喧嘩
黒川博行/角川文庫2019年4月25日初版。(2016年12月、角川書店/初版)、疫病神シリーズの6冊目。二宮、桑原のコンビとも言えないような関係と裏社会を出し抜いて生きる活劇モノ。社会派バイオレンスと言えるかもしれないが、ちょっと無理があるか。今回の主な登場人物は「政治家の秘書」である。「政治家の秘書」とくれば利権と贈賄と決まっているようなものである。そこに暴力装置も加わって、二宮、桑原コンビと対決する構図である。「二宮、桑原コンビ」は決して正義の味方ではない。選挙、許認可、既得権益、贈賄という社会悪、不正の弱みに付け込んでカネを引き出すのである。勿論、相手が相手だけに命懸けなのだが、そこはヤ印、弱腰は見せられない。二宮が逃げ腰になった時は既に遅く、桑原は押して押して押しまくるのである。ビビリの二宮、それでも...喧嘩
2021/12/29 13:28