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「青空文庫」の作家、高野敦志の世界 https://takanoatsushi.seesaa.net

舟橋聖一顕彰青年文学賞を受賞した高野敦志が、書きためた作品を無料で公開していきます。

ブログの方はほぼ毎日、更新しています。文学の他、コンピューターやジャズ、旅行関係の情報も出しています。podcastでePubおよび、pdf形式の電子本も配布しています。iTunes Storeで探してみてください。 http://itunes.apple.com/jp/podcast/qing-kong-wen-ku-no-zuo-jia/id504177440?l=en

高野敦志
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2012/05/18

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  • 星新一の「博士とロボット」

    F博士はロボットの助手を従え、文明が遅れている星へ行き、さまざまな指導を行っていた。井戸を掘り、機械で耕作し、住宅を建てていくなど。 十分に文明が発達したところで、博士は次の星に移動することにした。その星の住人は、感謝の気持ちを表すために、銅像を鋳造したと告げる。お披露目となり、博士は自負心に酔いしれていた。ところが、現れたのはロボットの像だった。 住人たちにとって、生活を楽にしてくれたの…

  • 詩と人生「蝶と猫」(ePub)

    日本詩人クラブ、俳人協会の会員だった父、高野邦夫が、生前に行った詩と人生に関する講演を文字起こししたものです。軍国少年として予科練に志願し、終戦を境に価値観の崩壊を体験したこと、教員生活や闘病生活を通して、詩とは何か、いかにすれば詩が生み出されるかについて語っています。講演のほかに、若い頃の写真や略年譜、自身の青春について述べた肉声も収録されています。 以下のリンクから、ダウンロードできま…

  • 星新一の「災難」

    語り手は選りすぐりの鼠たちを飼っていた。ある日、逃げ出してしまったので、探しに出たところ、大きな地震が起こり、怪我一つせずに済んだ。また、鼠たちを連れて船に乗ろうとしたとき、鳴きだしたので乗るのをやめると、船は沈没してしまった。 いつも助けられている主人公は、またもや鼠たちの異常を察知した。そこで、あわてて他の家に引っ越した。そのまま暮らしていたら、どんな災難が降りかかったのだろう。語り手は…

  • ネルヴァル Nervalをめぐる随想(ePub)

    19世紀フランスの詩人、小説家であるジェラール・ド・ネルヴァルをめぐるエッセイ集です。シュルレアリスムの先駆者であり、プルーストにも影響を与えたとされるネルヴァルは、夢と現実の世界を生きて珠玉のような作品を残しました。 ここでは代表作の「シルヴィ」「オーレリア」をはじめ、奇妙な寓話「緑の怪物」や、フランス革命で処刑されたカゾット、プルーストとネルヴァルのテキスト、無意識の世界に触れる方法などに…

  • 戒厳令が敷かれる?

    イーロン・マスク氏が、正式にTwitterの改革に乗り出し、経営幹部の解雇を決定した。トランプ大統領のアカウントを停止し、政府の意向にそぐわないツイートのリツイートを阻止するなど、言論統制を行ってきた同社は、イーロン・マスク氏の意向で、自由な発言の場として生まれ変わるに違いない。 これまでは、トランプ大統領や、ロシアのプーチン大統領の動き、Qやディープ・ステートに関する情報は、TwitterではなくTelegr…

  • 星新一の「黄金の惑星」

    男女が乗った宇宙船が救難を求める無線を傍受する。「黄金の惑星を発見せり」という声で途絶えたが、通報せずに惑星へ行き、転がってる黄金を我が物にしようとする。 惑星に接近して地表を観察すると、原始人が集落を作っている。転がっている岩はどれも黄金のようだった。宇宙船が着陸すると、原始人が寄ってきたので、近づくなと銃を乱射し、船内に詰める限りの黄金を詰め込む。 いざ発射すると、黄金が重すぎてうまく…

  • 『西海道の旅』(pdf)

    古来、九州は西海道と呼ばれていました。火山が作り出した壮大な自然と、早い時期から流入した外国の文化・文明、それによる繁栄と歴史の悲劇、九州が日本の他の地方と異なるのは、外に開かれた国境の土地だったということです。 僕が三十代から五十代にかけて九州各地を旅して、忘れられなかった記憶を一つの紀行としてまとめてみました。旅をして何を感じたか、それが人生に意味を与えてくれるのです。 今回はパソコ…

  • 星新一の「リオン」

    動物学者のK博士は、リスとライオンを掛け合わせた動物を作り出した。リスのように可愛く大人しく、ライオンのように強く勇敢な動物だった。 それに感心した植物学者のS博士は、ブドウとメロンを掛け合わせた植物を作ることにした。メロンがブドウのようにたくさんなることを期待して。ところが、ブドウがメロンのように一つしかならなかった。 これは昔話によくあるパターンで、成功した人の物真似をしてもうまくいか…

  • 琉球弧を旅して(pdf)

    沖縄本島、久高島、宮古諸島、石垣島、竹富島、西表島と巡った若き日の記録です。中国と日本の文化が融合し、本土とは異なる歴史を歩み、亜熱帯の自然が広がる沖縄は、日本であって本土にはない光景が広がっています。青春が終わりかけた頃に訪れた沖縄への思いがこもっています。 今回はパソコンですぐに開けるpdfをアップロードします。Adobe Acrobat Readerの「フルスクリーンモード」だと、バーチャルな書籍がモニタ…

  • 星新一の「猫と鼠」

    若い男が中年の男に弱みを握られている。若い男が女性を殺したところを、中年の男に見られたからだった。中年の男は口止め料として、何度も稼いだ金を搾り取っている。 若い男は我慢ができなくなる。中年の男の殺害を試みるが、中年の男は自分が殺されれば、若い男の以前の犯行が明かされた上に、自分を殺害したことで死刑は確実だと答える。 それに対して、若い男は中年の男のそっくりさんを見つけていた。中年の男を殺…

  • 小説「たましい」(ePub)

    小学四年の夏休み、泳げなかった貴志は、父からプールで猛特訓を受ける。水が怖くなくなり、泳げるようになって帰宅した貴志を待ち構えていたものは……。 以下のリンクからダウンロードしてください。 Tamashii.epub iTunesからダウンロードする場合は、ミュージック→iTunes→iTunes Music→podcasts→当該のフォルダの下に、ファイルが入…

  • 宇宙は振動するエネルギー

    仏教では現象には実体がないと考える。この世界に実体があると思うから、さまざまな苦しみが生じるのである。実体がないというのは、この世界がホログラムだということである。それなら、なぜ世界を物質的に知覚することができるのだろうか。 この世界に存在するのは振動だけである。静止しているものは何もない。あらゆる物が動き、振動しているのである。つまり、宇宙全体がエネルギーだということだ。密度の高い振動状態…

  • 星新一の「万能スパイ用品」

    敵国のミサイルの秘密を探るために、スパイが呼び出される。敵国に侵入するのは一人だが、万能スパイ用品があるので、大丈夫だろうというのである。 外見はアナログカメラだが、ラジオ、暗号無線、バリカン、養毛剤、ワイヤー、カッター、催涙ガスまで中から出てくる。これで本国と連絡を取りながら、変装をしてミサイル基地に侵入し、警備員と戦えというのである。 ただ、肝心のミサイルを撮影する機能が、カメラ型の万…

  • 詩「セミの兄弟」

    我が家の蜜柑の木に、セミの抜け殻を見つけました。一つの葉に二匹止まったまま、羽化していたのです。眺めていると、一篇の詩が生まれました。そのさまを描いた絵を、末尾に添えました。 パソコンですぐに開けるpdfをアップロードします。Adobe Acrobat Readerの「フルスクリーンモード」だと、バーチャルな書籍がモニターに再現されます。以下のリンクからダウンロードしてください。

  • 星新一の「ねらわれた星」

    なめくじのような姿の宇宙人が、地球を侵略しようとする。動き回っている人間を見て、「気持ち悪い」と言って大笑いする。自分たちのことは棚に上げて。地球に下りていき、一匹人間を捕まえて皮をはぐことにした。皮が何で溶けるかを調べ、地球に大量に散布することにした。 薬剤がまかれると、地上ではパニックが起きていた。世界中の男女の服が溶けて、裸になってしまったからだ。宇宙人たちはその様子を眺めているうちに…

  • 『高野邦夫句集』(ePub)

    日本詩人クラブ、俳人協会会員だった高野邦夫が、一九八七年(昭和六二)に、芸風書院から刊行した『高野邦夫句集』を原本にし、俳句に詳しくない読者向けに、ふりがなと多数の注を加えました。多摩丘陵の自然、日常生活の幸せ、工場地帯の風景、闘病生活、文学への思いを綴った句集です。 以下のリンクから、ダウンロードできます。 kushuu.epub …

  • 星新一の「悪夢」

    男はピストルで頭を貫かれる夢を続けざまに見た。こんな夢を見るようじゃ、俺もおしまいかと思う。窓を開けた瞬間、部屋の中に宝石泥棒が入ってくる。男は全身縛られ、猿ぐつわをはめられて納戸に押し込まれる。 宝石泥棒は男の服に着替え、ビールを飲んでうとうとしている。翌朝、この部屋からずらかればいいと思って。 そのとき、部屋に殺し屋が侵入してくる。実は、この部屋で暮らす男は、ボスの金を持ち逃げしていた…

  • 芥川龍之介論(pdf)

    芥川龍之介の「河童」「蜘蛛の糸」「藪の中」の三篇を中心に論じたものです。芥川の作品がお好きな方は、ぜひ目を通して下さい。 今回はパソコンですぐに開けるpdf版をアップロードします。Adobe Acrobat Readerの「フルスクリーンモード」だと、バーチャルな書籍がモニターに再現されます。 akutagawaron.pdf iTunesからダウンロード…

  • 星新一の「神」

    経営者が博士に、神を作ってくれと依頼した。そこで博士は神についての情報を集め、装置に保存していった。情報が統合されるにつれて、装置は神に近づき、光輝くようになってきた。 ついに完成したときに、装置は忽然として姿を消した。神は超感覚的なものなので、目に見えなくなったことが完成の証だと、博士は考えたのである。しかし、依頼した経営者は出来上がった神でビジネスを行おうとしていたので、神を冒瀆する言…

  • 逆接の表現(pdf)

    外国人が日本語を学習するとき、戸惑うことの一つは類似した表現である。英語圏の学生が和英辞典を引いて、英語で違いを理解しようとしても限界がある。やはり、典型的な例文を覚え、違いがどこにあるのか教師に質問するしかない。 以前、「は」と「が」の違いについて、「と」「ば」「たら」「なら」の区別について書いた。今回は逆接の表現を取り上げることにする。日本人のように完璧に違いを使いこなすのは難しいので、…

  • 星新一の「よごれている本」

    古本屋で男は魔法の本を見つける。ヘブライ語で書かれているらしく、店主も読めないという。興味本位で男は本を買う。何気なく呪文の一つを唱えると、ページに描かれた「生命の木」が浮き上がる。 魔法というのは、カバラのことである。ユダヤの神秘主義で、「生命の木」というのは曼荼羅のようなものである。宇宙生成のしくみや人体に流れるエネルギーを図示している。魔法には白魔術と黒魔術があり、白魔術が人々を助ける…

  • 小説「海に帰る日」(ePub)

    日本が元気だった昭和の後期、遠いふるさとへの思いに駆られた母は、家を出たまま戻らない。認知症を発症した老母を見守る息子の記憶は、軍靴が高鳴る混乱期に生きる、まだ若かった母の面影を追っていく。 自作の小説をePub形式の電子書籍で提供します。ほのぼのした世界を描きましたので、ぜひご覧になってください。 以下のリンクからダウ小説「海に帰る日」(ePub)ンロードして下さい。

  • 早稲田大学文学研究会について

    かつて早稲田大学に文学研究会というサークルがあった。部室は政経学部の横にある白い建物の一階、藍色のドアはノブが外れていて、中を覗くことができた。 僕は1982年に早稲田大学第一文学部に入学し、二年からは文学科文芸専修に進んだが、もっぱらフランス文学専修の授業を受けていた。大学卒業の三年後、大学院のフランス文学専攻修士課程を修了した。僕が文学研究会に所属したのはそれまでである。 秋の早稲田祭では…

  • ビーバップとその周辺(pdf)

    ビーバップBebopとは、1940年代に起こったジャズのスタイルで、神業とも思える速さで原曲をアレンジし、即興演奏するジャズの一派です。チャーリー・パーカーをはじめとするミュージシャンのアルバムについて、恣意的な好みで選んだエッセイ集です。これを読んで好きなアルバムを、ぜひ見つけて下さい。今回パソコンですぐに開けるpdf形式でアップロードします。Adobe Acrobat Readerの「フルスクリーンモード」だと、バーチャ…

  • 星新一の「欲望の城」

    語り手はバス停で、小さな会社に勤めるサラリーマンと知り合う。会社でも家でもストレスが多いというのに、なぜか幸せそうな顔をしている。彼によれば、いつも同じ夢を見ているからだということだ。 誰も入ってこられない自分だけの部屋で、好きな家具を置いて、ゆったりとした椅子に腰掛ける。ベッドに、テレビ、フィットネスバイク、彫刻。ほしいと思った物を、夢の部屋に配置していく。彼は現実よりも、夢の世界に生きる…

  • 小説「五分の魂」(pdf)

    小学校の分校が併設された喘息病棟に、甘やかされた子供たちが、病気に打ち勝つために入所させられていた。人々の善意で運営されていた施設では、子供たちの心は屈折していた。絵本を描くのが好きな少年豊は、思いも掛けないいやがらせを受けて……。 今回はパソコンですぐに見られるpdfをアップロードします。Adobe Acrobat Readerの「フルスクリーンモード」だと、バーチャルな書籍がモニターに再現されます。以下のリ…

  • 星新一の「アフターサービス」

    精力的な男性の悩みと言えば、まず挙げられるのが脱毛である。男性ホルモンが過剰だと、若いうちからはげ始める。カツラは高価だし、管理するのも手間がかかる。とりあえず、養毛剤を使ってみても、大して効果はない。ミノキシジルという発毛剤だけが、現状で効果が認められる医薬品だという。 このアニメでは、はげ頭の画家の所に、発毛剤のセールスマンがやってくる。画期的な効果を謳った製品を持って。毛髪の種を植える…

  • ネルヴァル Nervalの「緑の怪物」(pdf)

    19世紀フランスの狂気の詩人、ジェラール・ド・ネルヴァルの短編「緑の怪物」を新訳でお送りします。夢と現実の間をさまよいながら、シュルレアリスムの先駆的作品を生み出し、20世紀になってから再評価されたネルヴァルですが、今回紹介するのは、ネルヴァルの狂気の側面がうかがえる怪談です。 作中には多数の固有名詞が出てきますが、余り気にせずに読み進めて下さい。注釈は最低限にとどめました。今回はパソコンですぐ…

  • 星新一の「椅子」

    私と彼は学生時代からの旧友で、ともに母を亡くしていたことで、親しい間柄になっていた。彼は社長をやっていた。半年前に金を貸し、久し振りに再会してみると、社長を辞めてしまい、廃屋のような家で自堕落な暮らしをしていた。ドイツで買い求めたという豪華な椅子に腰掛けて。 働いて金を返せと彼に言うと、金はないし、働く気もないという答え。私は激高して、彼を人間の屑だとののしり、彼の座っていた椅子を取り上げて…

  • 琉球弧を旅して(ePub)

    沖縄本島、久高島、宮古諸島、石垣島、竹富島、西表島と巡った若き日の記録です。中国と日本の文化が融合し、本土とは異なる歴史を歩み、亜熱帯の自然が広がる沖縄は、日本であって本土にはない光景が広がっています。青春が終わりかけた頃に訪れた沖縄への思いがこもっています。 以下のリンクからダウンロードしてください。 Ryukyu.epub iTun…

  • 星新一の「鏡」

    子供の頃、母の三面鏡のうち、左右の鏡を平行に立てて、中をのぞいて遊んだことがある。自分の顔が無限に複製されて、どこまでも続いていく。奇妙な感覚にとらわれたものだが、実は、そこに悪魔や心霊の通り道が出来てしまうので、縁起が悪いこととされている。 このアニメに出てくる夫は、合わせ鏡で現れた悪魔を捕まえてしまう。大きさはネズミぐらいで、抵抗する力もないように見える。そこで、夫と妻は腹癒せに、悪魔に…

  • 伯母さんのうち(pdf)

    大正の末に酒屋の長女として生まれ、特攻隊員と恋愛の末に結ばれ、新型コロナウイルスのパンデミックの中で亡くなった母の姉に対する鎮魂歌です。 今回はパソコンですぐに開けるpdfをアップロードします。Adobe Acrobat Readerの「フルスクリーンモード」だと、バーチャルな書籍がモニターに再現されます。以下のリンクからダウンロードしてください。 au…

  • 星新一の「夢と対策」

    夢は未来を暗示する場合と、不安が反映している場合がある。夢の内容が現実で起こったとき、はじめて予知夢と呼ばれるわけで、夢を見る原因の多くは、心身の不調が関係している。 とはいえ、悲劇的な結末が待っている場合、夢の中だけでなく、日常的に不安がついて回る。向田邦子はエッセイの中で、飛行機に対する異常な恐怖を描いている。エンジンの音が少しでもおかしいと、この飛行機は墜ちるのではないかと思う。実際に…

  • 写真とエッセイ「立山黒部アルペンルートの旅」(pdf)

    本州にもこんな美しい風景があったのか! 立山、室堂高原、黒部峡谷鉄道の旅を、写真とエッセイで紹介します。現地で撮影した峡谷や高山の画像を、多数収録しました。 ただし、pdfに加工する過程で、画像がかなり圧縮されています。高解像度の写真をご覧になりたい場合は、ePub版をiPadのiBooks(https://itunes.apple.com/jp/app/ibooks/id364709193?mt=8)などでご覧ください。 pdf版をダウンロードするには、以下の…

  • 星新一の「宇宙の男たち」

    宇宙船は隕石にぶつかって航行不能となる。中には息子のいない中年の男と、孤児の若者が乗っていた。助かる見込みはほとんどないが、万に一つの可能性に懸けて冬眠剤を飲むことになる。 これを飲むことで、本来の寿命が尽きた後でも、生還できるかもしれないのだ。ただ、その場合でも、数百年が経過しかねず、身の回りには知っている者はいないだろう。 若者は遺書を書いたが、自身の名前は記さない。孤児なので親はいな…

  • 『バタイユ Bataille 試論』(ePub)

    20世紀フランス文学の重要な作家・思想家のジョルジュ・バタイユ Georges Batailleを、文学と哲学の両面から紹介した「バタイユ試論」を、電子本のePubで配信します。バタイユは「私は哲学者ではない聖者だ。でなければ狂人だろう」と書き、サルトルから「新しい神秘家」として批判されながらも、フランス思想文学の作家として多くの著作を残しました。 本書はバタイユの短編『マダム・エドワルダ』の紹介に始まり、ニーチ…

  • 星新一の「おーいでてこーい」

    この作品は星新一のショートショートで、初めて知ったものである。小学六年生のとき、担任の代わりに来た先生が読んでくださったのだが、その時の驚きは今でも記憶に残っている。 ひどい嵐で神社が倒れてしまった。その跡に大きな穴が開いていた。一人が下を覗いて「おーいでてこーい」と叫び、大きな石を投げ入れる。穴はニュースとなり、学者が調査に入ると、埋めてしまえばいいということになった。 ある業者がその穴…

  • 第三版『アイヌモシリへの旅』(pdf)

    北海道各地にあったユースホステルに泊まりながら、大自然に触れた心の旅をつづりました。成人して間もない大学生が、初老に至るまでの全8回の旅の記録をまとめました。 第三版では、広尾線や士幌線、砂原支線など、鉄道をめぐる旅や、冬の北海道の美しさ、消えつつある風景など、過去と現在に思いを馳せる全10章を増補しました。 今回はパソコンですぐに見られるpdfをアップロードします。Adobe Acrobat Readerの「フ…

  • マイナンバーカードが普及しないから健康保険証を廃止?

    兵庫県でマイナンバーカード240人分の情報を記載したファイルが紛失した。紛失した個人情報はどうなったのか。運が悪いと、悪徳業者の手に渡り、最悪、海外にまで情報が売られて、犯罪に巻き込まれる恐れがある。 マイナンバーカードの個人情報を管理する能力が、日本の役所には欠けているのである。セキュリティの意識がない者に、マイナンバーカードの情報を管理させることほど危ういことはない。 どうしてもマイナン…

  • 写真とエッセイ「君のまだ見ぬOGASAWAEA(小笠原)」(pdf)

    「僕の人生観を変えかねないような世界を、垣間見せてくれたのは海そのものである」 小笠原諸島の自然と接した体験を、詩的な文体で印象的につづったエッセイ「君のまだ見ぬOGASAWARA」に、当時撮影した多数の写真を収録しました。以前、ダウンロードされた方も、小笠原の風土、固有の植物、イルカが泳ぐ底なしの海を、写真で体験してください。 固定レイアウトで文字検索もできるpdf形式は、パソコンですぐに開くことがで…

  • 星新一の「調査」

    正体不明の物体が現れる。どうやら地球の物ではないらしい。中から電波が出てきている。うまそうな匂いまでしてくる。犬が食べ出したので、人間も食べてみる。未知の物を調査しようというのは、人間の本能だと考えられる。 調査するためには。物体の中を見なければならない。中を引っ掻いても、よく分からないので、熱を加えたり、冷やしたりする。「押して駄目なら引いてみろ」の調子で、最後は放射線まで当ててみる。 …

  • 童話と写真『茶トラのシマちゃん』(ePub)

    これは前作『ぼくはネコなのだ』の姉妹篇です。語り手は茶トラの弟ネコですが、子供でも分かるように、やさしい表現を用いるとともに、その後のストーリーも展開させました。 今回は我が家で撮りためたネコの写真を、本文の中に組み込みました。写真の可愛らしさと物語を比べてみるのも面白いと思います。 レイアウトの崩れない固定レイアウトのePubなので、文字も画像化してあります。かすれて見えなくならないように…

  • 星新一の「殺し屋ですのよ」

    中年の男が散歩していると、殺し屋だと称する若い女と出会う。殺したい相手を、不審を抱かれずに殺すことができると請け合う。呪い殺すというのである。男が殺してもらいたいと思っている相手まで、女はなぜか知っていた。 成功報酬で手付金も要らないというので、男はライバル会社の社長の殺害を依頼する。しばらくして、本当に心臓発作で死亡したので、約束通り報酬を支払ってしまう。 実は、女は看護師だった。持病持…

  • 第三版「男はつらいよ」おぼえがき(ePub)

    山田洋次の映画『男はつらいよ』の最新作「お帰り 寅さん」をはじめ、「少年寅次郎」とそのスペシャル版、「贋作 男はつらいよ」など、最近の情報を増補しました。 山田洋次の『男はつらいよ』は、葛飾柴又を舞台にテキ屋稼業で全国を旅した車寅次郎を描き、国民的な人気を博したシリーズです。寅次郎が訪れた土地や、ヒロインについて感じたこと、思い浮かんだことをまとめてみました。制作された全作品を年代順に並べ、…

  • 星新一の「紙幣」

    女性は借金を返そうとしたが、子供の急病の治療費に充てる必要があり、返済を待ってくれと言う。男性は返済してもらわなければ、会社が不渡り手形を出して、一家で夜逃げしなければならなくなると言う。 テーブルに札束を置いて話し合っていると、窓の外に二人の宇宙人が現れる。札束を見ても、それが何だか分からない。単なる紙くずみたいな物に、価値があるとも思えない。試しに札束を持っていき、宇宙船の複製機で同じ札…

  • 詩と人生「蝶と猫」(pdf)

    日本詩人クラブ、俳人協会の会員だった父、高野邦夫が、生前に行った詩と人生に関する講演を文字起こししたものです。軍国少年として予科練に志願し、終戦を境に価値観の崩壊を体験したこと、教員生活や闘病生活を通して、詩とは何か、いかにすれば詩が生み出されるかについて語っています。講演のほかに、若い頃の写真や略年譜、自身の青春について述べた肉声も収録されています。 今回はパソコンですぐに開けるpdfを公開…

  • Windows11へのアップデートを阻止しよう!

    マイクロソフトは以前、Windows10が最終OSだと表明していたようだが、これは公式の発表ではなかったらしい。2021年には後継のWindows11が登場した。 なぜWindows10を最終OSにしなかったのか。考えられるのは、同じOSのままだと、際限なくWindows Updateが続き、スペックの低い機種だと最低限のセキュリティを保つことさえ、できなくなってしまうからだろう。大型のアップデートは新しいOSで行い、緊急性の高いもの…

  • 高野敦志童話集(pdf)

    僕が幼児から成人するまでの思い出を元にした、「黄色いニワトリ 赤いニワトリ」「子どもの作り方」「インコのピーちゃん」の三篇を、パソコンですぐに開けるpdfでアップロードします。Adobe Acrobat Readerの「フルスクリーンモード」だと、バーチャルな書籍がモニターに再現されます。ごく短い作品ですので、気軽に読めると思います。ぜひ、ご覧になってください。ちなみに、表紙の写真は幼い頃の自分です。 なお、携帯…

  • 星新一の「ゆきとどいた生活」

    宇宙旅行専門の保険会社に勤める青年は、八十階建てのマンションの七十二階に住んでいる。すべてが自動化されており、起床から着替え、朝食、歯磨き、出勤まで、巨大な手のロボットが行ってくれる。 ただ、いくらアニメだとはいえ、青年が全く身動きしていないのに違和感を持った。朝食が差し出されても、手を出す気配もなく、時間がたつと、本人が何もしなくても、カプセルに入れられ、チューブの中を移動して、職場に送り…

  • SF的思考(pdf)

    SFが魅力的であるのは、現実世界の枠組みにとらわれず、人間の想像力の限界に挑んで、存在するかもしれない世界を探究させてくれる点です。ここでは狭義のSFに限らず、想像力で極限の世界を描いた作家にも触れました。エドガー・アラン・ポーやホルヘ・ルイス・ボルヘス、埴谷雄高に触れたのはそのためです。小説に限らず、SFの世界を描いた映画やドキュメンタリー番組も紹介しました。 今回はパソコンですぐに見ら…

  • 星新一の「宣伝の時代」

    条件反射というのは、餌を食べるときに犬にベルを聞かせると、ベルを聞くだけで犬がよだれを垂らすというものである。人間に条件反射をさせて、そのときに宣伝の文句を言わせたらというアイデアを、アニメ化した作品である。 人々は条件反射を企業に貸して、お金をもらっている。電車で肩がぶつかったり、くしゃみをしたり、あくびをしたり、果てはキスをするたびに、商品の名前を言っている。端から見ると、人間ではなく、…

  • 「は」と「が」の使い分け(第3版)

    日本人が何気なく使っている「は」と「が」は、外国人の日本語学習者には、なかなか習得することが難しい。同様の区別がある韓国語の話者なら、すぐに理解してもらえるが、中国人や欧米人には、煩雑すぎてなかなか理解してもらえない。読んだり聞いたりする分には問題なくても、いざ表現する段になると、上級レベルの学生でも間違えてしまうことが多い。 古代の日本語では主題の「は」は、用いられていたが、主格の「が」の…

  • 星新一の「午後の恐竜」

    これはアニメ作品である。アニメでなければ、たとえCGを利用しても莫大な制作費がかかってしまう。主人公は妻と息子を持つ男性である。日曜日の午後、窓の外を見て仰天する。 恐竜が街の中を歩いているのだ。しかも、街とジャングルが二重写しになっている。子供の前に現れた肉食恐竜に、「危ない!」と主人公は叫ぶのだが、恐竜には実体がない。蜃気楼のようなものらしい。 ニュースによると、これは世界的な現象で、…

  • 青海の白い雲(pdf)

    チベット旅行記『懐かしのチベット』の続篇です。2000年(平成12)の夏に、チベット人が居住する青海省から甘粛省にかけて旅した記録です。今回は日本人は僕一人で、中国人のガイドと運転手の三人で行動しました。『青海の白い雲』と名づけることとし、エッセイ「チベット人との語らい」を加えました。パソコンですぐに開けるpdf版を公開します。保存してからご覧下さい。Adobe Acrobat Readerの「フルスクリーンモード」だと…

  • ちむどんどん教

    令和四年に突然東京のスタジオで始まった新興宗教。「ちむどんどん」と唱えるだけで、あらゆる困難が自然消滅し、たとえ顰蹙をかう言動をしても、周囲は都合良く働かされてしまう。沖縄の女性教祖が始めたものが、たちまち本土の俳優も信者になった。 一時は日本中の視聴者が洗脳されそうになった。「ちむどんどん」という呪文を繰り返し聞かされ、自身を「神」だと錯覚する若者が社会問題となった。子供じみたことを言い続…

  • 懐かしのチベット(pdf)

    チベットの自然と文化に触れた心の旅を、紀行文の形でまとめました。古代チベット王の霊廟や宮殿、ヤルツァンポ川の流れ、チベット仏教の寺院、神秘の湖、ポタラ宮とダライラマの離宮などを巡りました。付録として西安の大雁塔、楊貴妃で有名な華清池、始皇帝陵についても触れました。 今回はパソコンでもすぐに開けるpdf版を公開します。Adobe Acrobat Readerの「フルスクリーンモード」だと、バーチャルな書籍がモニタ…

  • 竜門峡ってどこにある?(6)

    温泉の食堂には、食べたい物があまりなかったので、五時半のバスで甲斐大和駅に出た。駅から少し離れた中華料理店に入った。日本人のおじさんがやっている店だった。酢豚定食を注文すると、量はたっぷりあった。 甲斐大和駅は、駅員も乗降客の姿もほとんどない。こんなに長いホームがあるというのに。午後七時過ぎの上り高尾行きに乗った。 高尾駅で乗り換えて、立川駅で下車した。いったん改札を出た方が値段が安くなる…

  • 写真とエッセイ『大井川鐵道の旅』(ePub)

    静岡県の大井川鐵道は、蒸気機関車の走る本線と、ダム建設のために作られたトロッコ列車が走る井川線からなり、鉄道マニアには見逃すことができない路線です。特に井川線は、日本唯一のアプト式区間を持ち、奥大井湖上駅など、絶景の秘境駅がある野趣あふれた路線です。また、周辺の寸又峡はダイナミックな渓谷に、長い吊り橋がかかり、森林鉄道の廃線跡も残る秘湯のスポットです。「大井川鐵道と寸又峡」ほか3編の鉄道関連の…

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