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Hippo日記 https://blog.goo.ne.jp/ac-audio

オーディオの事や感動した音楽の話し、お勧めの癒しの音楽など、徒然なるままに書いてみたいと思います。

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2014/11/13

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  • 新体制設立のご案内

    新体制を担う会社法人がまもなくスタートします。リンクはこちらから→新会社ブログ新体制設立のご案内

  • 新体制移行のお知らせ

    Triphonicスピーカーをご愛顧いただき誠にありがとうございます。さて、2012年に開業してあっという間に10年が過ぎました。そして好評のDolphinで仕事が目一杯になってしまったのがきっかけとなり、更に多くの皆様に製品を提供する体制に移行する事となりました。具体的には、当社は専業メーカーとなり、販売は専門店様が担う分業体制となります。この事は、ガレージブランドからメジャーブランドに移行する事を意味します。これまでは製造直売のお買い得製品の提供というある種の強みがありましたが、反対に今後はガレージブランドでは追随できない高い付加価値を提供するべき立場になると認識しております。とは言え、見た目の豪華さを売る種類の製品としてではなく、本来の目的である「音楽の感動感を再現するための真剣勝負の製品作り」を目指す姿...新体制移行のお知らせ

  • Dolphin ユーザー様 ご感想11

    神奈川県H様何ヶ月前になるでしょうか?Dolphinが届いて早速音を出した時の鮮烈な感覚は今でも覚えています。先ずは一番大切な音楽の一つ、グールドのゴールドベルクうん、クリアーでとても良い。次、室内楽音の分離が良い。透明な空間に各楽器が質感を持って現れるのが素晴らしい。そして音の表情が良く出る。これは良い!更に武満徹ノベンバーステップス確かに言われる様にオケの各楽器がダンゴにならずに聴こえて来る。鶴田錦史の琵琶、バチで弦を叩いた音が力強くマス?を持って迫って来る!こんな聴こえ方は初めて…そして、オケのトーンクラスターダンゴになる事無くこちらにウワーっと押し寄せて来る何だ?これは?いやーすごい物を手に入れてしまった。何より音楽が楽しい!最初、高域にスチールの鳴きの様な音が聴こえたのだけれど、もしかして手持ちのS社...Dolphinユーザー様ご感想11

  • Dolphin ユーザー様ご感想 10

    神奈川県のO様★試聴用貸出機にて(スピーカー間隔約1m、リスニングポイントまで1.5m以下のニアフィールド環境で御試用)ヴォーカルがすばらしいです。波多野氏のようなものはもちろんですが、たとえばアイルランドの国民的シンガーにクリスティ・ムーアという人がいますが、かれの近作のライヴの声にのけぞりました。https://amzn.to/34V4eEl昨年買った、ジャズ・ハーモニカのハーモニカがたまらんです。録音も良いのでしょう。一度聴いて悪くないと思ってはいましたが、今回、名盤だと思い知らされました。https://arielbart.bandcamp.com/album/in-betweenそれにフィドルの音。とにかくアコースティックの楽器やアンサンブルにはぴったりです。近年ハマっているグレイトフル・デッドのライ...Dolphinユーザー様ご感想10

  • スピノラマ評価について

    Mr.Hippoは周波数特性論が大嫌い!という事は以前のアップをご覧になってご存知かと思います。とは言え、開発実験や品質管理には必要な物であり、測定用マイクロフォンは私にとっても必須の道具です。これまではお馴染みの廉価な物を使っていましたが、DSSダイアフラムの開発では、超高音域での挙動観測の必要性が増してきて、本格の物を導入しました。写真(↑)は80kHzまでの測定が可能なもので、60kHzまでは±0.5dBの高精度なので特性補正無しで使えます。凄く高価なものですが、とても小さい事に幻滅しますか?(笑)なぜかと言いますと、高い周波数では波長が短いので、測定機器も小さく作らないと正確な測定が出来ないからなのです。閑話休題さて最近の測定技術のトレンドとして「スピノラマ」なるものが話題になっています。簡単に申せば、...スピノラマ評価について

  • Dolphin ユーザー様ご感想 9

    千葉県のH様購入いたしましたdolphin、大変感動しております。現状は、ご紹介のAIYIMAアンプにテレビやiPodclassicを繋いで再生しております。集中させられる音、といいましょうか。良い演奏にグッと惹きつけられる感覚、セッションを聴いている時のハラハラ感など、生演奏から耳を逸らせない感覚に近いです。聴き慣れた音源が、命を吹き込まれたかのように、まさに"再生"されます。また、オーケストラ金管の、降りそそぐような、充満するような、昇華するような響きも心地良く、つい笑みがこぼれてしまいます。現状ですら、今まででは考えられない音楽の充実感を味わっております。dolphinの本領発揮状態も体感したく、いつか試聴室にお邪魔したいと思っております。H様ありがとうございました!Dolphinの製品案内→こちらからDolphinユーザー様ご感想9

  • Dolphin ユーザー様ご感想 8

    ”ケンのオーディオメモ”のケン様がphilewebにDolphinのレポートをご紹介くださいました。リンクは→こちらから「究極のニアフィールドスピーカー」とのご評価、誠にありがとうございます。ケン様ありがとうございました。Dolphinユーザー様ご感想8

  • 新春SALE!

    明けましておめでとうございます。新春SALEのご案内です。(只今よりスタート)PARCスピーカーユニット(ディスコン製品も含む!)各種価格が30%~50%Offです。(展示品の放出もあり)数量はあまり多くありませんので、早い者勝ちです!先着順にユニット1台につき制振プレート(DCP-P001写真↓)1個をプレゼントします。(10個限り!)SALE商品ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー・5cmウッドコーンDCU-F071W在庫2正価¥5,950-→¥4,165-(/1台)-------------------------------------------・8cmウッドコーンDCU-F101WII在庫4正価¥8,381-→¥5,867-(/1台)・8cmガラスコ...新春SALE!

  • 新春初売り ***スピーカーユニット大放出!(予告)***

    2022年新春初売りセールの予告です。PARC社自作用スピーカーユニット各種の超特価セールを実施します。数はそれほど多くありませんが、PARC社のディスコン製品も含まれますので、これはラストチャンスかも!年明けにご案内致しますので、乞うご期待。新春初売り***スピーカーユニット大放出!(予告)***

  • メリークリスマス!

    今年一年のご愛顧に感謝申し上げます。今年一年を振り返りますと・・・当社目玉のDSSダイアフラムについては、17cm口径フルレンジの年内完成を目指しましたが、残念ながら決着できませんでした。トゥイーターを付けて2wayで製品化という悪魔の囁きもあるのですが、ここはぐっと我慢して納得の行くところまで推し進めます。何故かといいますと、フルレンジとしてなんとか成立するくらいのピストンモーション帯域を確保しなければ、例えトゥイーターを追加しても、DSSダイアフラムならではの頭抜けた美味しいところが出せないと考えているからです。これを乗り越えられれば、今後の製品展開についての大判風呂敷が広げられますので、その希望を糧としてなんとか頑張っております。その様な訳で、今年も「もうすぐ出来上がりそう」と言いながら時間切れで「オオカ...メリークリスマス!

  • 黒船がやってきた

    AIYIMA社のD級パワーアンプTPA3255とDAC内蔵管球ハイブリッドプリT10当社の6cmDSSダイアフラムスピーカーDolphinにお勧めの再生系(アンプ)については大変頭を悩ませておりました。Dolphinのクォリティは非常に高いので、50万円越えクラスのアンプでないとせっかくの高音質を持て余してしまいます。そこで、今後のスピーカーのグレードアップも考慮するという前提でこのクラスのアンプをお勧めする状況です。実際に当社にて試聴していただくと、高額アンプでも「音質的に他の選択肢が無いのでやむを得ない」というご判断をいただいております。しかしながら、Dolphinを最終スピーカーにしたいユーザー様には、本音を申せば30万円クラスのアンプでさえお勧めするのには躊躇があります。そこに登場したのが写真(↑)のA...黒船がやってきた

  • Dolphin ユーザー様ご感想 7

    Dolphin製品案内は→こちらから北海道のM様音に芯と力強さがあり、澄んでいながら柔らかさと艶も兼ね備えている素晴らしいスピーカーだと思います。(貴ブログでも何度か取り上げて頂いた)イノウエKIスピーカーを普段使っていますが、第一印象から似た傾向の音で、分割振動の排除はスピーカーにとって必須事項だとあらためて感じました。アンプのパワー不足もあり、音量を上げると歪みが出て、低域の多い楽曲等ではストローク過多になりボワつきのある音になってしまいますが、当面はデスクトップに設置して少なめの音量で楽しみたいと思います。より大きい口径のユニット開発も楽しみにしております。追伸素直な音色で実在感のある音が聴けるようになったので、パソコンデスクに向かう時間が増えています。家族にオーディオがあるリビングを占有されても、以前ほ...Dolphinユーザー様ご感想7

  • スピーカーの何が駄目なのか

    17CmDSSダイアフラムの試作品いろいろ・・・最近は音は出さずに、コンコン叩いて可否判定してしまいます。要するに、共鳴音が出るのはNGという事。17cmDSSダイアフラムの開発作業になかなか手が付けられず、しかし新しい内部構造用の製作治具は出来上がっていて、うずうずしているところです。このところ、試行錯誤を抜け出して着実に完成度が上がって来ているので、わくわくします。さて、これまでスピーカーの分割振動について散々吠えて来ましたが、今日はこれまでの最新の実感をシンプルにまとめてみたいと思います。<何が駄目なのか>単純明快に・現代のフラット&低歪みなスピーカー→音楽の感動感の出ないつまらない音・過去の名器スピーカー→音楽が楽しい。でも煩くて耳が痛い。注意点上記2者のいいところ取りは不可能。上手く行ったつもりでも、...スピーカーの何が駄目なのか

  • Dolphin ユーザー様ご感想 6

    愛知県のF様早速、いろいろと聴き始めますと、どれも共通して綺麗なディテールと、エネルギー感と言いますか、芯を携えた音楽が奏でられております。例えば、実際にピアノの鍵盤を弾いた時のコーンッという、脳に響くような芯のある音を感じます。まだまだ本領発揮前なのだろうとは思いますが、とても6センチ口径のスピーカーとは信じられない、初めての感覚です。今からの時間がとても愉しみです。F様ありがとうございました!さてところで、先日の「暖かみのある音」のアップに沢山の方の閲覧をいただきました。やはり音楽の癒しを求める方が多いわけで、ご関心をいただくのは当然のことかもしれません。そして、Dolphin(DSSダイアフラム)の音質として「音が良いという評判は分かるが、しかしシャープで暖かみを感じない音ではないか」というご心配の向きも...Dolphinユーザー様ご感想6

  • コーヒーブレイク ミキシングのセンス

    その後17cmのDSSダイアフラムはどうなったのかと申しますと、ありがたい事ではありますがDolphinの製作がまた忙しくなってしまい、なかなか進んでおりません・・・(^^;そこで今日は、このところの録音関連の続きの話題です。私は、現代の音楽録音で当然のごとく使用されるマルチマイク録音は好まない人種ですが、しかしミキシングエンジニアのセンス次第でどうにでもなるのも確かですね。言わずと知れた大貫妙子様のアルバムですが、定位感はクラシックの声楽と同様にミキシングされています。部屋の奥にグランドピアノがあって、手前のヴォーカルと対比があって、サロンコンサートの様な心地よさです。現代の歌手はマイク収録を前提とした発声法なので、これを自然な生声として定位させるのにはなにかノウハウがあるものと想像しますが、このナチュラル感...コーヒーブレイクミキシングのセンス

  • コーヒブレイク 暖かみのある音

    「暖かみのある音が出る」良く使われるのは、「管球アンプは暖かみのある心地よい音」という文言です。しかし球アンプに詳しい方はご存知ですが、実は球アンプの方が半導体アンプよりもクリアーで音力も出ますので、かなり誤解があると思います。恐らくですが、この文言はラックスマン社のサウンドポリシーであって、これが球アンプの常識であると誤解されている方が多いのではないかと思われます。逆に言えば、ラックスマン社のプロパガンダは大いに成功しているわけです。ところで、当社のDSSダイアフラムに関するお客様のご質問でもこの趣旨の話題が出る事があります。そこで本日は「暖かい音」をテーマにしてみたいと思います。さてこの「暖かい音」というのはどうにも抽象的で扱いが難しいと思います。感じ方は人それぞれでしょうが、例えば中低音域が膨らんでぼやけ...コーヒブレイク暖かみのある音

  • コーヒーブレイク 低能率で高速応答は信じられない?

    先日、西日本の某オーディオショップ社長のO氏がお見えになった際の話題です。同氏は以前よりDSSダイアフラムにご関心をお持ちで、今年のインターナショナルオーディオショウを視察にいらした際に、当社にお立ち寄りくださいました。O氏の問題意識は、「現代のハイエンドスピーカーは美音にはなったが、音楽の鮮度感や勢いが出なくなってしまった」事にあるとの事。そして、DSSダイアフラムはこの問題の突破口になるのではないかと期待されてのご訪問になった次第です。O氏におかれては、DSSダイアフラムの分割振動排除による音質向上については想像が出来たが、「能率90dB以下のスピーカーは応答感が出ない」と認識しており、低能率のDolphinで良好な応答感が出るとは「どうしても信じられなかった」との事でした。以前のアップ(→コーヒーブレイク...コーヒーブレイク低能率で高速応答は信じられない?

  • Dolphinの正式発売と試聴室再開

    本日より試聴室を再開し、Dolphinの方も正式販売に移行しました。今日は早速お客様がお見えになりました。明日もご予約が入っております。長らくのお休みでお待たせしまして申し訳ありませんでした。Dolphinにつきましては、本日やっとカタログ写真を撮影しました。ホームページへの掲載も逐次行いたいと思います。Dolphinの試聴機貸出も始めます。改めてご案内をさせていただきますので、しばらくお待ちください。ところで、Dolphinをお聴きになったO様が、海外オーディオサイトのWHAT'SBESTFORUMにレポートをして下さいました。下のバナーにO様のレポートページへのリンクを張ってあります。大変高くご評価をいただきましたが、最後に「将来ゲームチェンジャーになるだろう」とのお言葉も頂戴しました。O様ありがとうござい...Dolphinの正式発売と試聴室再開

  • コーヒーブレイク マルチシステムの在り方

    さて、温故知新の話題から入ります。ラジオ技術誌の1993年5/6/7/8月号で、「現在の再生技術を全面的に再検討する」という全60ページにも及ぶ特集記事がありました。ここでは当時のオンキョーの現役担当者だった由井啓之氏や評論家で時間軸特性の改善を提起する高橋和正氏等が参加して、スピーカー技術を中心とした問題提起を行っていました。ここでは、(プロの現場で)便利になったスピーカー測定について、周波数特性ばかり追いかけても良い音にならない、(過渡応答である)波形再現性こそが重要である、と言う議論がなされていました。しかし何故波形再現性についての議論が深まらないかと言うと、人の聴感と波形再現性能の相関性の研究が進んでおらず数値として扱いにくい、即ち耳の肥えた技術者が官能評価するしか方法がないというのが原因である、という...コーヒーブレイクマルチシステムの在り方

  • 試聴室を再開します

    コロナ対策で長らくお休みさせていただきましたが、11月6日より試聴室を再開いたします。試聴室のご案内は→こちらから試聴室のご利用にあたりましては、コロナ感染対策として以下のご了解をお願いいたします。・緊急事態宣言若しくは蔓延防止措置が解除されている事を前提とさせていただきます。・入室時の検温と手指消毒、不織布マスクの着用。・1時間に一回、換気のために試聴を中断させていただきます。・飲食はお断りさせていただきます。・ご来社は二名様まで。・事前にご連絡先の住所、電話番号をご連絡ください。(試聴室内は常時シーリングファンによるエアフローを確保しております)(担当者はワクチン接種が済んでいます)お休み中に試聴用機材を増やしまくりました。(^^手前からマランツ社のデファクトスタンダードたるSA-10とPM-10、そして新...試聴室を再開します

  • SPEC社製品の評価 その2

    先日に続き、SPEC社製品評価の第二段です。今回はエントリー機のプリメインアンプRSA-888DTと、USBBridge(Diretta)のRMP-UB1です。こちらは、前回の中堅機RSA-BW1と同じ出力で、筐体は一回り小さくなっています。鳴り方は見事に一緒(RSA-BW1の評価は→こちらから)ですが、厚み感はやや薄くなります。音に統一感があるのは、きちんと音決め出来る人材がいる証拠です。メーカーによっては、機種ごとに音の出方が違っていたりして、求める音の方向性が分らずに作っているのではないかと疑いたくなるものもあるのです。他社の同価格帯のアンプでは、ゴリゴリ低音等の演出的な鳴り方の物の方が多いと思いますが、こちらは一見淡泊で、しかしナチュラルで情報量も多い、という”大人”の音です。ある種脚色のあるMaran...SPEC社製品の評価その2

  • Dolphin ユーザー様ご感想 5

    ※新型Dolphin(写真右側)については→こちらから福岡県のM様(Monitor-061からのアップグレード)素晴らしいバージョンアップありがとうございました。初期のエージングも進み、音もだいぶ落ち着てきましたので、僭越ながら簡単に感想をお伝えいたします。エージングは、ごく小音量で約2週間ほど鳴らしこんでから、少しづつ音量を大きくして2か月ほど進めてきました。【第一印象】061と比べると確かに低域のレンジと力感が増しているのが分かりました。しかしながら、この段階では、音が少しバラバラに聞こえ、カミさんは、初めからまとまりのあった061の方がよかったと言っていました。とはいえ、ピアノの澄んだ音やフレームの響きなどは他のスピーカでは聞くことのできないものである点は変わりませんでした。【約1か月後】少しずつ音がこな...Dolphinユーザー様ご感想5

  • SPEC社製品の評価

    前回のアップで触れたSPEC社のアンプ(&DAC)の話題です。現在コロナ対策でお休み中の当社試聴室ですが、その間に展示機器の拡充をはかっております。今回はその一環のアンプ類の増設検討です。評価用に拝借した機器は以下の物です。◆プリメインアンプ:SPECRSA-BW1◆USBDAC:SPECRMP-DAC1◆USBBridge:SPECRMP-UB1・リファレンス音源としてMARANTZSA-10(兼CDトランスポート)・デジタル音源としてノートPC+Audirbana・試聴用スピーカーはTriphonicDolphinPMS-061今回の目玉は最新型中堅機種のプリメインアンプです。まず感心したのが位相周りの良さです。以前話題にしましたが、プロでも位相周りの分からない方が多くおられる残念な現実があります。位相周り...SPEC社製品の評価

  • スピーカーの制振グッズ

    前回のアップでDolpinの制振足として「耐震ジェルの様なもの」を推奨したところ、埼玉のK様(Dolphinオーナー様)から耳寄りな情報を頂戴しました。写真はダイソーのものです。私も早速購入して来ました。私の場合は、三袋購入して(鋏で切らずに)Dolphinの後ろ足の下(二ヵ所)に一枚づつ、前足(一カ所)の下に3枚重ねで仰角を付けて設置しました。正に良い塩梅で、キャビネットを揺すると数ヘルツの共振周波数で揺れます。残念ながらDolphin本体に同じ機能を組み込む事はコスト的に出来ませんので、しかし見栄えはともかく格安で導入できますので、よろしければお試しください。結構な効果があります。(地震でひっくり返るリスクがありますので、自己責任でお願いします)但し、私はアクセサリーと言う俗物が好きではないので、音決めの時...スピーカーの制振グッズ

  • 転がり式制振台

    今日はアクセサリーの話題です。私の様なシステムメーカーとしては、怪しげなアクセサリーを使わなくとも十分な完成度で鳴る製品を提供したい立場ですが、中には本当に優れたアクセサリーもあります。写真↑はオーディオ月刊誌の老舗「ラジオ技術」で大分以前から提唱されていた制振装置です。編集部のH氏によると、「近々製品化したいので、忌憚のない意見を聴かせて欲しい」との事で、評価のためにお預かりしました。この制振台は前後方向が直動ベアリングでフリーになっている珍しい構造です。写真↓(天板)の様にV溝に鋼球を入れる様になっています。6ヵ所のV溝ポケット(写真↓)に鋼球を入れたら、左側の底板をひっくり返して天板に載せます。そのまま天底板を押さえながらもう一回ひっくり返すと、セットアップ完了です。上にスピーカーを載せた状態が最初の写真...転がり式制振台

  • Dolphinは管球アンプで鳴るのか

    低能率のDilphinが管球アンプで上手く鳴る?というご質問を時々頂戴しますので、今日はその話題です。どの様なクラスのアンプを組み合わせるのかでも話が違ってきますが、今日は久しぶりに球アンプに繋いで聴いてみました。実は、Dolphinはまだ球アンプで鳴らしていませんでした。写真↑の奥のラックに収まっているのが管球プリとパワーのセットです。クライナ社(旧クリプトン社)のハイエンド品になります。プリはセパレートの左右独立電源です。パワーはモノラル構成の6L6プッシュプルで、約20Wの出力。球アンプは何となく面倒くさくて、何カ月も火を入れていませんでしたが、贅沢パーツでグレードアップしてあるご利益で、寝起きでも何も問題なし。ソースはアルゲリッチの「2016年ルガーノフェスティバル(ライヴ録音)」から、ラヴェルのピアノ...Dolphinは管球アンプで鳴るのか

  • 解像度と位相まわりの悪さを暴く迷録音

    コロナ禍で悶々とする日々が続きますが、遅ればせながら昨日ワクチン接種を受けまして、本日は力仕事抜きのデスクワークという事で、ブログ更新をしております。さてところで、いわゆるオーディオ・テストソースというものは、高品位録音である事が前提かと思います。しかし、敢えて古くて良くない録音を再生して、装置のダメだしをする場合もありますね。そして、写真(↑)のアルバム「パガニーニ&シュポア:ヴァイオリン協奏曲ヒラリー・ハーン大植英次」は、独特の録音であるがゆえに、装置のボロが出やすいソースであると思います。※パガニーニのヴァイオリン協奏曲1番の第三楽章はお馴染みの曲なので、クラシックファンでなくともお聴きになった事があるのではないかと思います。私の見立てでは、この録音は典型的なマルチマイク録音であり、ヒラリー・ハーンのソロ...解像度と位相まわりの悪さを暴く迷録音

  • ヴォーカルの表現力

    新型Dolphinの受注も落ち着いて参りまして、ストップしていた17cmDSSダイアフラムの開発の方も近々再開できそうになって来ました。未完成の17cmユニットではありますが、仕事の後は音楽を愉しませてくれます。昨日、久しぶりに波多野睦美さんのアルバム「アルフォンシーナと海」を聴いて、そうだ、この話はしなければ、と思い立ちました。今日は、DSSダイアフラムによるヴォーカルの表現力について話題にしてみたいと思います。波多野睦美さんは、クラシックジャンルのメゾソプラノに分類される歌手です。小さな声でも浸透力があり、渋口の味のある歌唱が特長だと思います。オペラもそうですが、単に声量が大きいという事ではなく、大声でなくともよく通る声が重要と言われますね。ストラディバリの音がホール後席まで良く届くというのと同様で、音力が...ヴォーカルの表現力

  • Dolphin ユーザー様ご感想 4

    ※新型Dolphin(写真右側)については→こちらから愛知県のS様(Monitor-061からのアップグレード)現在、このメールを打ちながら試聴していますが、、、これはすごいですね。ブログにてDolphin化に伴う音質について書かれていましたが、ここまでの変化があるとは思いませんでした。正直なところ、Monitor-061でも十二分に満足していましたし、これ以上の変化を自身の耳で気が付くことができるのか・・・不安でしたが、すぐにそんなこと自体忘れてしまいました(笑)聴き始めて感じるのは、音の透明感と肉質感。Monitor-061の延長線上の音なのは間違いないのですが、今までとは一線を画す、次元の違いを感じます。柔らかいのに芯がある、透明なのに色鮮やか。上手く表現ができませんが、しっかりとしたシャボン玉のような音...Dolphinユーザー様ご感想4

  • Dolphin ユーザー様ご感想 3

    ケンのオーディオメモ様ブログでのレポートケンさんがご自身のブログに掲載して下さっています。この方は玄人のマニア(アマチュアにあらず?)で、色々な集まりでご存知の方も多いかと思います。同氏は、耳の肥えたところで、現状把握の便利な道具として測定器もお使いですが、データに惑わされずに耳で判断できるところが普通のマニアと一線を画していると思います。当方では、測定データをお見せする事で、本来の音の議論から離れてしまう事を嫌っておりまして、ほとんどお見せする事がありませんが、ケンさんのブログではその一端を見ることが出来ます。Dolphinは従来のスピーカーとは音の出方が異なりますので、ケンさんとしては戸惑いをお感じの部分もあるご様子です。さて吉と凶どちらに出ますでしょうか。現在進行中のありのままをご覧いただけます。(当方で...Dolphinユーザー様ご感想3

  • Dolphin ユーザー様ご感想 2

    Dolphinに搭載のスピーカーユニットF60-3G型、遮音Boxの中でブレイクイン※新型Dolphinについては→こちらから埼玉県のK様より(Monitor-061からのアップグレード)Hippo社長の解説、東京都のM様に同感です。当方では、アップグレード前からメインSPになって、9畳洋間で壁から1m弱離して近距離で聴いてます。アップグレードというよりは、別物。まあ、ユニットが違うので当然なんでしょうが。出てくる音像、音場、エネルギー感とSPの見た目のギャップが凄い。特に感じるのは、社長の多用する「押し出し感」と澄んだ音。オケの低弦楽器群や、ポップライブ会場の低音が、正にこういう感じの音だなーと感心。音が実体化して、こちらに来るのが、ライブ感満載で、納得の音です。但し、音量を上げると、ユニットの底打ち異音が出...Dolphinユーザー様ご感想2

  • Dolphin ユーザー様ご感想

    ※新型Dolphin(写真右側)については→こちらから東京都のM様より(Monitor-061からのアップグレード)まだつないだばかりですが、一聴した感じでは、前よりもさらに澄み通った音質でありながら、空間も高低も強弱もレンジの広く力強い引き締まった音場を再生している印象を受けました。時間のある時に、色々と試したいと思います。この度は更なる進化したスピーカを生み出されたことに敬意を表したいと思います。17cmユニットも楽しみですね。径は約3倍になり、3次元的にバランスを取る必要がありそうですので、3の3乗=27倍のサイズ効果の壁をうまく処理することは大変であろうと想像します。<追伸>先のは、2m弱離れて聞いたときの印象でした。今は、別のオーディオセットにつなげ、以前、製作いただいたスピーカーの上に搭載して、5m...Dolphinユーザー様ご感想

  • コーヒーブレイク 応答感の良し悪しとは?

    前回のアップで「高能率スピーカー=応答が良い」は間違いであるという話題を出しましたが、内容を追加してまとめ直したいと思います。周波数特性論者が陥るワナ応答感と周波数特性に関係があるの?その通り、あるのです。前回のアップでは、軽量紙コーン(=高能率)は剛性不足で1kHz前後で強い軸対称共振が出るので、この派手な耳を刺す音が疑似的応答感を作り出している、という解説をしました。そして、この場合は周波数特性上も緩やかな山が出来るので分かり易い状況説明が可能です。・ここで質問ですでは、この問題の分割振動を制振材で抑え込むとどうなると思われますか?・答え周波数特性はフラットになりますが、重く、ボソボソとした、死んだ(応答の悪い)音になります。周波数特性がフラットになれば良い音が出るはずでは?・・・これが周波数特性論者の陥る...コーヒーブレイク応答感の良し悪しとは?

  • Dolphinの音質

    ※左側が現行のMonitor-061、右側が新型Dolphin★Dilphinβ版プレリリースについては→こちらから★Monitor-061のアップグレードについては→こちらから沢山のご依頼に感謝申し上げます。さて、アップグレードにご関心のお客様から、音質の違いについてもう少し詳しい情報のご依頼をいただきました。試聴も出来ず、カタログもない状況での特別提供という事で、ご理解に感謝申し上げますが、俗物の私めでは「信じる者は救われる」などと言う横柄な事は申せません・・・(^^;そこで、言葉の説明ではありますが、もう少し追加させていただきます。他にも低能率スピーカーと応答感の関係についての素朴な疑問なども度々頂戴しますので、本日はこれらを含めてご紹介させていただきます。◇Monitor-061→Dolphinアップグ...Dolphinの音質

  • Monitor-061 アップグレードのご案内

    Monitor-061のアップグレード日頃のご愛顧に感謝申し上げます。この度はMonitor-061のグレードアップ版であるDolphin(PMS-061型)のβ版プレリリースをさせていただいておりますが、Monitor-061→Dolphinへのアップグレード改造につきましてもご案内をさせていただきます。アップグレード費用は、Dolphinの予定正価との差額とさせていただきます。アップグレード費用(税込)¥82,200-のところ→¥60,000-※Dolphinのプレリリース期間中のみの特別価格です※新規のユニット保護キャップも付属されます※キャビネット背面の銘板も新機種として変更しますアップグレードの要件対象:Monitor-061のエンドユーザー様(シリアル番号必須)方法:現品をお預かりして当社でユニット...Monitor-061アップグレードのご案内

  • 6cm DSSダイアフラム β版プレリリース

    DSSダイアフラム(6cm)完成版が出来ました。(実は大分前に出来ていました)本日は、このシステムのβ版プレリリースのお知らせです。製品名Dolphin(ドルフィン)型番PMS-061価格予定価格¥190,000-(ペア・税込み)のところ、特別価格¥150,000-期間本日~正式版のリリースまで(年内のなるべく早い時期の予定です)※取説の写真が古いままとか、梱包がこなれていないとか、若干の不備をご容赦いただきます。※付属の保護キャップの取説はありません。マグネット式で、手で着脱します。強力磁石を内蔵していますので、強力磁石についての一般的注意が必要です。※製品保証は付きます。※試聴用貸出機はありません。(試聴室もお休みです)※A&Cオーディオ社の直販のみとなります。・このスピーカーシステムについて以前に6cmD...6cmDSSダイアフラムβ版プレリリース

  • 久しぶりに高橋和正先生を訪問

    久しぶりに高橋和正先生から「最近どう?」と電話がありまして、丁度良いタイミングだったので、試作スピーカーを携えて訪問して来ました。髙橋先生のところに、B&Wやスキャンスピークの担当者から新開発ユニットのホットな話しが入ったそうで、そう言えばMr.Hippoのスピーカー開発はその後どうなっているのかな?、という事でご連絡下さったそうです。DSSダイアフラムの方は完成が近づいたとは言っても、何だかんだで開発完了には時間がかかるので、いつお聞かせしようかと思っていました。丁度ご連絡をいただいたので、「音は荒っぽいし、左右で異なるユニットですが、鳴りっぷりは分かるし、ざっくばらんなご意見も伺いたいので」と、お伺いさせていただく事にしました。・髙橋先生「このサイズでこの様な低音が出るスピーカーは未だかつてなかった。」・H...久しぶりに高橋和正先生を訪問

  • 17cm コーンの釣鐘モード共振実験

    ★17cmアルミコーンの釣鐘モード共振実験スピーカーの分割振動という話題は、言葉としてしか聞く機会がないと思います。そこで、周波数特性での議論ばかりになりますが、音質は動特性が重要であり、静特性である周波数特性で議論しても無意味です。尚且つ音を聴かずに理屈だけで議論するのはもっと問題です。(ご注意!:分割振動の有無と周波数特性がフラットである事は別問題です)音は実際に試聴室でお聴きいただくしかありません。しかしもう少し分かり易く体感できる方法はないか、という事で、今回は振動板を裸の状態にして、実際の共振音を体験していただこうという企画です。★17cmDSSダイアフラムの釣鐘モード共振実験★最低限の解説コーン型スピーカーの分割振動は、多くの方が非常に良い方向に誤解しておられます。実は、非軸対称(釣鐘動)共振は非常...17cmコーンの釣鐘モード共振実験

  • 17cm DSSダイアフラム その19

    地味な進展ですが、その後、外殻の板厚を増して、その代わりに内部補強を減らすとか、確認実験を続けています。何とも面白くない話ですが、いろいろと構造や塩梅を変化させても、同じ程度の完成度を得るためには、結果的に同じ程度の振動板重量になってしまいます。比弾性を上げるのは本当に難しくて、うまい話はないですね。もうこれで最後にしたいと思っていますが、念のため外殻をサンドイッチ構造(写真↑:もう一つ作って向かい合わせに結合)にしたものも作って確認実験をします。今回はあまり期待はしていませんが、「あれも試しておけば・・・」という事が往々にしてありますので、とにかく辛抱して続けます。ところで、試作は一度に一個で、モノラルで評価しています。(慣れると、ステレオでやる意味はないし、仕事時間が半分で済みます。)なので、ステレオで音楽...17cmDSSダイアフラムその19

  • 17cm DSSダイアフラム その18

    前回のアップからあっという間に20日経ってしまいました。過去の試作の再評価をやっていますが、新しい改善策を盛り込んだ新しい部品成形治具を作り直しているので、時間がかかる割にははかどりません。(^^;今回は前回の放射リブ構造に引き続き、剛性を高めるためにリブの高さを更に大きくして、尚且つ外観の目障りにならぬように、菱形殻の内部に補強パーツを組み込む事にしました。誰でも思いつく様な放射方向と円周方向のリブで、以前に強い共振音が出てNG判定にした構造です。ですが、結局のところ、要点を押さえさえすれば、いずれの構造でもそれなりに上手くまとまる事が判ったのがこの一年の実験の収穫でした。いわゆる特許にならない地味なノウハウというやつです。別の言い方では、「神は細部に宿る」という事ですね。さて、今回の試作で納得の完成度であっ...17cmDSSダイアフラムその18

  • 17cm DSSダイアフラム その17

    前回のアップでご紹介しましたが、長らく見落としていた問題点の改善によって、すっかり話が変わってしまいました。過去の膨大な実験の中でNG判定していたものを再検証中です。音が硬く、位相周りにも難が生じると考えていた補強リブが、どうやら問題なく使える事も判ってきました。ホンネを言えば、手間が酷くて使いたくない部材ですが、音質上のデメリット無しに歪み感の低減と解像度の向上が出来るという美味しい話は外せませんね。色々と再検証をしつつ、完成度の向上を試みています。17cmDSSダイアフラムその17

  • 17cm DSSダイアフラム その16

    炭素繊維で作ってみましたが・・・この素材は薄い作りの振動板の用途に本当に向いているのか?やはり異方性が強い素材は、どんぴしゃりの用途に適用しないと活かすのが難しいと感じました。スピーカーにおける炭素繊維というものは、買いかぶりされ過ぎというか、宣伝のために大言壮語になっているのでは?・・・炭素繊維を自慢しているスピーカーメーカーから刺客が来ない事を祈ります。(笑)※但し、DSSダイアフラムにおけるボイスコイルボビンには間違いなく最適でした。これだけはドンピシャリです。さて、それでは高音の伸びがイマイチなので、フルレンジはギブアップか?灯台下暗しと言いますが、「まぁこんなもの」と決め込んでいた何でもないと思っていた部分が、実は問題源だったりする事があります。今更ながら、実はDSSダイアフラムの本来の剛性の半分くら...17cmDSSダイアフラムその16

  • 17cm DSSダイアフラム その15

    さて、ウーファーとしては使えますが、フルレンジとしては改めてもう少し高音域を伸ばしたい。通常のフルレンジスピーカーは、高音特性にピークを作って「出ている感」を出しますが、DSSダイアフラムの場合はその様な音作りではありません。よって、振動板の比弾性を現状よりも更に上げて、再生可能帯域を広げるというクソ真面目で難しい選択をする事になります。菱形殻の素材が、軽金属よりも更に比弾性の高いハガネ材でも比弾性が不足しているとあらば、残るはカーボン繊維くらいしかありません。※ダイヤモンドには手が出ませんが、しかし脆いので、いずれにせよこの用途には無理です。カーボン繊維については、縦横編み(二軸織)のものでは話にならん、と以前にこき下ろしました通りで、やるとすれば単方向繊維を放射状に配置する事になります。この製作にはオートク...17cmDSSダイアフラムその15

  • 17cm DSSダイアフラム その14

    菱形殻は厚みに分布を持たせるために任意の形状のハガネ材を積層しています。このためには簡便なオートクレーヴ設備が必要で、貼り合わせ部に気泡や無駄な接着剤(エポキシ)を残さない様に、真空引きしながらプレス成型しつつ、加熱してエポキシを硬化させるという面倒な設備が必要です。この構築に時間がかかって、先週はあまり試作が進みませんでしたが、それでも新しい設備で2回ほど試作を行いました。写真(↑)のDSSダイアフラムは試しに着色(ガンメタリック色)したものです。中央部の放射リブは高音域の塩梅調整を試しているところです。何か貼ってあるように見えるのはダンプ材で、これも共振の状態を確認するためにあちらに付けたりこちらに付けたりして試しているところです。さて、まだご紹介した事はなかったと思いますが、THEGENTSのアルバムでシ...17cmDSSダイアフラムその14

  • 17cm DSSダイアフラム その13

    大分煮詰まって来ましたが、色々と確認実験が必要で、時間がかかるものですね。ところで、DSSダイアフラムでは、菱形殻を貫通するボイスコイルボビンの長さが結構あります。そうするとボビンの伸び縮み共振(=高域再生限界=俗に言うブレークアップ)周波数が下がりますので、高音が伸びなくなります。その分ボビンの断面積(肉厚)を大きくすればよいのですが、今度はばかにならない重量増加で能率が下がる不利益があります。そこで、軽量化と剛性アップの必要に迫られて、CFRP製のボビンを試作しました。(写真↑:両端はアセンブル金具)ここで少々CFRPのウンチクを。一般に「カーボン繊維」と呼ばれているものです。正しくはCFRP(”カーボン繊維で補強されたプラスチック”の意味)と呼びます。即ちカーボン繊維の束に樹脂を浸み込ませて固めた素材です...17cmDSSダイアフラムその13

  • コーヒーブレイク 時代遅れの振動板技術

    「何をナマイキな!」と思っていただければ、本日のタイトル名は成功です。(笑)これまでDSSダイアフラムの開発をやっていて、実は私自身、やっと最近気が付いた事ですが・・・副題として板構造から殻構造へ前振りとして、卵の殻にご注目を。軽くて頑丈なその理由は、正に”殻形状”にあります。同じ卵の殻を平らに広げて板にしたとすると、ヘナヘナで強度のない単なる薄い板になります。さて、ここで自動車のモノコックボディを取り上げます。最近は省エネのための軽量化技術が進歩しています。昔はアルミ(軽金属)製のボディを試作して、軽量化を実現!などと言っていましたが、現代は軽金属ではなく、”高張力鋼”というハガネ材の一種を使用しています。比重の重い金属を使っているのに、この方がかえって軽量化出来るのです。重いのに軽いとは?つまりこういう事で...コーヒーブレイク時代遅れの振動板技術

  • 17cm DSSダイアフラム その12

    ※DSS(菱形殻構造)振動板にエッヂを接着しているところ神は細部に宿ると言いますね・・・DSSダイアフラムは超高剛性とは言っても、分割振動の開始周波数はさすがに可聴帯域内になってしまうので、高音域の音色感の楽器的な塩梅調整は避けて通れません。いよいよ音の仕上げ段階にまで来たかな(?)というところですが、微に入り細に入り工夫と調整の繰り返しが必要で、これまでの大局の構造工夫とはまた違った苦労があります。楽器の響板とか歌口のひと削りで音を決めるといった感じの聴感作業になります。「ダイアフラムのどこをどのように処理するのか」というノウハウは本当に奥が深く、まさに「神は細部に宿る」という感じがします。※これは「周波数特性がフラットになる様に調整する」という安直なアプローチでは不可能です。音色感や、とくに位相まわりは、f...17cmDSSダイアフラムその12

  • 17cm DSSダイアフラム その11

    物事が行き詰まった時のブレークスルーには、大胆な発想の転換が必要だと言われますね。今回は大きなブレークスルーがあったので、そのご紹介です。★本日は技術的な重要要件を述べますので、このブログには著作権がある事を改めて注意喚起させていただきます。DSSダイアフラムの特徴は、富士山形のコーンを向かい合わせ(写真↑)にして外周を接合した”菱形殻構造”であり、お互いに突っ張りあう形状効果で大きな構造剛性を生み出す事にあります。従来の単純なコーン(或いはドーム)形状では、硬いハイテク素材を用いても、実は中音域からでさえ分割振動を追い出す程の構造剛性を得る事は出来ませんでした。(あたかも分割振動が無くなったかのような表現の広告は詐欺!)そこでDSSダイアフラムでは、「素材論」ではなく、「構造論」で本質改善をはかっている訳です...17cmDSSダイアフラムその11

  • 17cm DSSダイアフラム その10

    その後、17cm口径の方は更に実験を繰り返していて、菱形外殻や補強構造について、更に要件が整理されつつあります。ウーファーとしてはまあまあですが、結果的により高品位が要求される事になる”フルレンジ”として是非完成させたいと考え、時間はかかっても忍耐して粘っているところです。ところで、またまた気分転換に道草を食っておりまして、6cm口径の実験室チャンピオンユニットを再度更新(写真↑)しました。実は17cm口径開発でのノウハウの確認のために、異なるユニットでも試して検証するのが本当の目的です。振動板の形が、これまでのフジツボ形から菱形形状に変更になりました。部品点数も大幅に低減出来たので、製品化の可能性が高くなってきました。裸ユニットでの試聴の段階でも、ちょっと自信がある出来だったので、振動板にも塗装を施して、製品...17cmDSSダイアフラムその10

  • 試聴室準備中 アナログプレーヤー その2

    試聴室の機材充実という事で、アナログプレーヤーを色々と物色中ですが、今日はテクニクスSP-10のご紹介です。さて、今時の本格アナログプレーヤーは、生産台数が少なく、一声100万円があたりまえになってしまいました。当社スピーカー製品を生かしていただく趣旨で、特別価格でセレクト品を提供出来ないかを検討しておりましたが、ハイエンド用については、良品中古のターンテーブルやアームを利用したものを選択肢の一つと考えております。ターンテーブルはテクニクスのSP-10(初期バージョン)をフィーチャーしています。知る人ぞ知るの手作り多極DDモーターで、後期の極数を減らしてサーボ制御する物よりも音が良いとされているレア物です。レストアもきちんとやってもらえるので、新品の様に安定しています。そして、ターンテーブルベースはオーディオア...試聴室準備中アナログプレーヤーその2

  • パルスオキシメーター 詐欺に注意!

    オーディオとは無関係ですが、注意喚起です。コロナ感染後に突然重篤化して亡くなる方が増えていますね。有名な議員さんもそうでした。原因は、本人が気が付かないうちに肺炎が重篤化して、息苦しさに気が付いた時には命に関わる状態になっているという怖い話です。これを防止するためには、パルスオキシメーターという血中酸素飽和度を測定する装置でこまめに経過確認をするのが良いとの事です。通常は飽和度96~99%が目安で、90%を切ったら救急搬送レベルとTVで聞きました。自分が感染して自宅待機を余儀なくされた場合はには、必ず保健所にお願いして借りた方が良さそうです。このパルスオキシメーターはスポーツ用品としても流通しているありふれたものですが、やはりこのご時世で需給がひっ迫している様です。自宅に1個あるのですが、親族用に新たに発注した...パルスオキシメーター詐欺に注意!

  • コーヒーブレイク f特フラットではダメな理由

    「周波数特性がこんなにフラットになりました。凄いでしょう?」という下りはオーディオマニアの間でいつも話題になる事ですね。それでもって、当ブログはスピーカーの特殊技術について語っている割に、f特(周波数特性)の話を忌み嫌っている事は、ご高覧いただいている皆様におかれては既にお感じの事かと思います。今日は、その決定的な理由について話題にしたいと思います。一般的には、f特がフラットなほど自然な音になるというご理解かと思います。それでもこれを否定するのは何故だと思われますか?Mr.Hippoはひねくれているのでしょうか・・・漠然とお気づきの方も多いかと思いますが、音色感のコントロールこそが本当の問題です。経験豊富な方ほど実感があるかと思いますが、例えば腰高な音色感で困っていても、f特をフラットにしたからと言っても、解決...コーヒーブレイクf特フラットではダメな理由

  • コーヒーブレイク 音の解像度とは?

    音の解像度とはどの様な物か、説明が難しいですよね。ですが、ことスピーカーに関しては重要な問題であると思いますので、見える化してみたいと思います。ところで、映像の解像度については分かり易い話になっていて、信号周波数の帯域幅が広いほど詳細(高解像度)な画像が表示出来るという事になっていますね。同じ原理で、音についても信号帯域幅が広いほど詳細な音が再現できる、という意味合いでハイレゾ(HighResolution)という言葉が登場しました。しかしここでご注意いただきたいのは、特にスピーカーというものは、使用帯域内に沢山の共振現象を含んでいるので、波形再現性が非常に悪く、再生帯域の広い狭いとは関わりなく「解像度が低い!」という問題があります。当社で開発途上のDSS-Diaphragm(用語説明は→こちらから)の完成度が...コーヒーブレイク音の解像度とは?

  • 17cm超硬振動板(DSSダイアフラム)ユニット その9

    明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。m(__)mところで、これまでの”超硬振動板”という名称はやめようかと思っております。分かり易いけれど、なんか優雅さがないし、硬い音が出そうな感じが嫌だし、それから”ソロバン玉構造”というのも何だか野暮ったいし・・・なので、今後は”DSSダイアフラム”でまいります。優雅というわけではないけれど、”ダイヤモンド”という文言を冠すると、少しは高級感が出る?・・・(^^;DiamondShaped=菱形Shell=殻構造Diaphragm=振動板即ち、菱形殻構造振動板という意味です。さて、進行状況ですが、見た目はそれほど変わりませんが、前回のご紹介での接合構造の見直しの他にも気が付いた事があって、全面的に組み立て構造を変更する事にしました。正月休み中から...17cm超硬振動板(DSSダイアフラム)ユニットその9

  • 17cm超硬振動板ユニット その8

    先日のアップでご紹介しましたが、ソロバン玉構造の内部補強として、精密な構造製作が可能な光造形を試してみました。上の写真がそのサンプルです。航空機の内部構造みたいでしょう?板厚はなんと200μmで、肉抜きの穴も自在に出来ます。見た目は厚肉に見えますが、これはH形断面の縁の部分です。小さな穴は直径1mm!肝心の音の方ですが、内部損失が大きくて、かつ非常に狭いスパンでの補強が出来ますので、癖のある響きが出ないという美点が確認出来ました。しかし残念ながら、剛性不足で思ったほど比弾性が上がらず、中音域の共振を追い出す事が出来ませんでした。即ち癖は無いが、濁った良い所のない音で、従来のスピーカーに対するアドバンスは無いという結論です。残念!しかし、この光造形装置は精密形状の仕上がりが良く、精密加工治具の製作や意匠部品の製作...17cm超硬振動板ユニットその8

  • 超硬振動板の音質・最前線

    ※Monitor-061のキャビネットに搭載した実験室チャンピオンユニット先週、最新の知見で試作した実験室チャンピオンユニット(6cm超硬振動板フルレンジ)ですが、その後色々な音楽を鳴らしてみて改めて気づいた点をまとめてみたいと思います。このチャンピオンユニットは、聴感上は約9kHzまでは完全に分割振動を排除しました。但しベースユニットの仕様の都合でボイスコイルボビンが軟弱で、約9kHzでボビン共振を起こします。即ち振動板そのものの共振開始周波数は更に高い可能性があります。(面倒なので、ボビンに手を加えるつもりはありません。販売の予定もありません。)もう少し付け加えますと、周波数特性の凸凹から分割振動の状態を判定するのは不可能です。勿論はっきり分かる様なピーク、ディップがあるのは論外です。ですが、特定の音高で音...超硬振動板の音質・最前線

  • 17cm超硬振動板ユニット その7

    突然ですが、6cm超硬振動板フルレンジのハイグレードバージョンを味見してみました・・・ってなぜ急に?ところで、17cmユニットの方ですが、音質向上(分割振動の開始周波数を高音域側に追い出す)の要は、大局的に以下のような知見となっています。・従来のコーン形状→ソロバン玉形状(殻構造)立体的な殻構造によって、構造剛性を大幅に高くする。・殻構造の腹鳴り(低次の板鳴り)を抑える大局的内部補強を加える。・殻構造の高次の板鳴りを抑える局所補強を加える。ここで、最後の”局所補強”が問題で、リブ状の補強部品を数十個取り付ける必要があります。要するに、手間がかかり過ぎてやってられない!という悩みで立ち止まってしまいました。確認のために、分割振動ではずっと有利なはずの現行の6cmフルレンジにて徹底的に音質追及してみました。写真↑の...17cm超硬振動板ユニットその7

  • 試聴室準備中 アンプ

    残念な事ですが、コロナ禍は収束の気配がありませんね。上手く行っている国もある訳ですから、我が日本国も見習ってみてはどうかと思うのですが・・・試聴室再開の準備に時間がかかっていますが、早期再開の努力をしても、コロナが納まらないとどうにもなりません・・・でも、とにかく今できる事をやっておきましょう。さて、立派なラックを2台追加しましたので、結構機材が入ります。と言いつつも既に混みあってきましたが・・・今日はアンプ系のご紹介です。当社はTriphonic(トライフォニック)ブランドのオリジナルスピーカーの販売が主体ですが、新開発の超硬振動板技術の向上により、組み合わせる再生系の品位が極めて重要になって来ました。そこで、当社にてセレクトした再生系と組み合わせた状態で音を聴いていただき、「この機材を揃えていただければ、こ...試聴室準備中アンプ

  • コーヒーブレイク アナログ vs デジタル

    先週のアップでアナログディスクの音質について話題にしました。録音そのものの違いなのか、或いは方式の違いが問題なのか、気になったので、CDで再販された物を購入して比べてみました。CDプレーヤーはマランツSA-10、レコードプレーヤーはGT-2000+DL-103です。・イツァーク・パールマンのクライスラー名曲集(1976年アナログ録音)レコードの方が高音で歪みやすいが、しかしCDの方がむしろヒリヒリするとか、それぞれ持ち味はありますが、音色感の細かな違いは敢えて無視します。(木は見ずに森を見ます)劣化すると取り返しのつかない位相まわりや、演奏のリアリティを比較してみました。CDだけを聴けば、空間や音像、演奏の表情はそれなりに説得力があり、現代の録音よりも自然でかつリアリティを感じます。録音そのものが秀逸だと思いま...コーヒーブレイクアナログvsデジタル

  • 試聴室準備中 アナログプレーヤー

    先日のアップで当社試聴室の再開準備のお話をさせていただきましたが、今日は品揃え中の機材の紹介をさせていただきます。写真↑はYAMAHAのGT-2000(非売品仕様)。大イナーシャのプラッターとロングアームの組み合わせは、今時は100万円越えの世界かと思いますが、黄金期の十数万円という価格は今では信じられないですね。実はアナログ機材は30年前に処分していたのですが、試聴室ということで再導入する事にしました。今更揃えるのは難しいので、知人のアナログの大家であるK氏にお世話になっています。最近のアナログブームで、大手メーカーからも新機種が出てはいますが、価格が何倍も高くなり、内容はよりプアなものになっているため、お蔵に入っていた旧品を融通していただいたものです。まぁ過去の大量生産の時代とはちがいますので、コストパフォ...試聴室準備中アナログプレーヤー

  • 17cm超硬振動板ユニット その6

    その後、補強構造の詳細を詰めていますが、放射方向のリブと同心円状の筋交いのベストミックスという選択肢がみつかりました。ボーカルのリアル感、グランドピアノの重量感等など及第点まで漕ぎつけていますが、まだ嫌な響きが残っていて、課題が残っています。残された問題が、ソロバン玉構造の外周の単板コーンの部分です。軽量化の目的で、ソロバン玉部はコーン外径の70%程度までにしていましたが、単板部分が思った以上に低い周波数で共振していて、これが嫌な響きの原因になっています。この外周の単板部分は、エッヂの重量負荷のせいでバタつき共振(エッヂの反共振とも呼ばれます)を起こしやすく、過去の技術文献によればコーンの剛性でエッヂの重量に打ち勝つのは無理であるとされています。従来型コーンスピーカーの最低次の軸対称共振がこの共振を意味しており...17cm超硬振動板ユニットその6

  • 評論家 鈴木裕 氏 試聴レポート

    今日はお知らせです。先日ご紹介させていただいた港北ネットワークサービス社様のクラウドファンディングに、オーディオ評論家の鈴木裕(すずきゆたか)氏の試聴レポートが追加されました。勿論、私めが提供させていただいたスピーカーユニットを採用したシステムC-SP615の試聴レポートも入っています。→リンクはこちら(試聴レポートはページの下の方です)オーディオ評論家と言えば、どうせ提灯記事を書くのだろう、などど陰口をたたかれがちです。しかし、本当に酷い音の製品の評論を頼まれた場合はどうするのでしょうか?さすがにこの製品を褒めてしまったら自分の信用を失うと考える方もおられる様です。そうすると、褒めているのか、そうでないのか、分かった様な分からない様な記事となって、どうでも良いところをわざわざ褒めていたりします。即ち、行間から...評論家鈴木裕氏試聴レポート

  • コーヒーブレイク 音像定位の不思議

    さて、オーディオマニアの貴兄におかれては、かなり多くの割合の方が、ボーカルの音像定位は目線の真正面(=スピーカーの設置高さ)の真ん中にピンポイントで結像するのが正解である、と信じておられるかと思います。結論から申し上げると、これは完全に誤解ですのでご注意を!視覚上の位置と聴覚上の位置(定位)には大きなズレがあるのです。そんな馬鹿な?ハイ、本日はこの話題を提供させていただきます。キーワードは”音像の高さ”ところで、昨今の音楽演奏のスタイルは、スピーカーを通して音を聴く、即ち音源そのものがスピーカーとなっています。そしてクラシック等を中心とした生楽器や生歌を直接聞く演奏形態は少数派になっています。この事が、生音の自然な音場(おんば)感についての誤解の原因となっていると思います。では、コンサートホールで生演奏を聴いた...コーヒーブレイク音像定位の不思議

  • 17cm超硬振動板ユニット その5

    OEM案件が一段落しまして、17cm超硬振動板ユニットの開発を再開しました。この試作ユニットは既に10個以上潰しましたが、段々と完成度が上がり、裸ユニットでの試聴だったのが、今はテストBoxに取り付けての試聴にまで出世しました。今日の試作は、これまでとは大きく方向転換する事になりました。これまではソロバン玉部の内部補強を同心円状の筋交い構造(→その1参照)で進めて来まして、低歪みで癖の無い、そこそこのところまで来たのですが、どうも面白みに欠けるので、完成レベルまで到達させる事が出来ないような気がしてきました。(^^;そこで、思い切ってこの試作ユニットは一旦お休みにして、放射リブ構造(写真↑)による補強を味見することにしました。ソロバン玉内部は空っぽで、取敢えず外面に放射リブを取り付けています。この放射リブは、過...17cm超硬振動板ユニットその5

  • コーヒーブレイク 新装開店(?)

    コロナ禍にて当社のショールームはお休みさせていただいておりますが、実はこの機会にリニューアルをはかりたいと考えております・・・・試聴室の機能強化当社製スピーカーの試聴機貸出もやっておりますが、やはり高度な実力を正しく知っていただく場が逆に必要であるという思いが強くなってきました。そして、D&Mホールディングス(マランツ等)を中心に再生系機材の取り扱いもありますので、「この機材を組み合わせていただければ、実際にこの音質でお楽しみいただけます」という安心の提供も可能になるわけです。そこで、推奨すべきアナログプレーヤーやアンプ等の展示機種の充実を図りたいと考えております。まぁ、お金がかかるので少々時間がかかりそうですが・・・おっと大切な事を忘れていました!当社製スピーカーの方も大口径化の目途が立ちそうなので、中級~上...コーヒーブレイク新装開店(?)

  • コーヒーブレーク

    今日はコーヒーブレークということで、スピーカーの製造時のトラブルネタ等をご紹介します。現在、6cm超硬振動板ユニットの仕込み生産で忙しくしておりますが、沢山作っていますと製品検査時に妙なものも出てきます。このユニットはコストを抑えるために、OEM用に大量生産されているものをベースとして利用しています。そして超硬振動板ユニットとして完成した後に品質検査を実施します。検査には、ビリ検と称するものがありまして、低周波の大振幅信号を入力するのですが、通常は目一杯の大振幅になる様に設定しているのですが、写真↑の1個だけが妙に振幅が小さいのです。さてこの固体、インピーダンスが間違っているのかと測定してみましたが正常です。磁気回路部で擦る様な異音もありませんので首をかしげてしまいました。しかし、コーンを指で押し込むと、他の個...コーヒーブレーク

  • 17cm超硬振動板ユニット その4

    お陰様で製造作業の方が忙しく、17cm超硬振動板ユニットの方はなかなか進捗しません。しかしながら、非常に重要な事が判明しました。と言うよりも、問題は認識していたが、本気で対策をしていなかった事が問題だった事に今更気が付いたというお粗末なお話・・・(^^;事の発端は、どうにも音離れ感が出ない、という問題でした。もっと小さな口径では問題が無かったのに、何故だろうか?と考え込んでしまいました。そこで気が付いた(再認識した)事とは、つまりこういう事です。犯人は接着剤!ところで接着剤(エポキシ系など)の剛性をご存知ですか?ちょっと乱暴ですが、ざっくりまとめてしまうと、紙やPPコーンと同じ程度の剛性(ヤング率)です。ところが金属やセラミックスと比べると100分の1(!)程度の剛性しかありません。さて、そうするとどの様な問題...17cm超硬振動板ユニットその4

  • 高品位 小型アンプ

    コロナ禍の影響ですっかり遅くなってしまいましたが、4月のアップでご紹介した港北ネットワークサービス社様のクラウドファンディング製品がいよいよリリースされます。上の写真は、発売前の製品である管球ハイブリッドアンプA-10SGTUBEを拝借して、当社の試聴室に持ってきたものを撮影したものです。詳しくは本日(9月17日)発売のオーディオ誌ステレオ時代Vol.17に紹介があります。記事は「完成間近!A-10SGTUBE!」です。クラウドファンディングの案内は→こちらからさて、何故当社でご紹介するのかをおさらいさせていただきますと、この商品企画で併せてリリースされる同社のオリジナルスピーカーシステムC-SP615型に、当社のMonitor-061(写真両脇)に搭載している6cm超硬振動板ユニットと同じF60A2G型を提供...高品位小型アンプ

  • 17cm超硬振動板ユニット その3

    17cm超硬振動板(最終構造用)の製作治具が整いました。この治具、勿論全て使います。「手のひら大の振動板にこれだけの手間をかけて商売になるのだろうか」という事は後で考えましょう。(笑)とにかく、旧来の廉価なプレスコーンの延長で考えていては革新は出来ません。過去から今日まで、コーン型スピーカーは機械装置としては欠陥品(振動板が変形してまともにピストン運動出来ない)と言って良いレベルでしか機能していません。そして100年間もこれを続けてきました。※メーカーの宣伝は嘘つき!そのせいで、色々な味をつけなければ愉しんで聴くことが出来ないので、あたかも楽器であるかのような扱いをせざるを得ないのが現実です。過去の名器の事は、私自身決して嫌いではありませんが、しかしフルオーケストラが混濁してまともに鳴らない事を言い訳し続けるの...17cm超硬振動板ユニットその3

  • 17cm超硬振動板ユニット その2

    なかなか進まないので、自分でもじれったくなります・・・(^^;見た目はこんな雰囲気(但し製品では全て黒着色)になりますが、最終的にはセンター部は凹形ではなくて凸形の予定です。凸部が大きく飛び出す格好になるので、専用の金網プロテクターも検討したいと思っております。外周フレームがゴツイのは、お約束のフローティングマウントを内蔵しているためです。さて、写真↑のソロバン玉部の内部には20個近い補強部品が詰め込まれる事になるのですが、その部品成型と組み込みのための治具の製作がこれまた大変な状況です。約50個の治具部品を3Dプリンターの24時間運転で製作中です。最近仕事量が増加して来ましたので、プリンターをもう一台追加導入しました。治具の完成後は、最終構造での17cmユニット試作となりますが、補強部品の板厚の最適化など、ま...17cm超硬振動板ユニットその2

  • 17cm超硬振動板ユニット

    ※図や解説文には著作権があります。当社の許諾なき転載転用は固くおことわり致します。6~10cm程度の小口径ユニットでは既に実用化出来た超硬振動板ですが、高剛性ゆえの共振音の高度な対策処理が難しく、大口径化が困難でした。ところがその後、更に構造解明が進みまして、黄金構造や黄金寸法がつまびらかになって来ました。そこで、作業中だった10cm口径のコストダウンは一旦中断して、17cm口径にチャレンジする事にしました。口径を大きくすると、補強構造の問題点が顕在化するので、より洗練されたものに改善できるからです。17cmという理由は他にもあります。従来は小口径しか使えないので、上級機種ではダブルウーファー等の複数個使用が前提となり、製品展開の制約が大きくて困っていたのが正直なところです。しかし17cmであれば、家庭用の2w...17cm超硬振動板ユニット

  • 超硬振動板スピーカーで極上の音を出す

    前回から大分間があいてしまいましたが、生きております・・・(^^;写真ではサイズ感が分かりにくいですが、先日の10cm超硬振動板ユニットのコストダウン開発の紹介とは別の物で、考えるところがあって16cm口径を弄っています。この話題はまた改めてご紹介したいと思います。閑話休題本日は、ご好評いただいておりますMonitor-061についてですが、以前予告しておりました、推奨アンプや使いこなしについての情報提供をいたしたいと思います。ここでは、機種特有の相性問題という事ではなくて、超硬振動板スピーカー全般を使用するにあたって、従来にない問題が生じた場合を含めた傾向と対策についてお話ししたいと思います。と言いますのは、先日マランツ社のPM-12OSEとSA-12OSEの音質評価を紹介しましたが、小さなMonitor-0...超硬振動板スピーカーで極上の音を出す

  • Monitor-061 お客様レポート その4

    Monitor-061のユーザーである埼玉県のK様より、ご感想を頂戴いたしました。<埼玉県K様のご感想>本格的な、色付けのないナチュラルな、モニター系の凄い音だと思います。型番そのままという印象です。入力系、アンプの音質音像音場をそのまま出すような正にモニター、でも神経質でなく明るめで、どんな環境でもそこそこ鳴るんでしょうが、性能を全発揮させるのは、案外難しいんだろうなという感じです。以下、細かく書きますと……結局、今はSWとSTを足して3ウェイみたいにしてます。SP本体は机上から15cm上げ仰角をつけ、後ろの壁から30cm離して、間はPCモニターです。低能率SPだが、寝ぼけてない。デスクトップ近距離使用なので、ちょっとボリュームを上げればバカでかい音が出ます。モニター系の音という印象ですが、お仕事してる感の無...Monitor-061お客様レポートその4

  • Monitor-061 お客様レポート追伸

    梅雨と言いつつ、今年も猛暑になりそうな雰囲気が出てきました。さて、先日ご感想をお寄せ下さった兵庫県のE様が追加の感想をお寄せ下さいましたので、追加アップさせていただきました。E様ありがとうございました。→兵庫県のE様ご感想「飽きが来ない」という事を仰って下さっており、大変光栄に思っております。新しいオーディオ機器を購入すると、はじめは喜んで聴いていても、数日で飽きが来ることは良くあることですね。Monitor-061につきましては、開発者の私自身、1カ月ほど毎日聴き込んで、飽きが来ないかどうかを確認しました。お客様におかれましても同様のご感想をいただき、嬉しく思います。音楽を楽しく聴き続けられるという事は何よりも大切な事かと思います。Monitor-061お客様レポート追伸

  • 新型10cm超硬振動板ユニット

    当社オリジナルの超硬振動板ユニットは、とにかくコストがかかるのが問題点で、徹底的なコストダウンの第一段が6cmフルレンジスピーカーを使用したMonitor-061になりました。おかげさまでご好評をいただいております。ところで、価格が10万円(税別)を切るMonitor-061の上級機種がEvangelist-102V2で、39万8千円となっており、その間が空き過ぎているのをずっと気にしております。Monitor-061の兄貴分として相応しい価格の新機種が欲しいところです。そこで、ローコスト版の10cm超硬振動板ユニットが是非とも必要になります。超硬振動板は、口径が大きくなる程に難易度も高くなりますので、なかば諦めかけていました。でも、やはり進歩は必要!諦めずにやり続ける事に価値あり!という事で、極秘プロジェクト...新型10cm超硬振動板ユニット

  • Monitor-061 お客様レポート その3

    ユーザーのひでじ様のブログでもご紹介にあずかりました。ひでじ様は、自ら「宇都宮手作りオーディオ会」を主宰されている熱心な求道者です。現在コロナ禍で休止中ですが、PARCサウンド鑑賞会の有志運営もお手伝いして下さっています。この度は、製品開梱から音出しまで、写真付きでご紹介下さいました。雰囲気がよく伝わると思います。下記のリンクでジャンプします。→ついに我が家に、Monotor-061(ひでじの手作りオーディオ)※改めて試聴記のアップがある模様です。ひでじ様ありがとうございました!Monitor-061お客様レポートその3

  • Monitor-061 お客様レポート その2

    東京都のM様は、ご自身が演奏活動をされていたとの事で、音の表現力について深く考察して下さいました。いわゆるオーディオマニアにおかれては、低音がどうとか、高音がどうとかいった評価になりがちですが、やはり音楽表現が如何に生き生きとしたものになるかという評価ポイントは重要だと思います。東京都のM様より本来は条件を書くべきだと思いますが、詳細は省きます。第一印象は、輪郭がしっかりとした明るい音、と感じました。いわゆる低音が、音圧をしっかり維持しながら聞こえますので、それが音楽の骨格を浮きだたせて、立体的な印象を与えるのだと思います。過渡的に急峻に変化する音、具体的には、ドラムのような打楽器、ギターやマンドリンのような撥弦楽器などの音は、従来のスピーカーユニットでは、前者は音圧不足でふにゃけた音、後者はやさしげだがその中...Monitor-061お客様レポートその2

  • Monitor-061 お客様レポート

    このところ少々繁忙になっておりまして、”最新版・超硬振動板”の続きが滞っております・・・(^^;お陰様を持ちまして、Monitor-061のご予約のお客様への納品を開始いたしました。納品させていただいたユーザー様より早速レポートを頂戴しましたので、ご紹介させていただきます。製作者というか、販売者本人が「これはいいですよ」などと言ってもなかなか説得力がないかと思いますが(苦笑)、お客様の生の声の方がやはり実感があるかと思います。兵庫県のE様より昨日到着いたしました。駄耳ですが、さっそくfirstimpressionを記したいと思います。まず定位の良さが第一印象でした。ぽっと音像が浮かびます。とても軽やかで、にじみがなく、ピンポイントで定位しています。次に気がついたのは音場の静けさ。かといってデッドに、音が押さえ込...Monitor-061お客様レポート

  • Monitor-061 試聴速報

    Monitor-061は、現在ご予約を承り中で、6月より納品を開始するべく仕込み中です。一足早く、試聴機の貸出しでのご感想を頂戴しましたので、今日は速報という事で、ご感想を掲載させていただく事になりました。以下、愛知県のS様よりお寄せいただいたものです。今まで体験したことのないスピーカーで大変感動致しました。私自身、幼いころよりピアノ教師の母に連れられて様々なコンサートに足を運びましたが、ホールでしか感じたことのない【音が降り注ぐ】現象がMonitor-061では再現されており、非常に驚きました。また、オルガンを聴いても滲むことなく、肉質感と艶感の両立を感じ、幼いころによく行った【横浜みなとみらいホール】を思い出し、音楽に感動した時の記憶が蘇りました。とにかく試聴が楽しくて、音楽=音を楽しむ、を改めて感じること...Monitor-061試聴速報

  • Monitor-061のセッティング

    新発売のMonitor-061には思った以上のご反響をいただいております。昨今の経済の厳しい状況にあって、価格を抑えたハイエンドスピーカーという事で、より多くの方々に音楽の癒しのお手伝いが提供出来ましたら幸いです。ところで、デスクトップ使用時のセッティングについて、ご参考情報の提供も必要と思い、急遽本件をアップすることにしました。Monitor-061は、通常のスピーカーと同様にスピーカースタンドに設置していただいても良いのですが、実際にはデスクトップやサイドボード上に設置して、近距離でお楽しみになる場合が多いと思います。この様な設置環境の場合、バッフル効果が増強されますため、小型スピーカーとは相性が良く、Monitor-061ではグランカッサがズドン!ときます。ですが、反面、近傍に反射物が沢山あるため、音波干...Monitor-061のセッティング

  • Monitor-061 新発売

    準備に時間がかかってしまいましたが、カタログも完成して、ようやく正式に新発売となりました。→当社ホームページでの製品紹介10万円(税別・ペア)を切る価格ながら、手作り超硬振動板ユニットと、フローティングマウント等の大型ハイエンドシステムでもなかなか採用されていない贅沢な周辺技術で固めた、これまであり得なかった小型超HiFiスピーカーシステムとなります。技術説明はこれまでに散々させていただきましたので、あとは論より証拠、実際にお聴きになってみて下さい。スピーカーという音の出口が従来如何にボトルネックになっていたのか、そして大袈裟な装置にどれほどの価値があるのか、改めてお考えいただける機会になれば幸いです。いずれにせよ、最も大切な点ですが、音楽が文字通り楽しく聞けると思います。★カタログダウンロード(pdf)→こち...Monitor-061新発売

  • ンガーッ!

    ハイッ!どうですか?少しは気分が安らぎましたら幸いです。木彫のカバ君より・・・コロナ自粛でしんどいけれど、みんな無事でね~鼻の穴の周りのボツボツが何だかリアルな・・・(^^;お客様のA様がボランティアのバザーで入手したものを送って下さいました。A様ありがとうございました!因みに、世界有数のかばコレクター”ヒポミ”さんのサイトリンクもつけておきますね。→こちら今日は、夕方からMonitor-061の新発売のご案内をさせていただきます。こちらもお楽しみに。ンガーッ!

  • 最新版・超硬振動板 その9 スピーカーの都市伝説

    さて、話をシンプルにするために、これまで敢えてコーン型スピーカーに絞ってお話を進めて来ました。しかし視野を広げますと、静電型に代表される”膜型スピーカー”の場合はどうなのか、といった話題にも触れる必要があります。そこで追補として、スピーカーについての都市伝説の解き明かしも兼ねて、下記にいくつかの見解を述べたいと思います。・コーン型か膜型か大雑把な言い方として、柔らかい振動板は柔らかい音しか出ないし、硬い振動板は硬い音しか出せない傾向があります。この事には、それぞれ固有の問題がある訳で、それぞれなりの解決策があるはずです。私の場合は、硬い振動板から柔らかい音を出せる様に工夫する事の方が実現性があると考えています。超硬振動板については、十分に柔らかい音が出せる段階に到達しました。・音離れ感と分割振動の関係分割振動の...最新版・超硬振動板その9スピーカーの都市伝説

  • 最新版・超硬振動板 その8 超硬振動板の完成度

    超硬振動板の完成度は、分割振動の”高度なコントロール”にかかっています。耳を刺す硬い音(歪み感)をどこまでやっつけられるかという事です。それでは、どの様なレベルの完成度が必要なのでしょうか?超硬振動板による、マッシヴ感とか音離れ感の良さについては、耳の肥えている方や、生楽器の音を知っている方々では、生肌の音と同じ感じがするのですぐに気が付きます。しかし残念ながら、従来の減点法的な聴き方に慣れているマニアの方々の中には、すぐには分からない方もおられます。その様な事も含めて、例えばB&WとかMAGICOと言った名の通ったブランド品と比べても同等以上の歪み感(フワトロ度)を確保しておかないと、高級品としての説得力が出ないと考えています。そもそも、魅力感のあるスピーカーは煩い事が多いので、その手のスピーカーの一種と言う...最新版・超硬振動板その8超硬振動板の完成度

  • 最新版・超硬振動板 その7 超硬振動板の弱点

    さて、前回述べました様に、超硬振動板はフェラーリ(跳ね馬)の様なもので、構造剛性が高いがゆえにQの高い共振の処理に手を焼きます。これまでは、この手の構造剛性の高い振動板は、耳の痛くなる様な音しか出せないので、誰も実用化出来なかった物と思われます。イノウエスピーカーなど、名器とされるものもありましたが、技術的に厄介なので誰も手を出したくないのです。いくら魅力感があっても、硬い音のスピーカーは長年の評価に耐え抜くのが難しいのです。しかし、耳が痛くて死にそうな思いをしながら何年も試行錯誤を続けて、沢山のノウハウを蓄積する事が出来ました。B&W社風(笑)に言えば「分割振動の”高度なコントロール”に成功し、ついに超硬振動板技術を完成しました」と言うところでしょうか。最新版・超硬振動板その7超硬振動板の弱点

  • 最新版・超硬振動板 その6 超硬振動板とは何か

    前回、振動板の釣鐘モードに対する剛性はほとんど無いという事を述べました。この事については、金属やカーボン製のコーンでも大したものではありません。従って私は、これらのコーンは硬い材料は使用していても構造的な剛性は低いので、高剛性コーンと呼ぶ事には違和感があります。そして、いま問題にしている釣鐘モードに対する高い剛性を備えた振動板を”超硬振動板”として、区別して呼ぶ事にしています。さてこの超硬振動板ですが、独特の構造補強によって実現しています。無数の試作と試聴を繰り返して辿り着いたのが”ソロバン玉構造”です。→ソロバン玉構造の説明リンクこのソロバン玉構造は、最新の6cmフルレンジスピーカーユニット(写真↑)にも”フジツボ”の様な形状として組み込まれています。ソロバン玉構造は、釣鐘動変形に対して高い拘束力を持ちますが...最新版・超硬振動板その6超硬振動板とは何か

  • 最新版・超硬振動板 その5 本当の問題点

    さて、スピーカーが逃れる事の出来ない分割振動ですが、しかし単純に共振のQを下げるだけでは、魅力感のない、悪い意味でのフワトロな現代的スピーカーになってしまいます。ところで私は、軸対象モード(同心円状の変形共振)については、取敢えず仮釈放とする立場ですが、非軸対象モード(釣鐘動共振)については大きな問題があるものと推察しています。結論から先に申し上げますと、コーンに釣鐘動変形を抑える様に補強を入れると、骨格のしっかりした音になる事が経験的に分かっています。音離れもマッシヴ感も向上します。さて、この釣鐘動共振ですが、実はスピーカー正面の周波数特性にはほとんど影響しません。何故かと言いますと、お寺の釣鐘の真下で音を聴くと分かります。釣鐘の真下は意外に静かであり、即ち音波は釣鐘の水平方向に放射されるという事です。同じ原...最新版・超硬振動板その5本当の問題点

  • 最新版・超硬振動板 その4 分割振動の対策方法

    前回も述べましたが、あたかも分割振動が無くなったかの様な宣伝は未必の故意による詐欺です。反対に、高名なB&W社では、そのコンティニュアムコーンに於いて、「分割振動を”高度にコントロール”している」という、見事にひらきなおった表現をしています。まぁ、言葉の綾と言いますか、詐欺にならない最高級な言い回しかもしれません。しかしはっきり言っておきますが、分割振動の処理というものは、技術的要求事項が明確に決まっています。B&W社だけが特別な物である訳ではありません。分割振動は以下の様に処理します。・構造、形状、材質、寸法、接合方法などを工夫して、共振周波数を分散させて、共振のQ(共振の鋭さ)を下げる。・素材の内部損失を増加して共振のQを下げる。或いはダンプ材を問題個所に塗布する。更に或いはダイナミックダンパーを問題個所に...最新版・超硬振動板その4分割振動の対策方法

  • 最新版・超硬振動板 その3 分割振動の無いスピーカーは存在しない

    ところで、高剛性振動板には分割振動が無いと思いますか?答えは明確に”ノー”です。小口径のハードドーム・トゥイーターであれば、確かに軸対象モードの共振は可聴帯域外に追い出すことが可能です。しかし、それでも非軸対象(釣鐘動)モードについてはKHzオーダーでさえ怪しいのです。(横から押す力に対しては剛性が無い)ましてや、コーン型スピーカーでは、分割振動が可聴帯域外という事はあり得ません。更にご注意いただきたいのは、いわゆるブレークアップ(高域再生限界となる共振のピーク)と呼ばれるコーンネック部やボイスコイル・ボビンで生じる共振の周波数(例えば8KHz)よりも高い周波数領域が分割振動域である、と誤解しておられる方が多い事です。実際には(制振されているため)大きななピークとしては現れませんが、1~3KHz辺りで必ず軸対象...最新版・超硬振動板その3分割振動の無いスピーカーは存在しない

  • 最新版・超硬振動板 その2 分割振動とは何か

    スピーカーシステムの中で、最も音質を左右する最重要部品は振動板そのものである、という事にはどなたにも異論はございますまい。以下、コーン型スピーカーを中心にして述べます。この振動板というものは、全体が一体となって完全なピストン運動を行う事が必要である事も自明ですね。ところが現実には、団扇の様に撓(たわ)んでしまい、一体となってのピストン運動は出来ません。例えば写真(↓)はケブラーコーンですが、フニャフニャに出来ています。金属コーンでも手の力で簡単に変形します。ここで、撓む事で動きが付いて来ないという問題の他に、分割振動と呼ばれる問題現象があります。分割振動は、上記の撓みの伝搬速度と振動板の大きさ(寸法)の兼ね合いにより、特定の周波数で共振(定在波)が生じる事です。簡単に言えば、周波数特性に山谷が出来ます。更に、分...最新版・超硬振動板その2分割振動とは何か

  • 最新版・超硬振動板 その1 現代のスピーカーに欠けている物

    食の世界では、少し昔に”フワトロ”ブームなるものがありました。「柔らかくて美味しい~」というのが行き過ぎると、首をかしげるような食べ物も登場しましたね。さて、現代の特にハイエンドスピーカーでも、やはりフワトロのものがトレンドの様に思います。歪みの少ない、滑らかな音、即ち減点法でミソの付かない音作りをしておけば誰も文句は言わないだろう、という事なかれ主義ということでしょうか。たしかに不快感はないし、低歪みでワイドレンジであること自体は否定しませんが、この様な音は、私は数分間聴くと飽きてしまいます。音楽の音の醍醐味に欠けていると感じます。これが、私の問題意識です。オペラ歌手の良く通る声、ストラディバリウスの力のある音、チェロのみぞおちにビリビリ来るような胴鳴りの音力・・・しかもこれらは必ずしも大音量ではありません。...最新版・超硬振動板その1現代のスピーカーに欠けている物

  • 最新版・超硬振動板とは

    先日は超硬振動板6cmフルレンジスピーカーの技術紹介をさせていただきました。しかし、超硬振動板そのものにつきましては、内容が多くなりますため、別途ご紹介する事とさせていただきました。そこで今回は、これまでの最新の超硬振動板スピーカーについてのまとめをご紹介したいと思います。超硬振動板につきましては、約7年に及ぶ数千回の実験&試聴によって、従来実現できなかった音作りに挑戦してまいりました。日々新しい知見が追加されておりますので、従来お茶を濁していた解説部分も、よりはっきり断定出来る事が増えてきました。そこで、現時点ではっきり言える事、言えない事の交通整理をして最新のまとめとしたいと思います。以下の様な内容で話を展開してみたいと思います。1.現代のスピーカーに欠けているもの2.分割振動とは何か3.分割振動の無いスピ...最新版・超硬振動板とは

  • 超硬振動板ユニット F60A2G のご紹介

    近日新発売のMonitor-061で使用されている超硬振動板6cmフルレンジスピーカーユニットF60A2G型です。Monitor-061は常識的な一般住宅で、小~中音量でシンプルに音楽を愉しむ目的の超高品位スピーカーです。音の特長は、見た目のサイズからは想像の付かない、リッチでリアルな音質であり、当社コンセプトのトライフォニック・サウンド(マッシヴ、音離れの良さ、リアルなステージ感)を体現している事です。この音の魅力感とは、・ヴォーカルの張り出し感が優れているにも関わらず、煩い音にならない・低能率でありながら、ポップ系ソースのパンチ感、応答感が抜群である・対極となるクラシック系ソースでも、リッチな音で愉しめるそして下記の技術的特長は、大型ハイエンドスピーカーでもほとんど見られない高度で贅沢な内容です。・超硬振動...超硬振動板ユニットF60A2Gのご紹介

  • アンプラグド!

    世界に蔓延するコロナ禍は、私たちの文化や文明のあり方を大きく変えると言われています。いやおうなしに外出を控えて大人しくせねばなりませんので、これまでの自分の生き方を見直すための”天からの呼びかけ”と考える事も出来ます。私は若い頃に、日本的サラリーマン的根性論を欧州人の協労者に押し付けようとしたところ、烈火のごとく怒りだして驚いたことがあります。「俺はお前らの下僕ではないぞ!」と。それで私も少しは目を覚ましました。長い物に巻かれて、人としてのあり方はこれで良いのかと・・・・組織やお金の下僕になって、他人の命を軽んじる自分・他人を貶(おとし)めて気晴らしする卑しい自分・ネット依存症で、深く考えなくなった自分・「安ければ良い」と地球の裏側から化石燃料を垂れ流して届けられたものを買う自分・困難の中にある隣人を見て見ぬふ...アンプラグド!

  • スピーカーの出来上るまで その2

    スピーカーの出来上がるまで、第二弾です。近日新発売のMonitor-061の製造態勢がやっと整いましたので、その製作の様子をご覧に入れたいと思います。前回の木製キャビネットとは大分感じが違います。まずは当社特許製品の超軽量吸音材を予め沢山作ってストックしておきます。写真(↑)の様に不織布袋に羽毛を計量して詰めます。最後に加熱シーラーで口を閉じて完成です。この作業は局所排気ブースの中でやります。普通の部屋でやると大変なことになります。(^^;こちらは6cm超硬振動板フルレンジユニット(F60A2G)です。こちらも小ロット生産で作ります。お見せ出来ない部分が多いので、これくらいでご容赦を。ユニット検査です。正弦波スイープや音楽信号を入力して「ビリ検」をやります。問題なければ、QCチェックを入れてユニット完。***こ...スピーカーの出来上るまでその2

  • 追悼・大林宣彦監督(そしてオーディオに通じる事)

    4月10日に亡くなられた大林宣彦監督のご冥福をお祈りいたします。ところで実は、私も大林ワールドのファンです。とは言え、いわゆる尾道三部作や、その他いくつかの大林映画を見ているだけの部分的ファンでしかないのですが・・・(^^;ここでは、本来は晩年の「戦争を起こすな」という監督のメッセージ活動を取り上げるべきかもしれませんが、今日はもう少し身近なお話と、実はオーディオにも結び付く話題を提供したいと思います。さて、1980年代に監督の故郷でロケした尾道三部作、「転校生」「時をかける少女」「さびしんぼう」による日本初の聖地巡礼ブームにハマりまして、私めも尾道観光に行きました。写真(↑)は当時の尾道市観光課による、今風に言えば”聖地マップ”の表紙です。丁度旅行中に、監督が新作映画のロケを行っていたので、サイン(写真↑)と...追悼・大林宣彦監督(そしてオーディオに通じる事)

  • スピーカーの出来上がるまで

    コロナ禍が待ったなしに悪化しており、とにかく外出を控える以外にない状況が続いております。皆様の、特に医療従事者や福祉関係の皆様の健康が守られる事を祈念いたします。さて、多少なりともの気分転換になりましたら幸いです。プチ・ファクトリーツアーをどうぞ。当社のEvangelist-102V2の製作の様子と若干のウンチクです。ところで当社はガレージメーカーではありますが、いわゆる木工自慢のスピーカービルダーとは様相が異なります。特徴である手作り超硬振動板ウーファーのコストが非常に高いので、「高額機に相応しく高級木材をふんだんに使っています」という作りではありません。剛性の高いバーチ積層材は使用していますが、3Dプリンター等のハイテク装置も駆使して、生産性の高い物作りを目指しております。上の写真は、キャビネットのコア部分...スピーカーの出来上がるまで

  • PM-12/SA-12 OSEの音質

    当社ではD&M製品を扱っております。特に当社のオリジナル・スピーカーシステムをお求めのお客様には”超特別”な便宜をご提供させていただいております。そして、私Mr.Hippoめがきちんと試聴して、お勧め機種もセレクト致しております。さて本日、最新製品のマランツ社製プリメインアンプ「PM-12OSE」とSACDプレーヤー「SA-12OSE」の試聴機をお借りして、良い結果が出ましたのでご紹介させていただきます。既存製品としてPM-12とSA-12があるのはご存知の通りで、同社フラッグシップのPM-10、SA-10の弟機となっています。そしてこのたび、この12番のOriginalSpetialEditionという特別企画版が登場しました。音の方ですが、実は昨年発売のPM-12とSA-12につきましては、聴感上の位相周り...PM-12/SA-12OSEの音質

  • ハッピー イースター!

    キリスト教の重要な年間行事としては、実はクリスマスよりもイースター(復活祭)だという事をご存知の方も多いかと思います。このお祭りは本日の日曜日の「受難の主日」から始まって、来週の日曜日の「復活の主日」で終わります。そして、一番重要なのが「受難の主日」になります。受難とは何か?という事については、信者でさえピンと来ていなかったりしますが・・・(^^;イエスが処刑された下りはご存知ですか?当時は、沢山の病人を神通力で癒すスーパースターでしたが、人の道について耳の痛い事を説いて回るいわゆる世直し人でもあったので、特に権力者たちには不都合な存在でした。そして、法律を捻じ曲げた拡大解釈でイエスを逮捕し、十字架刑(当時の最も残酷な処刑方法)で殺してしまったというわけです。また、一般大衆にとっては強欲な権力者をやっつけてくれ...ハッピーイースター!

  • Monitor-061 製品版キャビネットの音

    Monitor-061の製品版キャビネットは厚肉レジンのがっちりしたティアドロップ型となりました。早速ユニット(F60A2G型)を組み込んで音を出してみました。試作キャビネットの時には、多くの方が驚かれていましたが、今度は私自身が唸る番になりました。(^^;ユニット部は、当社ではお馴染みのフローティングマウント構造になっていますので、キャビネットの影響は受けにくくなっているのですが、それでも思った以上の違いがあります。5ナンバー車を3ナンバー車に乗り換えたような安定感があります。このスケール感ならば、ブラインド試聴を行ったら、さぞかし大型のハイエンド機であると勘違いされてもおかしくないと思います。重低音ドスドスというお子様な話ではなくて、中低音域のドン!とくる押し出し感が並みではありません。例えば2CELLOS...Monitor-061製品版キャビネットの音

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