chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
紫月
フォロー
住所
東京都
出身
未設定
ブログ村参加

2010/02/02

arrow_drop_down
  • ブログ引越のお知らせ

    訳ありましてgooブログからAmebaブログへ引っ越しました。下記アドレスが移転先になります。ブックマーク頂いていた皆さんにはご迷惑をお掛けしますが、Amebaブログで随時更新して行きますので、今後ともどうぞよろしくお願いします。http://ameblo.jp/skunk1554/ブログ引越のお知らせ

  • ちいさな蟲になった夢

    ちいさな蟲になった夢を見た。蟲になったぼくは朝靄のなか、真緑をした草木の茎でフルフルと、まるまっている朝露を無心に啜っている。そこには悩みなどなく、あるのはただ目前の朝露だけで。ぼくという生命はただ、おのれの命を紡ぐためだけに存在していた。ぼくのこころをもったちいさな蟲は、すべてを考えることなく、ただ目前の朝露を啜っていた。そこには幸せなどすらなかった。ちいさな蟲になった夢

  • 首都高

    助手席の君は首都高のことを、無機質な臓器のようだという。東京という名の街によこたわる、巨大なコンクリート製のはらわた。其処を流れるぼくたちは、東京という名の街の血肉のほんの一部。だけど今日のぼくには無機質な臓器じゃなく、巨大なメリーゴーラウンドに見えた。時速80キロの街を流れるメリーゴーラウンド。君とふたりきりで流れるメリーゴーラウンド。かぼちゃの馬車も白いロバもいないけど、君とふたりきりで其処を流れていたら、まるでおさないころ夢中になった遊園地のように、夢がたくさん溢れているように見えた。首都高

  • 豹柄のジョージコックス

    おれのいちばんお気に入りの靴。豹柄のジョージコックス。サイズはずっと8でもう三足目。一足目とも二足目ともいろんなところにいった。一足目も二足目もボロボロになるまで履き潰した。この三足目ともずいぶんいろんなところにいった。だからもうずいぶん踵は磨り減って、ラバーソールのなかから白いところが顔を覗かせてる。だけどまだボロボロじゃない。まだまだ履き潰してはいない。だから三足目のお気に入りとは、もうちょっといろんなところにいけそうだ。豹柄のジョージコックス

  • 真白

    薄紫をした明るい夜空から、かぞえきれない真白が舞い降りてくる。ぼくの空のかぞえきれない真白たちは、きっとこの新宿を白く染めあげるだろう。君の空のかぞえきれない真白たちは、きっと君の街を白く染めあげるだろう。ぼくの空の真白と、君の空の真白は、違う景色を白く染めあげるだろう。どこまでも白く染めあげるだろう。真白

  • いちごのタワー

    君のだいすきないちごは、君のグロスをひいたくちびるのように艶やかで、どこまでも永遠な赤色をしていて。ぼくにはそれがちいさなこころのように見えて。ちいさなこころの形をした永遠な赤色に見えて。ぼくはそんな赤色のちいさなこころを、真白なお皿にどんどんつみあげてタワーをつくる。君への想いをかぞえながら、ちいさなこころをつみあげよう。君への想いはあまりにもたくさんだから、タワーは何処までもつみあがっていきそうだけど、あまり欲張ってつみあげると崩れてしまうから。タワーが崩れてしまうと、ぼくのこころも崩れてしまう気がするから。すこしひかえめに、つみあげよう。いちごでつみあげたちいさなタワーは、15センチくらいのちいさなタワーは、ぼくのひかえめな君への想い。君のだいすきないちごに託した、ぼくのひかえめなこころの想い。いちごのタワー

  • かわいい仔鹿

    にんげんに恋をした仔鹿がいた。とてもとてもかわいい仔鹿。彼女はにんげんが大好きで、森の奥からいつもにんげんを見つめていた。彼女の恋心と好奇心はあまりにもつよくて、ある日森を抜けだして、にんげんのそばまでやってきた。にんげんは満面の笑みを浮かべて、彼女をいざなう。彼女はやさしい笑顔に導かれるまま、歩みをつづけた。彼女は罠におちた。激痛があまりにもか細い足を突き抜け、彼女の全身をおそう。にんげんたちは満面の笑みを浮かべている。彼女はなにがおこったのかわからないまま、ただ涙をながした。そしてにんげんに恋をしたかわいい仔鹿は、なにがおこったのかわからないまま、にんげんたちに殺された。かわいい仔鹿

  • ストッパー

    あたまのなかにズブズブ腕を突っ込んで、おれの脳にきっと突き刺さってる、ストッパーをすべて抜き去ってやりたい。おれのほんとうの人格はだれもしらない。おれもしらない。ストッパー

  • 2時間30分の献立

    君から思いもかけないメールが届いた。「今夜家に遊びに行ってもいいかな」ってメールが届いた。君の誘いはいつだって突然で、だけどぼくにことわる理由なんてなにもなくて。時計の針は夕方の5時20分、冷蔵庫にはトマトと、たまねぎと、チェダーチーズ。「じゃあいっしょにご飯食べようか、7時に待ってるよ」君にこのメールを入れたあと、ぼくは意をけっしてこごえるさむさのなか、すこし遠くのスーパーマーケットまで買いものにでかける。生ハムと、アンチョビと、フランスパン半分と、1.6ミリのスパゲッティと、1000円ちょっとのスパークリングワイン。あと君のベリーニのためのピーチネクター。このピーチネクターを買うために、この店までやってきたんだ。いそいで家に帰ったらもう7時前。君は約束の7時にすこしおくれてやってきた。すこし紅潮した頬で、屈...2時間30分の献立

  • ことばの魔法使い

    ことばにはきっと魔法が秘められている。ことばの魔法を使いこなせたなら、君のこころに響くことばが見つかるのに。ことばの魔法使いになれたなら、君のこころもきっと掴まえられるのに。ぼくはぼくの魔法をふり絞ってことばを綴る。君のこころの奥底にふれることのできることばを、せいいっぱい想像しながら、あたまのなかで何編も何十編もただ綴る。だけどぼくは魔法使いじゃなくて、半人前にすらなれない落ちこぼれのものだから、君のこころに響くことばが見つけられない。君のこころを掴まえることばが綴れない。ただ一度だけでもいいから伝えたい。もしも神さまが一度きりの魔法をプレゼントしてくれるのなら、ぼくは迷わずことばを見つけだすだろう。君のこころに響くことばを、君のこころを掴まえられることばを。こころのなかが溢れてしまうくらいに、いっぱい君を想...ことばの魔法使い

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、紫月さんをフォローしませんか?

ハンドル名
紫月さん
ブログタイトル
弱きもののうた
フォロー
弱きもののうた

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用