かわいい仔鹿
にんげんに恋をした仔鹿がいた。とてもとてもかわいい仔鹿。彼女はにんげんが大好きで、森の奥からいつもにんげんを見つめていた。彼女の恋心と好奇心はあまりにもつよくて、ある日森を抜けだして、にんげんのそばまでやってきた。にんげんは満面の笑みを浮かべて、彼女をいざなう。彼女はやさしい笑顔に導かれるまま、歩みをつづけた。彼女は罠におちた。激痛があまりにもか細い足を突き抜け、彼女の全身をおそう。にんげんたちは満面の笑みを浮かべている。彼女はなにがおこったのかわからないまま、ただ涙をながした。そしてにんげんに恋をしたかわいい仔鹿は、なにがおこったのかわからないまま、にんげんたちに殺された。かわいい仔鹿
2010/01/29 12:18