大学入学共通テスト「国語」第4問の「古文」。まさかの『源氏物語』がテキストとして出題されました!NHK大河ドラマ「光る君へ」の影響かもしれませんね。例年、セン…
「源氏物語」の原文と口語訳の照らし合わせで、大学受験に必要な古文センスを身につけていきましょう
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2025年度大学入学共通テスト古文:【文章Ⅰ:有明の別れ】【文章Ⅱ:源氏物語「若菜」】イラスト訳
大学入学共通テスト「国語」第4問の「古文」。まさかの『源氏物語』がテキストとして出題されました!NHK大河ドラマ「光る君へ」の影響かもしれませんね。例年、セン…
「その人なめり」と見たまふに、いとをかしければ、太刀抜きたるかひなをとらへて、いといたうつみたまへれば、ねたきものから、え堪へで笑ひぬ。 【これまでのあらすじ…
かうあらぬさまにもてひがめて、恐ろしげなるけしきを見すれど、なかなかしるく見つけたまひて、「我と知りて、ことさらにするなりけり」と、をこになりぬ。 【これまで…
好ましう若やぎてもてなしたるうはべこそ、さりもありけれ、五十七、八の人の、うちとけてもの言ひ騒げるけはひ、えならぬ二十の若人たちの御なかにてもの怖ぢしたる、い…
女、「あが君、あが君」と、向ひて手をするに、ほとほと笑ひぬべし。 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏でしたが、源氏姓を賜り、臣下に降り…
中将、「いかで我と知られきこえじ」と思ひて、ものも言はず、ただいみじう怒れるけしきにもてなして、太刀を引き抜けば、 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子とし…
「誰れと知られで出でなばや」と思せど、しどけなき姿にて、冠などうちゆがめて走らむうしろで思ふに、「いとをこなるべし」と、思しやすらふ。 【これまでのあらすじ】…
ならひて、いみじく心あわたたしきにも、「この君をいかにしきこえぬるか」とわびしさに、ふるふふるふ、つとひかへたり。「誰れと知られで出でなばや」と思せど、しどけ…
内侍は、ねびたれど、いたくよしばみなよびたる人の、先々もかやうにて、心動かす折々ありければ、 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏でした…
中将、をかしきを念じて、引きたてまつる屏風のもとに寄りて、ごほごほとたたみ寄せて、おどろおどろしく騒がすに、 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生ま…
「あな、わづらはし。出でなむよ。蜘蛛のふるまひは、しるかりつらむものを。心憂く、すかしたまひけるよ」とて、直衣ばかりを取りて、屏風のうしろに入りたまひぬ。 【…
おとなおとなしき人に、かく似げなきふるまひをして、見つけられむことは、恥づかしければ、 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏でしたが、源…
君は、とけてしも寝たまはぬ心なれば、ふと聞きつけて、この中将とは思ひ寄らず、「なほ忘れがたくすなる修理大夫にこそあらめ」と思すに、 【これまでのあらすじ】桐壺…
風ひややかにうち吹きて、やや更けゆくほどに、すこしまどろむにやと見ゆるけしきなれば、やをら入り来るに、 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれた光…
「かかる折に、すこし脅しきこえて、御心まどはして、懲りぬやと言はむ」と思ひて、たゆめきこゆ。 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏でした…
「いかで見あらはさむ」とのみ思ひわたるに、これを見つけたる心地、いとうれし。 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏でしたが、源氏姓を賜り…
頭中将は、この君のいたうまめだち過ぐして、常にもどきたまふがねたきを、つれなくてうちうち忍びたまふかたがた多かめるを、 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子…
「あまりはしたなくや」と思ひ返して、人に従へば、すこしはやりかなる戯れ言など言ひかはして、これもめづらしき心地ぞしたまふ。 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二…
「人妻はあなわづらはし東屋の真屋のあまりも馴れじとぞ思ふ」とて、うち過ぎなまほしけれど、 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏でしたが、…
我ひとりしも聞き負ふまじけれど、「うとましや、何ごとをかくまでは」と、おぼゆ。 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏でしたが、源氏姓を賜…
「立ち濡るる人しもあらじ東屋にうたてもかかる雨そそきかな」と、うち嘆くを、 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏でしたが、源氏姓を賜り、…
弾きやみて、いといたう思ひ乱れたるけはひなり。君、「東屋」を忍びやかに歌ひて寄りたまへるに、「押し開いて来ませ」と、うち添へたるも、例に違ひたる心地ぞする。 …
「瓜作りになりやしなまし」と、声はいとをかしうて歌ふぞ、すこし心づきなき。「顎州にありけむ昔の人も、かくやをかしかりけむ」と、耳とまりて聞きたまふ。 【これま…
御前などにても、男方の御遊びに交じりなどして、ことにまさる人なき上手なれば、もの恨めしうおぼえける折から、いとあはれに聞こゆ。 【これまでのあらすじ】桐壺帝の…
夕立して、名残涼しき宵のまぎれに、温明殿のわたりをたたずみありきたまへば、この内侍、琵琶をいとをかしう弾きゐたり。 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子とし…
慰めむと思せど、かなはぬもの憂さに、いと久しくなりにけるを、 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏でしたが、源氏姓を賜り、臣下に降ります…
いたう忍ぶれば、源氏の君はえ知りたまはず。見つけきこえては、まづ怨みきこゆるを、齢のほどいとほしければ、 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれた…
「かのつれなき人の御慰めに」と思ひつれど、見まほしきは、限りありけるをとや。うたての好みや。 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏でした…
尽きせぬ好み心も見まほしうなりにければ、語らひつきにけり。 この君も、人よりはいとことなるを、 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏でし…
人びとも、「思ひのほかなることかな」と、扱ふめるを、頭中将、聞きつけて、「至らぬ隈なき心にて、まだ思ひ寄らざりけるよ」と思ふに、 【これまでのあらすじ】桐壺帝…
内侍は、なままばゆけれど、憎からぬ人ゆゑは、濡れ衣をだに着まほしがるたぐひもあなればにや、いたうもあらがひきこえさせず。 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇…
「似つかはしからぬあはひかな」と、いとをかしう思されて、「好き心なしと、常にもて悩むめるを、さはいへど、過ぐさざりけるは」とて、笑はせたまへば、 【これまでの…
「いま、聞こえむ。思ひながらぞや」とて、引き放ちて出でたまふを、せめておよびて、「橋柱」と怨みかくるを、主上は御袿果てて、御障子より覗かせたまひけり。 【これ…
ひかへて、「まだかかるものをこそ思ひはべらね。今さらなる、身の恥になむ」とて泣くさま、いといみじ。 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏…
「笹分けば人やとがめむいつとなく駒なつくめる森の木隠れ わづらはしさに」とて、立ちたまふを、 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏でした…
人や見つけむと苦しきを、女はさも思ひたらず、「君し来ば手なれの駒に刈り飼はむ盛り過ぎたる下葉なりとも」と言ふさま、こよなく色めきたり。【これまでのあらすじ】桐…
「ことしもあれ、うたての心ばへや」と笑まれながら、「森こそ夏の、と見ゆめる」とて、何くれとのたまふも、似げなく、 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として…
片つ方に、手はいとさだ過ぎたれど、よしなからず、「森の下草老いぬれば」など書きすさびたるを、【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏でしたが…
「似つかはしからぬ扇のさまかな」と見たまひて、わが持ちたまへるに、さしかへて見たまへば、赤き紙の、うつるばかり色深きに、木高き森の画を塗り隠したり。 【これま…
かはぼりのえならず画きたるを、さし隠して見返りたるまみ、いたう見延べたれど、目皮らいたく黒み落ち入りて、いみじうはつれそそけたり。 【これまでのあらすじ】桐壺…
「さも古りがたうも」と、心づきなく見たまふものから、「いかが思ふらむ」と、さすがに過ぐしがたくて、裳の裾を引きおどろかしたまへれば、 【これまでのあらすじ】桐…
また人もなくて、この内侍、常よりもきよげに、様体、頭つきなまめきて、装束、ありさま、いとはなやかに好ましげに見ゆるを、 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子…
主上の御梳櫛にさぶらひけるを、果てにければ、主上は御袿の人召して出でさせたまひぬるほどに、 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏でしたが…
ものなどのたまひてけれど、人の漏り聞かむも、古めかしきほどなれば、つれなくもてなしたまへるを、女は、いとつらしと思へり。 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇…
戯れ事言ひ触れて試みたまふに、似げなくも思はざりける。あさまし、と思しながら、さすがにかかるもをかしうて、 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれ…
そなたには重からぬあるを、「かう、さだ過ぐるまで、などさしも乱るらむ」と、いぶかしくおぼえたまひければ、 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれた…
年いたう老いたる典侍、人もやむごとなく、心ばせあり、あてに、おぼえ高くはありながら、いみじうあだめいたる心ざまにて、 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子と…
まことには乱れたまはぬを、「まめやかにさうざうし」と思ひきこゆる人もあり。 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏でしたが、源氏姓を賜り、…
「げにぞ、あやしう好いたまはざめる」と、試みに戯れ事を聞こえかかりなどする折あれど、情けなからぬほどにうちいらへて、 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子と…
はかなきことをも言ひ触れたまふには、もて離るることもありがたきに、目馴るるにやあらむ、 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏でしたが、源…
帝の御年、ねびさせたまひぬれど、かうやうの方、え過ぐさせたまはず、采女、女蔵人などをも、容貌、心あるをば、ことにもてはやし思し召したれば、よしある宮仕へ人多か…
「…いかなるもののくまに隠れありきて、かく人にも怨みらるらむ」とのたまはす。 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏でしたが、源氏姓を賜り…
「さるは、好き好きしううち乱れて、この見ゆる女房にまれ、またこなたかなたの人びとなど、なべてならずなども見え聞こえざめるを、…」 【これまでのあらすじ】桐壺帝…
「…などか情けなくはもてなすなるらむ」など、のたまはすれど、かしこまりたるさまにて、御いらへも聞こえたまはねば、「心ゆかぬなめり」と、いとほしく思し召す。 【…
内裏にも、かかる人ありと聞こし召して、「いとほしく、大臣の思ひ嘆かるなることも、げにものげなかりしほどをおほなおほなかくものしたる心をさばかりのことたどらぬほ…
「内裏わたりなどにて、はかなく見たまひけむ人を、ものめかしたまひて、人やとがめむと隠したまふななり。心なげにいはけて聞こゆるは」など、さぶらふ人びとも聞こえあ…
「誰ならむ。いとめざましきことにもあるかな」「今までその人とも聞こえず、さやうにまつはしたはぶれなどすらむは、あてやかに心にくき人にはあらじ」 【これまでのあ…
かやうに、とどめられたまふ折々なども多かるを、おのづから漏り聞く人、大殿に聞こえければ、 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏でしたが、…
かかるを見捨てては、いみじき道なりとも、おもむきがたくおぼえたまふ。 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏でしたが、源氏姓を賜り、臣下に…
もろともにものなど参る。いとはかなげにすさびて、「さらば、寝たまひねかし」と、危ふげに思ひたまへれば、 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれた光…
姫君起こしたてまつりたまひて、「出でずなりぬ」と聞こえたまへば、慰みて起きたまへり。 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏でしたが、源氏…
いと心苦しうて、「今宵は出でずなりぬ」とのたまへば、皆立ちて、御膳などこなたに参らせたり。 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏でしたが…
さすがに恥づかしうて、ともかくもいらへきこえたまはず。やがて御膝に寄りかかりて、寝入りたまひぬれば、 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれた光源…
「…おとなしく見なしては、他へもさらに行くまじ。人の怨み負はじなど思ふも、世に長うありて、思ふさまに見えたてまつらむと思ふぞ」など、こまごまと語らひきこえたま…
「我も、一日も見たてまつらぬはいと苦しうこそあれど、幼くおはするほどは、心やすく思ひきこえて、まづ、くねくねしく怨むる人の心破らじと思ひて、むつかしければ、し…
御髪のいとめでたくこぼれかかりたるを、かき撫でて、「他なるほどは恋しくやある」とのたまへば、うなづきたまふ。 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生ま…
姫君、例の、心細くて屈したまへり。絵も見さして、うつぶしておはすれば、いとらうたくて、 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏でしたが、源…
大殿油参りて、絵どもなど御覧ずるに、「出でたまふべし」とありつれば、人びと声づくりきこえて、「雨降りはべりぬべし」など言ふに、 【これまでのあらすじ】桐壺帝の…
「保曾呂俱世利」といふものは、名は憎けれど、おもしろう吹きすさびたまへるに、かき合はせ、まだ若けれど、拍子違はず上手めきたり。 【これまでのあらすじ】桐壺帝の…
いとさとくて、かたき調子どもを、ただひとわたりに習ひとりたまふ。大方らうらうじうをかしき御心ばへを、「思ひしことかなふ」と思す。 【これまでのあらすじ】桐壺帝…
小さき御ほどに、さしやりて、ゆしたまふ御手つき、いとうつくしければ、らうたしと思して、笛吹き鳴らしつつ教へたまふ。 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子とし…
「筝の琴は、中の細緒の堪へがたきこそところせけれ」とて、平調におしくだして調べたまふ。かき合はせばかり弾きて、さしやりたまへれば、え怨じ果てず、いとうつくしう…
「あな、憎。かかること口馴れたまひにけりな。みるめに飽くは、まさなきことぞよ」とて、人召して、御琴取り寄せて弾かせたてま筝つりたまふ。 【これまでのあらすじ】…
端の方についゐて、「こちや」とのたまへど、おどろかず、「入りぬる磯の」と口ずさみて、口おほひしたまへるさま、いみじうされてうつくし。 【これまでのあらすじ】桐…
愛敬こぼるるやうにて、おはしながらとくも渡りたまはぬ、なまうらめしかりければ、例ならず、背きたまへるなるべし。 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生…
女君、ありつる花の露に濡れたる心地して、添ひ臥したまへるさま、うつくしうらうたげなり。 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏でしたが、源…
しどけなくうちふくだみたまへる鬢ぐき、あざれたる袿姿にて、笛をなつかしう吹きすさびつつ、のぞきたまへれば、 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれ…
つくづくと臥したるにも、やるかたなき心地すれば、例の、慰めには西の対にぞ渡りたまふ。 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏でしたが、源氏…
よろこびながらたてまつれる、「例のことなれば、しるしあらじかし」と、くづほれて眺め臥したまへるに、胸うち騒ぎて、いみじくうれしきにも涙落ちぬ。 【これまでのあ…
わが御心にも、ものいとあはれに思し知らるるほどにて、「袖濡るる露のゆかりと思ふにもなほ疎まれぬ大和撫子」とばかり、ほのかに書きさしたるやうなるを、 【これまで…
さりぬべき隙にやありけむ、御覧ぜさせて、「ただ塵ばかり、この花びらに」と聞こゆるを、 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏でしたが、源氏…
「よそへつつ見るに心はなぐさまで露けさまさる撫子の花 花に咲かなむ、と思ひたまへしも、かひなき世にはべりければ」 とあり。 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二…
御前の前栽の、何となく青みわたれるなかに、常夏のはなやかに咲き出でたるを、折らせたまひて、命婦の君のもとに、書きたまふこと、多かるべし。 【これまでのあらすじ…
わが御かたに臥したまひて、「胸のやるかたなきほど過ぐして、大殿へ」と思す。 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏でしたが、源氏姓を賜り、…
宮は、わりなくかたはらいたきに、汗も流れてぞおはしける。中将は、なかなかなる心地の、乱るやうなれば、まかでたまひぬ。 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子と…
もの語りなどして、うち笑みたまへるが、いとゆゆしううつくしきに、わが身ながら、これに似たらむはいみじういたはしうおぼえたまふぞ、あながちなるや。 【これまでの…
中将の君、面の色変はる心地して、恐ろしうも、かたじけなくも、うれしくも、あはれにも、かたがた移ろふ心地して、涙落ちぬべし。 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二…
「…されば、思ひわたさるるにやあらむ。いとよくこそおぼえたれ。いと小さきほどは、皆かくのみあるわざにやあらむ」とて、いみじくうつくしと思ひきこえさせたまへり。…
例の、中将の君、こなたにて御遊びなどしたまふに、抱き出でたてまつらせたまひて、「御子たち、あまたあれど、そこをのみなむ、かかるほどより明け暮れ見し。…」 【こ…
「かうやむごとなき御腹に、同じ光にてさし出でたまへれば、疵なき玉」と思しかしづくに、宮はいかなるにつけても、胸のひまなく、やすからずものを思ほす。 【これまで…
ただ人にてかたじけなき御ありさま、容貌に、ねびもておはするを御覧ずるままに、心苦しく思し召すを、 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏で…
いみじう思ほしかしづくこと、限りなし。源氏の君を、限りなきものに思し召しながら、世の人のゆるしきこゆまじかりしによりて、坊にも据ゑたてまつらずなりにしを、飽か…
あさましきまで、まぎれどころなき御顔つきを、思し寄らぬことにしあれば、「またならびなきどちは、げにかよひたまへるにこそは」と、思ほしけり。 【これまでのあらす…
四月に内裏へ参りたまふ。ほどよりは大きにおよすけたまひて、やうやう起き返りなどしたまふ。 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏でしたが、…
人目立つまじく、なだらかにもてなしたまふものから、心づきなしと思す時もあるべきを、いとわびしく思ひのほかなる心地すべし。 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇…
かくのみ言ひやる方なくて、帰りたまふものから、人のもの言ひもわづらはしきを、わりなきことにのたまはせ思して、命婦をも、昔おぼいたりしやうにも、うちとけむつびた…
「見ても思ふ見ぬはたいかに嘆くらむこや世の人のまどふてふ闇 あはれに、心ゆるびなき御ことどもかな」と、忍びて聞こえけり。 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇…
命婦も、宮の思ほしたるさまなどを見たてまつるに、えはしたなうもさし放ちきこえず。 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏でしたが、源氏姓を…
「いかさまに昔結べる契りにてこの世にかかるなかの隔てぞ かかることこそ心得がたけれ」とのたまふ。 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏で…
かたはらいたきことなれば、まほにもえのたまはで、「いかならむ世に、人づてならで、聞こえさせむ」とて、泣いたまふさまぞ、心苦しき。 【これまでのあらすじ】桐壺帝…
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女、「あが君、あが君」と、向ひて手をするに、ほとほと笑ひぬべし。 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏でしたが、源氏姓を賜り、臣下に降り…
中将、「いかで我と知られきこえじ」と思ひて、ものも言はず、ただいみじう怒れるけしきにもてなして、太刀を引き抜けば、 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子とし…
「誰れと知られで出でなばや」と思せど、しどけなき姿にて、冠などうちゆがめて走らむうしろで思ふに、「いとをこなるべし」と、思しやすらふ。 【これまでのあらすじ】…
ならひて、いみじく心あわたたしきにも、「この君をいかにしきこえぬるか」とわびしさに、ふるふふるふ、つとひかへたり。「誰れと知られで出でなばや」と思せど、しどけ…
内侍は、ねびたれど、いたくよしばみなよびたる人の、先々もかやうにて、心動かす折々ありければ、 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏でした…
中将、をかしきを念じて、引きたてまつる屏風のもとに寄りて、ごほごほとたたみ寄せて、おどろおどろしく騒がすに、 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生ま…
「あな、わづらはし。出でなむよ。蜘蛛のふるまひは、しるかりつらむものを。心憂く、すかしたまひけるよ」とて、直衣ばかりを取りて、屏風のうしろに入りたまひぬ。 【…
おとなおとなしき人に、かく似げなきふるまひをして、見つけられむことは、恥づかしければ、 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏でしたが、源…
君は、とけてしも寝たまはぬ心なれば、ふと聞きつけて、この中将とは思ひ寄らず、「なほ忘れがたくすなる修理大夫にこそあらめ」と思すに、 【これまでのあらすじ】桐壺…
風ひややかにうち吹きて、やや更けゆくほどに、すこしまどろむにやと見ゆるけしきなれば、やをら入り来るに、 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれた光…
「かかる折に、すこし脅しきこえて、御心まどはして、懲りぬやと言はむ」と思ひて、たゆめきこゆ。 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏でした…
「いかで見あらはさむ」とのみ思ひわたるに、これを見つけたる心地、いとうれし。 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏でしたが、源氏姓を賜り…
頭中将は、この君のいたうまめだち過ぐして、常にもどきたまふがねたきを、つれなくてうちうち忍びたまふかたがた多かめるを、 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子…
「あまりはしたなくや」と思ひ返して、人に従へば、すこしはやりかなる戯れ言など言ひかはして、これもめづらしき心地ぞしたまふ。 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二…
「人妻はあなわづらはし東屋の真屋のあまりも馴れじとぞ思ふ」とて、うち過ぎなまほしけれど、 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏でしたが、…
我ひとりしも聞き負ふまじけれど、「うとましや、何ごとをかくまでは」と、おぼゆ。 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏でしたが、源氏姓を賜…
「笹分けば人やとがめむいつとなく駒なつくめる森の木隠れ わづらはしさに」とて、立ちたまふを、 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏でした…
人や見つけむと苦しきを、女はさも思ひたらず、「君し来ば手なれの駒に刈り飼はむ盛り過ぎたる下葉なりとも」と言ふさま、こよなく色めきたり。【これまでのあらすじ】桐…
「ことしもあれ、うたての心ばへや」と笑まれながら、「森こそ夏の、と見ゆめる」とて、何くれとのたまふも、似げなく、 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として…
片つ方に、手はいとさだ過ぎたれど、よしなからず、「森の下草老いぬれば」など書きすさびたるを、【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏でしたが…
「似つかはしからぬ扇のさまかな」と見たまひて、わが持ちたまへるに、さしかへて見たまへば、赤き紙の、うつるばかり色深きに、木高き森の画を塗り隠したり。 【これま…
かはぼりのえならず画きたるを、さし隠して見返りたるまみ、いたう見延べたれど、目皮らいたく黒み落ち入りて、いみじうはつれそそけたり。 【これまでのあらすじ】桐壺…
「さも古りがたうも」と、心づきなく見たまふものから、「いかが思ふらむ」と、さすがに過ぐしがたくて、裳の裾を引きおどろかしたまへれば、 【これまでのあらすじ】桐…
また人もなくて、この内侍、常よりもきよげに、様体、頭つきなまめきて、装束、ありさま、いとはなやかに好ましげに見ゆるを、 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子…
主上の御梳櫛にさぶらひけるを、果てにければ、主上は御袿の人召して出でさせたまひぬるほどに、 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏でしたが…
ものなどのたまひてけれど、人の漏り聞かむも、古めかしきほどなれば、つれなくもてなしたまへるを、女は、いとつらしと思へり。 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇…
戯れ事言ひ触れて試みたまふに、似げなくも思はざりける。あさまし、と思しながら、さすがにかかるもをかしうて、 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれ…
そなたには重からぬあるを、「かう、さだ過ぐるまで、などさしも乱るらむ」と、いぶかしくおぼえたまひければ、 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれた…
年いたう老いたる典侍、人もやむごとなく、心ばせあり、あてに、おぼえ高くはありながら、いみじうあだめいたる心ざまにて、 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子と…
まことには乱れたまはぬを、「まめやかにさうざうし」と思ひきこゆる人もあり。 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏でしたが、源氏姓を賜り、…
「げにぞ、あやしう好いたまはざめる」と、試みに戯れ事を聞こえかかりなどする折あれど、情けなからぬほどにうちいらへて、 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子と…
はかなきことをも言ひ触れたまふには、もて離るることもありがたきに、目馴るるにやあらむ、 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏でしたが、源…
帝の御年、ねびさせたまひぬれど、かうやうの方、え過ぐさせたまはず、采女、女蔵人などをも、容貌、心あるをば、ことにもてはやし思し召したれば、よしある宮仕へ人多か…
「…いかなるもののくまに隠れありきて、かく人にも怨みらるらむ」とのたまはす。 【これまでのあらすじ】桐壺帝の第二皇子として生まれた光源氏でしたが、源氏姓を賜り…
「さるは、好き好きしううち乱れて、この見ゆる女房にまれ、またこなたかなたの人びとなど、なべてならずなども見え聞こえざめるを、…」 【これまでのあらすじ】桐壺帝…
「…などか情けなくはもてなすなるらむ」など、のたまはすれど、かしこまりたるさまにて、御いらへも聞こえたまはねば、「心ゆかぬなめり」と、いとほしく思し召す。 【…