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ツンデレ姫と美貌の付き人などの恋愛ファンタジー毎日連載。『アルファポリス』『小説家になろう』参加。

男勝り姫君ユーノと美貌の付き人アシャのハーレクインロマンス的なファンジー小説『ラズーン』毎日連載。『これはハッピーエンドにしかならない王道ラブストーリー』は出戻り姫シャルンと腹黒王レダンのラブコメディ、時々連載。

segakiyui
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2006/11/25

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  • 『ラズーン』第六部 5.リディノ哀歌(8)

    ​**************** 「え?」「何を今更…ブレーヌ、シェイカ、テーノティ…」 答えかけたもう1人が詰まる。「他には?」「いや、他には知らん」 畳み掛けられて男は首を振った。他の者も顔を見合わ

  • 『ラズーン』第六部 5.リディノ哀歌(7)

    ​**************** 時は少し遡る。 セシ公とアシャから指令書を託されたジットーは、ラズーン中央を離れ、ひたすら東へと急いでいた。 戦局はラズーンに不利だった。西へ兵を取られているラ

  • 『ラズーン』第六部 5.リディノ哀歌(6)

    ​**************** 「…」 視線を感じて目を開けると、アシャがこちらを見つめていた。眩いような瞳が淡く笑い、グラスを少し上げる。どうにも飲み干せなかった酒をようやく飲めそうになったらしい

  • 『ラズーン』第六部 5.リディノ哀歌(5)

    ​**************** 視線の先にちょうどリディノの姿がある。気づいたのか、手にしていたグラスを上げてにっこりと笑って見せる。特におかしな様子はない、ましてや『運命(リマイン)』の影も感

  • 『ラズーン』第六部 5.リディノ哀歌(4)

    ​**************** 「ふ…ぅ」「分かりましたか?」「分かった…分かったけれど」 呆れ返りながらユーノは首を振る。「あなた達って」「大詐欺師と言って頂きましょうか」 セシ公はくすりと妖し

  • 『ラズーン』第六部 5.リディノ哀歌(3)

    ​**************** 「東へ出られるのですって?」「ああ」 アシャはグラスを片手にすぐにでもテラスの方へ行きたそうだったが、思い直したのか、近くのテーブルにグラスを置いて優しくレスファ

  • 『ラズーン』第六部 5.リディノ哀歌(2)

    **************** 「!」 見抜かれて竦んだレスファートは、滲みそうになった涙を慌てて呑み下した。くるりとリディノが背中を向ける。そのまますうっと戸口を抜けようとして、「ジノ…」「姫さま…

  • 『ラズーン』第六部 5.リディノ哀歌(1)

    ​**************** 「レス…」 ユーノがアシャと内密の相談をすると言うことで、テラスの端で手持ち無沙汰に立っていたレスファートは、呼ばれて振り返った。 夜目に青白い人の形、淡い月光に浮

  • 『ラズーン』第六部 4.2人の軍師(17)

    ​**************** 「えっ」 驚いて体を起こすと、アシャはひどく美味しいものを手に入れた獣のように満足そうな表情になっている。煌めいた紫の瞳が、したたかな色を浮かべて微笑んだ。「東へ…

  • 『ラズーン』第六部 4.2人の軍師(16)

    ​**************** 尋ねてからしまった、と思った。見捨てられて見切られて、レアナを守るため囮に出された自分、そんな問いを投げかけて、よしんば『そう』であったにせよ、アシャが『そう』

  • 1870000ヒットありがとうございました!『猫たちの時間』+(プラス)5.オリエンタル・コンチネンタル・ホテル

    ​​**************** 「…あらあら」 携帯からの声に由宇子は溜め息をつく。知らされたホテル名にも。「厄介事吸引器、健在ね」『急ぎかい?』 ベッドに横座りになった海云(ハイ・ユン)が微笑

  • 『ラズーン』第六部 4.2人の軍師(15)

    ​**************** (同じなんだ……同じことばかり…繰り返してる) また、少しは、期待してしまった。 ジノが随分頑張ってくれたから。 綺麗だと言ってもらえなくてもいい、アシャが何か、ユー

  • 『ラズーン』第六部 4.2人の軍師(14)

    ​**************** くすくすとユーノは笑う。会話を繋ぐ、機嫌良く、楽しい話題となるように。(あの時と、同じか) 幾つの誕生パーティの時だっただろう。 さすがに主賓がいなくては意

  • 『ラズーン』第六部 4.2人の軍師(13)

    ​**************** 確かに抱きしめるどころか触れることさえしていない、2人の間には距離があり、互いの熱さえ感じ取れない。それでも、すぐにこの魂は走り出して行ってしまう。アシャのことも

  • 『ラズーン』第六部 4.2人の軍師(12)

    ​**************** 夜会は今、華やかさを極めていた。 別れの宴と知っているのはほんの一握り、多くは、今ラズーンが直面している危機に気づかぬ平和に慣れた人々、着飾った娘達は代わる代わ

  • 『ラズーン』第六部 4.2人の軍師(11)

    注意 BL場面あります **************** 「あ…うっ」 小さな声を漏らして身を強張らせたイリオールから、ジュナは体を離した。大きく息をしている肩を押さえつけ、再度体を重ね直す。「あ…っ…

  • 『ラズーン』第六部 4.2人の軍師(10)

    ​**************** (一体、どうしたのかしら、私は) リディノは鏡に映る自分の顔を覗き込みながら考えた。仄白い顔、思い詰めたような薄緑の瞳はどこか昏いものを宿して底光りしているように

  • 『ラズーン』第六部 4.2人の軍師(9)

    ​**************** 「納得のいかないこと?」 思い詰めたジノの口調が急に変わって、ユーノは瞬いた。「何?」「レスファート様におっしゃられたことばです」 背中を向けたままのジノの声は不

  • 『ラズーン』第六部 4.2人の軍師(8)

    ​**************** 「はい……こちらをお向きになって下さい」「ジノ…」「手を上げて」「もういいよ」「駄目です」 決まり悪そうな表情で言いなりになっていたユーノに、ジノはきっぱりと首を振っ

  • 『ラズーン』第六部 4.2人の軍師(7)

    ​​​****************「……」 ふっと唐突に意識が戻った。 同時に、胸を痛くするような真剣さで、アクアマリンの淡い瞳を精一杯見開いた少年の顔が飛び込んでくる。「…レス……」「…」 少年は応えな

  • 『ラズーン』第六部 4.2人の軍師(6)

    ​​​**************** 柔らかな風が頬に触れている。 額と頬、目元からこめかみ、耳元から首筋と、まるで誰かの吐息のように優しく。 体が暖かい。 風に探られた耳から甘い波が生まれて、ゆ

  • 『ラズーン』第六部 4.2人の軍師(5)

    ​**************** 「戦況は?」 ギヌアがシリオンに問いかけていた頃、アシャも同じく帰り着いた伝令、ジットーに尋ねていた。「は…っ」 疲れ切った表情、目の前に置かれた飲み物にも手を付け

  • 『ラズーン』第六部 4.2人の軍師(4)

    ​**************** 「戦況は」 冷ややかな声が問う。「西の戦いにてレトラデス、ネハルールが戦死、残りの300名は直ちに引いた『星の剣士』(ニスフェル)の一群を追ったのですが、後一歩のとこ

  • 『ラズーン』第六部 4.2人の軍師(3)

    ​**************** 「…」 少し唇を舐めた。僅かでも引っかかるような感覚があれば、きっと目覚めてしまうだろう。湿らせた口にユーノの香りがして、胸が苦しい。(目を覚ますな) 祈りながら、キ

  • 『ラズーン』第六部 4.2人の軍師(2)

    ​**************** 「ん…風が出てきたな」 ユーノの枕元に居たアシャは、窓から吹き込む風にユーノの前髪が揺れるのに気づいた。立って振り返り、窓を閉める。遠く響いていたジェブの葉鳴りがな

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