龍女の嫁入り 張家楼怪異譚 (集英社単行本) - 白川紺子 32冊目。 3〜5日。 成都(せいと)随一の高級旅館、張家楼(ちょうかろう)。 主人は成都屈指の豪商、張家の末息子・琬圭(えんけい)である。 すこぶる病弱な琬圭は、23歳になる今まで幾度となく生死の境をさまよった。 風が吹いては寝込み、雨が降っては寝込む。とにかく体が弱いのである。 ある日、久しぶりに体調がよく市をそぞろ歩いていると、 売卜者(占い師)のような男から突然声をかけられる。 いわく、琬圭は幽鬼、妖魅のたぐいを引き寄せる体質で、そのために不調が出るのだと。 半信半疑の琬圭だが、彼にお祓いをしてもらうと、確..