人生の半分はとうに過ぎたはずなんだが、過ぎてどうなったという実感はない。(バーベナ) 六十代の半分も今日過ぎたんだが、過ぎてどうなったという実感はない。(バ…
物書きブログです。エッセイ、詩、短歌、俳句、ショートショート、小説、ギャグ。渾然一体。(^m^)
ショートストーリーの『えとわ(絵と話)』を中心に、ノンジャンルでいろいろ書いています。中・短編小説も公開してありますので、ご一読いただければ幸いです。(^^)
とても美しい物があったとする。その物体が永劫に不変であれば、時代が変わっても美の評価はそれほど変わらないだろう。しかし全ての物体は経年変化する。アクシデント…
猛暑のせいで開花が少し遅れている感はありますが、秋の野花があちこちで咲き誇っています。 えらくちんけなアレチヌスビトハギだなあと思っていたんですが。違いまし…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ もともと照り返しがきつい我が家の超高温ベランダですが、今年の夏は特段に過酷だったようで、比較的丈夫な木…
《ショートショート 1492》『一年の影』 大学教授という職は因果なものだ。現役の時には肩書きに黄門様の印籠並みの威力があるものの、退官して『元』が付くと屁の…
イベントに使う大量のどんぐりを確保する必要があるため、例年10月は猛烈に忙しくなるんですが、今年は昨年に引き続いての猛暑だったためか全体に生りが今いちで。必…
イベントに出かけたので臨時増刊。(^^)◇ ◇ ◇ 10月26、27日の両日、京都府立植物園できのこの展示会が行われていました。第31回と回を重ねていますか…
読書ノートの292回めは、西炯子(にし けいこ)さんの『波のむこうに』(2014年発表。コミックスは小学館文庫)です。 西さんは1986年にプロデビューした…
『営業時間終了間際に入店されるお客様へ、弊店より心よりお願い申し上げます。店員の過重労働をもたらしますので、どうか駆け込み入店はご遠慮くださいませ』「そんなこ…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ この夏は空を見上げるのが辛かった。そこにあるのは慈悲を知らない太陽だけで、常に何もかもを焼き尽くそうと…
《ショートショート 1491》『湧出と噴出』 ぼこぼこと音をたてて湧き出る何か。湧くものが好ましくても好ましくなくても、湧き出てくる何かを押し留めることは難し…
残夏。夏がすっかり終わったわけではない。夏花は、まだあちこちに咲き残っている。それでも。夏の熱は褪せつつある。赤が薄くなっていく。(オジギソウ) オジギソウ…
読書ノートの291回めは、佐倉色(さくら しき)さんの『とある新人漫画家に、本当に起こったコワイ話』(2017年発表。飛鳥新社)です。電子本での読書。 佐倉…
未熟者という表現は、いいたとえとしては使われませんね。じゃあ未熟者だから悪いのかと言えば、それはどうかな、と。そうでしょう? 誰であっても、熟する前のステー…
第十話 帰還(5) ショックでしゃがみこんでしまった綾瀬さんを力任せに野原から引きずり出し、豊島さんが待っているところまで戻る。俺と綾瀬さんのやり取りを見てい…
第十話 帰還(4) これまでの豊島さんなら、付き合いが長い俺にすら身の上話なんか絶対にしなかっただろう。だが、孤独に耐える強靭な精神力があっても、一人で生きて…
第十話 帰還(3) 鬼のような形相を崩さないまま。それでも豊島さんはきっぱり言った。「あたしは運がよかったんだ」 そのあと豊島さんがだあっとまくしたてた一部始…
第十話 帰還(2) 家にいれば、どうしても身の回りのことをこなさなければならない。実際にするしないは別にして、家事山積の中にすっぽり嵌ってしまうとちっとも気が…
第十話 帰還(1) 「ふう……俺もトシだな」 少しずつ枯れ草の藁色が混じり始めた野原を見渡し、牧柵に両腕を預けて溜息をつく。 俺は鈍臭いから、同時並行で何かを…
すぺしゃりすと なんでもできるのが必ずしもいいわけではないのです。一芸に秀でるといわれるように、一つのことをとことん突き詰めるのもまた生き残る道なのですから。…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ 生き物中心に写真を撮っていますのでどうしても判じ物は多くなりますが、珍しいものに遭遇する機会はそうそう…
《ショートショート 1490》『幻の色』 (カラー・ミー 5)「ぐええ、こんがり丸焼けだー」「むー、困ったあ。どうする? モル」「むうう」 イーゼル立ててキャ…
臭いものに蓋と言うが、ちゃちな蓋で隠せるような汚点や恥部なら最初から大したもんじゃない。蓋なんざしないで、ちゃんとどぶさらいした方がいい。 そもそも蓋っての…
読書ノートの290回め。近況と読書状況をちびっと。 長すぎた夏の酷暑がやっと治ったと思ったら、今度は怒涛の繁忙期がやってまいりました。(^^;; 今年はイベ…
昨年の猛暑少雨が今年も続くとは思いませんでした。予想外の事態に慌てたのは我々人間だけではなく、植物も同じなんですよね。 梅雨明け十日どころか二ヶ月以上まとも…
《ショートショート 1489》『影の色』 (カラー・ミー 4) 影に色なんざあるものかと、父は鼻で笑った。持論にとことんしがみつく人だとわかっていたから、私は…
言いたいことを言わないのと言えないのは違う。言わないのは我慢だが、言えないのは強制だ。我慢は強弱を自己調整できるが、強制される箝口(かんこう)にはひたすら忍…
読書ノートの289回めは、小野寺史宣さんの『今日も町の隅で』(2020年発表。文庫版は角川文庫)です。小野寺さんの近作ですね。電子本での読書。 小野寺さんに…
西風の精が群舞を踊る季節になりました。 外来植物でありながら、まるでずっと昔からそこにいたかのように秋雨に合わせて咲き出すゼフィランセス。夏の終わり、もしく…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ 例年だともっと虫ネタが多くなるんですが、今夏が極端な高温少雨だったせいか虫の姿がさっぱり見られなくて……
《ショートショート 1488》『オレンジとピンク』 (カラー・ミー 3) 仕事帰りに立ち寄るショッピングセンターの入り口付近に、小さな花屋のブースがある。一坪…
「そろそろ長かった猛暑も一段落。日傘をしまう前に、ちゃんと広げて乾かしておかないとね」「……そうね」(オオシロカラカサタケ)「この傘には一つもいい思い出がない…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ ようやく猛暑が一段落しましたが、七月、八月の暑い最中に撮った中・遠景の画像はもれなく白飛びしていました…
読書ノートの288回めは、瀬尾まいこさんの『優しい音楽』(2008年発表。文庫版は双葉文庫)です。瀬尾さんの作品としては比較的初期のものになりますね。 瀬尾…
出穂。出水ではなく、穂が出ること。 イネ科やカヤツリグサ科などの単子葉植物では、蕾が上がるというより穂が出るという表現の方がしっくりくる。 穂が出るのは好ま…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)「反魂の秘法が存在すると思うかい?」「思いません」「即答だな」「そんなものがあれば、現世が亡者だらけになります」「…
シーズン8 第十話 純白(2) 執務室に二人の執事、ソノーとペテルを呼び、対策を話し合うことにする。ドアを閉めて部屋を魔術で封鎖したのち、二人に筆記を禁じた。…
シーズン8 第十話 純白(1) そろそろスカラの修了が見え隠れしていたレクトはともかく、こちらに来てスカラに通い始めたばかりのクルムまでもが屋敷を出て鍛冶屋に…
美しい薔薇が春に咲いていれば春の歓びを堪能することができる逞しい薔薇が夏に咲いていれば夏の疲れを癒すことができる健気な薔薇が冬に咲いていれば冬の凍えを和らげる…
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人生の半分はとうに過ぎたはずなんだが、過ぎてどうなったという実感はない。(バーベナ) 六十代の半分も今日過ぎたんだが、過ぎてどうなったという実感はない。(バ…
シーズン9 第七話 航路(2) 有能な魔術師であれば、魔術で万事を解決できるか。決してそんなことはない。むしろ、精進すればするほど魔術で成しうることの限界が見…
シーズン9 第七話 航路(1) 巨竜との戦いは、能うる限り短時間で終わらせねばならなかった。事実その通りになった。だが滅したのは巨竜だけだ。月にあるオストレク…
底は天上よりも涼しいのだだから望んで底にいる底にいれば光が当たらない卑屈になるそれはあながち誤りではないんだがよく考えてみたまえ本当に光が届かない暗所ならば底…
田水が引かれる前。乾いた圃場のそこここに不規則な水たまりができていた。それが六月の始まりだった。 田ではなく畑であっても、まとまった雨が降ったあとに水たまり…
《ショートショート 1512》『流紋』 (ラフ・キャンバス 7)「ううー、うまく描けないなあ」 通っている高校の近くに結構大きな公園があって。そこの中央噴水周…
一面に敷き詰める。 敷き詰められることで面の印象は単調になるはずだが、我々はなぜかその光景を愛でる。(クリーピングタイム)「一面ピンクっていうのはエロくない…
全国一千万のもふもふファンのみなさま。 お待たせいたしました。 ごちゃごちゃ面倒くさいことは申しません。 心ゆくまでもふもふをご堪能くださいませ。 ひあうい…
いや……事実そのものなので、コメントのしようがございませぬ。ナデシコ科の園芸植物は、ほとんどが外来のお客様ですね。しかも。どういうわけか濃いピンクの花が多い…
先だっての記事でもちょこっと触れましたが。 長らくユリ科という寄り合い所帯に同居していた一族は、分子生物学的系統分類の進化に伴って、現在ばらばらに解体されて…
太陽を天空から下ろし夜に仕舞うまでのわずかな時間帯その間だけ太陽は偽物になる地を温めることはできず闇を焼き尽くす力もなくまといつく夕雲を払い除けられずぼんやり…
干してあったパンツが風で飛ばされてしまうのは、事故だから仕方がない。 だが、これみよがしに路上に捨てるのは、趣味の悪い軽犯罪だ。 そうだろ? 気づいた人が見…
映画は、明るいタイトルで男前が主演なのにどろっどろのミステリーでしたが。 冬から春にかけてのお寒い時期に地を照らすキク科の太陽たちは、ミステリー抜きの『太陽…
春花のまとめもなかなか画像在庫が減っていきません。六月いっぱいは引っ張ろうかな。 で、此度登場の面々はキンポウゲの仲間です。美しい花を咲かせる園芸植物が多い…
先日、運転免許証を更新してまいりましたが、毎度のこと写真がひどい有様で。(笑 まあ、年も年やし、身繕いもいい加減なので、最初から盛りようがないと諦めておりま…
シロツメクサの葉は三枚でワンセット。 四つ葉を見つけたらラッキー……ですね。 三枚でなければならぬという規則があるでなし。葉っぱなんか何枚セットでもええやん…
スイバ(酸葉)はごくありふれた雑草だ。 冬の間は地面に張り付いて寒さに耐え、春の足音が聞こえてくると同時に花穂を上げる。スイバという名を知らない人でも、咲き…
サザンカも含め、ツバキの仲間は晩秋から翌春までの花の少ない時期を彩る花木だと思われている。 だが、ナツツバキやヒメシャラのように夏に咲くものもあり、交配の進…
季節は夏に向かってまっしぐらなので、春花の画像消化を急ぎます。同系統の記事を連投しますが、どうかご容赦くださいまし。◇ ◇ ◇ 人間は、何かと分けたがるもの…
抑えていた感情が溢れて涙に変わる涙はいつまでも流れ続けるわけではないだが誤解してはいけない涙は止まったわけでも涸れたわけでもないただ乾いたのだ 涙はいろいろな…
ああ、そうさ他の何かに生まれ変わることはできないよどれだけ転生だとか前世だとか言ったところでそうなったのを証明できた人は誰もいないただの一人もねでも新しい自分…
シーズン8 第七話 鷲羽(2) 「手出し無用もなにも、私の出る幕などどこにもないわい。ビクセン公もよう言うわ」 あまりに鮮やかなビクセン公の作戦行動に呆れてぼ…
シーズン8 第七話 鷲羽(1) ケッペリアが酷暑に侵される真夏がやってきた。もちろん、暑さが天敵であるソノーの機嫌はずっと悪い。だが、その機嫌の悪さは暑さがも…
木陰で憩うといい涼しいよ君はそう言ったああそうだね葉群に解き漉かれた優しい光は夏の棘を優しく丸めるきっと木陰は他の誰よりも優しいのだろうでも木陰で憩うことがで…
雨筋が見えない弱い雨にすら隠されてしまう内情がある雨滴の重さを感じられないのに無情にのしかかる定めがある降っている時間はわずかなのに雨音がいつまでも止まない洗…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ ちょい興味があって、野生タヌキのおトイレを定期的にチェックしております。タヌキの溜め糞と言って、彼らは…
読書ノートの275回めは、桂望実さんの『嫌な女』(2010年発表。文庫版は光文社文庫)です。久しぶりにボリュームのある紙本を完読したなあ。(笑 桂さんについ…
「警報ってのは、迫り来る危機に速やかに備えなさいと鳴らされるものだろ?」「ああ」「その危機が来なかったら、俺たちは言うわけだよ。なんだ、脅かしやがってと」「ま…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「野菜が高くてかなわん」「特にブロッコリー。ついこの前、国の指定野菜に格上げされたんだろ? 安値で流通さ…
《ショートショート 1473》『俯くやつは嫌いだ』 すぐに俯くやつは嫌いだ。卑屈だとか意気地がないとか決めつけているからじゃない。俯くのはコミュニケーション遮…
夏の花が全て白いわけではない。 だが、気づけば白い花を追い、白い花ばかりを集めている。 ああ、そうだよ。 色なんかいつでも着けられる。 自分の色を選ぶまでは…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ ずうっと待てるのはちゃんとメリットがあるからよ。 無目的にぼけっと待ってるなんて阿呆のすること。 そう…
読書ノートの274回めは、窪美澄さんの『いるいないみらい』(2019年発表。文庫版は角川文庫)です。電子本での読書。 窪さんについては『晴天の迷いクジラ』を…
花束と寄せ植え。 どちらも様々な花々の集合体だが、微妙に異なる。 花束はもらうと嬉しいけど、寄せ植えはびみょー。だって、花束は花がダメになったら処分できるけ…
ストック画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ ナズナにしてもタネツケバナにしても、春を代表する野草のはずなんですが、そういう季節感をさっくり無視…
《ショートショート 1472》『涙袋』「朝もはよから何をやっとるんだ、ちみは」「ほっといてんか」 部活の朝練明け。制服に着替えて教室一番乗りーと踏み込んでみた…
「鍛え方が甘いのか、最近は未熟者ばかりじゃのう」「時が来ればちゃんと一人前になりますよ」「尻の青い連中ばかりで頭が痛いわい」「未熟なのにもう赤かったら、尻の叩…
ストック画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ 変なやつだと言われて喜ぶ人はあまりませんよね。 いたとしたら、その人がリアルに変なのでしょう。(笑…
第六話 涙雨(5) しばらく黙っていた男が、俺にではなく自分に言い聞かせるようにしてぼそっと呟いた。「俺は……どうすりゃいいんだ」「さあ。それはあんたにしか決…
第六話 涙雨(4) 男は、俯いたまましばらく口を開かなかった。髪や髭に溜まっていた雨滴が、まるで涙のように一斉に男の足元に降り注ぐ。俺は男が何か言い出すまで黙…