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つむじ風
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世の中のこと、あれこれ。 見たこと、聞いたこと、思ったこと。
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80回 / 365日(平均1.5回/週)

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つむじ風さんの新着記事

1件〜30件

  • 神隠し

    ―はぐれ長屋の用心棒(37)―鳥羽亮/双葉文庫2016年8月7日初版。著者の作品には、「凶盗」「鬼彦組」など虫食い的にお目に掛かったことがある。いずれも捕り物シリーズ中の一冊。この作品も捕り物と言えなくもない。このシリーズは本所相生町にある長屋の住人(店子)達が主人公である。主だったものは腕に覚えはあるものの、いずれも年寄りばかりで、こんな干からびたヒーローは滅多にいない。これが延々37話も続いてきたことになる。シリーズ最新の文庫では45まで伸ばしているらしい。今回は「神隠し」ということで、子供を狙った犯罪の話。犯罪自体は今も昔も変わらないが、そこに公的警察組織(奉行所、同心、岡っ引き)だけでなく、私的正義が存在することが面白い。成文化された法(法度)の他に、一瞬にして命のやり取りをする武士の矜持が併存するので...神隠し

  • 群青色の波

    ―口入屋用心棒41―鈴木英治/双葉文庫2018年6月17日初版。著者の作品は「さまよう人」「野望と忍びと刀」「鳥かご」「無言殺剣火縄の寺」「お陀仏坂」「歯のない男」などランダムに読んで来たが、中でもシリーズものが多い。時代小説のシリーズものばかり、あきれる程書いている。作品の話しのスジとしては、前作で秀士館の師範代、湯瀬直之進と読売屋の庄之助が一戦交えたようで、直之進が完敗したところから始まる。忽然と浮かび上がって来た庄之助という人物の実態探査が本作の主な内容。今回、庄之助の人物像にかなり迫ったのだが、最終的な結論には至らず、次回に持ち越しとなっている。何だかマンガ本のような(次回に期待させる)終わり方だ。そもそも326pという厚さで読みやすいこともあり、実質2冊分で通常の一冊くらいかと思われる。それでもシリー...群青色の波

  • ざ・りべんじ

    安達瑶/祥伝社文庫2012年12月20日初版。著者の作品はこれで四冊目。忘れたころにお目に掛かる。既読の作品は、2015/9「美女消失」、2016/1「悪徳探偵」、2018/11「悪女の囁き」。通常、同じ著者の作品であれば、場の雰囲気が似て来るものなのだが、どの作品もなかなか個性的で面白い。その原因は共作?に在るのかもしれない。今回は10年前のある少女暴行致死事件とその犯人(少年)達のその後に主人公が関わりを持つ。話しを面白くする仕掛けは実にありふれた「主人公の二重人格障害」である。二人は各々の人格で事件との関わりを深めていく。ここまで来ると「痛快なアクションと共に事件を締めくくる」のは見え見えなのだが、果たしてどんな結末にしてくれるのか、やはり気になってしまう。この作品はシリーズとして公言している訳ではないよ...ざ・りべんじ

  • 図書館革命

    ―図書館戦争4―有川浩/角川文庫2011年6月25日初版。著者の作品は2011年11月「三匹のおっさん」、2019年9月「県庁おもてなし課」でお目に掛かっているから、その作風は凡そわかるつもりだが、今回のシリーズは既読の作品と比べて、かなり肩に力が入っている。主人公の笠原が女性隊員で、話の硬さをごまかしているが、なかなか話としてはよく練られた構想だと思う。きっかけになったのは実際に日本図書館協会が1954年採択した「図書館の自由に関する宣言」であるらしい。この宣言の根本にあるのは「国民の知る権利」である。ここから体制派のメディア良化委員会(法的根拠:メディア良化法)/法務省と図書隊(法的根拠:図書館法)/文部科学省の熾烈な争いが始まる。どちらも武装し戦闘的な衝突も起きる。その他に自衛隊や警察もあるのだが、そこは...図書館革命

  • 牽制

    ―警視庁失踪課・高城賢吾8―堂場瞬一/中公文庫2012年12月20日初版。今回は高校球児の失踪。ドラフト一位指名のプレッシャー、夢を絶たれることへの恐怖、怪我の不安、醍醐刑事が元プロ野球選手であっただけに臨場感に満ちた緊迫の連続。一見華やかに見えるドラフト一位指名も、本人の努力、家族の期待、同級生の心情、監督の責任、球児への期待、スカウトの思惑、球団の判断・・・本人の印象が見えない位に諸々のものが折り重なり関連している。警察が扱う「失踪案件」ではなかったが、いかにも「失踪課」らしいテーマだった。純粋培養された高校球児、実際人間育成(教育)として、これで良いのかと思う。例え親や監督の期待があり、ドラフト一位指名を得たとしてもその行く末に、いかにも高校生的稚拙な行動、社会的通念の未熟さだけではない一抹の不安が過ると...牽制

  • 遮断

    ―警視庁失踪課・高城賢吾7―堂場瞬一/中公文庫2011年10月25日初版。今回の作品の結末は全く読めなかった。内容としてはそれなりに重いけれども、結果的に話としてはつまらなかった。期待過多というところだろうか。現場を見ながら上司の言う事も聞かねばならず、尚且つ仕事もビシッと決めなければならない中間管理職の大変さはよく解かる。失踪課のメンバーもかなり個性的、今回の作品はその辺が実によく滲み出ていたように思う。読み終えて感じるのは「爽快感」や「満足感」ではなく「疲労感」である。著者が意図したことかどうかはわからないが、このような作品も珍しい。主人公は「角」で癒しを得ているようだが、私の場合、ここはフロム・ザ・バレルのストレートで、ちょっと疲れた気持ちを癒したいと思う。遮断

  • 相剋

    ―警視庁失踪課・高城賢吾2―堂場瞬一/中公文庫2009年4月25日初版。2009年5月15日再版。頭痛持ちの酔いどれ刑事が今回は酒も飲まずに頑張る。今回は里田希(15)中学三年のIT企業社長の娘が忽然と姿を消すことから始まる。ネタバレ結論から言うと、兄弟とは言え相互の理解は簡単ではない。出来上がった確執は簡単には消えないということをテーマにしての「相剋」である。設定や背景、ストーリーに新しい仕掛けは何もない。派手なアクションも無ければ、飛躍した極端な推理も無い。しかし、徐々に真相に迫っていく緊張感は持続する。同時に、組織の無意味な軋轢が個性的な登場人物によって和らぐ場面は息抜きである。「拉致、監禁」は、現実にも多々起きている。だから、想像に頼らずとも、もっと過激なストーリーも可能な訳だが、今回のテーマは「拉致、...相剋

  • 贖罪

    ―警視庁失踪課・高城賢吾1―堂場瞬一/中公文庫2009年2月25日初版。最初に読んだのは「波紋」2012年12月30日だった。もう8年も前になる。その後、ランダムに半分ほど読んできたが、今回は残りをまとめて順に読むことにした。「贖罪」はシリーズ最初の作品になる。警部・高城賢吾は最初から酔いどれだったらしい。7年経過して、新設の「失踪課」に異動し、ある失踪者を追いかけることで、やっと長い眠りから目覚めるのが今回の作品。シリーズの半分も読んでから、今更感もあるが、このシリーズのコンセプトは「人は善と悪の間を漂いながら年齢を重ねていくもの」462pということがある。事件を通して、それに向き合うというのが主人公なのだろう。健康食品巨額詐欺と言えば「ロイヤル・フーズ」「L&G」「ジャパンライフ」などが有名だが、他にも細々...贖罪

  • 中上健次/文春文庫1978年12月25日初版、2011年7月15日29刷。著者は1976年の発表のこの「岬」で芥川賞を受賞している。戦後生まれの最初の受賞者である。以下、4編を収録した短編集。・黄金比の朝・火宅・浄徳寺ツアー・岬どれも関連のあるような話だが、特に「火宅」と「岬」は続編のような話。作品全体に言えることだが、サスペンスでもミステリーでもない実に妙な作品。登場人物も個性的なのだが、各々何とも言い難い雰囲気を持っている。主人公はかなり自虐的でありながら、兄を軽蔑し、世間を全く信用せず、自己完結しようともがいている。いずれも短いが中味が濃い、凝縮している。人生の「何のために」という疑問、この「不可解」を常に痛烈にリアルに問い続ける。197p「複雑な兄弟の関係、父母の関係、しかし、自分はいつもたった一人だ」...岬

  • ブルーマーダー

    誉田哲也/光文社文庫2015年6月20日初版。全く新しい話かと思ったプロローグだったが、第一章でいきなり「姫川玲子」が登場し、緊張の糸が切れた。この作品は姫川シリーズだったのか、と。別に悪い意味ではない。姫川シリーズは、既読の「ストロベリーナイト」、「ソウルケイジ」、そして未読の「シンメトリー」、「インビジブルレイン」、「感染遊戯」、本作品「ブルーマーダー」に続くらしい。このシリーズは「警察モノ」、しかも「女刑事」が主人公。これで主人公が無条件に活躍してしまえば、それはあまりにもつまらない勧善懲悪になってしまうのだが、犯人同様に傷つき、瀬戸際に立ち勝負するから面白い。毎回恐ろしい殺人鬼が登場するが、今回もまた迫力の「ブルーマーダー」だった。著者はグロな作品も行けるのではと思うくらい迫力があった。そればかり書くと...ブルーマーダー

  • ゼロの焦点

    松本清張/新潮文庫1971年2月20日初版、2010年11月20日、第125刷。作品の発表は1958年というから、62年前の作品。戦後13年のときである。この間には朝鮮戦争もあった。戦後の混乱がまだ色濃く残る時代であったと思われる。この作品は日本の推理小説、サスペンス、ミステリーの先駆けになるのだろうか。読めばわかると思うが、文章もたどたどしく、滑らかとは言えない。話の構成も無理な、不要なこじ付けもある。決して完成度が高いというわけではないが、何度も映画化、TVドラマ化され、その魅力は衰えない。忘れたころに再放送する「ゼロの焦点」である。その原点は462p「いわば、これは、敗戦によって日本の女性が受けた被害が、十三年たった今日、少しもその傷痕が消えず、ふと、ある衝撃をうけて、ふたたび、その古い疵から、いまわしい...ゼロの焦点

  • そこへ行くな

    井上荒野/集英社文庫2014年7月25日初版。短編集で以下7編を収録している。いずれもある特定の場所を指しており、お題の通り、そこに行くとロクなことにならないよ、という意味で「そこへ行くな」ということになる。著者にははじめてお目に掛かるが、大方の短編の特徴として、切れ味鋭く、衝撃的な作品になりがちだが、この作品はそれほどでもない。以外に緩やかである。しかし、短編の欠点として、踏み込みが浅く、「途中でプッツン感」がどうしても振り切れない。この作品集もご多分に漏れない。・遊園地・ガラスの学校・ベルモンドハイツ401・サークル・団地・野球場・病院しかし、その不満を別にしても面白かったのは「病院」かもしれない。他の作品は何らかの刺激によって安定から不安定(崩壊)へ変化しようとするのに対して、唯一不安定(混沌)を経て安定...そこへ行くな

  • 殺人の門

    東野圭吾/角川文庫2006年6月25日初版、2012年5月5日第26刷。612pに及ぶ長編、実に読み応えのある作品だった。ザックリ言えば「幼馴染みとの異様な関係」の話し。生まれながらにして貧富の差があることに、その不不公平さに異様な劣等感を抱き、友人であると同時に、その人生を手中にしてコントロールし、成り行きを眺めるという奇妙な趣味を持っている。付かず離れず二人の関係をここまで操り上げるというのは並みではない。殺人の門というのは簡単にくぐることは出来ないが、時と場合が整い、「引き金」が引かれた時、はじめてくぐることができるものらしい。主人公は何度も「時と場合が整った」が、「引き金」を引くことは出来なかった。今までの長い二人の異常な関係が発端となった、田島家を崩壊させたあの「小学生の時の噂」の原因が明らかになった...殺人の門

  • 日永 康 信仰文集

    ―復活の希望に生きて―日永康/日永聖書集会編2020年6月初版。キリスト教には多くの諸派があり、その核心がどこにあるのか定かではない。教義の元となるのも新約、旧約、その他、何かとあるらしい。そんな中で異彩を放つのが「無教会主義」である。祖は「内村鑑三」である。内村は無教会主義の教祖とでも言うべき存在である。もともと無教会は聖書を由一の拠り所とし、聖書の下に平等な平信徒の集団であるから、教祖などと言ったら叱られるかもしれない。著者日永康さんは、その内村鑑三の孫にあたる方だが、2019年10月に亡くなった。本書は日永さんがあちこちで行った講話をまとめたものである。そもそも無教会はその主義から言って「聖書研究会」のような組織に見える。階級的な組織がないものだから、その辺は運営がなかなか難しいらしい。「聖書の言葉をいか...日永康信仰文集

  • 産霊山秘録

    半村良/集英社文庫2005年11月25日初版。著者の作品は初めて読む。有名な方だから知らないという訳ではなかったが、今まで作品にお目に掛かる機会がなかった。読み始めて歴史小説なんだと理解したが、24pにいきなり「超集積回路」が出て来る。これは何かの冗談かと思いながらも先を読んでいくと、どうやら本気で歴史小説の中に取り込んでいるらしい。しかし、永禄(1558~)から昭和(1926~)まで、そのスケールの何と壮大な事。そして歴史の史実とされていること、或いは謎とされていることに対する創造的な視点からの分析、考察がとても面白い。「なるほどそんな視点もあったか」である。特に光秀が本能寺の信長を襲った理由については、妙に納得してしまった。しかし、アポロ11号が前人未踏の月に到達したとき、既に猿飛の朽ちた骨があったというの...産霊山秘録

  • 奪還

    麻生幾/講談社文庫2013年7月12日初版。著者の作品は初めて読む。戦記物、戦争物、或いはヒーロー物とは少し異なるが、背景は近似のものである。話としては、日本、米国、フィリピン、北朝鮮など政治的パワーバランスの中で、その生真面目な、しかし、ミッションに忠実な一部の人間を都合のいいように利用した謀略ということだろうか。命懸けで成したことが「実は~」というのでは誰しも納得しない。多大の犠牲は生き残った者が負わねばならない。情報提供者への長年の非公式な支援、それによって肥大化した組織、ボスが急死すると組織を乗っ取ろうとする者が現われ、認めなければ「長年の非公式な支援」をしていたことを暴露すると脅す。一方でマフィア同士の抗争(覇権争い)もあり、相手を潰すために利用しようとするワルも居る。主人公はその二重三重の策略を解き...奪還

  • 与力・仏の重蔵

    ―情けの剣―藤水名子/二見時代小説文庫著者の作品は初めて読む。本書はシリーズの一冊目で、現在5冊まで続編がある。重蔵は確かに強いが、不覚にも負傷することもあるし、与力でもどうにもならないこともある。女の問題では特に弱いところがリアルだ。悪党はあくまでも根っからの悪党で、偽善ではあっても真ではない。江戸時代「老人と子供が犯した罪はこれを問わず」ということであったらしいが、辰五郎のような根っからの悪党は別であろう。とても切なく読んだところは、重蔵の妻、お悠のこと。重蔵が事有る毎に思い出し、会話する場面である。妻を亡くした男の心情をよく描写していると思う。「菩薩の如きお悠のことば」「自分の思いをおくびにも出さず、つい無粋な事を言ってしまい・・」「思いをすぐさま口に出来る勇気も無く・・」「亡き人に似て見えたり、全く別の...与力・仏の重蔵

  • 人恋時雨

    ―さやか淫法帳―睦月影郎/廣済堂文庫2008年2月1日初版。「忍法」ならぬ「淫法」、「雑賀衆」ならぬ「素破衆」江戸時代風の掛け言葉(シャレ)で、まあ「面白可笑しいエロい本」ということになるだろうか。その趣味というか癖というか、スタイルは著者自身の嗜好であり妄想であろうと思う。主人公が17歳で、登場する女は大方年増というのも同じヘキではなかろうか。愛欲の形は人それぞれ、どれが真でどれが偽りかなどいうのはないと思うけれども、著者のそれは押しつけがましいと思う反面、妙に明るく楽天的、江戸時代の最も太平な時代らしく、その先の退廃の兆しは未だ見えてこない。作品のストーリーの中では徐々に盛り上がるかのような印象だが、実際はほぼ同じような描写表現の繰り返しであり、たちまち鮮度が失われる。それが、この手の作品の難しいところだ。...人恋時雨

  • 逆転法廷

    和久俊三/祥伝社ノン・ポシェット1993/07/20初版。著者は弁護士。この作品のジャンルは法廷ミステリー。シリーズではないかもしれないが、主人公の日下文雄弁護士は、他の作品でも度々登場するらしい。無罪、控訴、有罪、再審、無罪、そして最後に逃げ切った二人の犯罪者の結末である。一つ不思議に思うことは日下以下、弁護士の仕事が一応の決着を見たわけだが、その後の顛末ということがあり、実の所弁護士に対する裏切りでもあった。しかし、結審して無罪を勝ち取った時点で弁護士の仕事は終わり、「実は」ということがあっても、それは無関係なことなのだろうかと。無罪と信じて全力で弁護したにも関わらず、結果的に二人の犯罪者を見逃すことになったことに、何の関心もないというのは、法律でメシを食う人間の本心なのかと思ってしまう。真の犯罪者かどうか...逆転法廷

  • 秋思ノ人

    ―居眠り磐音江戸双紙(39)―佐伯泰英/双葉文庫2012年6月17日初版。前回読んだのが第46巻「弓張ノ月」、それから5年過ぎて、今回第39巻の「秋思ノ人」である。何でもこのシリーズは51巻まで続くらしい。磐音の直心影流の活躍は相変わらずスマートで、とにかく強すぎる。最初から負ける気がしないのである。その辺がつまらない。田沼意次が老中のこの時代、陰謀と術策が蔓延し、コネと賄賂が横行したことは想像できる。世の中、平和となればこのような階級闘争になる見本のような時代である。権力者の学歴詐称、家系図捏造は得意とするところである。そこに棹差し、政に正義を、という話しである。考えてみれば、速水左近や坂崎磐音は保守派であり、幕藩体制派である。それに比べると、田沼意次や息子の意知は、どちらかというと改革派である。勿論良いこと...秋思ノ人

  • 鳴き砂

    ―隅田川御用帳(15)―藤原緋沙子/光文社文庫2017年7月20日初版、2017年8月15日第2版。著者の作品には7年程前に「月凍てる/人情江戸彩時記」でお目に掛かって以来の再会となる。「隅田川御用帳」は著者のデビュー作のようで、以来書き続けて16冊まである長編のシリーズになっている。駆け込み寺ならぬ「駆け込み宿」の話しで、主人公の十四郎、お登勢の活躍は勿論なのだが、要するにやはり男女の、或いは夫婦の機微がテーマになる。この時代、駆け込みするのは常に女の方だと思うけれども、その機微は今も昔もさほど変わらない。そのことが読者を引き寄せる魅力になっているに違いない。舞台背景や周辺描写は確かに「江戸時代」だが、問題は「現代」なのである。そう思ってみると、その在り様は人の数だけ多様な訳で、話のネタは尽きないだろう。シリ...鳴き砂

  • 卍屋龍次地獄旅

    鳴海丈/徳間文庫1999年11月15日初版。「股旅・ハードボイルド」とは、いかにも本作品らしい呼称である。実は、これは官能小説でもあり、時代小説でもあり、そしてハードボイルドでもある。幼い頃、運命を共にしていた相方の「おゆう」を探しながら、卍屋として街道筋を旅する主人公である。「おゆう」の面影を探しながら、しかし訪れる先々でおかしな事件が身に降りかかる。街道筋、宿場町と背景を替えながらの旅は「股旅」であろう。そして、事件毎に対峙する敵との戦いに火花を散らすのが主人公の「無楽流石橋派脇差居合術」だ。時代モノとしてはこれもまた欠かせない殺陣の場面、ハードボイルドである。その合間を接着するように必ず女が登場し、官能場面が描かれる。読者はこの三つを楽しみながら読み進む訳だ。個人的には、総じて股旅部分をもう少し史実に基づ...卍屋龍次地獄旅

  • 金曜日の本屋さん

    名取佐和子/ハルキ文庫2016年8月18日初版、2017年9月28日第五版。ファンタスティックな感じの本好きの話し。か、と言って御伽噺ではない。ミステリー・ファンとしてはやはりちょっとモノ足りない。「金曜堂」はオーナー、店長以下、日々頑張っている訳だが、見方によっては金持ちの道楽ともいえる。本屋としては理想的なのだが、今時店じまいする本屋も多い中、商売としてはなかなか難しい。そんな中で本好きの著者が思い切り理想的に書いたのがこの作品ということになるだろう。ご多分に漏れない自分としても、気持ちは判るが、なかなか辛い世の中であるもう一つ、「家業を継ぐ」という課題がある。本屋に限らず、日本の多くの中小企業、商店が悩んでいる後継者問題である。この作品の中でも知海書房の息子(史弥)や和久興業の息子(靖幸)が居る。親が作り...金曜日の本屋さん

  • アベノマスク

    05/25、我が家にもアベノマスクが届いた。現時点で配布できたのは国民の二割ほどだという。勤め先では素早く50枚入り一箱を所属社員に配布して既に久しい。緊急事態も解除しようかという時に何を今更の感は否めない。差し当たり、日本政府の「具体的な対策」の結果が目の前にある訳だが、個人として何だか寂しいし、悲しい。「迅速に決断し、切れ目なく、スピード感を持って、・・・」等々の勇ましい言葉が虚しく響く。職場では時短が行われ、給料は減額、勿論時間があっても何処にも出掛けられない。何等政府や自治体の支援、援助、サポートといったものが感じられないまま、ただ悶々と自粛する日々であった。一ヵ月や二か月、給料が半減したからといって干上がることもないが、タイミングが悪いというか、間が悪いというか、中には苦境に陥る人も少なくない。そんな...アベノマスク

  • 火刑都市

    島田荘司/講談社文庫2020/03/13初版。出だしから明らかに刑事モノ、警察モノで、東京生まれの中村吉造刑事が主人公。警備員の焼死というスッキリしない事件に遭遇し、疑問を抱きながら徒労と思えるような捜査を積み重ねていく。この過程で読者をドップリ巻き込んでいく。そうするうちに、もう一人の主人公がおぼろげに姿を現してくる。新潟越後寒川の情景は東京モンの中村刑事の視点にして、とてもよく出来ているように思う。東京モンだからこそと、言えるかもしれない。テーマとして殺人事件であることに変わりないが、背景が難しい。この作品には2つの見方があると思う。一つは東京の人為的変貌に対する恐れ、或いは怒りであろうか。東京と越後寒川のあまりに大きな格差への戸惑いもある。もう一つは、自らの存在をどうしても正当化することが出来ない自己矛盾...火刑都市

  • 欅しぐれ

    山本一力/朝日文庫2007年2月28日初版。著者の作品には2014/09/05、「まねき通り十二景」でお目に掛かって以来、久々の登場である。今回の話しは実際、あり得ない話だが、渡世人と商人が同じ書道塾で机を並べ、肩書無しの付き合いから、男の友情に発展といったものが作品のテーマになっている。著者はこのテーマが好きで、同様の作品が多いらしい。特に日頃から細かい事の積み重ねを基とする商人、「士農工商」の最下段である工人(職人)、商人の生活、活動を背景に描くのを得意としているようだ。そして、「士は己を知るもののために死す」という信頼、友情を中心にした作品作りである。著者の「思い定めた確信」をいかに描くかということに尽きる。例えば、185p「雨の降りしきる中、主の危篤を知らせに猪之吉のところに急ぐ誠之助の心象描写」など、...欅しぐれ

  • 日本の歴史をよみなおす

    網野善彦/ちくま学芸文庫2005年7月10日初版、2012年3月10日第22刷。この著作は当初の「日本の歴史をよみなおす」からその後の「続・日本の歴史をよみなおす」を合わせて1冊にしている。続編は更に豊富な資料で裏打ちされた「日本の歴史」の見直しである。ポルトガルの宣教師(ルイス・フロイス)の「日欧文化比較」1562~1579の日本での生活から。おおらかと言うか、野蛮と言うか、現代では考えられないような生活習慣があったようだ。双系的な社会から律令国家になって、父系制に移行を建前とする社会、室町末から江戸初期、あらゆる社会的機会から女性が排除され地位が低下、賤視の対象となって定着したことも歴史の流れとして頷ける。224pから後半(続)、上時国、下時国両家の話し(百姓は農民か)は実に面白かった。豪農、時国家は四艘の...日本の歴史をよみなおす

  • 重大局面、今後の予測5

    8日、9日のピークは50人を下回り、苦肉の策「自粛」の効果が実る形になったようだ。このまま推移すれば最低ラインは10人を切ることも夢ではない。次の山は14日、15日頃と思われるが、「自粛」を続行すればピークを20人以下に持っていける可能性が出て来た。ここで悩ましくも考えなければならないのは経済活動の再起動である。「重大局面、今後の予測3」で指摘した通り、簡単ではない。典型的な韓国の例で言えば、5月6日に外出規制や集会制限などの感染防止策を一部緩和したばかりだったが、ソウル市内の繁華街にある遊興施設で、たった一人の不注意が、感染再燃、感染拡大に火を付けた。当局の追跡調査によれば、5月2日に20代の男が、発熱等の症状があるにもかかわらずライブイベントに来場し、更に同日複数のクラブやバーに立ち寄っていたという。その結...重大局面、今後の予測5

  • 重大局面、今後の予測4

    5月に入って1日、2日と感染者が連続して150人を超えたが、内訳をみれば1/3強は(4/24から4/25頃に感染したであろう)病院の院内感染関係者である。院内感染を除けば、自粛の効果(この戦法が正しかったかどうかは別にして)は確実に出ているように見える。依然、院内感染は収まらないが、それを含めても5日には新たな感染者が58人まで減少した。更に、6日、7日と連続して下げ、3月30日以来の23人となった。明日あたりからまた次の山がやって来るが、院内感染をキッチリ押さえたかどうかで新たな感染者の発生が決まる。8日~9日まで院内感染も含めて50人以下に収まれば、希望も見えてくるのだがどうだろうか。日本中が、この「希望」の瞬間を、息を潜めて待っているのだが、CORONAはそれを嘲笑うかのように出没し、止まることを知らない...重大局面、今後の予測4

  • 村上海賊の娘(一巻)

    和田竜/新潮社文庫2016年7月1日初版、2017年1月10日第9刷。著者の作品は2年程前に「のぼうの城(上下)」でお目に掛かっている。この時の主役は男だったが、今回は女が主役。あまり物事を深く考えない、大胆不敵な村上の姫。醜女で悍婦、しかも大女、ここまでくると思い出すのはイタリアの女優ソフィア・ローレンであろう。いささか古いが、彼女を短パンにして髪を短くし、真っ黒に日焼けしてもらえばピッタリではなかろうか。背が高くて唇が厚くギョロメ目な所など、そっくり。その弟景親は、都合の良い手下のようにコキ使われて、全く弱気の情けない男になってしまったのだが、困りながらも姉者には密かに全幅の信頼を寄せているらしい。荒っぽい事でも男に引けを取らない戦大好きの女海賊なのである。瀬戸内の芸予諸島能島を拠点にした村上海賊の戦国時代...村上海賊の娘(一巻)

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