SubTitle「―ネパールと日本で生きた女性―」平尾和雄/旅行人2001年5月1日初版この本には、前回読んだ「ヒマラヤ・スルジェ館物語」より、少し詳しく改めて嫁の「スルジェ」さんを中心にした(著者の視点から見た)話に仕立てている。二人の関係をここまで赤裸々に描写するのも珍しく、なかなか書けるものではない。前署との重複を極力避けて、未だ前署では触れてなかった数々のエピソードで埋められている。中でも大きなウエイトを占めるのは病死の「スルジェ」さんのことだが、「多田保彦の自殺」もなかなか衝撃的なことだった。特に病死の「スルジェ」さんの形相は身に覚えのあるものだった。小生の女房も胃がんで、発見時には既にステージⅣ。外科手術は不能となり、あらゆる抗がん剤治療を試みたがその甲斐も無く、二年後にこの世を去った。「スル...スルジェ