2010年横浜→海士町へ。そして2019年、 フランス・リヨンへ。 グッドライフを探す旅と美味しいものを綴ります。
今回がいよいよ振り返りの最終回。今までの仕事を通じて最も印象的だった出来事について書きたいと思います。それはやっぱり巨大なカジキを捌いて島のみんなで食べ尽くしたことでした。詳しくは下の記事をご一読いただけると幸いです。シロカジキが獲れたらどうするか?地産地消の夢魚の命をいただくからには~シロカジキをみんなで食べたい島に来るまではろくに魚を捌くことができなかった自分が、漁師さんのお裾分け千本ノックをこなすうちに魚を無駄なく美味しく食べる技術を身につけ、それを活かして美味しい魚を届けることができた。しかも、こんな大きな魚を捌くなんて考えもしなかった。シロカジキは本当に美味しくって。西京漬けも、幽庵焼きも最高だったなぁ。こうして振り返りながら思い出してみると、11年間ずっと「魚の美味しさ」を伝えたいという一心でこのブ...仕事の振り返り⑧(終)最も印象的だった出来事
まるどマーケットとは、海士町で毎月第一土曜日に開催される島のマルシェです。名前の由来をよく聞かれるのですが、土曜日のマーケットだからまる土です。(雪の日に散歩していたらたまたま見つけた何かの標。まる土)そして始まった経緯などはコチラの記事を読んでいただければすごくよくわかると思いますので、よろしければご一読ください。フランスに行ったときに気がついたのですが、自分が「食」に関して一番楽しさを感じるのは、地域の気候風土の中で自らが作り出した美味しいものを誰かに味わってもらいたい、楽しませてあげたいと思う作り手の気持ちだということ。そして、その想いをつなげ合わせることで地域がもっと美味しく、楽しくなるんじゃないかと思いました。そのころ、海士町の中でもすでにいくつかの動きがありました。オーガニックファームだったりベイク...仕事の振り返り⑦まるどマーケットを立ち上げました
前回の鯖養殖プロジェクトに全身全霊を注いでいたころ、知人の紹介で「OCEANチャレンジ」という持続可能な漁業を目指すアクセラレータプログラムに参加させてもらえることになりました。パンダのマークでおなじみWWF(世界自然保護基金)が主催するプログラムで、水産に関わるベンチャー的な動きを支援し、伴走しながらより良いものにしていくための研修みたいなものです。そこで過ごした時間がきっかけとなり、水産加工を始めることにしました。水産加工はじめてます直接的な背景としては、それまで学校給食に地元産の魚貝類を提供してきた活動が休止するタイミングで、そのことによって大きく島の幸せが損なわれると感じたことです。また、「あすあま」の活動を通じて意外と島の魚が食べられていないという事実に気がついたことも大きなきっかけでした。自分自身は...仕事の振り返り⑥水産加工はじめました
鯖の養殖をしようと思ったきっかけは3つあります。一つ目は、地域の経済にとって定置網がとても重要だと認識したことです。あすの海士をつくる会(以下:「あすあま」)の活動を通じて地域の産業がどのように関わり合っているかを実際のデータを基に議論したことで、日常の食卓のみならず観光であったり福祉にも影響が大きいことがわかりました。それまでは個人の漁師さんの数が減らないことを主眼に置いていたので、漁業の見方が少し変わりました。二つ目は、未利用資源の活用が地域経済活性化のチャンスであるとわかったことです。その土地ならではの事情に向き合うことで独自のサービスや取り組みにつながります。これまでも定置網で獲れる魚で市場には評価されないお金にならなかった魚を原料に地域のイベントで料理にして販売するなどをしてきましたが、いよいよ本格的...仕事のふりかえり⑤未利用資源の活用~サバの養殖
というわけで、前回にひきつづき仕事の振り返り。販路の見直しやECサイトでの販売を通じて単価があがり、漁業者の収入増につながるという良いことがあった半面、島外への販売を優先するようになった結果として島内の消費者が買いにくくなるということが起きました。京都や大阪などの市場へ今までよりも良い単価でアワビを売れるようになり、単価が相対的に安くなったことでこれまで島の中で購入してお歳暮に贈っていたアワビが手に入らなくなってしまったのです。都会ではなかなか考えにくいことですが、漁師さんとお付き合いがあればアワビをお裾分けにもらうこともあります。貨幣経済以外のお裾分けや物々交換が当たり前にある島の中では、その関係性も含めて「豊かさ」を感じることが多いのですが、アワビが高く売れるようになったことで果たして島は豊かになったのだろ...仕事のふりかえり④魚のある島の幸せとは?
今回はECサイトの立ち上げに続いて取り組んだ鮮魚流通の販路拡大についてのお話。前回の記事でWEB通販が価格決定権を持った販路という書き方をしたのですが、これは全体の1%しかなく(当時)逆を言えばそれ以外の99%は価格決定権がない販路ということ。(一般的には)魚を市場に出荷するとセリにかけられて価格が決定されることをご存知の方も多いと思います。つまり、出してみるまで値段がわからないわけです。昨日の倍の魚が獲れて水揚げ金額が上がると期待したのに、他の漁師もいっぱい獲れたから単価が半分になったら何も変わらないというわけです。変わらないどころか、作業量や物流コストも倍になっているので売上は同じでも利益は減っていますね、この場合。この状況では漁師の頑張りは結果が約束されず、やる気があまり出ません。海士町での漁業を儲かる仕...仕事のふりかえり③鮮魚流通の販路拡大
仕事のふりかえりに戻ります。前の記事はコチラ↓仕事の振り返り①そもそもなんで漁協で働いてたの?ちょいちょい新生活のこともお伝えしていきたいと思いつつ、岡山での暮らしは新しいブログにした方がいいのかなーという気もして悩み中です。さてさて、漁協で勤めることになったものの魚のことはずぶの素人の私。どんな仕事をするのか不安もありました。最初に任されたのはECサイトの立ち上げ。それまで通販の窓口だった直売所「大漁」のWEB版なので、「大漁WEB」としました。メインの商品は「サザエ」。島に行って驚いたのは、直売所でのサザエの販売価格が1㎏650円(!)という驚異的な安さだったこと。つまり、1個100円しない価格でサザエが食べれます。都会の居酒屋で食べる刺身や江の島のつぼ焼きは1個500円~800円くらいしてたので、いくら素...仕事の振り返り②ネットショップの立ち上げ
2022年3月27日。11年間半暮らした海士町を離れ、お世話になった方々にお別れを告げる瞬間。本当に多くの方に見送っていただきながら新しい暮らしに向けて第一歩を踏み出しました。仕事を振り返ると言っておきながら引越し作業に忙殺されて1回しか書けてない中ですが、この日のことだけは真っ先に書いておきたい、そんな一日でした。仕事のことはまた後程振り返らせていただくとして、、、引越しの6日前には自転車3台と草刈機やキャンプ用の椅子、畑のブドウ苗などとにかくかさばるものを載せて愛車の軽トラック(19万キロ!)で岡山へ。高速道路を走ったらバラバラになると脅かされたので、下道でオーバーヒートに怯えながらなんとか到着。寝袋で一夜を過ごし、翌日はバスと特急やくもを乗り継いで再び海士町へ。引越し作業は連日深夜にまで及び、そこから残っ...旅立ちの朝
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