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  • ジェームス・M・バーダマン、村田薫「ロックを生んだアメリカ南部」を読む2

    ジャズが生まれた街ニューオーリンズ。この街の成り立ちと黒人が集まる場所=コンゴ広場について語った後、ピアニスト・ゴットショーク(←本書の表記)が紹介される。YouTubeで彼のピアノ曲「バンジョー」を聴いてみた。耳を澄ますと最後の方でフォスターの「草競馬」が聴こえてくる。パリ音楽院では門前払いを食らったもののショパンやリストが認めた才能の一端がわかる。何と言っても楽しさに溢れている音楽なのです。 https://youtu.be/Ul113TK2hEw 好きな音楽を仕事にして収入を得て生活できたらいいなぁ。音楽好きなら誰もが夢見る生活が、120年前のニューオーリンズでは奇跡的に手が届くところに…

  • オヤジのあくび527

    ジェームス・M・バーダマン、村田薫「ロックを生んだアメリカ南部」を読む1 本はエルヴィス・プレスリーの物語から始まる。サム・フィリップスのスタジオで「ザッツ・オールライト」を歌った時=初めてのレコーディングの様子がいきいきと語られる。そのすぐ後に、オーヴァトン・パーク・シェルという野外劇場でライブ演奏があった。エルヴィスは緊張のあまり震えていた足を音楽に乗せてさらに震わせて歌った。身体全体を使って歌う黒人音楽の影響だが、この下半身のセクシーな動きが多くのファンを熱狂させ ていくことになる。 アメリカ音楽のルーツであるブルースを、憂鬱な音楽と紹介するのは、あまりに短絡的で乱暴な話です。誰がどこで…

  • オヤジのあくび526

    中山千夏「蝶々にエノケン」を読む2 今、港南台アカペラシンガーズに元教え子が参加しているのだけど、小学校の頃合唱クラブ以外に演劇部クラブでも私が担当だったと言う。そうだったっけ? 今は遠ざかっているけれど演劇こそは、自己表現の最も有効な手段だと考えています。 さて本は「児童劇団ともだち」に入った頃の話に戻り、水谷八重子のセリフから「演技というものは、高い技巧を得れば、作品から独立して人心を掴み得る」を考え始め「ずば抜けた歌唱力が、曲の良し悪しに関わらず人心を掴むことがあり得る」と言う。その上で演技を際立たせるのが名作とは限らない、演技を作品の部品の位置にとどめてしまうより、むしろ俳優の個性やス…

  • オヤジのあくび525

    中山千夏「蝶々にエノケン」を読む1 回想録は子役時代からスタート。大きなリボンを付けて、目に留まるようにしているうちに映画の字幕に中山千夏の名前が出るようになったらしい。ストーリーの中では「その他大勢」だから、当時の中山千夏目当てに映画を観に来る人はいない。スターとエキストラの差なのだ。 ふと藤沢市の市民オペラに出ていた頃を思い出した。「カルメン」から「ファウスト」「フィガロの結婚」辺りまで参加していたのだけど、ソリストとボクのような合唱メンバーにはプロとアマチュアの差があった。でも内幕を覗いていた楽しさは忘れ難い。その体験に似ているかな? 菊田一夫から舞台で歌う場面をもらい、宇野誠一郎のトレ…

  • オヤジのあくび524

    佐藤優「君たちが忘れてはいけないこと」を読む 授業は、生徒たちから事前に質問を受けた論点を元に、あちらこちらに枝葉を広げながら、展開されていく。 共産主義は潜在力を使い果たして失敗したけれど、ファシズムには、まだポテンシャルが残されていると警戒心を込めて言う。挑発的立ち位置であるが、だからこそ民主主義の課題に対して著者の舌鋒鋭い言動から目を離せない人がいるのだろう。 One for all All for one. 日本語では「みんなは一人のために 一人はみんなのために」とか言っているけれど、このフレーズはファシズム下のイタリアで生まれた言葉だったんですね。ファシズム=ヒトラーで置き換えておし…

  • オヤジのあくび523

    小川和久「日米同盟のリアリズム」を読む2 北朝鮮に続き、中国の話題。最近の南シナ海への進出、日本にとっては尖閣諸島を含む東シナ海での動きは、頻繁にニュースで報じられている。筆者は人民解放軍が国の軍隊ではなく、共産党の軍であるところが中国独自のシビリアンコントロールであると言う。 中国は社会主義の理想とは、かなり遠い格差に悩まされている。当然共産党指導部への不満も燻り続けている。国内の不満を逸らす常套手段が国民の目を外国へと向けさせることなのだ。アメリカも一昔前まではジャパンパッシングで日本に意地悪をしていたではありませんか! とは言え中国軍が日米同盟と正面衝突をしたらドエライことになってしまう…

  • オヤジのあくび522

    小川和久「日米同盟のリアリズム」を読む1 私が住んでいる神奈川県には巨大な米軍基地が二つある。一つはマッカーサーが占領軍司令官として降り立った厚木基地、もう一つは小栗上野介以来、日本の海防の要とも言うべき横須賀であります。他にも鶴見に石油備蓄基地があるらしい。しかし、なぜこれだけの巨大な施設を日米が必要としているのか? あまり話題に上らない。戦略的な意味と効果について、私たちは恥ずかしくなるくらい無知なのです。 本書では、北朝鮮と中国の動きに日米同盟がどう対応しているか? について語っている。 北朝鮮がミサイル開発に邁進しているのは、実は総合的に見た軍事力のバランスが取れていないので、周辺国の…

  • オヤジのあくび521

    石破茂「国防」を読む 国民の命を守る。そのために心配し過ぎて心配し過ぎることはないと石破さんはおっしゃる。それが政治家の役割でもあると。 高校の頃、戦○チ(○にカタカナ一字を入れると差別的な響きを持った言葉になります)と呼ばれていた友人がいた。彼の愛読書は「丸」。誰よりも自衛隊の装備について詳しかった。石破茂氏がテレビに登場し始めた頃、似たような雰囲気をボクは感じた。 この本が出版されたのが2005年。北朝鮮によるミサイル発射、9.11テロに端を発するイラク戦争とサマワへの自衛隊派遣などが話題になっている。政治家が著した本にありがちなことだけど、大臣とかの立場にあった時には発信できなかったこと…

  • オヤジのあくび520

    佐高信「電力と国家」を読む 本書の冒頭、網野善彦さんの「領海の外は公海」という言葉が登場する。なるほどパブリックは国の官僚による統治機構の中にあるのではない。福沢諭吉や松永安左エ門、木川田一隆ら、官僚と闘い続けた人々の足跡が綴られる。 昭和10年代。日本が戦争にまみれていく時代、経済も自由主義経済から統制経済へと移行していく。松永安左衛門の官僚に抵抗し続けた足跡が、その頃の財界人を取り巻く状況を伝えてくれる。統制経済? と聞けば、いかにも全体主義的な響きを感じてしまうが、昭和10年代は財界の腐敗に対して、官僚が国家統制をもってコントロールしようと試みていた時代だったようです。モデルとして、ヒト…

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