”いな取り”の日は、茂平の子供にとって夏休み後の最大の楽しみだった。内海(うちうみ)はポンプ場から海に水を吐き出し普段よりいくらか水深を浅くしていた。・・・水深は20cm~50cmくらいか・・・。竹篭(ウダと呼ぶ)を自転車や自動二輪車につんで茂平に来る。9月の第一日曜日、茂平の土手は見物と参加者であふれた。消防団は制服すがたで内海全域を見回りする。土手には茂平婦人会が模擬店を出す。そこでラムネなどを販売する。いちばんの見所はヨーイ・ドンで一斉に内海に入っていくとき。壮観だった。ザブザブと足音とウダの音で獲る人、見る人、みな興奮していた。2時間前後で参加者は思い思いに終了していた。堤防の向かい側の外海(ソトウミ)で汚れを落としたり、泳いだり(およいで落とす)していた。塩はツテを頼って茂平の民家の井戸水で落と...イナ取り・内海の魚