人生の半分はとうに過ぎたはずなんだが、過ぎてどうなったという実感はない。(バーベナ) 六十代の半分も今日過ぎたんだが、過ぎてどうなったという実感はない。(バ…
物書きブログです。エッセイ、詩、短歌、俳句、ショートショート、小説、ギャグ。渾然一体。(^m^)
ショートストーリーの『えとわ(絵と話)』を中心に、ノンジャンルでいろいろ書いています。中・短編小説も公開してありますので、ご一読いただければ幸いです。(^^)
「八月は暑すぎて、空の青も海の青も冴えなかったな」「俺たちの方がずっと青かったぜ」(ヤグルマギク) 青はうんと深くないと涼しくならない。熱に炙られて褪せた青は…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ なあにが夏バテだ! がっつり食わないからバテるんだよ。原因と結果が逆だ!(クヌギを食害中のヒメクロイラ…
《ショートショート 1483》『割符の破片と欠けた印璽』 (オーバーテン 9)「また、ずいぶんとけったいなものが出てきたなあ」 俺がぼやいたら、ヤン教授が平然…
それはほんのちいさな穴に過ぎない。 穴が欠点を意味するのであれば、その穴が大きければ大きいほど面倒なことになる。だが、大きな穴は目に見える。穴があることに気…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「すみませーん、テレビ局の者なんですけど、インタビューさせてくださーい。あなたたちはカップルなんですか?…
読書ノートの282回めは、東川篤哉さんの『もう誘拐なんてしない』(2008年発表。文庫版は文春文庫)です。電子本での読書。 東川さんは初読みの作家さん。推理…
何事にもルールを当てはめたがる人がいる。 もちろんルールの遵守は大事なことだが、ルールにどのような意味があるのか、そもそもそんなルールがあるのかについてはき…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ 猛暑の影響もあってか、今年は例年以上にアカメガシワが豊作なように思います。 アカメガシワは身近に多く在…
「不思議だとは思わんかね」「何が、ですか?」「生きているものが生きていないものを彩るってことだよ」「さあ。どこにでも普通にある光景なので、意識したことはありま…
ストック画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「納得いかんよなあ」「まったくだ!」(アベリア)「萼(がく)ってのは花を支えるバイプレーヤーだよな」…
《ショートショート 1482》『留まる者から旅立つ者へのメッセージ』 (オーバーテン 8)「ここに残るのか」「残る」 私の宣言を聞いた全員が絶句ししていた。だ…
虫けらのように扱われても僕らは人間だと思っているし実際に人間だだから僕らは虫けらを見下ろしている見下ろす意識はなくても見下ろしている(エノコログサ)虫にならな…
ストック画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「シダってさ。なんでシダって言うわけ?」「下に生えてて、ちょっと重いから、てんてん付き」「ほんとー?…
読書ノートの283回めは、北夏輝さんの『狐さんの恋結び』(2014年発表。文庫版は講談社文庫)です。 北さんは大学在学時に作家デビューされた学生作家さんで、…
「こう暑いんじゃあ、ぱりっとなんかできひんわなあ」「どうにも冴えんわ」(エボルブルス) もっと青いはずだと言われてもなあ これが地色なんだよ もっと赤くなれと…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「こう毎日毎日猛暑続きじゃねえ。どこかで涼んでいかないとやってらんないわ」「同感、同感。カフェでお茶しま…
第八話 夏休み(5) 優の『俺の子じゃない』発言や雅美さんの登場はまるっきりの予想外だったが、優よりは会話しやすい雅美さんが来たことで、あっさり一件落着になっ…
第八話 夏休み(4) 感情が落ち着くまで結構時間がかかると思ったんだが。雅美さんはよろよろと立ち上がって膝の土を払った。今日はスーツじゃなく、カジュアルなスタ…
第八話 夏休み(3) 優の暴露は、大ショックなんていう生易しいものじゃなかった。天地がひっくり返るかと思ったわ。よくマンガで見かける驚きの表現。両目が飛び出し…
第八話 夏休み(2) ぼーっとしたままの優に「いいかげんにしろ」とでかい雷を落としたところで、暖簾(のれん)に腕押しだろう。どういう風に話を切り出したものかと…
第八話 夏休み(1) 八月も後半に入って、野原の草もいささか緑の色が褪せてきた。猛暑を凌ぎ切ったところで疲れが出るのは、俺たちとそれほど変わらないということな…
「裏がある? そらそうだがよ。表しかないようなやつはお化けだ」 ということで、裏があるセイシボクです。青紫木と書いて、セイシボク。どこが青紫色なんだと思います…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「今時、黒服なんて流行らんよなあ」「暑いし、重いし、いかついし」「その筋の人とか、お水系とか、スパイとか…
すぐに枯れてしまう花は捧げないよ見たい花はいつでもどこのものでも見下ろせるだろうからすぐに傷んでしまう供物は備えないよ食べたい甘いものも飲みたいお酒も無制限に…
ストック画像消化のための臨時増刊です。(^^)君は夏に焼き落とされて影になってしまった己を取り戻すと言った(ケヤキ)僕は逆さ焼き落とされて棘が目立たなくなっ…
《ショートショート 1481》『いかなる法も心を縛ることはできない』 (オーバーテン 7)「やっと終わりましたね」「裁判はな」 傍聴を終えて裁判所から出てきた…
怒るというところまで行かなくても、「ちょっとやめてよー」というイライラが口から出てしまうことがあります。わたしの場合、どうしても言い過ぎちゃう。相手の言動や…
どくしょのーと 281 ぷろのかぎやもこころのかいじょうにはてこずる
読書ノートの281回めは、黒野伸一さんの『鍵のことなら、なんでもお任せ』(2016年発表。文庫版は徳間文庫)です。電子本での読書。 黒野さんについてはこれま…
「日常なんてものはないよ」「どうしてですか?」「同じ状況がずっと続くってことはありえないからさ」「そうかなあ。代わり映えしない日々がずっと続いています。それは…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「この前の噴水はどうにもあかんかったな」「そもそもあれが噴水かっていう話やったし」「俺ら、保守本流に回帰…
(アーティチョーク)「やべえ、完全にせんこーに目ぇつけられちまったぜ。髪ぃだらしねえって」「でもよう、俺らライオンズの高橋光成みたいなロンゲじゃねえぜ」「おっ…
ストック画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「俺たちは、誰かや何かに縛られた生き方なんざまっぴらだ」「同感。誰かや何かを縛るのは大好きだけどな」…
《ショートショート 1480》『透けて見えるもの』 嫁いでいった姉貴があっさりと出戻ってきた。いや、出戻ってきたというのは語弊があるかもしれない。そもそも家族…
「鬼が人に飼われるなぞ論外だ。恥ずかしいと思わんのか」 草むらの中から伸び上がっていた鬼百合が、不愉快そうに吐き捨てる。その姿を見て、ああそうだったなと得心す…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)夏でなくともラッパはもともと騒がしいものだだが夏だからこそラッパの騒がしさが一段と輝く(コンボルブルス・クネオルム…
読書ノートの280回め。近況と読書状況をちびっと。 どうしようもなく暑いので、いろいろなことが捗らない上にへまばかりしでかしています。ちょっとへこみ気味。(…
花が咲いている時ですら誰にも見てもらえなかった雑草ですが。枯れてから意外な姿を見せてくれることがあります。 あんた、誰だい? 見かけない顔だが。「見かけない…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)(オオシオカラトンボのつがい)「大人になると、俺たちは色きちがいになるんだ」「ちょっとあんた! 日本語は正確に使わな…
《ショートショート 1479》『残光』「光は本来残らないものだ。残っているように見えるのは、どこからか光が迷い込んでいるからであり、その光は常に新しい。残るな…
結果は、最初から決まっているわけではありません。起点があって、経過があって、最後に至るのが結果ですから。でも。わたしたちはともすれば出発点とゴールだけを意識…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ いつもなら、こんなにいっぱいどうすべと頭を抱えるくらい虫画像が溜まるんですが、今年は全体に虫がいない印…
シーズン8 第八話 漁夫(2) まず屋敷の住人全員に鍵を示して見たことがあるかどうかを確かめたが、全員が知らぬと答えた。私にも全く見覚えがない。各々の表情を見…
シーズン8 第八話 漁夫(1)「なるほど。無理からぬことじゃ」 止むことなく燃え盛り続ける真夏の陽光を見上げ、白土の上に汗染みを垂らしながら心底納得する。 サ…
探しているのはただの木陰じゃないんだだってさ(コナラ)暗すぎたら本が読みにくい明るすぎたら暑くて我慢できない(カツラ)ちょうどいい木陰を探しているんだけどなか…
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人生の半分はとうに過ぎたはずなんだが、過ぎてどうなったという実感はない。(バーベナ) 六十代の半分も今日過ぎたんだが、過ぎてどうなったという実感はない。(バ…
シーズン9 第七話 航路(2) 有能な魔術師であれば、魔術で万事を解決できるか。決してそんなことはない。むしろ、精進すればするほど魔術で成しうることの限界が見…
シーズン9 第七話 航路(1) 巨竜との戦いは、能うる限り短時間で終わらせねばならなかった。事実その通りになった。だが滅したのは巨竜だけだ。月にあるオストレク…
底は天上よりも涼しいのだだから望んで底にいる底にいれば光が当たらない卑屈になるそれはあながち誤りではないんだがよく考えてみたまえ本当に光が届かない暗所ならば底…
田水が引かれる前。乾いた圃場のそこここに不規則な水たまりができていた。それが六月の始まりだった。 田ではなく畑であっても、まとまった雨が降ったあとに水たまり…
《ショートショート 1512》『流紋』 (ラフ・キャンバス 7)「ううー、うまく描けないなあ」 通っている高校の近くに結構大きな公園があって。そこの中央噴水周…
一面に敷き詰める。 敷き詰められることで面の印象は単調になるはずだが、我々はなぜかその光景を愛でる。(クリーピングタイム)「一面ピンクっていうのはエロくない…
全国一千万のもふもふファンのみなさま。 お待たせいたしました。 ごちゃごちゃ面倒くさいことは申しません。 心ゆくまでもふもふをご堪能くださいませ。 ひあうい…
いや……事実そのものなので、コメントのしようがございませぬ。ナデシコ科の園芸植物は、ほとんどが外来のお客様ですね。しかも。どういうわけか濃いピンクの花が多い…
先だっての記事でもちょこっと触れましたが。 長らくユリ科という寄り合い所帯に同居していた一族は、分子生物学的系統分類の進化に伴って、現在ばらばらに解体されて…
太陽を天空から下ろし夜に仕舞うまでのわずかな時間帯その間だけ太陽は偽物になる地を温めることはできず闇を焼き尽くす力もなくまといつく夕雲を払い除けられずぼんやり…
干してあったパンツが風で飛ばされてしまうのは、事故だから仕方がない。 だが、これみよがしに路上に捨てるのは、趣味の悪い軽犯罪だ。 そうだろ? 気づいた人が見…
映画は、明るいタイトルで男前が主演なのにどろっどろのミステリーでしたが。 冬から春にかけてのお寒い時期に地を照らすキク科の太陽たちは、ミステリー抜きの『太陽…
春花のまとめもなかなか画像在庫が減っていきません。六月いっぱいは引っ張ろうかな。 で、此度登場の面々はキンポウゲの仲間です。美しい花を咲かせる園芸植物が多い…
先日、運転免許証を更新してまいりましたが、毎度のこと写真がひどい有様で。(笑 まあ、年も年やし、身繕いもいい加減なので、最初から盛りようがないと諦めておりま…
シロツメクサの葉は三枚でワンセット。 四つ葉を見つけたらラッキー……ですね。 三枚でなければならぬという規則があるでなし。葉っぱなんか何枚セットでもええやん…
スイバ(酸葉)はごくありふれた雑草だ。 冬の間は地面に張り付いて寒さに耐え、春の足音が聞こえてくると同時に花穂を上げる。スイバという名を知らない人でも、咲き…
サザンカも含め、ツバキの仲間は晩秋から翌春までの花の少ない時期を彩る花木だと思われている。 だが、ナツツバキやヒメシャラのように夏に咲くものもあり、交配の進…
季節は夏に向かってまっしぐらなので、春花の画像消化を急ぎます。同系統の記事を連投しますが、どうかご容赦くださいまし。◇ ◇ ◇ 人間は、何かと分けたがるもの…
抑えていた感情が溢れて涙に変わる涙はいつまでも流れ続けるわけではないだが誤解してはいけない涙は止まったわけでも涸れたわけでもないただ乾いたのだ 涙はいろいろな…
ああ、そうさ他の何かに生まれ変わることはできないよどれだけ転生だとか前世だとか言ったところでそうなったのを証明できた人は誰もいないただの一人もねでも新しい自分…
シーズン8 第七話 鷲羽(2) 「手出し無用もなにも、私の出る幕などどこにもないわい。ビクセン公もよう言うわ」 あまりに鮮やかなビクセン公の作戦行動に呆れてぼ…
シーズン8 第七話 鷲羽(1) ケッペリアが酷暑に侵される真夏がやってきた。もちろん、暑さが天敵であるソノーの機嫌はずっと悪い。だが、その機嫌の悪さは暑さがも…
木陰で憩うといい涼しいよ君はそう言ったああそうだね葉群に解き漉かれた優しい光は夏の棘を優しく丸めるきっと木陰は他の誰よりも優しいのだろうでも木陰で憩うことがで…
雨筋が見えない弱い雨にすら隠されてしまう内情がある雨滴の重さを感じられないのに無情にのしかかる定めがある降っている時間はわずかなのに雨音がいつまでも止まない洗…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ ちょい興味があって、野生タヌキのおトイレを定期的にチェックしております。タヌキの溜め糞と言って、彼らは…
読書ノートの275回めは、桂望実さんの『嫌な女』(2010年発表。文庫版は光文社文庫)です。久しぶりにボリュームのある紙本を完読したなあ。(笑 桂さんについ…
「警報ってのは、迫り来る危機に速やかに備えなさいと鳴らされるものだろ?」「ああ」「その危機が来なかったら、俺たちは言うわけだよ。なんだ、脅かしやがってと」「ま…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「野菜が高くてかなわん」「特にブロッコリー。ついこの前、国の指定野菜に格上げされたんだろ? 安値で流通さ…
《ショートショート 1473》『俯くやつは嫌いだ』 すぐに俯くやつは嫌いだ。卑屈だとか意気地がないとか決めつけているからじゃない。俯くのはコミュニケーション遮…
夏の花が全て白いわけではない。 だが、気づけば白い花を追い、白い花ばかりを集めている。 ああ、そうだよ。 色なんかいつでも着けられる。 自分の色を選ぶまでは…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ ずうっと待てるのはちゃんとメリットがあるからよ。 無目的にぼけっと待ってるなんて阿呆のすること。 そう…
読書ノートの274回めは、窪美澄さんの『いるいないみらい』(2019年発表。文庫版は角川文庫)です。電子本での読書。 窪さんについては『晴天の迷いクジラ』を…
花束と寄せ植え。 どちらも様々な花々の集合体だが、微妙に異なる。 花束はもらうと嬉しいけど、寄せ植えはびみょー。だって、花束は花がダメになったら処分できるけ…
ストック画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ ナズナにしてもタネツケバナにしても、春を代表する野草のはずなんですが、そういう季節感をさっくり無視…
《ショートショート 1472》『涙袋』「朝もはよから何をやっとるんだ、ちみは」「ほっといてんか」 部活の朝練明け。制服に着替えて教室一番乗りーと踏み込んでみた…
「鍛え方が甘いのか、最近は未熟者ばかりじゃのう」「時が来ればちゃんと一人前になりますよ」「尻の青い連中ばかりで頭が痛いわい」「未熟なのにもう赤かったら、尻の叩…
ストック画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ 変なやつだと言われて喜ぶ人はあまりませんよね。 いたとしたら、その人がリアルに変なのでしょう。(笑…
第六話 涙雨(5) しばらく黙っていた男が、俺にではなく自分に言い聞かせるようにしてぼそっと呟いた。「俺は……どうすりゃいいんだ」「さあ。それはあんたにしか決…
第六話 涙雨(4) 男は、俯いたまましばらく口を開かなかった。髪や髭に溜まっていた雨滴が、まるで涙のように一斉に男の足元に降り注ぐ。俺は男が何か言い出すまで黙…