鬼の章(77)
「これ程に厄介な相手である事を、敵に回して改めて思い知るとはな」 芹沢が言いながら進み出る。天狗党の男達が、自然に後退りすることで、服部と芹沢が正面から向き合う事になる。 「今からでも遅くはない。儂と来い。共に、この国の新しい未来を築く礎となるのだ」 「私が芹沢さんの力になれるとは思えませんが」 一つ大きく息を吸って呼吸を整えてから、服部はゆっくり答えた。 「まだ、記憶は戻らんか」 「清河殿から…
2021/06/27 22:50
2021年6月 (1件〜100件)
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