鬼の章(70)
芹沢が言い終わるのを見届けて、平山が手を挙げた。その合図で周囲の男達が六人ににじり寄る。 「ざっと、五、六十人というところか」 「一人が十人斬れば良い。楽なものだ」 加納、続いて阿部が言った。強がりではある。しかし、なるほど開き直れば無茶な勝負とも思えなかった。 男の一人が奇声と共に集団から飛び出した。男の正面にいたのは内海だ。内海は男の斬撃を捌くと、返す刀でその手を切り上げた。傷は浅かったが、…
2021/05/23 23:01
2021年5月 (1件〜100件)
「ブログリーダー」を活用して、服部武雄さんをフォローしませんか?