古代の主食だった「さと芋」は、どこの農家にも植えていた。どの道ばたからもサトイモの葉がよく見えていた。実を小さく切って、煮たものが食卓にのっていた。美味くも、不味くもない野菜だった。雨の翌朝は、葉っぱにできた大きな水たまり(水滴)が、ころころ動いたり、落ちたりするのが楽しかった。「日本の伝統野菜」宮崎書店板木弘明2015年発行さといもいねよりも古くから主食にされてきた野菜。さといもは、アフリカやオセアニアで主食となっている「たろいも」と同じ仲間です。日本へは中国を経由して伝わりました。縄文時代にはすでに食べられていて、いねよりも前から人々の主食だったと言われています。山に生えているやまいもに対して、人里で育てたのでさといもとよばれるようになりました。はじめに種いもを植えつけると、その上に「親いも」ができ、...里芋