いつの間にか古希を過ぎ、喜寿に近づくきょうこの頃である。もはや若くはないなと感じるのは、どんな時だろう。つい最近、こんなことがあった。一反に満たない田んぼを耕そうとした。八馬力の耕運機をつかい、表面をならそうとこころみた。その機械、なんと昭和四十五年製。爪をひんぱんにまわすと、どこからかオイルが滴ってくる。おそらく機械内部の小さな鋼鉄の球がすりきれ、その隙間からオイルがにじみだしてきているのだろう。購入した機械屋さんに問いあわせると、「もう、部品がないんですよ」その一言でかたづけられた。広い田んぼの耕すのに、躊躇せざるをえないようなご老体である。「この機械、おらに似てるな、まあなんとか共にがんばってくれやな」と声をかけ、ハンドルあたりをなでさすった。我が家には息子が数人いるが、だれひとり、「おれがやるから...生まれついてのせっかち者で。