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  • オヤジのあくび537

    金井良太「脳に刻まれたモラルの起源」を読む ボクの読書履歴を辿ると、一周回って元に戻って来ました的なところがあって、オヤジのあくびで言うと434〜道徳や倫理関連の本を読んでいる。 モラルファンデーション理論。傷つけないこと、公平性、内集団への忠誠、権威への敬意、神聖さ・純粋さという五つの道徳感情を根幹とした理論が紹介される。それぞれが脳内でどの程度機能しているか? で各人の政治的な傾向がわかると言う。また恐怖や不衛生なものに対する嫌悪感も傾向との親和性があるらしい。 日本人は常に災害に怯えて生きてきたので、不安を祓う信仰が根付いたのだろうし、保守・現状維持政権が続いていることも、急激な変化を求…

  • オヤジのあくび536

    赤坂英一「最後のクジラ」を読む 監督代行を務めていた時期から話は始まる。えっ、田代さんって監督やっていたの? ほとんどのファンが忘れかけている突然の監督就任とその後の苦闘を著者は追いかけている。シーズン途中で監督が代わるのだからチーム状態が良いはずがない。悔しい、苦しい試合を重ねていくが、残念な体験は高校時代に遡る。本人曰く「オレのエラーのせいで甲子園を逃した」相手はその年全国優勝を果たした桐蔭学園だった。 話は横道に逸れて盟友高木由一のエピソードが出る。彼はプロ野球の入団テストを受ける前は相模原市役所の公務員だったんですね。この二人にとって良き先輩でありアドバイザーだったのが、クリート・ボイ…

  • オヤジのあくび535

    岩田光央「声優道」を読む 著者の名前を聞いてピンと来ない方は、大友克洋のAKIRAで主役金田正太郎の声を演じた人と言えば、通じるだろうか? 教え子がプロダクションに所属していたことがきっかけで、芸能マネージャーと挨拶をしたことが一回だけある。その時名刺に刷られていた俳優の名前が凄かった。テレビドラマを観ないボクでさえ名前がわかる有名なタレント揃いだったのです! そう言えばその前の個人面談で母親が「今事務所選びに奔走している」と言っていた。何のことやらわからなかったけれど、事務所の力が凄く影響する世界であることは、その後も、そしてこの本でもよくわかった。本書の前半は、声優で生活していけるだけの収…

  • オヤジのあくび534

    磯田道史「無私の日本人」を読む 本書は史実に基づいた歴史小説として読めるし、実際登場人物の感情の起伏を書き込むことで、読み手の気持ちを引き寄せることに成功している。 初めは穀田屋十三郎。仙台藩吉岡宿の困窮を救うために奔走する商人の姿を描いている。しかし単なる美談ではなく、江戸後期のしきたりや社会の仕組みを要所要所で解説しながら、250年前はどのような時代であったのか? を歴史学者は解説していく。発端は爪を灯すようにして貯め集めた千両を藩に貸し付けて、その利息(文中は利足)で村を救うという途方もない計画。主人公たちは商人であるが、それを藩に願い出る道の何と遠く長いことか! さらに前例主義・事なか…

  • オヤジのあくび533

    門馬忠雄 「プロレス酔虎伝」を読む 題名でわかるように、酒をこよなく愛するプロレスラーたちのエピソード集です。ボクシング担当からプロレス記者に担当替えを命じられた著者は、プロレスラーに接近するために、とにかく一緒によく飲んだ。そこでオナラが原因のセメント試合やとんでもない鼾の話が、面白おかしく語られる。プロレスラーは体格体力以外も規格に収まらないようだ。 長沢秀幸という地味なレスラーが出てくる。タイガーマスクの得意技ローリングソバットのソバット=裏蹴り技を初めて使った選手だ。ボクは本書で初めて長沢選手の名前を知ったのだが、彼がカラスに襲われて弱っていた時の会話がきっかけで門馬記者と親しく話すよ…

  • オヤジのあくび532

    高坂勝「減速して生きる ダウンシフターズ」を読む。 著者が小売業界にいた頃、業績悪化に並行して指示系統が縦化されイエスマンが増えてきたと言う。翻って教育現場でも業績悪化については検証しづらいが、同様のことが言えそうです。子どもたちに自由の大切さを説く教師自身が不自由な状況で何が教えれるのでしょう? 著者はBARのマスター。店の名前は「たまには月でも眺めましょ」。一人旅で海に沈む三日月に感動した体験が店名の由来らしい。昔大きいことはいいことだ! と山本直純が歌っていたが、その逆で小さいことはいいこと=スモールメリットを標榜する。さらに石川県で農業を営む源さんこと西田栄喜さんのミニマム主義を紹介し…

  • オヤジのあくび531

    ウスビ・サコ「アフリカ人学長、京都修行中」を読む 京都特有の本音をストレートに言わず、極めて婉曲的な言い方を著者は京都コードと言う。著者がこの言い回しに苦労した様子が語られる。明日香、奈良、京都と並べて、結局訪れる回数は多いのだけれど、ボクが一番馴染めないのが京都です。明日香も奈良が都であった時間に比べて、桓武天皇が移した平安京は1230年弱の歴史があり、今もなお大都市で先祖代々ずっと住んでいる人々が大勢いて古都独自の文化を守っている。この京都の人と熟成された文化が、単細胞的な生き方をしてきたボクには馴染めないのかもしれない。 日本史上最高の立ち位置にある天皇陛下に対して「天皇さん」などと馴れ…

  • オヤジのあくび530

    河野太郎「日本を前に進める」 何か期待できそう。経験に裏打ちされた行動や発言から、希望が持てそうな気がしてくる。俊足自慢は置いておいて、ワシントンの大学で国際関係学を学び議員のインターンをしていたことや、帰国後富士ゼロックスに入りテレワークを始めた話など、政治家河野太郎を準備するピースの一つになっているのだろう。 国会議員一年生の時、先輩から教わった「小さな丘の頂上に自分の旗を立てろ」の例として、遺伝子組み換え食品への表示問題が書かれています。続いて消費者基本法。この頃は総裁選を戦った岸田さんと同じ問題に取り組んでいたのですね。 政治家の本は、実際に決定の責任を負う立場にある人が、どのように状…

  • オヤジのあくび529

    ジェームス・M・バーダマン、村田薫「ロックを生んだアメリカ南部」を読む3 教会とゴスペルの章を経て、本はカントリーミュージックへ。郷愁を歌った田舎とはどんなところだったのでしょう? 洋酒好きならバーボンを飲んだことがある人は多いでしょう。トウモロコシの香りが素敵ですが、元々は密造酒で、他に現金収入を得る方法がない土地=山国アパラチアで作られていたのですね。 アパラチアには、スコットランド、アイルランドからの移民が多く、彼らの故郷の音楽が影を落としている。やがてミンストレルショーがやって来る。心をほぐす娯楽の時! フォスターが多くの名曲を提供している。けれど実際にはフォスターは南部に行ったことが…

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