枕草子を読んできて(126)その1
113方弘は、いみじく(126)その12019.11.11方弘は、いみじく人に笑はるる者。親いかに聞くらむ。供にありく者ども、いと人々しきを呼び寄せて、「何しにかかる者には使はるるぞ。いかがおぼゆる」など笑ふ。物いとよくするあたりにて、下襲の色、うへの衣なども、人よりはよくて着たるを、「これをこと人に聞かせばや」など、げにぞことばづかひなどのあやしき。◆◆方弘は、ひどく人に笑われる者だ。いったい親はどう聞いているのだろう。供として歩いている者たち、その中のひとかどの者を呼び寄せて、「どうしてこんな者に使われているのか。どう思うのか」などと笑う。方弘の家衣服などの調製をとても上手にするところで、下襲の色、袍なども、人よりは立派に着ているのを、「これを他の人に聞かせたいものだ」などと、なるほど言葉遣いなどが変だ。【...枕草子を読んできて(126)その1
2019/11/11 10:25