『カクテル・パーティー』(大城立裕著岩波現代文庫2011年刊)沖縄レイプ事件米軍統治友人の薦めで読んだ。本書は、今から60年ほど前も1967年に文芸春秋より刊行された作品を文庫化したものである。作者の大城氏は1925年生まれ、作品の舞台は本土復帰前で米軍統治下にあった沖縄である。親しい(と思っていた)4人のパーティー。そのとき米兵による高校生レイプ事件が起こる。すると、それぞれ自分が日本人、沖縄人、中国人、米国人だったのだということを意識しはじめる。和気あいあいとしていた親善パーティーの空気が一変してしまいう。それぞれが出身国を代表するかのような言葉を吐き始める。米国によるヒロシマ・ナガサキに対する原爆投下を非難する日本人になってしまう。日本によるパールハーバー奇襲攻撃を忘れていない米国人、日本軍による南...大城立裕『カクテル・パーティー』沖縄レイプ事件米軍統治