「くそお。とんでもなく暑い」「ああ。頭がぼーっとしてきたぜ」「気のせいか、景色もぼーっとしているような」「そらあ、おめえの撮影テクがぼーっとしてるせいだ。暑さ…
物書きブログです。エッセイ、詩、短歌、俳句、ショートショート、小説、ギャグ。渾然一体。(^m^)
ショートストーリーの『えとわ(絵と話)』を中心に、ノンジャンルでいろいろ書いています。中・短編小説も公開してありますので、ご一読いただければ幸いです。(^^)
「くそお。とんでもなく暑い」「ああ。頭がぼーっとしてきたぜ」「気のせいか、景色もぼーっとしているような」「そらあ、おめえの撮影テクがぼーっとしてるせいだ。暑さ…
人生の半分はとうに過ぎたはずなんだが、過ぎてどうなったという実感はない。(バーベナ) 六十代の半分も今日過ぎたんだが、過ぎてどうなったという実感はない。(バ…
シーズン9 第七話 航路(2) 有能な魔術師であれば、魔術で万事を解決できるか。決してそんなことはない。むしろ、精進すればするほど魔術で成しうることの限界が見…
シーズン9 第七話 航路(1) 巨竜との戦いは、能うる限り短時間で終わらせねばならなかった。事実その通りになった。だが滅したのは巨竜だけだ。月にあるオストレク…
底は天上よりも涼しいのだだから望んで底にいる底にいれば光が当たらない卑屈になるそれはあながち誤りではないんだがよく考えてみたまえ本当に光が届かない暗所ならば底…
田水が引かれる前。乾いた圃場のそこここに不規則な水たまりができていた。それが六月の始まりだった。 田ではなく畑であっても、まとまった雨が降ったあとに水たまり…
《ショートショート 1512》『流紋』 (ラフ・キャンバス 7)「ううー、うまく描けないなあ」 通っている高校の近くに結構大きな公園があって。そこの中央噴水周…
一面に敷き詰める。 敷き詰められることで面の印象は単調になるはずだが、我々はなぜかその光景を愛でる。(クリーピングタイム)「一面ピンクっていうのはエロくない…
全国一千万のもふもふファンのみなさま。 お待たせいたしました。 ごちゃごちゃ面倒くさいことは申しません。 心ゆくまでもふもふをご堪能くださいませ。 ひあうい…
しゅんかのおぼえ その18 なでしこが、そもそもじゃぱんじゃない
いや……事実そのものなので、コメントのしようがございませぬ。ナデシコ科の園芸植物は、ほとんどが外来のお客様ですね。しかも。どういうわけか濃いピンクの花が多い…
先だっての記事でもちょこっと触れましたが。 長らくユリ科という寄り合い所帯に同居していた一族は、分子生物学的系統分類の進化に伴って、現在ばらばらに解体されて…
太陽を天空から下ろし夜に仕舞うまでのわずかな時間帯その間だけ太陽は偽物になる地を温めることはできず闇を焼き尽くす力もなくまといつく夕雲を払い除けられずぼんやり…
干してあったパンツが風で飛ばされてしまうのは、事故だから仕方がない。 だが、これみよがしに路上に捨てるのは、趣味の悪い軽犯罪だ。 そうだろ? 気づいた人が見…
映画は、明るいタイトルで男前が主演なのにどろっどろのミステリーでしたが。 冬から春にかけてのお寒い時期に地を照らすキク科の太陽たちは、ミステリー抜きの『太陽…
春花のまとめもなかなか画像在庫が減っていきません。六月いっぱいは引っ張ろうかな。 で、此度登場の面々はキンポウゲの仲間です。美しい花を咲かせる園芸植物が多い…
先日、運転免許証を更新してまいりましたが、毎度のこと写真がひどい有様で。(笑 まあ、年も年やし、身繕いもいい加減なので、最初から盛りようがないと諦めておりま…
シロツメクサの葉は三枚でワンセット。 四つ葉を見つけたらラッキー……ですね。 三枚でなければならぬという規則があるでなし。葉っぱなんか何枚セットでもええやん…
スイバ(酸葉)はごくありふれた雑草だ。 冬の間は地面に張り付いて寒さに耐え、春の足音が聞こえてくると同時に花穂を上げる。スイバという名を知らない人でも、咲き…
サザンカも含め、ツバキの仲間は晩秋から翌春までの花の少ない時期を彩る花木だと思われている。 だが、ナツツバキやヒメシャラのように夏に咲くものもあり、交配の進…
季節は夏に向かってまっしぐらなので、春花の画像消化を急ぎます。同系統の記事を連投しますが、どうかご容赦くださいまし。◇ ◇ ◇ 人間は、何かと分けたがるもの…
抑えていた感情が溢れて涙に変わる涙はいつまでも流れ続けるわけではないだが誤解してはいけない涙は止まったわけでも涸れたわけでもないただ乾いたのだ 涙はいろいろな…
散歩中にすごく甘い匂いがするなあと思ったら、タイサンボクのでかい花がばかっと咲いていました。 タイサンボクはモクレンの仲間ですね。管理しやすいように高さを抑…
「籠の中にまた籠を作ったのか」「まあな。籠一つじゃどうも心もとなくてよ」「そらあ、籠じゃないぞ。過保護っていうんだ」「籠の鳥状態を解消して解放してやるんじゃな…
「どうした? 浮かない顔じゃないか」「側ばかりでかくて中身がないって言われたんだ」(カンパニュラ・メディウム)「ああ。言わせとけ。そういう連中は見えないものを…
ちょっとばかり現状報告を。(ドバト) まあ……わたしも一応人間ですので、浮き沈みがあります。わたしゃ本来とことんナマケモノなんですよ。今日できることは明日で…
放っといてと言わなくても、放っておかれる。 放っといて欲しくなくても、放っておかれる。 家の土台だった頃は、壊れないよう頑丈に作られた。 家が壊されたら、頑…
梅雨入りしそうですね。雨ばかりになると見られないものを今のうちに堪能しておきましょうか。ふわ(セイヨウタンポポ)ふわ(ラグラス)ふわわ(チガヤ) でもって。…
花が咲くのはまだまだ先のことなんですが。菊苗の仕立てが始まりました。で、早速害虫被害が出ています。 キクスイカミキリの仕業ですね。先端近くの茎を噛み切って卵…
「ねえ、あんた」「なんだ?」「あたしたち新婚夫婦なんだから、住まい探しは妥協したくないよね」「まあ……原則はそうなんだが」「なにか問題でも?」「時期ハズレはそ…
わたしは細目の部類なので、ぱっちり目の方に憧れます。もっともぱっちり目の方は、「目にごみが入りやすい」「睨んでいないのにガンつけたと凄まれる」等々、それなり…
水影夢か現(うつつ)か其処に在るのだから夢ではない現である在っても掴めないから現ではない夢である我々は夢現の間(はざま)をひたすら彷徨う影は天地を分たず(ムク…
「鶏卵の値段が上がったままやなあ」「鳥インフルの影響とか、いろいろあるらしいで」「価格の優等生やったけど、物価上昇の流れには勝てんか」「その分、わいらが節制し…
シーズン9 第六話 貴賤(2) 溶岩弾を叩き返し籠罠を張ったところで、火山周辺は不気味な沈黙に包まれた。「襲ってきませんね」 演劇の観閲者と化していたテオが、…
シーズン9 第六話 貴賎(1)「間に合うたのか待ち過ぎたのか、わからんのう」 雲一つなく隅々まで晴れ渡った蒼天を見上げ、顔をしかめる。惜しみなく若葉を育ててき…
六月に入りました。 年度替わりに伴うごちゃごちゃが一段落つき、ほっと一息つける時期なんですが。もう梅雨入り間近ですし、五月中旬以降すかっと晴れた日が一日もな…
「おまえ、まだ若いんだろ? 俯いてないで、上を目指せよ。だらしないなあ」「枝垂れ柳に向上心を求めないでください。幽霊の居場所がなくなります。蛙も飛びつけなくな…
《ショートショート 1511》『重ね掛けと削り出し』 (ラフ・キャンバス 6) 最近、妻が画廊巡りにはまり始めた。美術館で鑑賞するには都度入館料を払わなければ…
「紅白に分かれて戦(いくさ)やて、いつの時代の話をしてるん? 今は調和の時代やで、昭和やなくて令和やて? 耳の垢かっぽじってこいっ! 耳は赤くない、赤いのは鼻…
最近は似たような連中が多くてねえ。 見分けがつかなくて困るのは私ら人間だけだから、文句も言えない。やれやれ。(白梅) 去年は花数の割に実が良くなかった。害虫…
慰める相手が石なのは味気ないが石しかないならそこで咲くしかない(スイセン)石の上では咲きたくないけれど石の上で咲いた方が美しいと言われる(ガザニア)咲いて彩る…
去年の夏は猛暑。今年は二、三月にしっかり冷え込んだ日がありました。そういう極端な寒暖に弱い植物は、大切に育てているつもりでも枯れてしまうことが多いんですが。…
確かに栞を挟んだはずなんだ挟んだ栞はちゃんと残っているでも挟めた頁が見当たらない何か大事なことに気がついてそれを読み落とさないようにとしっかり栞を挟んだはずな…
「よく科学番組なんかであるじゃん。花が開いていく様子とか、昆虫の羽化の様子とかを微速度撮影してるやつ」「ああ。本当はすごく時間がかかっているプロセスを、間欠撮…
「虹を真似してみようと思ったんだけどさ。なかなかうまく行かないんだ」「ふうん」(ラナンキュラス)(オステオスペルムム)「七色全部使って咲くのは至難のわざだよね…
フェンスの向こうで咲く花を撮る時にはフェンスは写したくないフェンスの手前で咲く花を撮る時にはフェンスを写し込むもっともフェンスは勝手に写ってしまうけれど(ヤマ…
花は咲くのですが、必ずしも花を見るのが栽培目的ではない植物が結構あります。今回ご紹介する二種のマメ科植物もそうでしょう。 もけもけの草姿と新芽のクリームイエ…
「菜の花は一株だけだといまいちなんだよね。群生するから見事なんだ」「一株だけでも花はちゃんと群生してるよ。俺たちはいつでも十字軍さ。小さいけどね」◇ ◇ ◇ …
今日は短打です。◇ ◇ ◇ 近辺にたくさん植栽されているアツバキミガヨラン。 ランと言っても、ラン科ではなくリュウゼツランの仲間になります。百年に一度の開花…
「風情のある、いい店構えですね。屋号は……ぶんもく、ですか」「君は風情が足りないねえ。あやめ、と読むんだよ」◇ ◇ ◇ アヤメの漢字表記は菖蒲、文目、綾目など…
当たり前っちゃ、あまりにも当たり前なんですが。 植物も人間と同じで、寒いのは苦手です。冬に成長したり花を咲かせたりというへそ曲がりは少数派ですね。多くの植物…
菊は秋花の代名詞になっているが、キク科の植物には春咲きのものの方がずっと多い。早春から初夏に至るまで、数多くのキクがこれでもかと咲き競う。 ただし。そのどさ…
いや、どこがというわけではないんですが。 その実はとても奇妙なんですよ。 オレンジ色のきれいな果実です。こやつを見たこと、ありますか? おそらくどなたもご存…
整えれば美しい。 整えなければ自由だ。 どちらがいい悪いという問題ではないのだが、結局選択を迫られる。 連休中、鹿を見に春日大社に出向き、見頃だった藤を鑑賞…
「最近、ちょっといらいらしててさ」「どして?」「矛盾していることを同時にこなせって言われるんだ」「そらあひでえな」「俺はもともと早食いなんだよ。あんまり噛まな…
春は豆の花が咲き乱れるシーズンでもある。そして花が咲けば、そのあとすぐ豆の莢が育つ。目と口の両方を楽しませてくれるのが、豆のいいところだ。 エンドウマメは多…
咲いている時が幸せなのか、落ちてから幸せになるのかは区々である。必ずしも一意ではない。 俺は目立つのが好きなんだよ。だけど、俺みたいのがいっぱいいると、結局…
春は本当に慌ただしくてねえ。月なんざ見てる余裕はなかったよ。(コマツヨイグサ) 夜咲くと寝不足になるからね。昼に咲くよ。画像のは夕方咲いてるように見えるだろ…
菜の花は代表的な春の風物詩だが、実は有象無象の寄せ集めである。(アブラナ)「暗色系の背景で撮られることが多いんですね」「たまたまさ。撮りに行く一番の近場がそ…
準備には、すごく手間と時間がかかるんだよ。 まだ実りを得ていないうちから翌年の花の準備が始まる。予感の蕾と結末の果実が同居するというのはどうにも珍妙だ。 咲…
ゴールデンウイークが終わってしまいましたね。 季節的には春とはもう言えず、初夏。もうちょい春花をネタに記事を書きたかったなあと思いつつ、気がついたらもう季節…
【目鼻がつく】 物事の全体像や方向性が明確になり、大体の見通しが立つこと そりゃあ、俺だって目鼻がつけば嬉しいよ。 でもさあ。どこが目でどこが鼻かがわからない…
永遠の野原 あとがき(暫定版) 永遠の野原をお読みいただきありがとうございます。実季節に合わせ書き継ぎ、一年四ヶ月かけてピリオドということにしましたが。後半の…
ゴールデンウイークと言っても、その直前まで業務多忙だったため、今は体力気力の回復に努めておりまする。 そんな脱力モードでもこなせるのがガーデニングのいいとこ…
シーズン9 第五話 青竜(2) 私がオルソーの工房を訪ねた時には、なぜかレクトがおらず、クルムがせっせと帳簿を清書していた。「おや? オルソーどの、レクトは?…
シーズン9 第五話 青竜(1) がっ! がきっ! ぎぃん! 硬く激しい剣戟の音が中庭いっぱいに響き渡る。私、テオ、オルム、イルガの四人が、型のある仕合いではな…
風薫る五月風の匂いはどんなだろうと空を嗅ぐ(クスノキ)俺には匂いなんかないよと若造の風が素っ気なく通り過ぎる(ケヤキ)青葉の鮮やかな残り香をこれでもかと振り撒…
『搬出後』 搬出後のがらんとした倉庫に 一人で立っている(ツバキ) 鉄骨に寄りかかって缶コーヒーを飲んでいたら もう一人のアルバイトの青年が声をかけてきた「終…
最終話 永遠の野原(8) 綾瀬さんは、携帯に高木さんからメッセが入っていたのを見て慌てて帰っていった。いや……そういう言い訳をした。失った五十年が無神経な越権…
最終話 永遠の野原(7)「謎かけだけだと話が進まないから、私がどう考えたかを披露しておく。答えじゃないからね。あくまでも私見だよ」 野原に背を向け、眼下の家並…
最終話 永遠の野原(6)「佐々木さん」「うん?」 さあてこれからどうしたものかなあと足元のゴミを見下ろしていたら、背後で綾瀬さんの声がした。「ああ、綾瀬さんか…
最終話 永遠の野原(5) 俺が部屋を訪ねた時、豊島さんはレンズの分厚い眼鏡をかけてノートパソコンのキーをものすごい勢いで叩いていた。「豊島さん、その後いかがで…
最終話 永遠の野原(4)『抜いて放っておけば萎びて土に戻る草と違い、穂坂さんの入植以降野原に持ち込まれたものは、ずっと残るものばかりです。少量なら都度野原の外…
最終話 永遠の野原(3) ラインの方には短い案内だけを出しておく。短文の連打で膨大な情報量をさばくのは、少なくとも俺には無理だからな。『野原ラインのみなさま。…
最終話 永遠の野原(2)「佐々木さん、大変でしたね」「まいったよ。こう続けざまだとなあ」 お袋のあれやこれやで走り回っている間に四月も後半。どんな事情があって…
最終話 永遠の野原(1) お袋の葬儀と施設退所の手続きでばたついた三月下旬。俺たちは、寂しさや悲しさを年度末の慌ただしさで紛らせるようにして予定内外の変化をこ…
ものすごく不幸とか不運というわけじゃないんだが、こつこつ小出しで困ったことが積み重なり、気力ががっつり削がれる。『やなことジャブ』というやつは、本当にしんど…
うちでは、多肉系の面々を冬でも室内に入れず年中ベランダに出しっぱなしにしています。一年に何度かは気温が零下になることがあるので、寒さに弱いものは凍みてアウト…
いや、ふと思ったものですから。 その差はどこから来るのかなあと。 最後に咲き残ったビンカとバラ。どちらも冷気で傷んでぼろぼろです。二者の間で大きな違いはない…
久しぶりに、画像一枚のネタです。 次の画像、違和感を覚えませんか? 特に珍しい植物ではありません。 デンドロビウムですね。 でも。地植えはかわいそうでしょう…
花苗は時期はずれでない限りリーズナブルな価格で購入できますし、毎年新しい苗を使った方が早くきれいに仕上がります。多年草であっても、翌年使わずに新苗に入れ替え…
「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ、だあ? ふざけんな! ぽいっと捨てられたら、自力で浮かぶしかないんだよ!」 漂流中、亀に間違えられてさ。 本物の亀に怒られたん…
『裏声(ファルセット)』る あらあ あれ あるあある あれ お あれ るうううあああこちこちとステンドグラスにぶつかって散り光る賛美歌マリアの足元に横たわる…
ぼくが 枯れ葉に似ているわけじゃない枯れ葉が ぼくに似ているわけでもないぼくのご飯が 枯れ葉ってことじゃないしぼくの子供が 枯れ葉を食べて育つわけでもないぼく…
自分が幸福か不幸かを考える時。 どうしても他人と比べたくなる。 よくわかってるよ。 そんなことをしてもナンセンスだってね。 幸福も不幸も相対値さ。 絶対基準…
色のない世界で、私だけが色を有している。私の鮮黄色は生命の象徴。闇を照らして素晴らしい印象を残すはずなのに。 なぜか世界から疎外され、不恰好にぎらついている…
斃れゆく古い者の合間から新たな者が立ち上がる(ナヨクサフジ)古い者は新たな者を羨まない(ヨモギ)新たな者は古い者を敬わない(ヤハズエンドウ)彼らはよく知ってい…
「鋸なのに、ちっとも切れないんだね」「逆だよ。切り取られたから鋸になったんだ」「切り取り線ばっかで、残る身がないじゃん」「てか、切り取れるもんなら切り取ってみ…
あしあととそくせき。漢字表記は同じ『足跡』。訓読みと音読みの違いだけだ。だが、意味は微妙に異なる。 あしあとは残るものだが、そくせきは残すものなのだ。 自ら…
《ショートショート 1510》『パッチワーク・シンドローム』 (ラフ・キャンバス 5)「こんなの、聞いてないよ。どうしよう……」 応接室に一人残ったわたしは、…
わたしたちはいつの間にか野から連れ出されたのだ(スイセン)並べられて花壇で微笑むようにと強いられたのだ(ヒメリュウキンカ)それはわたしたちの望みではないだから…
これでおわりではない(オオオナモミ)これからはじまるのだ(ホシアサガオ?)みずからおわらせることなどできないはじめなければすぐおわりになってしまうのだから(セ…
世界が白と黒に塗り分けられようとしているだが私はそのどちらにも与したくない(ロウバイ)だから赤を残すほんのわずかでもいい赤を残す(ウメ)塗り分けに抗う意思の熱…
シーズン9 第四話 黄金(2) テオはオルムと同じ、北国ガレリアの出自じゃ。ガレリアは王制国家だが、継代の仕組みが他国と異なっており、国を代表する五つの名家が…
シーズン9 第四話 黄金(1) 寒が緩み、雪が完全に退いて、野山が徐々に薄緑の芽吹きで覆われるようになってきた。待ち望んだ春の到来を受けて、畑を耕す農夫たちの…
(ホトケノザ)Across The Sky by Pat MethenyAcross The Sky大空を大胆に横切り 春の予感が現実に変わるPass Tim…
やっぱり 忙しさには勝てなかったよ(ヒメリュウキンカ) ようやく一息ついた時には 三月が尽きていた(サイネリア) いまを無理に削ってまで 為すべきこと…
第十五話 終の旅(8) 俺の軽と施設の福祉車両二台。総勢十名近い大所帯で野原に向かったが。到着時、野原のアプローチ下にある駐車スペースはすでに芋洗い状態だった…
第十五話 終の旅(7) 急に決まった話だ。日常のスケジュール優先になるから子供らには声をかけないつもりだったが、豊島さんにたしなめられた。「あんたねえ。早苗さ…
第十五話 終の旅(6) 考え事をしていた時間は思ったよりも長かったようだ。とっくに中天を越した太陽は、すでに反対側にぐらりと傾き始めていた。飲まず食わずでずっ…
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「くそお。とんでもなく暑い」「ああ。頭がぼーっとしてきたぜ」「気のせいか、景色もぼーっとしているような」「そらあ、おめえの撮影テクがぼーっとしてるせいだ。暑さ…
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田水が引かれる前。乾いた圃場のそこここに不規則な水たまりができていた。それが六月の始まりだった。 田ではなく畑であっても、まとまった雨が降ったあとに水たまり…
《ショートショート 1512》『流紋』 (ラフ・キャンバス 7)「ううー、うまく描けないなあ」 通っている高校の近くに結構大きな公園があって。そこの中央噴水周…
一面に敷き詰める。 敷き詰められることで面の印象は単調になるはずだが、我々はなぜかその光景を愛でる。(クリーピングタイム)「一面ピンクっていうのはエロくない…
全国一千万のもふもふファンのみなさま。 お待たせいたしました。 ごちゃごちゃ面倒くさいことは申しません。 心ゆくまでもふもふをご堪能くださいませ。 ひあうい…
いや……事実そのものなので、コメントのしようがございませぬ。ナデシコ科の園芸植物は、ほとんどが外来のお客様ですね。しかも。どういうわけか濃いピンクの花が多い…
先だっての記事でもちょこっと触れましたが。 長らくユリ科という寄り合い所帯に同居していた一族は、分子生物学的系統分類の進化に伴って、現在ばらばらに解体されて…
太陽を天空から下ろし夜に仕舞うまでのわずかな時間帯その間だけ太陽は偽物になる地を温めることはできず闇を焼き尽くす力もなくまといつく夕雲を払い除けられずぼんやり…
干してあったパンツが風で飛ばされてしまうのは、事故だから仕方がない。 だが、これみよがしに路上に捨てるのは、趣味の悪い軽犯罪だ。 そうだろ? 気づいた人が見…
映画は、明るいタイトルで男前が主演なのにどろっどろのミステリーでしたが。 冬から春にかけてのお寒い時期に地を照らすキク科の太陽たちは、ミステリー抜きの『太陽…
春花のまとめもなかなか画像在庫が減っていきません。六月いっぱいは引っ張ろうかな。 で、此度登場の面々はキンポウゲの仲間です。美しい花を咲かせる園芸植物が多い…
先日、運転免許証を更新してまいりましたが、毎度のこと写真がひどい有様で。(笑 まあ、年も年やし、身繕いもいい加減なので、最初から盛りようがないと諦めておりま…
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《ショートショート 1474》『二種類の視点』「伊原さん。生まれて初めて飛行機に乗ったってことじゃないんだろ? 恥ずかしいからそんなにきょろきょろそわそわしな…
運がいいとか悪いとか。 人はよく運勢のことを口にする。 だが、それはある時点での判断に過ぎない。 運がいいと判断しても悪いと判断しても、運の影響は一点に定ま…
ストック画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「吸盤があるのはイカとかタコとかの軟体動物だよね」「それだけじゃないよ。他にもいっぱいいるって」「ふ…
ああ、そうさ他の何かに生まれ変わることはできないよどれだけ転生だとか前世だとか言ったところでそうなったのを証明できた人は誰もいないただの一人もねでも新しい自分…
シーズン8 第七話 鷲羽(2) 「手出し無用もなにも、私の出る幕などどこにもないわい。ビクセン公もよう言うわ」 あまりに鮮やかなビクセン公の作戦行動に呆れてぼ…
シーズン8 第七話 鷲羽(1) ケッペリアが酷暑に侵される真夏がやってきた。もちろん、暑さが天敵であるソノーの機嫌はずっと悪い。だが、その機嫌の悪さは暑さがも…
木陰で憩うといい涼しいよ君はそう言ったああそうだね葉群に解き漉かれた優しい光は夏の棘を優しく丸めるきっと木陰は他の誰よりも優しいのだろうでも木陰で憩うことがで…
雨筋が見えない弱い雨にすら隠されてしまう内情がある雨滴の重さを感じられないのに無情にのしかかる定めがある降っている時間はわずかなのに雨音がいつまでも止まない洗…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ ちょい興味があって、野生タヌキのおトイレを定期的にチェックしております。タヌキの溜め糞と言って、彼らは…
読書ノートの275回めは、桂望実さんの『嫌な女』(2010年発表。文庫版は光文社文庫)です。久しぶりにボリュームのある紙本を完読したなあ。(笑 桂さんについ…
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季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「野菜が高くてかなわん」「特にブロッコリー。ついこの前、国の指定野菜に格上げされたんだろ? 安値で流通さ…
《ショートショート 1473》『俯くやつは嫌いだ』 すぐに俯くやつは嫌いだ。卑屈だとか意気地がないとか決めつけているからじゃない。俯くのはコミュニケーション遮…
夏の花が全て白いわけではない。 だが、気づけば白い花を追い、白い花ばかりを集めている。 ああ、そうだよ。 色なんかいつでも着けられる。 自分の色を選ぶまでは…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ ずうっと待てるのはちゃんとメリットがあるからよ。 無目的にぼけっと待ってるなんて阿呆のすること。 そう…
読書ノートの274回めは、窪美澄さんの『いるいないみらい』(2019年発表。文庫版は角川文庫)です。電子本での読書。 窪さんについては『晴天の迷いクジラ』を…
花束と寄せ植え。 どちらも様々な花々の集合体だが、微妙に異なる。 花束はもらうと嬉しいけど、寄せ植えはびみょー。だって、花束は花がダメになったら処分できるけ…
ストック画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ ナズナにしてもタネツケバナにしても、春を代表する野草のはずなんですが、そういう季節感をさっくり無視…
《ショートショート 1472》『涙袋』「朝もはよから何をやっとるんだ、ちみは」「ほっといてんか」 部活の朝練明け。制服に着替えて教室一番乗りーと踏み込んでみた…
「鍛え方が甘いのか、最近は未熟者ばかりじゃのう」「時が来ればちゃんと一人前になりますよ」「尻の青い連中ばかりで頭が痛いわい」「未熟なのにもう赤かったら、尻の叩…