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幕末血戦録 http://thshinsengumi.seesaa.net/

若者達が異なる信念の元に命を賭した時代、幕末。新撰組と御陵衛士を中心に、人々の生き様を書き記します。

服部武雄
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2013/12/07

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  • 鬼の章(70)

    芹沢が言い終わるのを見届けて、平山が手を挙げた。その合図で周囲の男達が六人ににじり寄る。 「ざっと、五、六十人というところか」 「一人が十人斬れば良い。楽なものだ」 加納、続いて阿部が言った。強がりではある。しかし、なるほど開き直れば無茶な勝負とも思えなかった。 男の一人が奇声と共に集団から飛び出した。男の正面にいたのは内海だ。内海は男の斬撃を捌くと、返す刀でその手を切り上げた。傷は浅かったが、…

  • 鬼の章(69)

    「当たらずとも遠からず、というところかな」 芹沢が不敵な笑みと共に言った。 「さて、まんまとあぶり出された上に奇襲も失敗した訳だが。ここからどうするかね。見たところ、分離派だけの行動ではないようだが」 芹沢の言葉に促される形で、天狗党の視線が加納と篠原に向けられる。 「今更、逃げるわけには行きません」 「だろうね。まあ、逃がしもしないがね」 篠原の精一杯の強がりを笑い飛ばした芹沢の合図に、平山が…

  • 鬼の章(68)

    気付くと、毛内と藤堂、加納と篠原も距離をつめて来ていた。同様に襲撃の好機と判断したためだ。 最早行くしかない。一同が視線を交わせる距離までつめるのと、全員の意志が固まるのは同時だった。6人は一斉に飛び出すと、いっきに芹沢達の眼前に躍り出た。 駆け寄る足音に、平山と野口が驚いたように振り返った。芹沢はやや遅れて、緩慢な仕草で振り返る。その表情からは笑みが消えなかった。 先頭を行く内海と阿部は刀を抜…

  • 鬼の章(67)

    酒席における伊東の発言は、衛士達もさすがに息を飲むものだった。芹沢に自分達を信用させるための方便だとは分かっているものの、やはりあそこまで断言されると一抹の不安を抱かざるを得ない。 だが、それも今となっては些事に等しい。事が動き出した以上、迷いは死に直結するのだ。 芹沢を先頭に歩く京都天狗党の一員は、西本願寺に突き当たるとそのまま南に向かって移動を始めた。内海も阿部も、芹沢達の様子を、その一…

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