シーズン8 第五話 看護(1)「ふううっ。やはり反動が出たか」 眠っているフィンの額に手を当て、大きな溜息を漏らす。 春も盛りを過ぎ、青葉が花の色を隠すように…
物書きブログです。エッセイ、詩、短歌、俳句、ショートショート、小説、ギャグ。渾然一体。(^m^)
ショートストーリーの『えとわ(絵と話)』を中心に、ノンジャンルでいろいろ書いています。中・短編小説も公開してありますので、ご一読いただければ幸いです。(^^)
もう夏は終わったのだろうか(スイレン)まだ秋の気配は感じられないけれど(シナモンマートル) 花の始まりと終わりは、必ずしも判然としない。 これから咲くのだと思…
いろいろな色の花があると カラフルで楽しい ごちゃつくこともあるけどね(アジサイ) いろいろな性格の人がいると 退屈しない 揉めることの方が多いけどね(セン…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ 厳しい残暑もたまりませんが、それ以上に深刻だったのが少雨。雷雲はひっきりなしに沸くものの、どこに雨を降…
ええと。 まず三枚の画像を見ていただこうと思います。 これらは見た目がかーなり違いますが、どれもケヤキの若木なんです。 一枚目は擁壁の隙間に窮屈に生えていた…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「おまえら、やすんでばかりだな」「このくっそ暑いのに、ちんたら翔んでられっかよ」「おまえらの名前は翔ぼう…
《ショートショート 1422》『苔と残骸』 そこはちょっとした緑地だったが、地を緑色に染めているのは草木ではなくびっしりと生えそろった苔だった。 苔の絨毯の上…
マメ科の園芸植物には春咲きのものが圧倒的に多いので、盛夏にはあまり花を見かけません。 でも、まるっきりないというわけでもないんです。暑いさなかに花を見せてく…
季節画像消化のための臨時増刊です。◇ ◇ ◇ まだ残暑が厳しいので、あまりアタマを使わないネタで行きましょう。「さあ。ぼくは、どーこだ?」(1)(2)(3)…
暑さをしのぐ?何けちくさいこと言ってるんだあんたたちのいう「しのぐ」は我慢する、やり過ごす、だろ?俺たちの「しのぐ」は違うぜ上回る、超える、だからな 炎暑を赤…
かべちょろ。 かべをちょろちょろするいきもの。 あまりいいイメージはありませんね。 Gであったり。ヤモリであったり、アシダカグモであったり。 かべちょろを見…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ 世の中には必ずいるんだよ。何のボタンかも知らないで、なんでも押しちまうやつが。 ボタンに引力があること…
《ショートショート 1421》『珠を隠す』「エクタさま。どうするんですか?」「私に聞くなよ!」 騎士団長のエクタ・ロンドールは困り果てていた。王国の謁見室で、…
「なあ、よく洗剤のCMで、驚きの白さにってのがあるだろ」「ああ、あるある」「驚くほど白いってのはどのくらいなのかな」「白すぎて見えないってことじゃないのか」「…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)「失礼ね! サボってるわけじゃないわよ。働きバチだって、ご飯食べないと働けないわ!」 そっすか。「それにしても、こ…
「二人というと、どうしても夫婦とか恋人同士とか、そういう見方をされがちだな」「そっちには二人じゃなく、ペアという表現を使ってもらいたいね」「同感だ。二人はあく…
ええと。最初にお断りしておきます。 本日お見せする面々は葉っぱだけ。それもみんな同じような感じのもの。ちっとも面白くないと思いますが、ご容赦ください。(^^…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「ふさふさだな」「白髪ばっかりだけどね」 お尻に白い毛の束を持っていて、それを傘のように自分の上に差し掛…
《ショートショート 1420》『隙間』 (しーなりー 11) 夏本番になり、樹影がすっかり濃くなった。冬は青ばかりだった上空は、一面の緑でびっしり塗り潰されて…
お詫びの臨時投稿っす。 水円%寄生虫……違った帰省中です。 猛暑でぼーっとしていて、下書き記事をうっかり大量にアップしてしまいました。 すんません、すんませ…
(ヤマハゼ?の未熟果)「めんどくさいなあ」「お、どうした?」「いや、『いい』の話」「なんじゃそりゃ」(ヤマモモの未熟果)「ヒロシがいいようにこき使われてたから…
「どうなさったんですか、お父さん。浮かない顔で」「ああ、娘なんだが」「あの子がどうかしました?」最初は地味だったのになんか、どんどん派手にめちゃくちゃ派手にな…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ ごちゃごちゃ言うてる場合ちゃうがな。 こんな猛暑の日におんもに出てたら、すぐに干からびるわ。 ちゃんと…
野生きのこを食すには、三つのでっかいハードルを越さなくてはなりませぬ。 一つめ。もちろん、何より先に毒がないことです。 当たるのをわかっててあえて食べような…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「さすがにマスクしてるやつが減ってきたな」「俺らはそもそもマスクできひんから関係ないけどな」「せやけど、…
《ショートショート 1419》『沼の辺り』 (しーなりー 10)「今でも信じられないわ。最初のデートで沼に連れてくなんてさ」「ははは。まあな」 デートをする場…
咋冬に母が世を去り、初めてのお盆を迎えました。 近々納骨式を執り行います。遺品整理も含め、心の整理が一区切りということになるのでしょう。 お盆と言っても、仏…
突然ですが。 納涼花火大会を開催したいと思います。 真昼間に花火なんて、何考えてるんだって? 暑くて暑くて、考える余裕なんかこれっぽっちもありませんがな。へ…
季節画像消費のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「若い頃は、こんな風に元気いっぱいだったよ」「張り切ってどんどん大きくならないと、食いっぱぐれるからさ」…
読書ノートの240回め。近況と読書状況をちびっと。 むー……。スランプです。それも近年まれに見る超スランプ。読む方、書く方、両方ともあきまへん。別に悩みがあ…
我々には、事象を広く面で捉えようとする習性がある。(ダールベルグデイジー) 同じ花で面を塗り潰せば、その面はまとまって一つの印象になる。広い面積が同一種で埋…
季節画像消費のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「ねえ、知ってる? コンペイトウってさ。できあがるまでに二週間もかかるんだって」「すごーい! 小さなお菓…
《ショートショート 1418》『右将、左将に松』 (しーなりー 9)「全く……」 床几に肘を置いた殿様の横で、うるさ型の小姓がこれでもかと渋い顔をしている。「…
「花を積むのは難しいですね……」「え? 花を摘むなんて簡単だろ」(ヤブミョウガ)「功徳を積むのはいいことだな。極楽浄土に行ける」「苦毒を積むのは、確かに極悪非…
季節画像消費のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ 当たり前っちゃ当たり前なんですが、物事には必ず例外ってものがあります。 100パーセント◯◯だっていう…
読書ノートの239回めは、粕谷知世さんの『ひなのころ』(2006年発表。文庫版は中公文庫)です。 粕谷さんは、ファンタジー畑の作家さんですね。『アマゾニア』…
おやあ? ……と思うことがあります。 日本の指名手配写真は正面からのショットだけ。でも海外の指名手配写真は、正面と横顔のツーショットが多いなあと。アジア系は…
《ショートショート 1417》『見通し』 (しーなりー 8)「見通しがいい、悪い。見通しが利く、利かない。見通しが立つ、立たない。見通しが明るい、暗い。見通し…
『浮遊』ふと隣人の肩に 手を置いたそいつが クリームでできているかのように手はずぶずぶと 足元までめり込んでしまった二つにくびれた そいつは迷惑そうに 物憂げ…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ ちょっと前の画像ですが。 マサキの花には、いっぱいハエが集まります。 口を長く伸ばせないハエにとって、…
読書ノートの238回めは、角田光代さんの『私はあなたの記憶の中に』(2018年発表。小学館文庫)です。電子本での読書。比較的新しい作品ですね。 角田さんにつ…
ベニタケというきのこの一族がおります。 紅茸というくらいですから確かに赤いものも多いのですが、実際にはものすごくバリエーションが大きいのです。代表的な赤系の…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「足が細いって、得だよねー」「そう?」「だって痩せて見えるじゃん」「うーん……どうだろ。バランスの問題も…
シーズン7 第八話 文書(2) エイミの時と同じように、鏡を使った診察が行われた。されど、シアスには最初から見当がついておったんじゃろう。問診も触診も短時間で…
シーズン7 第八話 文書(1) ケッペリアが迎える季節の中でも、もっとも劣悪な時期がやってきた。雨は一滴も降らず、風も死に果て、朝から晩まで太陽が陽光の槍を降…
夏の炎は何もかもを 焼き尽くすものだと思っていた(センパーベゴ)今まさに 炎の中にあって何もかもが 赤々と燃え盛っているのにわたしだけが いつまでも燻っている…
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シーズン8 第五話 看護(1)「ふううっ。やはり反動が出たか」 眠っているフィンの額に手を当て、大きな溜息を漏らす。 春も盛りを過ぎ、青葉が花の色を隠すように…
いらかの波と雲の波 重なる波の中空(なかぞら)を 橘(たちばな)かおる朝風に 高く泳ぐや鯉のぼり「……は、いいんだけどさ。この波ってどう見ても」(カイガラタ…
四月も残り一日。桜がなかなか咲かないなあと言っている間にどっと気温が上がり、そのあと怒涛のように百花が駆け抜けて行きました。頭上ばかり見上げていたので、少し…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「つつじってさ。執事に似てない?」「似てないって。お通じの方が似てる」「コーラック飲めよ」「行楽中だから…
花暦の中でももっとも華やかな桜リレーがほぼ終了しました。 真っ先に咲く寒桜系からメインアクトのソメイヨシノを経て、最後は八重桜系のふわりとした彩りでゴールイ…
季節画像消化のための理事増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ マギー審司さんの「でっかくなっちゃった!」じゃないですが。 ……だったのが。あっという間に。 でっかく…
みんなくすくす笑ってる(クスノキ)頬染めて笑ってる子もいれば(クスノキ)こっそりと笑ってる子もいる(ヤブニッケイ)笑ってないように見えても(カゴノキ)笑い顔は…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ 百合、蘭、桜。これらの植物の共通点がわかりますか? どれも美しい花が特徴ですが、その名を関係のない植物…
読書ノートの265回めは、戌井昭人さんの『まずいスープ』(2009年発表。文庫版は新潮文庫)です。 戌井さんは劇団の座長さんでパフォーマー。脚本も書き、小説…
全ての花が美しいわけでも芳しいわけでも甘いわけでもない。どのような花にするかはそれぞれの草木が決めることであり、私たちには決定権がないのだ。 それゆえ、見目…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「なあ、なんか冴えへんなあ」「ほんまや」(スイセン)(キズイセン)「俺ら、本当はもっとぱりっとしてるはず…
《ショートショート 1463》『結束と破砕』 (かうんたーぱーと 9)「チーフ。なんか……切ないですね」「まあな」 私とサブチーフの芹沢君は、スクラップヤード…
毎年毎年、破ってはいけない約束のように桜が咲き乱れます。今年は咲き出しが遅かったこともあって、ずいぶんと長く楽しませてもらいました。桜の季節は変わらずに来る…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇ 日脚が伸びて暖かくなってくると、ほにゃらあっという感じでお出ましになる方々がおられます。 みなさんよく…
読書ノートの264回めは、藤原伊織さんの『ダックスフントのワープ』(2000年発表。文庫版は文春文庫)です。 藤原さんについては、以前『テロリストのパラソル…
固く折り畳まれていた未来が(トチノキ)折り目に沿ってじわりと緩む(ムクロジ)明るい未来は保証されていない(ヤツデ)だが少なくとも今は明るいのだ(アジサイ)残っ…
季節画像消化のための臨時増刊です。(^^)◇ ◇ ◇「ねえねえ、趣味と実益を兼ねたアルバイトってなんですか?」「筍掘りだ」「わ! そりゃあ、すげえ! 掘った…
第四話 春萌え(5)「豊島さん、ご主人の博打は結局当たったんですか?」 こういう聞き方もどうかと思ったんだが、突っ込まれっぱなしというのも癪に触るからな。だが…
第四話 春萌え(4) 俺に家内のことを聞いたくらいだから、おそらくカレシ関係の悩みなんだろうなと、大体のあたりはつく。だが、さすがにそっち方面は自分の分だけで…
第四話 春萌え(3) 変わらない野原はともかく、牧柵の外は大変だーとげっそりしながら一周して戻ったら。牟田さんが全く同じ姿勢で牧柵に寄りかかっていた。陽花と同…
シーズン7 第五話 如才(1) 季節は人を待ってくれぬ。燃え盛る緑のたぎりとともに春の気配があっという間に遠ざかり、同時に我々の暮らしも刻一刻と変化してゆく。…
『若葉』仰ぎ見る空に象形文字を描きくすぐる光を残らず身に換えて若葉が日一日と逞(たくま)しくなる(クスノキ)春は背後を一度も振り返らない若葉は母の顔を覚えてい…
早春の息吹が、小さな明かりを灯した。(カレンデュラ 冬知らず)淡い火の粉が広がり、冬の闇を照らす。(セイヨウナノハナ)明かりは徐々に炎と化し、地を温める。(フ…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る前章終話 桜を観る(2) 立てかけてあった箒を持って立ち去ろうとしたおじさんに、ぽんと女の人の声がかかった。「平…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る前章終話 桜を観る(1) 両手にでかいショッパーをぶら下げてえっちらおっちら歩いている私たち。目立っちゃって恥ず…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第11話 花見弁当の仕込み(2) おみそれしました……。いやあ、すごいわ。ユウちゃんが料理得意ですって言ってたの…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第11話 花見弁当の仕込み(1) 明けて翌日。朝からぴーかんだ。気温がぐんぐん上がってるから、間違いなく今日一気…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第10話 妹をフォローする(2) めーちゃんとのやり取りに、ユウちゃんがこそっと口を挟んだ。「あのー」「ん? な…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第10話 妹をフォローする(1) 時間も押してたから、近くのスタバに入ってユウちゃんに好きな飲み物とスイーツを選…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第9話 服の買い出し(2) 「え……と。このあたりかな」 袴田駅の改札を出てすぐのコンビニの前。都内の大きな駅じ…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第9話 服の買い出し(1) あのあとすぐホームセンターに走り、大小のランドリーラックを買って担いで帰った。洗剤や…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第8話 薄情な銭(2) ずっと黙っていた岡田さんが、静かに店長の言葉を引き継いだ。「いきなりやりくり算段を上手に…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第8話 薄情な銭(1) まだぴかぴかのシンクをチェックしたあと、ぼろ家に似合わない豪勢なバストイレユニットを興味…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第7話 内覧と怪談(2) スーパーの駐車場を突っ切って中通りに入るところに、一軒のお屋敷がある。古いけど、しっか…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第7話 内覧と怪談(1) 店長がたぶんオールだって言ってたけど、丈二さんの沈没と同時に客間が静かになった。客間か…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第6話 男泣き(2) 母には「絶対に自分から離れない夫」がどうしても必要だった。私を庇護するためではなく、実父代…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第6話 男泣き(1) ちょっと微妙なやり取りだったけど、紗枝さんに私の事情をオープンにしたので気分的にはすっきり…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第5話 秘密にするつもりはない(2) 急に顔をしかめた私を見て、紗枝さんが慌てた。「どうなさいました?」「いえ、…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第5話 秘密にするつもりはない(1)「萌絵、松橋さんが呼んでるの。ちょっと、いい?」 ドアの外で紗枝さんの声がし…
桜と幽霊 -レンタル屋の天使3-前章 桜を観る第4話 繭(2) 世間一般に言えば、結構女の子路線の部屋なのかなあと思ったんだけど。そうか。めーちゃんの好みとは…