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2005/08/02

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  • 不自由な顔で腑に落ちる

    吉田拓郎の「知識」という曲がある。『今はまだ人生を語らず』というアルバムに入っている。その発売は1974年だ。引退もあってか昨年末に復刻されていた。その歌詞に「自由を語るな、不自由な顔で」という一節がある。今どき「自由とは…」と声高に言う者は多くないだろうし、やはり昭和だなあと感じてしまう。「自由」は時代が変わっても頻出する語だ。そもそも明治期に翻訳されたことは有名であり(当然、古典文学にはない語だ)、それが脈々と活躍していることは下衆にいえば見栄えがいいし使い勝手が良い、組織の名づけ等にはぴったりだろう。それゆえ「自由とは何か」と青臭い質問は、今でも十分に通用しそうだ。大谷君、ありがとう。貴方の活躍で地元のビールがこんなに安く手に入りました。髪を伸ばしていた頃(笑)は、ただ漠然と「自由になりたい」と思っ...不自由な顔で腑に落ちる

  • 参参参(十三)重症患者日誌

    言うまでもなく、「健康病」重症患者の記録だな、こりゃ。それでも読書は心の栄養になるか。『健康という病』(五木寛之幻冬舎新書)およそ5年前の発刊で、『日刊ゲンダイ』紙の連載を集約した一冊。当時から「~~~~という病」という書名は流行のようになっていたので、売れ筋をねらったのだろうが、「健康」と「病」をつなぐのはいかにも逆説的だ。一文で表わせば帯文にあるように「健康を過度に気遣うことは、深刻な病気である」。具体的には、まさに洪水・津波のような健康情報に溺れることがないように、という戒めである。類書の多くも言いたいことは一貫している。「健康情報には定説はあっても、唯一の解はない」「自分の身体の声を聴け」…それが出来ないまま、健康オタクと自認することは「健康病」に罹っているという診断だろう。『免疫力を高める生き方...参参参(十三)重症患者日誌

  • 「かべ」に阻まれた一冊

    読み聞かせは、通常期に教室で行う場合と放課後子ども教室等の時とは勝手が違う。集まっている子ども層の雰囲気があるし、担当者の考え方も左右する。自由度が高かった(つまり関心を示さない子が複数)今回、なんとか語りで惹きつけようとしたが「壁」を感じ、準備したが読むのを控えたのがこれ。『かべのむこうになにがある?』(B・テッケントラップ/作風木一人/訳)BL出版2018.3中表紙に、ある一節がある。「勇気ある人たちにそして、壁のない世界に」。こうした箇所の文章はよく「○○へ捧ぐ」のような形が多い。そう考えると、勇気ある人たちに捧ぐと考えられなくもないが、少しニュアンスが違うのではないか。個人的には「勇気ある人になれ、壁のない世界にしよう」の提言に見える。「おおきなあかいかべがありました」から物語は始まる。その中に住...「かべ」に阻まれた一冊

  • 今年度の読み納め一冊

    今年度、読み聞かせをした中で印象深い一冊を挙げるとしたら、これだろうか。岩崎書店が出している「恋の絵本」シリーズで、この本以外の著者は桜庭一樹、辻村深月、白石一文、村田沙耶香というラインナップである。小説好きなら興味が湧くだろう。そうでない自分もたまたま書架から見つけて読み入ってしまった。『まっくろいたちのレストラン』(島本理生/作平岡瞳/絵)岩崎書店2020.5一人きりで暮らすまっくろいたちが始めたレストラン。ある日、川向うから訪れたうさぎのおじょうさまに恋をする。しかし婚約しているうさぎの王子様が現われ、食事を終えた帰りにワシに襲われるところを…という展開の末に…。筋に若干飛躍があり、大人なら容易にわかるが…と少し迷いつつ練習を続けた。高学年へは機会がなくドーカナアと思いつつ3年生で語ってみた。PPT...今年度の読み納め一冊

  • 参参参(十二)生きる日常

    いい陽気になったが、花粉症の超ベテランは外出制限中で、読書ははかどる。『無人島のふたり』(山本文緒新潮社)著者の『自転しながら公転する』は印象深い一冊だった。しかしその後は読者にはならず、今回は角田光代の書評を目にして手に取ってみたくなった。小説ではなく日記。余命4ヶ月と告げられた作家が喘ぐような毎日を送っている。先日、夫婦で誰かの言葉に頼って「がんで死ぬことは案外幸せかもしれない」と話したばかりだったが、所詮当事者ではなければ深刻さも生まれない。その意味では相変わらず軽薄な口を恥ずかしく思う。「逃げても逃げても、やがて追いつかれることは知っているけど、自分から病の中に入っていこうとは決して思わない」…これが現実だ。「闘病記ではなく逃病記」を淡々と読んだ。『コトづくりのちから』(常盤文克日経BP社)ビジネ...参参参(十二)生きる日常

  • 本物の時代遅れ

    あるバラエティ番組で若手俳優が好きな曲として『時代遅れ』を挙げたのは意外だった。好みは人それぞれだろうが、20代前半で♪一日二杯の酒を飲みさかなは特にこだわらず…♪は、到底似合わない。あえて言えば♪目立たぬようにはしゃがぬように似合わぬことは無理せずに♪という箇所への共感なのか。「時代遅れ」という語で済ます文脈が問われるほど、時代はスピードを増している。WBCの試合はTVで見るのではなくネット視聴であることは、ごく普通になっている事実を、週末に二人の娘夫婦と会話していて知った。機器ごとの放映時間の僅かなズレを楽しんでいる様子は新鮮でもあるし、疎外感もある。「時代」に「遅れる」とは、つまり現実を把握できない、現実に見合った言動ができないという意味と解釈すれば、典型的なのは先日の夜のこと。ここ数年ずっと感じて...本物の時代遅れ

  • 参参参(十一)心の免疫を…

    免疫力を読書でつけることは可能か…ないとは言いきれまい。『人生100年、長すぎるけどどうせなら健康に生きたい』(藤田紘一郎光文社新書)免疫学の権威でもある著者が前書きで言い切っている箇所が、この新書の肝である。曰く「免疫力は腸で約70パーセント、心で約30パーセントがつくられます」。本の構成は100項目中、食事編として69、生活習慣編として31が記されている。健康オタクとしては、食事編の総括はバランスよく、生活習慣編は自然治癒の強調とまとめたいが、あまりに平凡か。しかし、一つ一つの知識は無駄にはならない。「免疫力というものは、学力と同じです」という一言は結構重い。頑張って勉強しているうちは伸びるけれど、自ら鍛えていくことをやめれば衰える…だそうです。『あなたのいない記憶』(辻堂ゆめ宝島社)初めて読む作家。...参参参(十一)心の免疫を…

  • 嗤える現実笑える噺

    久しぶりの落語鑑賞。春風亭一ノ輔は一度しっかり聴いておきたかったので、早々に予約しいい席(4列目中央)がとれた。その後、数日経ってからなんと一之輔が「笑点」レギュラーになるという驚きの知らせがあり、その効果は絶大で大ホールはほぼ満席という状況だった。一之輔のマクラも予想通りその顛末で…。全国各地で行われている落語の会で、観客動員が多いのは笑点メンバーだという事は以前から聴いていた。数人いる私のお気に入りはそこではないので、「通」(笑)好みの会に足を運んだことは多い。そうやって地道に落語会を作ってきた(徐々に観客を増やした)噺家も少なくない。一之輔のその一人だったようであり…。初めは数十人の小ホールも満席にならず、各地の愛好する主催者たちの努力によって一歩ずつ積み上げてきたのだ。だいぶメジャーになったここ数...嗤える現実笑える噺

  • 今さらの落穂ひろい

    2016年に買った初めてスマホの機種は、シャープのアクオス。そこに「メモ帳」という機能があった。当時(今も)なかなか使いこなせないこともあり、おそらく文字打ちに慣れるために、思いつきをメモしてみようと試みたのだろう。別活用するためにデータを見直し削除していたら、短い文章が8つ残されていた。良いことを集めると、運気があがるという。とにかく試してみよう。2017/04/21里山資本主義を読み始める。刺激的な考えである。2017/04/23深呼吸大事な決断その前に2017/07/18歩幅見てその子の背中そっと押す2017/07/18今差し伸べる手は未来の貴方に届きます2017/07/18感情のコントロールが、快や幸を決定づける2017/09/07東京単独行から何を学ぶか?〇集中した設定がその時を充実させる。おま...今さらの落穂ひろい

  • 参参参(十)諦念とはつまり

    何かを選択していくことは、何かを諦念することだと…今さら嚙みしめる。『諦念後男の老後の大問題』(小田嶋隆亜紀書房)「定年」を冠した書籍はあふれるほどだが、「諦念」と掛けた著者のセンスは流石としか言いようがない。コラムニストのモットーとしてきた「取材をしない・文献を読まない」という原則を捨てて、自身の老化の現実と、世に蔓延る様々な啓発的な物事(そば打ちやら終活やら)の実際を付き合わせてみて、類まれな文章力で綴ったこの著は実に面白かった。説得力が半端ではない。例えばSNS、「居心地の良い匿名の地獄を選ぶのか。それとも本当の名前で美しいことだけを申し述べる窮屈な天国を選ぶのか」…諦念とは、つまりこのふたつにひとつの選択肢しかないと知ることだ。『仕事。』(川村元気文春文庫)「仕事に丸をつけて肯定し、人生を楽しくす...参参参(十)諦念とはつまり

  • 啓蟄から日記

    3月6日(月)啓蟄。今年はあまり雪が降らず、土中の虫たちも少しは早く動き出す準備をしているのだろうか。この頃やや過食気味なので、お昼はカップヌードル1個に留めた。久しぶりに食べるとこれも良し。今晩のWBC強化試合には大谷らが出場する。楽しみでならない。二打席目の片膝をついたホームランにはドデンした。3月7日(火)午前中は、消防記念日のネタで図書館ブログをアップ。その後読み聞かせに向かう。今回のこども園は年少組も入るので正直少しやりづらい。語りとしては収まったにしろ、多様な反応になるので今年度最終回の出来としては不満が残るなあ。午後からは2月末より取りかかった紙芝居整理。ひとまずリストが出来た。3月8日(水)今日は国際女性デーということで、関連蔵書をピックアップしてみた。その後、館内で打ち合わせ。読み聞かせ...啓蟄から日記

  • わかったような気になるな

    「物語」という語は「散文の文学作品」が最も一般的な意味だが、「ある事柄について話す、語り伝えられてきた話」という語義から、物事全般のストーリーもしくはヒストリーという点が強調され使われている。例えば「商品を買うことは、背景にある物語を買うことなんだよ」などという言い回しをよく聞く。ある雑誌で文筆家千野帽子の「物語の力とは?」という文章を読み、一つ考えが深まる気がした。千野は「何かの出来事を理解しようとする時」に「時間の概念とセットして捉えないと、ちゃんと理解できない」と、ごく当たり前の論理ながら、「世界を物語としての理解」することの人間の習性について語っている。つまり「因果関係」を明らかにして物語を「なめらかに」すること。それによって出来事はわかる感じがする。「どうやら私たちは、出来事の意味を『わかりたい...わかったような気になるな

  • 参冊参校参稽(九)

    先週から読み始めた三冊。併行して寝床や風呂場などでページをめくっていた。それぞれかなり異なる内容でありながら、なんだかつながってしまうのはただ自分に引き寄せているだけか。『現代生活独習ノート』(津村記久子講談社)8つの小説からなる短編集。著者の本はいくつか読み、印象深いものもあるが、どこかすっきりしない読後感も残っていた。今回、三つ目まで読み、その正体がなんとなく言葉として浮かんできた。「不機嫌」…登場する人物もそうだが、全体を覆う雰囲気がそれだ。四つ目からはほとんど飛ばし読み状態の中でもう一つ浮かび上がってくる。「不穏」…筋立てそのものより人物の動き、心持ちにそれを感じる。そもそも「現代生活独習」という熟語がそんなイメージではないか。たぶん「不機嫌」も「不穏」も小説を成り立たせる重要な要素だろうけど、好...参冊参校参稽(九)

  • 心折れないで、Birthday

    いつだったか雑談中に「今年は百歳の三分の二の年だ」と口にしたら、周りに笑われた。もちろん百歳まで生きられる保証もないし、検査数値からみれば到底無理な話だし、そして強く願いもしないが(そう言いつつ微かな望みも持っていたりして)、そんなふうに数的な区切りを求める心ってなんだろうなと自問する。朝の寝床で、昨日から読み出した『諦念後~男の老後の大問題』(亜紀書房)を読了する。コラムニスト小田嶋隆の文章である。彼の斬り口が冴えまくる一冊。「死ぬことに関しての特段の心構えはいらない。生きてさえいれば必ず死ねる。心配は無用だ」となんと痛快なことよ。私より一歳年下の切れ者は昨年亡くなった。実は先週生まれて初めて「数独(ナンバープレイス)」に挑戦してみた。家人が新聞を見てやっていたのでオレならもっと…というゲスな考えが湧い...心折れないで、Birthday

  • その選手の姿は利用される

    図書館ブログの蔵書紹介のネタ探しで、「今日は何の日」というサイトをよく検索する。3月2日分をみていて、面白いなあと思ったことがある。3と2の語呂合わせで「ミニ」はごく普通だが、さらに探したら「野球用語の日本語化」が決められた日とあり思わず読み込み、WBCと合わせ野球本紹介の導入にした。戦時下でそういう出来事があったことは有名だし、ストライクを「よし」と審判が叫ぶのも間抜けな感じがして記憶に残っている。簡単に競技を禁止できないほど野球人気が高かったことも頷ける。戦前からの脈々とした歴史が戦後の大人気につながり、多少陰りが出てきたとはいえ、スター選手の輝きは失われない。さて、用語の日本語化だけでなく、実に興味深いルール改正もあったことを知った。「打者は球をよけてはいけない」「選手の途中交代禁止」「Xエックスゲ...その選手の姿は利用される

  • 参冊参校参稽(八)

    2月下旬に読了したのは次の三冊。ますます娯楽的だがメモを残すことは悪くない。『本の読み方スローリーディングの実践』(平野啓一郎PHP新書)この新書は再読。もう書棚にはないはずなので古本屋でまた買い求めた。4年前にここに感想メモを残している。最近、ますます読み方が雑になっている気がするが、再読自体はスローリーディングと言っていいし、その意味では教えを守っている(笑)か。「とにかく、大切なのは、立ち止まって、『どうして?』と考えてみることだ」…この一節は芯の一つ。読者の立場からいうと、そうならざるを得ない本との出逢いを求めているのだが…。それは受動的と言えるかもしれない。価値あるものを見逃さないためにゆっくり歩く習慣こそ肝要、と書いてしまうと生活全般に通ずると合点する。『矜持警察小説傑作集』(今野敏、佐々木譲...参冊参校参稽(八)

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