オヤジのあくび307
松岡心平篇「世阿弥を語れば」を読む 初めのうち、能によく通じている方や実際に稽古された方との対談が組まれており、これでは能が大好きでかなりの数演目を熟知していないと読み進められないなと感じていた。 それが松岡正剛氏の登場で雰囲気が変わる。正剛さんは鼻から演目について深入りする気はなさそうで、連歌師の心敬や空海と世阿弥の共通点が話題になってしまう。けれどもこの方が能に疎いボクのような読者にはありがたい。話題が遠くへジャンプすることで、能を起点にした日本文化史になっているのだ。話題の土俵は「日本の美意識の中で世阿弥の立ち位置はどこか?」という対話です。 続く多田富雄さんとの対談も、なかなか面白い。…
2021/12/31 05:32