曹洞宗に於ける『遺教経』の学び(1)
釈尊涅槃会が近いため、『仏垂般涅槃略説教誡経(遺教経)』を学んでいきたいと思うのだが、これまでの曹洞宗の祖師方に於ける学びを参究してみたい。遺教経を講ず五五百年前、遺経双樹の辺、唐皇勅旨を欽みて、宋主流伝に忖む、慈は無間獄に透り、悲は有頂天を越ゆ、人顧命を忘るることを恐れ、巻を開いて機縁に対す。『鷹峯卍山和尚広録』巻39「詩偈五七言長篇」ちょっと調べ切れていないのだが、江戸時代の洞門学僧・卍山道白禅師による『遺教経』の講義に因んで詠まれた偈頌である。内容としては、「遺経」及び『遺教経』の意義を示したものである。まず、「五五百年前」というのは、「二千五百年前」を意味し、卍山禅師の時代からすれば、釈尊の遷化がその時代だったことを意味している。そして、釈尊による「遺経」は、クシナガラの沙羅双樹の辺で行われたこと...曹洞宗に於ける『遺教経』の学び(1)
2025/02/08 14:03