先週のことです.梅雨空の下,他のサボテンは全く咲いていいない中で鮮やかなピンクの花がポツンと見えました.銀牡丹(Pelecyphora strobiliformis)です.硬い菱形の鎧を纏ったような姿は,覗き込むとなかなか趣があるのですが,遠目には実に地味で,花が咲いていないと栽培棚ではその存在そのものが目に入って来ません. そんな地味系サボテンの代表のような奴ですが,花時は華やかです.なるほど精巧丸(P. aselliformis)...
初めて蒔いてみたものは,取り敢えずキリンに乗せて株の確保です.まずは自家交配の大竜冠,それらしい刺を出して来ています.キリンの力を借りても開花株になるまでは相当な時間を要します.とにかく早く大きくしたい. 次はAcharaguma,メキシコで見たのですが,いったいどんなものなのか知りませんでした.国内ではなかなかこの仲間に出会いません.仕方ないので手に入ったA.roseanum SB459の種子を蒔いてみることにしました...
今月初めに狂仙会に出かけたのですが,実はこの時その他色々回る遠征を計画していました.ところが鈍足台風と超慎重派のJRの計画運休の煽りを受けて遠征を中止していました.今回はリベンジのお出かけです.ちょっと詰め込み過ぎぐらいのマルチパーパスですが,ミッション完遂して楽しんでこようと思います.そんなわけでブログは数日お休みします. 秋移植のメインは終わり,特に差し迫ったことはありません.まだハウスは開け...
近年目にするようになった黒兜,ちょっと興味があって手に入れてみました.ベタシアニン系色素の生産量が多くなっている変異なのだろうと思っています.これに斑が入ると赤斑になります.ボクは赤斑にはさして興味はありません.兜命の方々がこぞって作られるでしょうから,数年すれば極上赤斑兜なんかがマニアのセリに出てくるでしょう.ボクの興味はこの黒肌性質の遺伝です. まずはこの黒兜の花はどうか.花色と肌色は兜にお...
いつもの太平たちもたくさん接木されています.栴檀は双葉より芳しってやつは居るでしょうか.これはなかなか良い刺を出しています.小さい時はゴツイ刺より長い刺を選ぶのが大切です. 白刺翠平は,とにかく新刺から色の着かないものを目指しますが,頻度は低ですね. 特異な顔つきの新産地太平丸.どんなものになるのか楽しみにしています. そして近年力を入れている白花の太平,色々なタイプの白花が出来つつあり,これぐ...
今年もキリンの園では,初夏に接木された多士済々のサボテンが育っています.記録のために3回に分けて少し紹介しておきます.まずはコピ,これまでほぼ黒王丸とコルムナアルバに集中していましたが,ちょっと違うものも種子を蒔いてみました. これはC.gigantea AdB2.42です.C.haseltonianaのシノニムとされると思うのですが,ギガンティアはハセルトニアナのなかで大型のものにつけられた名前で,あまり分枝せず単幹であるこ...
年に何度かディスコカクタスたちが咲いてくるのですが,持ち駒の少ないウチのハウスでは中々交配のチャンスが訪れません.ある夏の日,運良く2株のホルスティが咲いてくれました.家に持ち込み,あの柑橘系の香りを楽しみながらしばしのデスクワーク.贅沢な時間です. 暑い夜の饗宴は実を結んだでしょうか.残念ながらこの地には南国のモスはおらず,翌朝に人の手で花を切り裂き,雌しべをむき出しにして花粉を乗せます.ちょ...
以前に鉢植えのままハウスに地植えされたパキプスを掘り返したことを記事にしました.その際に地面に深く張った根はそのままにしていました.掘り上げ後梅雨らしい天気が続き,堀った穴に水が溜まるほどハウスの中もぐちゃぐちゃに.残した根が腐ってしまうんじゃないかと心配しましたが,切り口に殺菌剤を塗布してあったのが功を奏し,無事でした.パキプスの根は外側の皮が柔らかくて剥けやすく,これを傷つけると根が腐ると聞...
残暑厳しいく,猛暑ならぬ猛残暑なる新語が生まれた今年の9月初旬,大文字白鳥たちが揃って返り咲きをしてくれました. 返り咲きとは,「通常の開花時期が終わった後,年内に再び花が咲くこと」とか「定まった開花期以外に花が咲くことをさし,狂い咲きともいう」とか定義されています. 注目すべきは,白鳥は滅多に秋に咲くことはないのですが,この大文字白鳥は決まって秋にも咲くことです.つまり正常な白鳥は,温度なのか...
大豪丸斑入りに大豪丸の花粉を乗せ,採れた種子を蒔いたのを記事にしたのは去年の夏です.すぐにたくさん生えました.しかし5㎜ぐらいになっても斑入りかどうか判別できませんでした.すっかり興味が失せて,フレームの片隅に捨て置かれていました.秋が来たので,雑草の生えたフレームの中を綺麗にすべく育苗バットを一つ一つ引っ張り出して草を抜いていきました.かの大豪実生バットは,実生苗がうねるように盛り上がり,いか...
先月にギラウムニアーナの実生をしているって記事を書きました.7月に蒔いた実生苗が2ヶ月ですっかり大きくなり,移植が必要になりました.それにしてもなんと成長が早いことか.IB化成の効果がぐんと出ました. 抜きあげた苗は,やはり栽植密度が高かったので,やや徒長気味です.炎天下,雨曝しでも栽植密度が高いとこうなってしまいます.これはバランスが良くないので,下胚軸を切って挿し木したらどうだろうかと1本試して...
大虹(Ferocactus hamatocanthus)の斑入り株は,別段珍しいものではありませんが,なかなか大株というものに巡り合うことはありません.ウチに居る大虹錦ものんびり屋さんで大きくなったのかどうか,よく分からない成長具合です.なんとなく病的な佇まいで,危うい雰囲気を醸し出しています.それでも毎年花を見せてくれているので,いくつか新たなアレオレは出しているようです. 暑い最中に蕾を出して来ましたが,蕾の色もな...
昨日夏マミの記事を載せたのですが,これもバハグループです.M. estebanensis,和名はありません.なんとも表現が難しいのですが,このグループの中では実に清楚な花です. このエステバネンシスは,M. dioica subsp. estebanensisともされ,ディオイカに近いもののようです.ちょうど同時に咲いていたディオイカです,雰囲気は似ているような,違うような.花は違うけど,草姿は似ているかも.. このディオイカは,単独丸と...
毎年残暑厳しい時期に次々と咲いてくれる夏マミたち.故郷バハカリフォルニアの秋を思いながら咲いてくれているのでしょうか. ウチには随分前から風蓮丸(M. fraileana)がいるのですが,これは改めて種子(SB1263)を蒔いてみたものです.フライレアーナはどれもほぼ同じようです. いつもの銀姫(Mammillaria slevinii).赤い実と白い花が綺麗です. アルビカンス(M. albicans),上のスレビニーのシノニム扱いなのです...
残暑厳しいかなで,トリコケレウスのモンスターが大きな花を2輪咲かせてくれました.去年初めて咲いて,今年の5月にも咲いていたのですが,また咲きました. 花の色合いといい,そのサイズといい,中々の優れものですよね.でも季節外れの猛暑日で,無遮光のハウスの中,残念ながら夕方には萎れてしまいました.彼らは外に置いた方が良いのでしょうね. 植物自体は昨年より2倍以上の大きさに育ち,まっすぐ植えたのに少し傾い...
豊明殿(M. grahamii)は随分前からウチにいるのですが,これはどれほど変異があるのかと思い,いくつか輸入種子を蒔いてみました.まだ小さな実生苗ですが,咲いて来たので比較してみました.最初のものはMesaのFNなしのグラハミーです.よく知っているグラハミーそのものです.この写真の後も何度か群花を見せてくれました. 次はDJF1000, 故郷はRincon Mountains, Pima County, Arizona. ツーソンの東サワロ国立公園のある場...
2年前に三河さんから連れ帰ったDiscocactus squamibaccatusに花がつきました.このスクアミバッカタスは,D. heptacanthusのシノニムとされています.ディスコカクタスは15種あるとされていますが,日頃目にする種は限られています.しかも種内変異が結構大きかったりして,よく分からん!というのが本音です. 丸い頭がのぞくとあっという間に伸び上がってきます.いかにもディスコカクタスらしい蕾です.夕方に家の中に持ち込...
フローラの神殿に描かれた大輪の柱サボテンの花はとても有名ですが,これが時々夜の女王と紹介されています.しかし,種としてはどうやら大輪柱(Selenicereus grandiflorus)のようで,夜の女王は,S. macdonaldiaeとされるも流通している夜の女王は混乱しているようです. この春に小さな苗をヤフオクで買ったのですが,順調に伸びて花芽をつけてきました.小さい時は 5−6稜でしたが,成長するに従い4稜になり3稜になり,う...
ミズクエンシス×紫野の花が初めて一つ咲いたことを7月に記事にしました.これはキリンで育成していたのですが,無事接降ろしては鉢上げし,上手く3株揃って開花したので,記録の意味で載せておきます.夏の花ですから本領発揮はしていないかもしれません. 一つ目は紫野の雰囲気を出した花です.草姿はミズクエンシスよりですね. 二つ目もよく似た雰囲気ですが,花弁の色はより濃いピンクになって居ます. 三つ目は,花形も...
ツルビニのニコラエ(Turbinicarpus nikolae)が夏の終わりに綺麗に咲いています. 2016年に初めて報告された比較的新しい種で, 亜種や変種は知られていません.アロンソイと近縁でT. alonsoi var. nikolaeという記載もあります.ウチで初めて開花したことを昨年秋に記事にしています.その時はまだ草姿もはっきりしませんでした.今はイボの様子や肌色などもはっきりしています,どう見てもアロンソイに似ていますね. 花はと...
ウチでは袖ヶ浦とともに花袖も台木に利用しています.どれをどの台木に使うというこだわりはなく,両方養成しておいてその時旺盛に成長している台木に接木するって感じです.ですから接木した後の地植え圃では袖と花袖はランダムに並んでいます.花袖は,台木として働いている間も結構な頻度で花芽をあげてきます.穂の成長から見れば,花芽は早々に取った方が良いのかもしれませんが,いつも咲くのでこれは彼らの通常運転なのだ...
シュレセリー(Sclerocactus spinosior subsp. schlesseri)はとても素敵なサボテンです.3年前にキリンから接降ろしたことを記事にしました.その時の様子は,ふっくらとして,いかにも接木で大きくしました!って感じでした.その後ラン鉢に植えて,キリン根の植物にしてはかなり辛めの灌水で絞って栽培しました.時間の経過と共にすっかり絞れて貫禄が出てきたシュレセリーです. 2年ぶりに移植してやろうと抜いてみたところ...
初夏にキリンや袖から降ろしたもの達の鉢上げが終わったので,いよいよ秋移植本番の強刺類です.だんだんズボラして3年に一度の植え替えが多くなっていますが,大きな株ではさほどの問題なさそうです.まず初めは金鯱たちです.このどこにでもあるのですが人気の衰えない金鯱,ボクも好きです.色々なものを集めて並べているので,ある程度の数はあるし,これは誰と一緒に蒔いたものとか誰々さんから頂いたものなどそれぞれスト...
2010年8月に始めたこのブログですが,どうやら今日で4000記事を積み重ねたようです.14年間という過ぎ去った時間は,サボテン趣味を再開してからの時間でもあります.ブログを書くことで,自分でも勉強し,また教えを頂くことも多々あり,ボクのサボテン趣味の奥行きをグッと広げてくれました.またブログを通じて得たたくさんの知己は,人生最終盤の時間を豊かにしてくれています. さて肝心のサボテンですが,何しろサボテン...
今年の狂仙会はこの前の日曜でした.迷走・鈍足台風のせいで,当日の朝に家を出ることに.今回は地元のカクタスクラブの人たちと出かけました.10時過ぎには会場に着きましたが,すでに結構な人です.皆,台風をものともせず全国から参加しています.さすが狂人たちです. いつもは一人でウロウロするのですが,今回は幾人かで連れ立ってベンダーさんを回り,楽しいものでした.出店されているサボテン・多肉屋さんは昨年並み...
春に今年はグラキリスのプラグトレー育苗をやってみていると記事にしました.播種後3ヶ月が経過してしっかりとした苗になりました.この間ずっと外で栽培してきたのですが,今年は猛暑,雨も降らないという悪条件.途中で一度ひどく乾かしてしまい,一部をダメにしました.プラグトレーは植え穴の容積が極めて小さいですから,戸外での栽培は天水まかせの放任という訳にはいきませんね. トレーから抜いてみると草花のような根...
秋移植の真っ最中ですが,ちょっと出掛けて来ます.最近は出かけるのもマルチパーパス,ついでのついで,そのまたついでまであって,何が本題なのかと自分でも苦笑い.限られた資源を使っての遠征ですから,しっかりとマルチミッションを達成して楽しんでこようと思います.そんな訳で2日ほどブログはお休みします. あれほど猛威を振るった太平洋高気圧も流石に少しお疲れのようで,台風一過,これから少しは朝晩は過ごし易...
「ブログリーダー」を活用して、さぼちゃんだいすきさんをフォローしませんか?
先週のことです.梅雨空の下,他のサボテンは全く咲いていいない中で鮮やかなピンクの花がポツンと見えました.銀牡丹(Pelecyphora strobiliformis)です.硬い菱形の鎧を纏ったような姿は,覗き込むとなかなか趣があるのですが,遠目には実に地味で,花が咲いていないと栽培棚ではその存在そのものが目に入って来ません. そんな地味系サボテンの代表のような奴ですが,花時は華やかです.なるほど精巧丸(P. aselliformis)...
これはMammillaria glochidiata var. xiloensis ML45です.故郷はメキシコ イルダゴ州AlmolónとGiloの間付近とのことです. 肌色が黄緑に近くカギ刺の色が黄色なので,全体としてボヤッとした印象です.小型のマミで,花は大変小さく覗き込まないとよく分かりません.草姿とともに大変地味ですね. このグロチディアータM. crinita のシノニムという見方もありますが,KewはM. glochidiataを認めています.佐藤さんの事典に...
ヤヨイアーナという種小名をみて弥生を連想するのはボクだけではないはずです.しかも女性の弥生さんを勝手に連想するのは行き過ぎでしょうか.紅傘丸なんて色気のない名前は好きになれません.Lobivia jajoianaはのど黒系ロビの代表選手,この春にL. jajoiana var. glauca WR218の花が咲いたことを報告しました.その後もいくつか連続して花を咲かせてくれましたが,今はすっかり成長の方に力が入っているようです. そんな中...
これはMesaから入れたMammillaria meridiorosei RAR34です.故郷はアリゾナ州Madera Canyon,このFNは検索サイトでヒットしないのですが,Mesaのカタログでは使っています.かなりの大輪で,ピンクの細弁がスッキリ伸びてとてもよく目立ちます. 横から見ると長いカギ刺を持っていることが分かります.側刺は白いので全体として優しい雰囲気でもあります. このメリディオロゼイはM wrightii subsp. wilcoxiiとされたり, Kewは...
春に咲いたマミラリアの実が見えるようになりました.少し繁殖しておこうと思ったものは積極的に手交配しますが,そんな意図とは関わりなく生まれた果実は眺めるだけに留めます. アルビコマは果実の様子を確かめたくてきちんと手交配をしました.記載では果実は赤いとされていたのですが,本当にそうだっけ?と不安になり,実際に見てみたかったのです.なるほど赤い果実でした.アルビコマはダラダラとずっと先続けるので,こ...
6月中旬には梅雨がどこかに行ったような日が続き,その後やっぱり梅雨だったのねと言った天気に戻りました.そして昨日,異例の速さで梅雨明け宣言.そんな天気の気まぐれに左右されず,夏マミたちが始動しました.全体としてマミたちの成長がひと段落して花も少なくなるこの時期にしっかりと主張してくる彼らの花を見るとおおっと思います. まずは舞衣ことライティーくん,小さいながらも立派な花をグンと広げています.仲間...
曇天の日は黄色い花を観賞するのに良い日です.黄色い花がとても綺麗に見えるとともに写真に撮ってもあまり違和感を感じない黄色に写ります.まずはロビビア(エキノプシス)オーレア(Echinopsis aurea var. quinesensis WR112).これまでなんとか咲いてくれましたが,やはり曇りの日が良いですよね. 次は旧トリコテレ金星(Mammillaria longimamma).子供の頃から馴染みのサボテンですが,今ウチにいるのはごく幼い株です...
昨日アストロの接降ろしを話題にしたのですが,コピはどうやってんの?って聞かれたので,ご紹介しておきます.コピは基本キリンで育成するので,キリンの降ろし方そのものです.残すキリンの茎の長さは3cmほど.決して長くしません. カットした後は乾かすことなく6cmポリポットに普通の用土を入れてそこに挿して,最初の1−2週間ほどは新聞紙をかけておきます.用土が乾かないように水はきちんとやります.高温期なので腐る...
梅雨の中頃,季節のお仕事がやって来ます.いわゆる接降ろしです.柱類もキリンもこの高温の時期に一斉に接降ろしすることにしています.なぜこの時期なのかって聞かれるのですが,第一には作業の都合上そうなっているだけですが,高温期は勝負が早いというのも理由の一つです. アストロは基本もぎ取りで,台木を付けずに降ろします.もぎ取った面に台木の維管束が残っている時は彫刻刀などできれいに取り除きます.1週間ほど...
あるサボテンに人気が出る,これは末端の趣味家にとってみると実に不思議な現象です.誰もが知ってはいるが,決してメジャーではなかったコピアポアが注目され始め,黒王丸,孤竜丸そして栗星玉(Copiapoa griseoviolacea)へと広がりました.サボテンを始めたばっかりの方からグリセオはありませんか?と聞かれ,何でそんなもんが欲しいの?と驚きました.それじゃ種子を蒔こうかと思っていたら,友人から実生苗をいただきまし...
しばしば花を着けたサボテンが人の顔に見える事はいろんなサボテンの項で書いて来ました.あるところでサボテン話をした時に「Human-face cactus」としていろんな写真を見ていただいたのですが,面白いと喜んでいただきました.ヒトの脳にある顔認識機能は共通するようで,誰かからこれは顔に見える!と言われた瞬間に本当に顔に見えてくるのです.実に面白いことですね. さて,この春から撮った「顔」の写真を見ていただくこ...
鬱陶しい天気が続きましたが,気温はそれなりにあるので,プシスの仲間は,色々と蕾を上げて来ます.レウカンサ(Echinopsis leucantha HUN409)が,まるでカタツムリのように2本の蕾をあげていました. お天気が不安定でいつ咲くのか気をもみましたが,なんとか無事開花しました.すっかりカタツムリの面影はなく,シャキッと目を見開く様は,何か別の生き物の顔のようでもあります. 梅雨時に花の写真を撮ろうと待ち構えてい...
月影丸には古くから綴化が知られています.ウチにいる綴化株はすでに古参の仲間入りをするほど古株で,これまで素晴らしい開花を見せてくれたり,死にかけたりしましたが,今もなんとか生きています.その株と普通の月影丸を交配して得られた種子を何度か蒔いてみました.出てきた苗の大半は,こんな感じのごく普通の株です.大きくなってから綴れ出すのが理想です.なので我慢して待っていましたが,なかなかそんな風にはなりま...
ウチには大してギムノはいませんが,梅雨時にハウスで何かしらが咲いているとすればギムノだったりします. このホルスティは,2012年に鶴仙園さんで手にしたものです.当時はまだ駒込の本店が自由に入れた時代でした.時を経てそれなりに大きくなったのですが,肌もやや汚れ歳をとった風体になりました.でも相変わらず大きな花をポツポツと咲かせます. 次は子供の頃から馴染みのバッテリー.最近やたら強刺のバッテリーが出...
曇天の日は,黄色の花の写真を撮るのに最適な日です.明る過ぎる光条件ではカメラに収まった黄色の花は,人の見た目を大きく異なる色に写ります.後で画質調整はできるのですが,なにもする必要のない曇天での撮影がやはり最高です. このマグドガリーは随分前から居るのですが,上に伸びることもなく扁平な群生株に仕上がりつつあります.一昨年から交配相手ができ,開花時期がなかなか合わない中でもなんとか種子を得られるよ...
曇り空が続く中,ハウスのマミ棚では小さくもとても目につく緑の花が健気に咲いていました.M.heidiae L1154です.3年前にまだ本当に小さな株だった姿を紹介しています.あれから2回りほど大きくなり,元気に過ごしています. この黄色とも緑ともつかない花は,晴天下より曇天のもとで見た方が,幾分蛍光色のようにも見えて綺麗です.また写真を撮る際も晴天日より明るい曇天日の方が黄色の発色が良くなります. このヘイディ...
鬱陶しい天気が続く中で,風蓮丸(M.fraileana = Cochemiea fraileana)など夏マミが咲き始めています.この個体はREP580で,カリフォルニア半島の先端ラパス付近が故郷です.毎年比較的早い時期から咲いてくるのですが,ウチに古くからいる国内実生の個体は完全に夏咲きです.開花特性においてかなりの系統間差があるようですね. バハ付近に分布するマミはいずれも先端が長く割れた特徴的な雌しべを持ちます.これを覗き込ん...
この時期フェロたちが花をあげて来ます.特に緑花とも言える黄花のフェロはとても目につきます.この紅裳竜は2011年サボテン趣味を再開した直後に西沢サボテン園さんから通販で手に入れたものです.小さな株でしたが,時間の経過とともに大きくなりました.でも小型のフェロなので場所を取ることもなく,それなりの刺ものらしい姿になり,花も咲かせるので良い種だと思います. もう一つは偉壮玉.これもまた2011年にヤフオクで...
紅葉ヘキランを初めてご覧になった方は,たいていその派手な色合いに驚かれます.そしてこれが初夏になると色を失い緑のヘキランに戻るというとなお驚かれます.ただ,どうしてそうなるのかという原理についてはちゃんとした説明がなされていません.そして成長するに従い紅葉が現れにくくなるものが多いことも面白いことです. さて昨年接木した紅葉亀甲ヘキランの3月の様子はこんなでした.他ものも綺麗に紅葉しています. ...
これは御旗です.いつものようにこの時期に花を上げてきました.ふと見ると小さい方の蕾が何か変です. まるで体の中から突き出ているかのように見えます.下から覗いてみるとまさに表皮を突き破って蕾が出てきているようです.これはどうしたことでしょうか. 花は最初こそ楕円形でしたが,花弁は正常に開き,特に形態的異常は見られません. 花が終わり,花ガラをとって改めて観察してみました.取り出した花ガラは普通の花...
パキプス オペルクリカリアがあまりに人気なので,一体何が良いのだろう?と一鉢手にしたのが2019年春のことです.ラベルを見ると62歳の誕生日に自分のプレゼントとして購入したようです.手にしてみて,ああこれはただの盆栽やな,と直感したのですが,何故かこの盆栽が今も衰えることない人気を保っています.地植えが良いと聞いて鉢を埋めたのが2年前のこと.鉢が傾いて来たのは,どうやら地中で鉢から外に出た根が,押し上...
銀姫(Mammillaria slevinii)が大好きなマミラリアの一つだということを何度か書きましたし,事実何度も登場して来ました.少し前にFN付きの種子を蒔いていたのですが,ようやく開花して来ました.このSB1251の故郷はカリフォルニア半島の先端近く,San Juan de la Costaです.何か種内変異が見られるかなと思っていましたが,基本皆同じ顔つきでした.花は大小あるように見えますが,まだ小株なのでなんとも言えません. 下の...
数年前からこの短刺の琴系丸(Mammillaria camptotricha)が出回り,マミ好きのボクとしてはぜひ観察してみたいものでした.なかなか良い機会に恵まれず最近ようやく手にしてじっくりと観察してみました.ユーモラスな感じさえするこの短刺カンプトくん,人気者となったのがなんとなく頷けます.なおこのタイプの琴系丸をモンストと称する向きもありますが,これはモンストに当たらないと思います. 下の写真はウチに居る普通に...
昨年の夏に種採りのことを記事にしました.今年も春から手交配をして種採りに励んでいます.毎朝見て柱頭が出ているものに小さな絵筆で花粉をつけます.柱頭は先が3つに分かれ赤いのですぐに目に付きます. しばらくすると丸三角の果実が見えて来ます.手交配しても100%着果するわけではありませんが,放置して,アリさんに任せているよりは格段に着果数は増えます. 今年はタピオカストローなる胴太のプラスチックストローが...
雨がちの日は,何となく暗い雰囲気です.こんな時は黄色の花がハウスを明るくしてくれます.最初はバウミー綿花玉(M.baumii),春から何度も咲いてくれます.この鮮やかな黄色は本当に素敵です. 次は金星(M.longimamma)です.子供の時始めて金星を見た時,なんと大味なサボテンだろうと思いました.種小名にあるように長いイボが特徴です.株が大きくなるに従いこのイボの大きさも増し,なんとなく大味なマミラリアになるの...
接降ろしの時期がやって来ました.大体7月にキリンの接木をするのですが,1年で降ろすか,もう一年台の上に居てもらうか,いつも悩むところです.ただ1年である程度のサイズまで成長したものは,2年間据え置くと穂木はすっかり間延びしてしまいます.下の写真は昨年の接木たち,この中でサイズの出たものは,降ろすことにします. 太平たちはいつもキリンの上に2年間居てから接降ろし,その際は短い茎を着けて挿し木します.今...
昨年のこと,マグドガリーはありませんか?と友人から聞かれ,ウチに居るのは一株だけで,種子は採れませんとお答えしました.そしてネットを探すと結構な値段,おやこんなものが品薄なのかと驚きました.早速小苗を手に入れ開花するのを待っていました. 不思議なことですが,ウチに以前からいる大株はまだ蕾さえ見えない4月の初旬に次々と開花しました.そんなに開花期が違うのはどうしてだろうかと唸ってしまいました.とり...
梅雨の最中,ウチにいくつか居る神竜太平の一つが開花しました.実に綺麗な花です.神竜×太平は,用いた太平のタイプが異なるためでしょうか,それぞれ花の様相が少しずつ違うのが楽しいですね. この株は神竜×翠平と言うことで入手したものですが,ただどんな翠平なのかの情報はありません.しかし,神竜×太平は大概このような形態のサボテンになります.肌は燻んだ緑で,稜の数は多く,刺は太平と神竜の中間型ですが,大抵は...
この3月にカクタスクラブのツアーでお邪魔しましたので,それほど間が空いたわけでもありません.ただボクの気分は随分久しぶりのような感じがしていました.ハウスの入り口には多肉の寄せ植え、こんな寄せ植え置いてあったっけ?と見つめてしまいました. ようやく梅雨入りした三河地方,曇りがちなのでハウスも過ごしやすい温度でした。遮光のない強刺類のハウスでは,フェロの大株たちが気持ちよさそうに過ごしていまし...
前年に採種したパキポジウムの種子は,いつも気温が上がる6月以降に播種しています.パキポの芽生えが揃った様子はなかなか可愛いものです.この段階では全く普通の双子葉類の芽生えですが,この後下胚軸が肥大して,あのパキポになってゆくのですから面白いことです. 今年はプラグトレー育苗にも挑戦してみました.箱蒔きに比べて生育はどうか,植え替えが楽になるかどうか見ておきたいと思います. 今年の3月に交配したパキ...
いよいよ関東も梅雨入りしたようですね.何事も東京中心のこの国では,お天気の話でも東京の暑さや風雨,そして雪に至っては国の一大事のようにテレビで盛んに伝えられます.梅雨入り直前の西武屋上を覗いてみました. しばらくぶりの西武屋上です.あの騒動以降,屋上のベンダーさんの多くが店を閉めてしまい,かつての賑わいはありません.でも嬉しいことに鶴仙園さんは現在です. いつもながら,幅広い品揃えはビギナーから...
3年前にフレーム1号を作り,ウチに居るほとんどのテフロをその中に移しました.最初は少し焼けたのですが,だんだん慣れたのか今はごく普通に過ごしています.ここに置くことで長らく咲いたことのなかった白狐が咲いたことを以前に記事にしました. 今年もいくつかのTephrocactus articulatusたちが花を咲かせたり,気まぐれに新しい茎節を伸ばしたりしています.アルティクラータスたちは,刺の有無を始め, 刺の形も実に様々...
全国的にようやく梅雨に入ったのかと思われる天気になっています.先日,梅雨の中休みを狙って,ハウスに遮熱遮光資材ふあふわを掛け,夏の備えも完了しました.ハウスは陽が射すと40℃に迫る状態ですが,サボテンたちもだんだん慣れてきています.幸い今のところ最低気温は20℃以下まで下がるので,まだ暑さはあまり心配する必要はない状態です. ハウスでは夏マミが咲き始めており,朝のうちにハウスに入る楽しみを作り出してく...
Frailea buenekeri var. densispina の花が綺麗だという記事を書いたのはもう3年も前です.当時3株あったのですが,だんだんと調子を崩して今は一株になっています.株自体はそれほど大きくはなっていませんが,以前と変わらない綺麗な花です.フライレアの仲間は花を開かずに種子を残す性質があり,花が咲かずに種子ができてしまうことがあります.このデンシスピナは比較的よく咲いてくれます.今ウチのフライレア達の多くは少...
昨年秋にFNの着いたグラウカム(Acanthocalycium glaucum=Echinopsis glaucina)種子由来の初花を記事にしました.春になり幾つもの個体が花を着けました.それぞれ特徴があることが分かりましたので,記録しておきます. 最初はFR970,爽やかなレモンイエローの花です.アカントカリキウムは大体球体の側面のアレオレに花芽が着き,花筒は短いのが特徴です.FR970の故郷は,アルゼンチンCatamarca州North of Belenです. グラ...
早春に咲いたマミたちが赤い果実をあげています.中には花よりもこっちの方が観賞価値があるんじゃないかと思われるものもあります.花と実,2回楽しめるのは嬉しいですね. 景清(M.sempervivi).この時期白い綿毛に赤い身が突然生えてきてしばらくこの姿を楽しめます. 小型のマミ,コロンビアナ(M. columbiana)です.花時もやや地味な彼らですが,赤い実を着けた今が一番の見頃なのかもしれません. 小型のタイプのグラ...
この偉壮玉は,〇〇偉壮玉と岡山のO氏の名を冠につけたものとして随分前に入手しました.長い間ゆっくりと成長していましたが,ここ数年で急に大きくなってきています. 偉壮玉にはFerocactus acanthodes var. rostiiという学名が使われ,鯱頭の変種とされていましたが,現在ではF.cylindraceusの1タイプとされています.花を見ると確かに鯱頭と同じなのだなと思えてきます.鯱頭といえば,赤やオレンジのうねる刺が特徴ですが...
この紅裳竜は2011年に西沢さんのところからきたウチに居る古参のフェロです.毎年元気成長して花も咲かせていますが,株の下側がだんだん萎縮するのか,この十数年で大してサイズは伸びていませんが,すっかり大人顔.これはある意味フェロの理想形です. この紅裳竜はFerocactus viridescens subsp. littoralisすなわち竜眼の変種とされます.littoralisとは海岸に生えるという意味で,バハカリフォルニア北部の西海岸が主な生...
サボテンの花に赤や黄色があるのは,花弁の中にベタシアニン系の色素があるためです.生体内で前駆物質から様々な酵素により修飾され最終的に色のついた物質になります.その過程で何らかの突然変異が起こる,多くの場合はある酵素の機能が欠損すると色がつかない花,すなわち白花になります. これは太陽の白花変異品種.太陽の特徴である赤紫の雌しべも色が抜けて緑になり,大変印象的な白花になります. 次は白花テレサエ....
テレサエ(Mammillaria theresae)は,軟質マミの代表選手.水を吸うとぐっと伸び,成長が止まると思いっきり縮みます.なんといってもその刺の奇妙な形態と柔らかさが彼らの最大の特徴でしょうか.あるサイトでテレサエの刺はクラゲのようだと書いてありました.なるほどクラゲねーと眺めて感心しました. まずは咲き始めの写真.花は柔らかな雰囲気で,開いてまもない時間に最も色が濃く,二日目になるとより柔らかな色合いに...