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昼のガスパール・オカブ日記 https://blog.goo.ne.jp/sarastro1957

閑人オカブの日常、つらつら思ったことなど。語るもせんなき繰り言を俳句を交えて独吟。

オカブ
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2014/10/15

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  • 口切り

    ちょっと最近、自分語りが増えてきた。別に自己顕示欲が強くなったわけではない。おそらく、レンブラントが執拗に自画像を描いたように、自己というものを明確に解析し、画布ではないが、ブログの上に焼き付けておこうという意思が働いているものと思われる。しかし、こんなことをされると家族はいささか迷惑だ。情報公開の累が彼らにも及ぶからだ。そこで最近は極力彼らには触れないことにしている。徹頭徹尾、自己のことばかりである。そうすると孤独なくたびれた老人の姿が浮かび上がってくる。しかし、それが真の自己の「自画像」なのだ。ただ、こんな醜悪なものを読まされて不快になる読者には申し訳ないと思っている。口切に思いもよらず慕ふ人素閑口切の露地花なくも麗しき素閑口切に訪ね行きたる月の庵素閑口切の窓に映すは夜の湖素閑口切に鄙の山家もはなやぎて素閑...口切り

  • 冬紅葉

    百科事典というものがいらなくなった。WEB上で何でも調べられるからである。しかも記載されている内容は百科事典よりも詳しいし、カバーする事項・語彙の範囲もはるかに広い。百科事典ではないが岩波が広辞苑を新刊するそうである。余計な仕事だ。誰が買うものがあろう?まぁ、百科事典も要らなくなったので、知識を頭に溜め込むということもあまり意味がなくなった。情報のストレージが脳みそからWEBサーバに替わった結果である。単なる記憶力よりも、分析力や論理性、判断力のほうが重要になってくるのは言うまでもない。どこかの大臣がパソコンには触ったことも無いと発言して物議を醸した。馬鹿な人がいるものである。こういう人物は早々にお引き取り願うのが良い。新しき箸取り揃へ冬紅葉素閑冬紅葉白木の塔に映へにけり素閑師の僧に問えば関とて冬紅葉素閑膝小僧...冬紅葉

  • 茶の花

    オカブの幼いころは暖房に炭の掘り炬燵が家にあった。暖房と言えば、それだけだった。やがて石油ストーブを入れた。炬燵も、電気炬燵になった。今では、暖房はエアコンである。しかし、この今様仕掛けの暖房は全くぬくもりが感じられない。ぬくもりというのは、ただ室温の高低を言うのではなく、精神的な温暖さをも含めるのである。それを思うと、昔の炭火の掘り炬燵のほうが、よほど「温かった」と思う。茶の花に頭を垂れて一礼す素閑寒空に毛帽子かぶりて茶の花や素閑老松に茶の花妍を競いけり素閑京表茶の花寺のけわいなり素閑楼蘭といふなる都茶の花や素閑野辺の路そぞろ歩きの茶の花や素閑茶の花の蘭奢待よりえもかほり素閑茶の花を庭の隅こに見つけたり素閑茶の花や今日で仕舞いぬ古すだれ素閑茶の花にみずうみ沖へ行ける船素閑茶の花の露地のゆかしき加減かな素閑なに...茶の花

  • 帰り花

    寒いと言ったら暖かい。なんとも定まらぬ陽気である。ところで天気のことを挨拶の冒頭に持ってきたのは天候が不順な地に住むイギリス人だったそうな。好天を喜び合い、悪天を憂い合う気持ちはわかる。それにつけても日本人はなんと温暖清涼の地に住んでいることよ。尤も最近では日本でも暑さで人が死ぬこともある。花鳥風月を愛でている時ではないかもしれぬ。しかし騒いでも何も収まらない。まぁ、暑い暑い、寒い寒いと言っていればいいのである。そこにも詩は生まれるであろう。日の影も惜しく暮れるな帰り花素閑指で丸作りて覗く帰り花素閑欄干に触れて散るなり帰り花素閑枯れ枝のかざしともせむ帰り花素閑ゑだ折るなそれは私の帰り花素閑さめざめと川水に散る帰り花素閑金襴も色褪せてみゆ帰り花素閑一輪が町を満たせり帰り花素閑見せんかな川べりに来よ帰り花素閑祖父祖...帰り花

  • 初冬

    この季節に茄子を食った。別に今の時代、いつに何を食おうと自由自在だが、やはり奇異な感じがする。しかし温室栽培の発達した現代では季節外れの茄子も案外と美味い。ただもっぱら季節感に欠けると言えばそれまでだ。もちろん俳句でこの時期に茄子を詠めと言われても無理な話だ。やはり俳句は花鳥風月四季折々だ。偉い先生からお叱りを受けるような気もするが、オカブは作句でこれに徹している。この前の晩御飯は塩鮭にほうれん草のお浸しに鴫焼きナスにブロッコリーのソテーに榎と揚げの味噌汁。普段はこんな食卓で毎日を過ごしている。また食い物の話題になってしまった!初冬に生けたる花の名も知らず素閑冬初めちまた増税うわさあり素閑初冬や子のなんとせか過ごしけり素閑初冬や滝の音のみ聞こえけり素閑山越えの鈍行列車冬初め素閑初冬の扉は人を待ち開き素閑初冬や播...初冬

  • 三島忌

    誰でも一回はあると思うが、無限の宇宙の果てには何があるかという疑問を持つことがある。あるいは、永遠の時間の未来の果てには何があるかという疑問を持つことがある。どちらも物理学上は答えが出ているそうだが、複雑怪奇な数式や難解晦渋な理論に全く疎い素人には説明されてもどちらも珍紛漢紛である。しかし、世の中には素人受けする説を唱える学者もいるもので、ある人が人間は、死後その霊が宇宙空間に永遠に浮揚するということを主張した。全く真偽のほどは分からないが、我々がぼんやり想像している時空の感覚、あるいは宗教的な時空の感覚と一致するものもあろう。世の中、不思議なことが多くあるが、一番不思議なものは人間である。その人間の中で最も不思議なものは自己である。自分を克服できれば、世の中のすべてのものを克服できる。由紀夫忌や薔薇十字徒とあ...三島忌

  • 寄せ鍋

    この前、鍋をやった。何鍋というか分からない。メインは鶏である。じゃあ水炊きかというと、名古屋や福岡の人から怒られるであろう。まぁ、『鶏すき』というのが順当か?ただ、そんな料理があるかどうかわからない。そこで鶏肉主体の寄せ鍋ということにしておく。材料を切って、鍋で各々、煮るだけだから、至極、簡単な料理である。家は冬になるとよくこの献立をやる。決して、不味くはない。ところで「不味い」という言葉の語源は「美味からず」ということを知った。十返舎一九の『東海道中膝栗毛』の著者注からである。どんな本でも読んでいるうちに、思わぬ知識が付くものである。寄せ鍋や隣の新居笑い声素閑寄せ鍋や日落つ頃より集まりぬ素閑寄せ鍋や闇に一灯ともしけり素閑寄せ鍋や無間の底より沸き立ちぬ素閑寄せ鍋や星まで届く高圧塔素閑立山の影濃き月夜寄せ鍋や素閑...寄せ鍋

  • 木の葉髪

    山の手に住んでいると、人情とか情緒とかに疎くなる。一見、文化的な地域だが、実情は非常に乾いた生活空間だ。風雅な一軒家が、マンションや間口の狭い建売住宅に替わり、殺風景なことこの上ない。簡単に気に入った所に引っ越せる人が羨ましい。こちらは経済的問題と、生活基盤の関係で、この地を離れられない。まぁ、生活するのに便利と言えば便利である。それが新しい住民を呼び込み、どんどん環境が変わっている。下町は谷中の辺りに住んでみたいものである。下はかーたんとブランチに行った大庄水産。かーたんは金目鯛の煮つけ。オカブは刺身定食にビール。食うことと飲むことしか頭にない。実に情けない事である。木の葉髪ところでバスは七時半素閑木の葉髪朝のきつさが募りたり素閑沖仲師彼もうつらう木の葉髪素閑木の葉髪鏡の前の愁嘆場素閑遠き山吹き下ろす風木の葉...木の葉髪

  • 一葉忌

    十一月も後半である。もう今年も一年が過ぎようとしている。時が過ぎても歳をとるだけである。なんの成長も発展もない。ただただ無駄に世に棲んでいるばかりである。若い人たちはこんな年寄りは迷惑であろう。遠慮深く隅っこにいさせてもらえるだけで有難い。日暮れより小雨になりて一葉忌素閑一葉忌豆腐汁にて済ませけり素閑こひかたるしづしづありや一葉忌素閑一葉忌鴉の野辺の夕暮れや素閑独り寝の晩幾夜かな一葉忌素閑茜濃く日の落ちむとす一葉忌素閑一葉忌妻の薬を取らむとす素閑月もなく航路の闇や一葉忌素閑夜を更かし想ひは乱れ一葉忌素閑燭の灯の揺れて消えなむ一葉忌素閑ひかれ者歌語るべし一葉忌素閑俳句・短歌ランキング一葉忌

  • 冬めく

    ようやく寒くなってきた。寒いといっても朝晩、多少、冷え込むくらいだが。ただ、これから冬になるんだなぁ、という感慨に浸っている。冬も悪くない。特に、太平洋側の冬は、晴天が続き、あまり陰鬱さを感じさせない。また鍋や熱燗やスキーやラグビーなどの冬ならではの楽しみもある。オカブは決して冬は嫌いではない。冬めくや朴の大葉が転がりぬ素閑冬めきぬ月に照らさる人通り素閑ポールにもはためく旗なし冬めくや素閑裏八百屋台に蕪や冬めきぬ素閑うつらうて着いたところが冬めきぬ素閑田を焼きて灰神楽舞う冬めくや素閑通せんぼせぬもの親なき冬めくや素閑木のうつろ枯れ道祖神冬めくや素閑野の仏御顔すぐれぬ冬めくや素閑荒地とも人呼ぶ原に冬めけり素閑やわやわと照らす日も去り冬めくや素閑冬めくや電話も便りもなかりけり素閑俳句・短歌ランキング冬めく

  • 敷松葉

    人間、食って寝て生きている。しかし、その食うというのがままならない。普通は満員電車に揺られ、会社の上司の顔色を窺い、数字に追いまくられながら得たわずかな給金で、食う営みをなす。最近では、そういう生活を嫌い、自分の気に入った土地で、パソコン一つを武器にフリーで仕事を請け負い、気が向けば海外でもどこでも拠点を移しながら稼ぐノマド族なる者もでてきた。しかし、誰しもがこんなことができるわけではない。どちらの生活もためらって自分のものにできないオカブは霞を食っている。松葉敷き足元光る玉の露素閑敷松葉おもては竹馬遊びかな素閑夜汽車にて想ふは加賀の敷松葉素閑老親になにも報へぬ敷松葉素閑敷松葉家も閉じなむ月無き夜素閑鳳輦に篭す身のあらば敷松葉素閑湖のぞむ松葉敷きたる侘び庵素閑露地に敷く松葉を照らす斜陽かな素閑松葉敷住みたる主の...敷松葉

  • 夜咄

    日本に「無教会」というキリスト教の宗派がある。内村鑑三が創設したものである。名前の通り教会を持たないキリスト教の宗派である。しかし、この「無教会」は実態としては「反教会」であった。内村は、当初、かなり矯激に教会を攻撃していた。本来、名前の通り「無教会」であるならば、教会は無視していればよいのである。しかし内村は教会を無視できなかった。しかし、内村の「反教会」の態度も腰が定まらないというか、揺れ動いていた。当初、あのように教会を攻撃していた内村だが、教会が国家権力の弾圧に遭うと、次第に教会に同情的な態度になっていく。海外でも似たような事例がある。アメリカのクウェーカーだ。オート・ミールでご存知の方もいるだろう。しかし、あれはキリスト教のクウェーカーとはなんの関係もないそうである。それはさて措いて、創始者のフックス...夜咄

  • 芭蕉忌

    今日、銀座の山野楽器にフルートの調整に行ってきた。フルートという楽器は、管と歌口以外は、音孔を塞ぐ機械の要素が大部分で、それがまた微妙にできているので、メンテナンスが大変である。オカブの持っている楽器は、もう完全にオーバーホールに出したほうが良いにもかかわらず、お金がないので、そうもいかない。そこで山野楽器が主催して、フルート・メーカーが実施する無料調整会にしか出せない。しかし無料である!!!このことはでかい。そんなこんなで、二十年ほど、凌いでいる。しかし、話は変わるが、もう50歳台以上のフルーティストは引退するか、新しい楽器に買い替えて、吹き込んで修行をするかしたほうがいい。フルートの楽器の革新による、演奏の進歩は著しい。今、大きな面をして我こそはフルーティストでございとほざいている爺、婆は須らく慙死せしめる...芭蕉忌

  • 柿落葉

    この前、行きつけのレストランでホンマモンのアブサントを飲ませてもらった。真正75度のニガヨモギを使ったアニゼットである。これは、19世紀にフランスで大いに流行った酒で、ユトリロなどは大分、これにゾッコンだったようだが、成分のニガヨモギに幻覚症状などを生じる作用があるため、各国政府によって製造が禁止された。しかし、この酒のファンは多く、製造再開の声が高まり、製法に制限を付けた形で、再び製造が認可される形となった。レストランの主人はストレートで飲めという。魂消た!アニスは水で割って、氷を入れて飲むものとばかり思っていたオカブはアブサントをストレートなどで飲んだら、ひっくり返ってしまうと思った。しかし生で飲むアブサントは甘苦いニガヨモギの香りがつんと来て美味かった。アニゼットの類は、他にも『51』、『RICARD』、...柿落葉

  • 沢庵漬

    金はできることなら欲しい。しかしメディアで報じられている大金持ちのように何兆、幾千億の金を持っても何に使っていいかわからないだろう。もちろん彼らの資産はすべてがキャッシュではなく、持ち株の評価額がほとんどだ。新聞に書いてある額をじゃぶじゃぶ使えるわけではない。しかしだ。金が欲しいといっても、ほとんど今の暮らしが続けられれば十分だ。たまの贅沢に外で御馳走が食えるくらいでいい。しかし、金がないと志まで低くなるものだ。チャップリンが人生の成功には『夢と努力とサム・マネー』と言ったそうだが、そのサム・マネーを稼ぐのがどれ程、大変なことよ。大根を漬けて足らぬは猫の手や素閑沢庵を好み食いたりわが嬢ちゃん素閑沢庵の石に心を惹かれたり素閑巷間の話混りに沢庵や素閑大根の漬けたるさまよ年は去り素閑沢庵とあたたかき飯ただ愉し素閑沢庵...沢庵漬

  • 毛布

    スウェーデンはストックホルムに一回行ったことがある。ノーベル賞の授賞式が行われる市庁舎も、祝宴が行われるコンサートホールも見てきたが、どちらも大したモニュメントではなかった。それより、北欧美女がウェイトレスを務めるパブのほうが興味深かった。北欧の女性はまさにブロンドで碧眼。肌は大理石のように白い。そんな女性に麦酒をサーヴして貰うのだから溜まらない。北欧は酒の値段が高い。酒税がべらぼうに高いからである。これは北欧人が酒が嫌いなのだからではなく、その年間を通しての陰鬱な気候に蝕まれた気分を晴らすために酒に逃避すること著しく、アル中が蔓延しているため、当局がわざと酒税を極端に高くしているからである。しかし、あの北欧美女のパブでアクアヴィットを一杯やりたいというのは、もう叶わぬ夢である。病身の妻ソファに寝毛布かけ素閑夜...毛布

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