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金色銀色茜色 https://blog.goo.ne.jp/knjaskmstkzk

ごめんなさい。 新しい物語になっています。 和洋折中の時代を舞台にしました。

渡良瀬ワタル
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日南市
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2008/05/30

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  • 昨日今日明日あさって。(どうしてこうなった)6

    王妃様が顔を上げられた。気持ちを切り替えられたのだろう。俺は立ち上がって弔意を表そうとした。俺が口を開くより早く、王妃様に手で制された。「気持ちは受け取るわ。それよりも本題に入るわよ。・・・。問題は因幡の葬儀に誰を送るかよ。私は宮廷を留守に出来ない。政務から目を離すのが不安なのよ。だから代理を送るしかないの。ところが生憎、人がいないの。それなりの人物がね。王兄も王弟も反乱の真っ最中。それに近い王族の者達もそう。人材が払拭しているの。・・・。それで結局、私が向かうしかないのよ。そこでダンタルニャンには、留守の間イヴを頼みたいの。早くて十日、遅くても一ㇳ月で戻るつもりよ。お願い、受けてくれるわよね」一ㇳ月なんて今更だ。その予定で皆が動いていた。近衛も、うちの者達も。「子守は引き受けますが、政務は無理ですよ」王...昨日今日明日あさって。(どうしてこうなった)6

  • 昨日今日明日あさって。(どうしてこうなった)5

    俺は迎車の一輌目に、ドリスとジューンに連行される形で乗せられた。広い座席なのだが、二人に挟まれた俺は肩身が狭い。その代償なのか、左右から良い香りが漂って来た。案外これも悪くない。そんな俺を、向かい席に腰を下ろしたエリスと副官がニコリ。副官は口にはしないが、エリスは遠慮がない。「伯爵様、両手に花ですわね」「だねえ、花だよね」ドリスに尋ねられた。「伯爵様、その花の名前は」急な事で名前が出てこない。幾つか知ってる筈なのに。困った。ジューンにも尋ねられた。「伯爵様、花の名前を幾つ知ってますか」仕方がないので自分の鼻を指した。「一つだけ、伯爵様の小さな鼻」受けなかった。二輌目にはスチュアートと護衛の三名。三輌目には俺や家臣達の荷物。車列の前後には近衛の騎士達が護衛として付いた。傍目には近衛の車列としか見られないだろ...昨日今日明日あさって。(どうしてこうなった)5

  • 昨日今日明日あさって。(どうしてこうなった)4

    俺は屋敷へ急ぎ戻った。まだ迎車の姿はない。執務室で仕事をしながら待つ事にした。自慢ではないが、暇潰しの仕事には事欠かない。それほど待たされなかった。一山片付けた頃合い、門衛が迎車の到着を告げに上がって来た。「王宮からの迎車が到着しました」遅れて、玄関で待機していたスチュアートが戻って来た。「近衛のエリス野田中尉がお迎えに参られました。迎車が三輌、護衛が二十騎です。ダンカン執事長が中尉を一階の応接室に案内されました」屋敷警備責任者のウィリアム佐々木と、侍女長のバーバラをお供に、俺は一階の応接室に向かった。ウィリアムが階下へ下りながら疑問を呈した。「私共の同席が必要なのですか」バーバラも同意した。「ええ、そうですわよね」「二人の立ち合いが必要、と予感が告げたんだ」「「予感ですか」」羊羹ほど美味しくはない予感だ...昨日今日明日あさって。(どうしてこうなった)4

  • 昨日今日明日あさって。(どうしてこうなった)3

    俺は書類の確認を終えた。帳簿等には問題はない。「トランス、仕事は完璧だよ。ここの仕事量だと暇だろう。もう少し増やしてみようか」するとルースに阻まれた。「駄目ですよ。それはオメガ会館の事でしょう。ダン様、それには賛成できません。それに、ここもこれから増々忙しくなります。トランスは手放しませんよ」オメガ商会は俺が岐阜に、個人的に設立した商会だ。あちらとの人材交流を考えてのトランスなのだが、時期尚早だったかな。俺は苦笑いで収め、珈琲に手を伸ばした。うっ、苦い。大人の味が増々か。でも飲み込む。誰かの失笑が漏れ聞こえた。敢えて追及はしない。俺は会計関係以外の書類から、それを取り上げた。「忙しくなるのは、これかな」「ええ、それです」テニスの次に流行らすのはバドミントン、と考えていた。テニスに類似しているので、用具開発...昨日今日明日あさって。(どうしてこうなった)3

  • 昨日今日明日あさって。(どうしてこうなった)2

    俺がカブリオレに乗り込むと同時に供回りの者達が騎乗した。騎士達は職業ながら慣れているので、すんなり騎乗した。従者のスチュアートも。俺はそのスチュアートを呼び寄せて指示した。「先触れとしてアルファ商会に向かってくれ。取締役への伝言は、私人なので出迎えは不要。伝えたら、そのまま事務所で待機、分かったな」「私人なので出迎えは不要ですね。承知しました。伝言後はあちらで待機します」カブリオレがスムーズに発進した。驚いた事にジューンの手綱捌きに問題はない。「ジューン、慣れてるね」「はい、馭者は本来は専門職ですが、当家では今回の様に、一頭立てカブリオレは私達メイドが馭者を務めます。特に遠出の買い物や雨の日に利用します。これを機に、ダン様も私人の時には、この様にご利用くださいませ」俺は初耳だった。ん、待てよ、・・・。厚生...昨日今日明日あさって。(どうしてこうなった)2

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