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  • オヤジのあくび307

    松岡心平篇「世阿弥を語れば」を読む 初めのうち、能によく通じている方や実際に稽古された方との対談が組まれており、これでは能が大好きでかなりの数演目を熟知していないと読み進められないなと感じていた。 それが松岡正剛氏の登場で雰囲気が変わる。正剛さんは鼻から演目について深入りする気はなさそうで、連歌師の心敬や空海と世阿弥の共通点が話題になってしまう。けれどもこの方が能に疎いボクのような読者にはありがたい。話題が遠くへジャンプすることで、能を起点にした日本文化史になっているのだ。話題の土俵は「日本の美意識の中で世阿弥の立ち位置はどこか?」という対話です。 続く多田富雄さんとの対談も、なかなか面白い。…

  • オヤジのあくび306

    ご隠居さんが、時代を切り拓くのだ3 もう老人なんだから、パソコンやスマホができなくたってしょうがないじゃん! そうですかね? 困った時用にスマホには音声入力を始めとした補助機能が付いているじゃないですか。 誰に教わるか? もちろんギブアンドテイクですが、相手は孫やひ孫くらいの子どもたちがいいのです。パソコンやスマホ操作を教わる代わりに、彼らが経験していないことを興味をもたせるように仕掛けを工夫しながら、話すのです。 デジタル化が急速に進んだ事で、見向きもされなくなってしまったアナログな昭和文化の中に実は継承していくべき価値のあるものがたくさんあるのではないでしょうか? 例えば日本人の大半が戦争…

  • オヤジのあくび305

    ご隠居さんが、時代を切り拓くのだ2 周知の通り、日本の健康保険や年金システムは、高齢者の生活を現役世代が支える仕組みになっていて人口構成が逆三角形状態の現状に合っていない。突破口としては税金、とりわけ消費税増税が有効なのだろうが、税金の話になると途端に政治を自分ごととして捉え始める国民性なので、実現は難しい。 そこで一億総活躍社会とか言い出して、お元気なら働いていただきましょう! となった。健康維持のためご近所を散歩しているより、どこかで社会のお役に立つならその方がいいと私は思う。そして、できれば培った経験値を何かしら若い世代・現役世代に還元できれば、さらにいいと思います。

  • オヤジのあくび304

    ご隠居さんが、時代を切り拓くのだ1 ご隠居さん? 落語に出てきて八っさん、熊さんにウンチク話をきかせる情景が目に浮かぶけれど、ウンチクどころか江戸時代のご隠居さんは、凄い人が多い。いや凄い人の中にご隠居さんの比率が多いというのが正しいのかな? 伊能忠敬、歌川広重、伊藤若冲・・みんなご隠居さんなのだ。 さて、現在に目を転じればご隠居さんはなにをしておいでなのかな? 公的年金である程度までは生活を支えることができる皆様は、日本文化に対して、クリエイティブなアクションをぜひ起こしていただきたいと願います。 個人的には、ご隠居さんには是非是非子どもたちの教育に携わっていただきたい。教育には教員免許など…

  • オヤジのあくび303

    日本の歴史とテロ3 若者を洗脳し、一つの正義とやらの実現のために他の立ち位置を否定して、過激な行動へと煽り立てる。そんな人物が少なからずいた。 吉田松陰、北一輝、トロツキー・・・。吉田松陰なくして、明治維新を成し得たのか? と問われると答えに窮してしまうけれど、過激思想のもとに結果多くの血が流れたのは確かではなかろうか? 他の二人についても、言っていることより、その影響下にあった人々の動向が問題。 人々を、若者を、変革へと駆り立てるような理論的なカリスマリーダーが、多分今の日本にはいないし、多くの人々も暴力を伴うような急激な変革を望んではいないように見える。 そして江戸時代の文化文政期のように…

  • オヤジのあくび302

    日本の歴史とテロ2 とにかく至る所で狙撃による殺人行為がまかり通っていた感があるのが、幕末の京都。この原稿を書き始めたきっかけの平岡円四郎も京都で暗殺された。新撰組に対する見方はさまざまだろうけれど、殺人集団と紙一重であったという見方があるのは仕方があるまい。 昭和に入っての大きなテロは、5.15事件、2.26事件、浅沼稲次郎刺殺事件、連合赤軍あさま山荘事件など。もう少し遡るけれど、現役の総理大臣が暗殺されるケースが、結構あって国内での暗殺に限っても、原敬、犬養毅がいるし、高橋是清、斎藤実は総理退任後2.26事件で暗殺、濱口雄幸は東京駅で銃撃されているが、その後体調が悪化。犯人は殺人未遂とされ…

  • オヤジのあくび301

    日本の歴史とテロ1 日本が元号制をスタートさせたのは、大化の改新なのだけど、あのクーデターは、かなりテロ的です。奈良平安朝は、大規模な戦争が目だないけれど、貴族間でそれなりにテロに近いことは起きていた。それは「変」と呼ばれていて、政権主体がひっくり返ればクーデターと同義でしょう。 個人的には「変」と「乱」の使い方が、少しわかりにくい。乱は武力集団が動いたイメージがあるけど、本能寺の変は、明智光秀が武力に任せて織田信長を討ったのであり、最近では国会内の加藤の乱は、もちろん武力は動いていない。昭和に入り、5.15や2.26、連合赤軍は「事件」と呼ばれて「変」や「乱」とは言わないし、明治維新後、江藤…

  • オヤジのあくび300

    亀、只今昼寝中 ご存知童謡「うさぎと亀」 もしもし亀よ亀さんよ 世界のうちでお前ほど歩みののろい者はない どうしてそんなにのろいのか〜♪ ここまで上から目線で馬鹿にされて、競争しますか? ところが亀さんは・・ なんとおっしゃるうさぎさん そんならおまえとかけ比べ〜♪ うさぎの挑発にまんまとのってしまうのですね。 比較、競争、負けん気などを排除すると、今の社会そのものが成り立たないのかもしれない。けれど、もし勝負するなら何も苦手なジャンルじゃなくてもいいと思うなぁ。例えば天敵からの防御力や寿命ならば、亀はうさぎに勝てるだろう。 私が亀さんなら、うさぎの巧みな勧誘に乗らず、ここは寝たふりでしょう。…

  • オヤジのあくび299

    森正人「大衆音楽史」を読む2 黒人霊歌が広く知られるようになるのは、混声合唱団ジュビリーシンガーズの活躍を追いかける必要がありそうだが、本書ではまずアメリカに連れてこられた(三角貿易)黒人によって生まれたラグタイム・ブルース・ブギに注目している。 そして、バディ・ポールデンによるバンド結成から始まるジャズ。クラシック・ブルースのベッシー・スミス。スウィング・ビッグバンド化への変化で欠かせない名前がフレッチャー・ヘンダーソン。 本書の特徴は、大衆が愛した音楽の歴史的な背景や当時の社会状況、階層構造を丁寧に追いかけているところであります。章はロックンロール、パンクロック、レゲエ、モータウン、さらに…

  • オヤジのあくび298

    森正人「大衆音楽史」を読む1 本書の著者の専門は、地理学であります。非常に用意周到に書かれている「はじめに」からして、単なる音楽通史ではないことを暗示している。 どの時代のどの国のどのような経済状況が、どのような人々にどのような音楽を享受できるどのような場所を提供したか? 考えてみれば、このような考え方の順番はかなりごもっともなのだけど、私は今までこの論法で音楽を語る本に出会ったことがなかった。 産業革命以降のイギリスとロンドン市内に乱立したミュージックホール。そこへどんな人が音楽を楽しみにやって来て、どのような音楽が演奏されたのか? 且つその裏で衰退していった民謡があると言う。 次いで話はア…

  • オヤジのあくび297

    白鵬翔「相撲よ!」を読む 身長175cm、体重68kg。新弟子検査の基準をクリアできない色白で痩せっぽちの少年が、将来大横綱になると誰が予想しただろう。しかも弟子入りの数日前まではモンゴルに帰って、レスリングを学ぼうか? などと考えていた少年が。 白鵬という四股名の由来は、誰もがみんな知っている「柏戸、大鵬」から一字ずつ拝借したもの。最初は柏鵬だったらしいが、そんな名前を付けて活躍しなかったらどうするのか? と言われて 柏の木だけ取ったらしい。 白鵬関を双葉山と比較する話は、まだ彼が横綱になる前から出ていた。白鵬自身も双葉山の取り口を研究していて本書にも書いている。「勝ちにいかない相撲」が大切…

  • ワンピースの話

    ずいぶん長い間「ワンピース」を読んでいる。今日もコンビニで101巻を見つけて買って来た。初め=20年前はジャンプの斜め読みで済ませていたのに、本格的に興味を持ち始めたのが、ドラム王国の頃だったろうか? それとももう少し前か? 結局初回から101巻まで全部揃ってしまったけど。 今はワノ国編で、明らかに全編の山場だろう。ドレスローザのドフラミンゴ編を経て、ゾウでのミンク族との出会い、四皇戦の始まりはサンジとプリンの結婚で、対戦相手はリンリンとその子カタクリ。その中でサンジがジェルマという戦闘国家の王族であったことが明かされた。 登場人物で残る謎は、ゾロとルフィ本人。ゾロとワノ国の大名霜月牛丸が似て…

  • オヤジのあくび296

    安岡正篤「青年の大成」を読む2 私が勝手に学び続けるエネルギーなどと書いてしまったところで、次に自己錬成の秘訣を三つ語っていらっしゃる。 一つ目は寸陰。簡単に言えば時間の隙間をうまく使うということだろうか? 人には思うようにならない時間とその隙間に少しだけ自由に使える時間がある。オヤジのあくびは、その時間の産物のだけど、まぁゲームで暇潰ししているよりマシでしょ的な感じ。安岡氏は旧制中学へ通う一里の道を歩きながら本を読み続け、何と牛にぶつかった経験があると言う。最近電車の中でスマホのゲーム三昧が目につくが、せめてkindleでも読めばいいものをと願うのは、いかにも口うるさいジジイになった証拠かな…

  • オヤジのあくび295

    安岡正篤「青年の大成」を読む1 知性・知能よりも情緒が大事だと説く。OECD主導による学力調査の結果に振り回されて、全国学習状況の調査結果に一喜一憂している日本の学校教育の迷走ぶりを言い当てているかのようだ。江戸・明治以来日本の教育が欧米に見られない資質を重視してきた成果は、今や探したくても探し出せない。文科省は道徳教育の重視というが、その意図しているところが安岡氏の主張と重なるのかどうか? 疑わしい。 昨今経済的な要因による教育格差が話題になっている。けれど病弱だと、貧しいと、知的に発達が遅いと、忙しいと学問ができないのか? と問う。その結果、国による福祉政策による支援に疑問を呈している。東…

  • オヤジのあくび294

    野村克也「私の教え子 ベストナイン」を読む 南海時代、三浦清弘投手と牽制球について、盗塁を防ぐために、あれやこれや策を練っていた話が出てくる。 当時のパリーグには福本豊というとんでもない盗塁王がいた。当然一塁手に進めば、即二塁を狙われるわけで、バッテリー間の工夫は並々ならないものがあったことを語っている。そして今では当たり前になったクイックモーションもこの時期の産物なのだそうだ。 ノムさんは、私がまだ子どもの頃、阪急のスペンサーと熾烈な三冠王争いを演じて三冠王のタイトルを手にしている。もちろんポジションはキャッチャー。同僚に日本一のキャッチャーがいれば、残念ながら他の選手の出番はない。南海時代…

  • オヤジのあくび293

    そこは昔、海でした。 首都圏で言えば、東京・横浜のオフィスビルや高層マンションが立ち並ぶ土地は、昔は海でした。東京駅周辺で言えば、家康がやって来た当時、日比谷入江が現在の皇居外苑付近まで来ており、現在の東京駅周辺はその後の埋め立てにより市街地化した場所です。 横浜は、市内小学校で教えているように、現在の関内・伊勢佐木町周辺は、吉田勘兵衛さんの新田開発事業で、埋め立てた土地であります。 横浜駅のあたりは鉄道開通当初は完全に海でした。その上に堤を築いて汽車を走らせたのです。 つまり海面からの高さがない、津波や高潮にとても弱い。埋め立て地であることから地盤が軟弱であるのに、高層ビルを続々と建設してい…

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