンが主人公なのでスリリングなシーンが満載ですが、VFXでの映像制作にも少なからず生のスタント的な要素が不可欠なんですね。そのあたりの様子も興味深く知ることができました。あとは、キャスティング。エミリー・ブラントは芸域も広く私の好きな役者さんの一人なのですが、この作品では無難な役どころでかなり物足りませんでしたね。ちょっと残念ですが、まあこういった顔見世もあるのでしょう。フォールガイブルーレイ+DVD[Blu-ray]4550510120324ライアン・ゴズリングNBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン〔映画〕フォールガイ
2024年に公開された日本映画です。柚木麻子さんの小説が原作で、堤幸彦さんが監督のライト・コメディ作品ですが、少し前に全面休館となった「山の上ホテル」を舞台とした点も話題性がありますね。主人公はのんさんが演じているのですが、これが見事にはまっていましたね。ちょっと屈折したネアカのキャラを適度なメリハリで魅せてくれました。それを引き立てる相手役の滝藤賢一さん、田中圭さんもいい演技だったように思います。ストーリー、キャスティング、演出、そして舞台となったホテル、それぞれのよさが相俟って穏やかなバランスを醸し出していました。面白かったです、楽しめました。私にふさわしいホテル堤幸彦〔映画〕私にふさわしいホテル
いつも利用している図書館の書架をつらつらと眺めていて目につきました。私も世の中的にいえば“老人”と呼ばれる年代に突入してしまったので、タイトルにも親近感を抱きますね。著者の下重暁子さんは、NHKのアナウンサーとして活躍後フリーとなり、現在では文筆家として多彩なジャンルの作品を世に送り出しています。本書は、そんな下重さんの得意なテーマのひとつである“高齢化社会”を扱ったエッセイで、“明日は我が身”だからというノリもあって読んでみました。で、結果ですが、正直なところ、かなり期待外れでしたね。“私は、他の人たちとは考え方が違うんだという思い込み”が、強烈な自己主張という形でちょっと表に立ち過ぎていたようです。エッセイなら、著者ならではの“感性”が、とりあげたモチーフの捉え方のオリジナリティとともに伝わってくるの...老人をなめるな(下重暁子)
1998年に公開された日本映画です。“平成モスラ”シリーズ3部作の第3作目、完結編にあたる作品で、こちらも“こども向けSFファンタジー”ですね。今回の見どころはゴジラシリーズの人気キャラの「キングギドラ」の降臨ですが、この強敵と一戦を交えるために、「巨大な蛾」をあの手この手でパワーアップさせています。とはいえ、なかなか苦労したようですね。とても残念なことに、せっかくの主役のモスラは、“形態変化”のたびにリアリティのない薄っぺらい造型になってしまいました。モスラ3キングギドラ来襲[東宝DVD名作セレクション]小林恵東宝〔映画〕モスラ3キングギドラ来襲
2023年に放映された日本の長編テレビドラマです。2022年に連続テレビドラマとして人気を博した番組のスペシャル版で、主要な登場人物も引き継がれたテレビシリーズとの連続モノとして制作されました。江戸時代に「家電がタイムスリップして出現する」という発想がすべてですね。さらに本作はそのアイデアを「忠臣蔵」の物語に織り込む形で“無邪気なエンタメ”として楽しませてもらいました。滝藤賢一さんの独り舞台のようなつくりですが、その他のキャスティング面では、何といっても田島令子さんが目に留まりました。よかったです。もうこういった年季の入った役どころにはまるんですね。家電侍スペシャルストップ!忠臣蔵〔ドラマ〕家電侍スペシャルストップ!忠臣蔵
日本経済新聞の書籍紹介の欄でサイエンスライターの竹内薫さんが取り上げていました。ちょっと前に、いつも利用している図書館の新着本の棚で目には入っていたので、さっそく改めて借りてきました。恐竜絶滅の原因は最近では“隕石衝突説”が定説に近い位置にあるようですが、本書では、隕石衝突後“生物が絶滅に至るプロセス”と、その直後からの“再生のプロセス”を具体的に描き出して解説しています。興味深い内容が満載だったのですが、その中でも特に印象に残ったところをいくつか覚えとして書き留めておきます。まずは、「隕石衝突の生命史上のインパクト」について。(p14より引用)地球の生命史は、「偶然性」というたったひとつの事象によって、不可逆的な変化を経験した。もし小惑星の衝突が起こらなかったり、もっと遅かったりしていたなら、あるいは、...恐竜最後の日:小惑星衝突は地球をどのように変えたのか(ライリー・ブラック)
2015年に公開された日本映画です。大泉洋さんが主演のコメディ作品ですが、井上ひさしさんの小説「東慶寺花だより」を原案にした原田眞人さんの脚本がとてもよかったですね。喜劇風の台詞回しも効果的でした。キャスティングも、樹木希林さん、堤真一さん、キムラ緑子さんに山﨑努さんといったベテランが脇を固めた中で、満島ひかりさん、戸田恵梨香さん、内山理名さんといった中堅どころの実力派が魅力的でそれぞれに持ち味を存分に発揮していました。あと、出色だったのが陽月華さん。彼女が演じたキャラクタがこの作品に爽やかな微笑みを纏わせてくれました。駆込み女と駆出し男[DVD]大泉洋バンダイビジュアル〔映画〕駆込み女と駆出し男
2024年に公開されたアメリカ映画です。ジェイソン・ステイサム主演の“アクション作品”なので、リアリティは「0(ゼロ)」、超安心の“ワンパターン”の復讐モノです。ただ、今回は「養蜂家」というキャラクタの設定にちょっとオリジナリティが感じられました。さらに、「ハチ」の社会の仕組みをしっかりと物語の舞台の背景に織り込んでいるのは、なかなか面白い着眼で秀逸だったと思います。ビーキーパーデヴィッド・エアー〔映画〕ビーキーパー
かなり以前に読んでいた内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら“シリーズ全作品制覇”にトライしてみようと思い始めました。この作品は「第41作目」です。今回の舞台は“伊香保(群馬)”。伊香保には、かなり昔になりますが、近場の温泉地ということで、(たぶん)同期入社の研修後の親睦会で訪れた記憶があります。(正直、かなり朧げです)プライベートでも、家族ドライブで立ち寄ったことがあるように思うのですが、こちらも定かではありません。こどもたちと「ガラス細工の体験」をしたのが、伊香保だったような記憶が・・・。この作品、ミステリー小...伊香保殺人事件(内田康夫)
トイレの給水管の接続部分から少しですが水漏れし始めました。このくらいなら素人でも止水できるだろうと、まず「水漏れ補修用のエポキシパテ」を買ってきて、水漏れしているであろう箇所をまるごと覆ってみました。セメダイン穴うめ・成形エポキシパテ水中用60gブリスターHC-119入数:1本セメダイン(Cemedine)いったん水漏れが止まったように見えたのですが、一晩もたたないうちに水漏れが再発。エポキシ樹脂の表面には隙間はないように見えるのですが、どこからともなく滲み出てくるんですね。そこで、「自己癒着タイプのテープが水漏れには有効」とのサイト情報をもとに、次に買い求めたのが「ニトムズ自己融着ブチルゴムテープ」。ニトムズプロセルフ(PROSELF)自己融着ブチルゴムテープNo.15電気絶縁補修水道管の防水強力接着....〔買い物〕
2008年公開のアメリカ映画です。異星人が絡んだ「地球滅亡」がモチーフの作品は、SF映画の王道のひとつですが、この作品は、ちょっと異色の風合いです。それも「人類から地球を救う」という本作の一風変わったメッセージによるのでしょうが、それを人類に伝える手段や登場するビジュアルがコミカルです。なかなか面白い着想ですが、ストーリー展開や登場人物の行動にキレがなく、設定も映像もなんだか中途半端な印象で、私としてはイマイチという感じでしたね。地球が静止する日<2枚組特別編>〔初回生産限定〕[DVD]キアヌ・リーブス20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン〔映画〕地球が静止する日
いつも利用している図書館の新着本の棚で目についたので手に取ってみました。ブルーバックスの新刊でこの手のタイトルだと、かなり気になります。よくありがちなテーマですが、メジャーな遺跡や建造物を取り上げているので解説もイメージしやすいですね。紹介されている数々のネタの中から、特に私の関心を惹いたところをいくつか覚えとして書き留めておきます。まずは、第3章で述べられている「エジプトとギリシャの違い」。(p129より引用)古代エジプト人の優れた技術、科学は非常に実践的、体験的なもので、彼らはそれらを普遍的な法則あるいは原理として遺してくれていない。特にピラミッドに関する技術については、それが「ファラオの墳墓」であり盗掘を防ぐためなのか、かの膨大な量のパピルスにもまったく記録されていないのである。古代エジプト人は、「...古代世界の超技術〈改訂新版〉あっと驚く「巨石文明」の智慧(志村史夫)
2015年公開のオーストラリアとアメリカの合作映画です。先に観た「マッドマックス/サンダードーム」に続くシリーズ第4作目ということですが、前作からは、なんと30年ぶりの登場ということになります。このシリーズは、初期に作られた3作の中でもかなりトーンは変わっていきました。その点、本作品は、主人公はメル・ギブソンからトム・ハーディに交代していますが、ストーリーよりもカーアクションシーンで見せるという路線はしっかり引き継がれています。確かにアクションシーンの迫力はかなりのものですが、ただ、それを2時間近くも延々と見せられると、さすがに食傷気味になりますね。マッドマックス怒りのデス・ロード[DVD]トム・ハーディーワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント〔映画〕マッドマックス怒りのデス・ロード
1985年公開のアメリカ・オーストラリア合作の映画です。「マッドマックス」シリーズの第3作目の作品ですが、最初のテイストとかなり変わってきましたね。完全に“劇画”路線に舵を切ったようです。キャスティング面では、“ロックンロールの女王”ティナ・ターナーも出演していますが、正直なところ、「話題性」以外に彼女である必然性は感じられないですね。かなり“もったいない”感じがします。マッドマックス/サンダードーム[DVD]メル・ギブソンワーナー・ホーム・ビデオ〔映画〕マッドマックス/サンダードーム
1995年公開のアメリカ映画です。専門家の評価はそこそこ高いようなのですが、私の感覚が鈍いのか、正直かなり退屈でした。ストーリー展開に全くスピード感がなく山谷もありません。キャスティング的には、ジョン・トラボルタ、ジーン・ハックマン、レネ・ルッソ、ダニー・デヴィートと錚々たる面々が並んでいるのですが、やはりこういったコメディには今ひとつ合わないようです。ゲット・ショーティ[DVD]ジョン・トラボルタソニー・ピクチャーズエンタテインメント〔映画〕ゲット・ショーティ
2012年公開の日本映画です。伊坂幸太郎さんの短編小説が原作の作品ですが、無駄のないストーリーでサクッと楽しめます。キャスティングも、大森南朋さん、石田えりさんといった味のある実力派の俳優さんに、ブレイクし始めた木村文乃さんといった魅力的な面々で、さらに音楽は斉藤和義さんという私的には大いに満足した作品でした。それにしても、石田えりさんと木村文乃さんとの居酒屋のシーンは、なんともほのぼのと自然体で印象的でしたね。よかったです。ポテチ[DVD]濱田岳アミューズソフトエンタテインメント〔映画〕ポテチ
2015年公開の日本とトルコの合作映画です。日本・トルコ友好125周年の記念、朝日放送創立65周年の記念、BSフジ開局15周年の記念という名目で制作された作品ですが、さすがにここまでコテコテの“優等生的映画”も珍しいでしょう。当時の両国のトップ同士でも話し合われた末に実現した企画ということですから、さもありなんです。出演している役者の皆さんの熱演は印象的ではありましたが、やはり、こういった経緯で作られた映画の“危うさ”はとても気になりますね。海難1890[DVD]内野聖陽TOEICOMPANY,LTD.(TOE)(D)〔映画〕海難1890
いつも利用している図書館の新着本リストで目につきました。このところ気分転換に読んでいるミステリー小説は、全作読破にチャレンジしている内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”に偏っているので、久しぶりの松本清張作品です。初期の短編8作を収録した傑作集とのこと。ミステリー小説なのでネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、やはり清張さんの構成力と筆力は素人目にも卓越しているのを感じます。たとえば、4番目に編まれている「白い闇」。読み進めるにつれ高まりゆくクライマックスに向かっての緊迫感。(p174より引用)濃い霧は二人を閉ざした。一メートル先が、白い、厚い紗でぼかされていた。ボートとその近い周囲のあおぐろい水だけが人間の視界にはいっている最大限であった。距離感も遠近感もまったく失われ、白い宙の中を舟は動いてい...空白の意匠:初期ミステリ傑作集(二)(松本清張)
2019年公開のアメリカ映画です。詐欺師が主人公のコメディ作品はそれこそ山のようにありますし、サプライズもかなりの確率で途中で透けて見えてしまいます。本作もそうですが、まあ見どころはアン・ハサウェイとレベル・ウィルソンのコントラストと、ともかく軽いタッチの作風にあるので、それ以外の出来についてとやかく言うものではありません。専門家の評価はかなり厳しいようですが、この手のコメディで「名作」というのはなかなかお目にかかれませんから。“詐欺師が主人公”の名作といえば「スティング」に勝るものを私は知りませんし・・・。ザ・ハッスルアン・ハサウェイスティング[DVD]ポール・ニューマンジェネオン・ユニバーサル〔映画〕ザ・ハッスル
1992年公開のアメリカ映画です。ありがちなモチーフで、想像どおりのストーリー展開ですが、それでも素直に楽しめるのは、役者のみなさんの素晴らしい演技の賜物でしょう。主人公を演じたウーピー・ゴールドバーグさんを筆頭に、キャシー・ナジミーさん、ウェンディ・マッケナさんの対照的ながらとても好感の持てるキャラクター、そして院長役のマギー・スミスさん、こちらは出色の存在感でしたね。このところ、マッドマックスやリディックといった濃い口の映画に浸っていたところなので、久しぶりに心洗われるコメディにホッと一息です。天使にラブ・ソングを…[DVD]ウーピー・ゴールドバーグブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント〔映画〕天使にラブ・ソングを…
そこそこ使っていた私のスマホPixel3XLですが、バッテリーの膨張で裏蓋が数ミリ持ち上がってしまいました。docomoの「ケータイ補償サービス」を契約していたので、サポートセンタに問い合わせたところ「バッテリー膨張でも代替機に交換可能」とのこと。早速、サイトから申し込みを始めたのですが、数ステップ進んだところで、「Pixel3XLの整備品は無く、代替機は『SamsungGalaxyA51』になる」とのメッセージ。負担額は8千数百円ではありますが、数年前のミドルレンジの機種というのには少々抵抗があります。Pixelの数世代前の機種あたりだったらよかったのですが。ということで、いったん「ケータイ補償サービス」の申し込みは中断して、「googleの故障修理店」でバッテリー交換を相談してみました。店員さん曰く、...〔買い物〕Pixel3XLからPixel8aに機種変更
2021年公開のアメリカ映画です。サスペンス・スリラーといったジャンルでしょうか、主人公の心理を独白で語りながらのストーリー展開は、最後にその主役が入れ替わるところも含め、面白いチャレンジだったように思います。とはいえ、キャスティングを眺めただけで、大体のサプライズの予想はついてしまいます。まあ、そういったことは本作品に限ったことでもありませんが、それだけアビー・コーニッシュの存在感が大きかったということですね。エージェント:0漆黒の暗殺者[DVD]通常盤ニック・スタグリアーノアメイジングD.C.〔映画〕エージェント:0漆黒の暗殺者
2004年公開のアメリカ映画です。ヴィン・ディーゼルが主役の作品なので、誰でも雰囲気は予想できるのですが、そのとおりのテイストでした。舞台は「宇宙」ですが、やはり結局は同じですね。ラストもこういう形になったけど、さて、その後はいったいどうなるのか、とても不安に思ってしまう結末です。同じ“ワンパターン・キャラ”なら、まだ「ワイルド・スピード」シリーズの方が私は好みです。まあ、五十歩百歩ですが。リディック通常版[DVD]ヴィン・ディーゼルアミューズソフトエンタテインメント〔映画〕リディック
かなり以前に読んでいた内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら“シリーズ全作品制覇”にトライしてみようと思い始ました。この作品は「第22作目」です。今回の舞台は“日光”。有名な観光地ですから私も何度か訪れたことがありますが、いわゆる観光シーズンの「紅葉の盛り」とかには縁がないので、あまり印象に残ってはいません。ポピュラー過ぎて新鮮さに乏しく感じるのかもしれません。で、肝心の作品について。ネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、「1勝2敗」ですかね。何かといえば、今回、浅見光彦は3つの事件に遭遇したのですが、そ...日光殺人事件(内田康夫)
1981年公開のオーストラリアの映画です。少し前に、前作の「マッドマックス」を観た流れで、この2作目にもトライしてみました。独特の近未来の退廃的な世界観は、人気コミックの「北斗の拳」にも通じるところがあります。しかし、主演にこれほど「台詞」が少ない作品もなかなかお目にかかりませんね。ともかくバイオレンス色に塗り籠められたカーアクションの迫力が最大の魅力ですから、そこが合わないと、別段ストーリーがあるわけではないので全く楽しめないでしょう。まあ、今しばらく付き合ってみるとして、とりあえず第3作目にはチャレンジしましょう。マッドマックス2[DVD]メル・ギブソンワーナー・ホーム・ビデオ〔映画〕マッドマックス2
2019年公開のアメリカ映画です。マーベル・コミックのスーパーヒーローたちを主人公にした「アベンジャーズ」シリーズの“中締め”のような位置づけの作品です。シリーズものではありますが、前作の「インフィニティ・ウォー」を観ていない私の印象としては、独立作品として観てもそれほど違和感はないでしょう。もちろん、シリーズ中の何か一作ぐらいは観ておいた方が、少しでも登場人物間の関係性が浮かぶので、より楽しめるとは思いますが。ともかく、どこまでもエンターテインメントに徹し切った作品ですね。出来栄えがどうこうというより、ここまで豪華絢爛な役者のみなさんを揃えて、これでもかと凝った映像と、懐かしいシーンを織り交ぜた演出をみせられると、やはり敵いませんね。アベンジャーズ/エンドゲームロバート・ダウニーJr.ウォルト・ディズニ...〔映画〕アベンジャーズ/エンドゲーム
1979年公開のオーストラリア映画です。最近、シリーズ第5作目が封切られたようですが、45年間で5作なので、シリーズといってもピンとこないぐらいに悠長なテンポでの制作ですね。観た感想ですが、ストーリーはともかく、アクションシーンも本人やスタントマンによる実写なのでしょう、なかなかの迫力ですし、背景に流れる音楽も直裁的で、まさにシーンの盛り上げ役を十分に果たしていました。思いのほか楽しめましたね。しかしまあ、何より、主役のメル・ギブソン。40年以上前の彼の初々しい姿には驚かされます。マッドマックス[DVD]メル・ギブソンワーナー・ホーム・ビデオ〔映画〕マッドマックス
2016年に公開された日本映画です。テレビシリーズの劇場版ですが、劇場版もシリーズ化されていて本作が7作目とのことです。私はテレビも映画もほとんど観た記憶はありませんが、改めて本作を観てみて、「これは合わない、ダメだ」と感じましたね。中途半端なギャグ映画としか思えませんし、荒唐無稽な設定に加え、ひと昔もふた昔も前の演出センスは情けなくなります。(まあ、ひと昔前の作品ですが・・・)舘ひろしさんも浅野温子さんも、ちょっと前の言いようでは“イタイ”キャラクタの典型でしょう。最近、復活版の映画が上映されているようですが、どうでしょう・・・、私は全く食指が動きません。さらばあぶない刑事(通常版)[DVD]舘ひろしバップ〔映画〕さらばあぶない刑事
いつも利用している図書館の新着本リストを見ていて、タイトルに惹かれて手に取ってみました。哲学者三木那由他さんによる“哲学的な視座”からのエッセイ集です。トランスジェンダーである三木さんならではの起点からの興味深い指摘や思索の紹介が数々ありましたが、そういった類のものとはちょっと違ったユーモラス?なエピソードをひとつ書き留めておきましょう。三木さんはかれこれ30年来の“GLAY(日本のロックバンド)ファン”とのことですが、言語哲学を学んだあと、歌詞の解釈に新たなバイアス?がかかったというのです。その歌詞は、こうです。(p125より引用)避けられぬ命題を今背負って迷ってもがいて真夜中出口を探している手探りで「puresoul」という楽曲の歌詞なのですが、この中の“命題”という単語に鋭敏に反応してしまうようにな...言葉の風景、哲学のレンズ(三木那由他)