しなやかに動く美人のきれいな手優しくもあり冷たくもある 9月に詠んだ歌(後半) 川床のアルバイトの芸妓さん私の膝にビールぶちまけ 長編の夢の世界を駆け巡る旅から戻り心は虚ろ それじゃまた、とは言いつつも心では終わりの予感最後の笑顔 月寂しかかる夜には芭蕉翁の明智の妻の咄し聞きたし 同級の彼女が観たいと言ったのはボクの知らない大人の映画 よく見ればトンボの背中に仏さま子供のころに母が言ってた 目の前で派手に転んだОLは手から絶対スマホ離さず かまきりの小さいうちは臆病で大人になるとくそ生意気に 朝のバスいつも乗ってた女子高生久々見れば素敵な大人に 文鳥に逆剥けむしられ跳ねのけるまた降りてきて逆剥…
周りから悪女といわれ愚痴るけどみんなは君に注目してる 悪女と呼ばれるのは、実は「イイ女」の裏返しだったりする。そういう女性は、男ばかりでなく、周りの同性からも注目を浴びるらしく、彼女は言ってました。たとえば更衣室で着替えていると、みんなが一斉にじーっとこちらを見ている、って。まことに「悪女はつらいよ!」のようです。知らんけど。 9月に詠んだ歌(前半) 泣きじゃくる子の口に手をあてがってアワワとやればインディアンになる 遅い夏汗ばむ頬にそっと風秋を探して空を見上げる 「お茶でもいれましょ」と言ったのに「お茶がはいりました」の言葉やさしい この夏の思い出ひろう間もなくて急かせるようにお日さま沈む …
麗しさを内に秘めたる蕙蘭の摘む人なくてやがて萎れゆく 中国の詩文集『文選』にある「冉冉たる孤生の竹」という詩を踏まえています。睦まじくあるはずの新婚夫婦が、何らかの事情で遠く離れ、一人で暮らす新妻の寂しさと不安をうたった詩です。ずっと会えずにいると若々しい美しさが衰えてしまいますと甘えつつ、あなたを信じて待ちますと、けなげな気持ちを吐露している詩です。「蕙蘭(けいらん)」はかぐわしい花のこと。 ランキング参加中はてな文芸部 ランキング参加中言葉を紡ぐ人たち
漆黒にほのかに見える光のごとブルックナーの調べ優しい クラシック音楽を始めて最初のうちは、どうも生理的にブルックナーを受け入れがたかった私です。しかし、かの故・宇野功芳先生も、あるとき突然にブルックナーの魅力がわかったそうですし、僭越ながら私も同様です。何かの拍子に急に好きになっちゃった。そして、いざわかってしまうと、最初の無骨で退屈で冷徹な?印象とは違って、実にやさしく繊細な音楽だと気づかされます。なぜ今までその素晴らしさがわからなかったのかと、自分自身の感性に疑いを抱いてしまいます。さほどにブルックナーの音楽の世界は不思議であり、また、決して万人に媚びない魅力に満ち溢れていると感じます。 …
ご署名の「藤三娘」に藤原の誇りと愛嬌あふる光明子 「藤三娘」は「とうさんじょう」と読みます。正倉院の宝物の中に、光明皇后が、中国の王羲之筆とされる楷書の法帖を書き写した『楽毅論』が残されています。正倉院の書跡中の白眉とされ、その力強く朗々たる筆跡で有名ですが、皇后のお人柄に触れようとするとき、末尾に記されている「藤三娘」というご署名に注目したく思います。藤原氏の三女という意味、あるいは母・三千代の名を入れたともいわれますが、ご自身のニックネームとして使っておられたのか、とても愛嬌あふれる表現です。また同時に、自分は藤原氏の娘であるという確かな誇りが滲み出ているように感じられてなりません。 ラン…
文鳥に逆剥け(さかむけ)むしられ跳ねのけるまた降りてきて逆剥けねらう 手に乗っけていると、目ざとく見つけて、容赦なくむしり取りますからね、もう痛いの何の・・・。 ランキング参加中はてな文芸部 ランキング参加中言葉を紡ぐ人たち
朝のバスいつも乗ってた女子高生久々見れば素敵な大人に 毎朝のバスに、出勤するお父さんといつも一緒に乗っていて、黒縁のメガネを掛けて真面目そうな子だったのですが、長らく見かけなくなって、ある時、夕方のバスで偶然会いましたら、見違えるような素敵なお嬢さんになっていましたよ。メガネも外して髪も染めてお化粧もして、何だかとっても垢抜けていました。たぶん大学生になったのかな。女の子って、ずいぶん変身するんですね。 ランキング参加中はてな文芸部 ランキング参加中言葉を紡ぐ人たち
かまきりの小さいうちは臆病で大人になるとくそ生意気に あの人の言葉 私の歌はその時々の私の命の破片である。 ~若山牧水 ランキング参加中はてな文芸部 ランキング参加中言葉を紡ぐ人たち
目の前で派手に転んだОLは手から絶対スマホ離さず 帰宅途上、私の前を「ながらスマホ」をしつつ歩いていたOLが、道の段差に躓いて派手にコケました。でも、とにかくスマホを守るために、手を地面につくこともできず、身をよじるようにして、うまく受け身したんです。実に見事なコケ方でした。「大丈夫?」と声をかけましたら、「大丈夫です」と言っていましたから、スマホも本人も問題なかったようです。皆さまもくれぐれも注意なさってください。 ランキング参加中はてな文芸部 ランキング参加中【公式】2024年開設ブログ
よく見ればトンボの背中に仏さま子供のころに母が言ってた 私が小さいころ、母親によく言い聞かされていたのが、「トンボは背中に仏さまを背負っているから大事にしなさい」ということでした。虫捕り遊びに熱中していた私への戒めのつもりだったのでしょうか。でも、トンボを捕まえて両羽の間の背中を見ると、本当に仏さまが立っている姿が見えるんです。以来、私もトンボを大事に思うようになりましたよ。 ランキング参加中はてな文芸部 ランキング参加中【公式】2024年開設ブログ
同級の彼女が観たいと言ったのはボクの知らない大人の映画 『カサブランカ』という、白黒の映画でした。まだ紅顔の少年だったころの苦い苦い初デートの思い出です。そのあとすぐにフラれてしまったもので・・・。 ランキング参加中はてな文芸部 ランキング参加中言葉を紡ぐ人たち
月寂しかかる夜には芭蕉翁の明智の妻の咄し聞きたし 松尾芭蕉の「月さびよ明智が妻の咄しせむ」という句があります。「寂しい月あかりのもとだが、明智光秀の妻の昔話をしようか」と、おそらくは光秀がまだ貧しかったころに、妻の熙子が黒髪を売って金を工面したという話だったのでしょう。その時の芭蕉の語り口はどのようなものだったのか、とても興味があります。 そういえば、2020年の大河ドラマ『麒麟がくる』では、木村文乃さんが熙子役を演じていましたね。志半ばで亡くなり、麒麟を連れてくる十兵衛(光秀)の姿も、子供たちの成長も見ることができなかった煕子でしたが、とても素敵な夫婦像、夫婦愛を見せてくれました。 ランキン…
それじゃまた、とは言いつつも心では終わりの予感最後の笑顔 あの人の言葉 愛の実体を追求しすぎることは、ラッキョウの皮をむくようなもので、むきすぎるとなくなってしまいます。~伊藤整 恋する者には、恋の相手がいつもひとりぽっちのように見える。~ウォルター・ベンヤミン 心優しくあたたかい男性こそが、 真に男らしい頼りになる男性なのだと気づくとき、 たいていの女はもうすでに年老いてしまっている。~池田理代子 失恋って、当の本人は苦しい苦しいと言っているけれど、本当は終わった恋をいつまでも思い出して楽しんでいるようなところがあると思う。本当に苦しいなら、一秒でも早く忘れる努力をするはずだから。~宇野千代…
長編の夢の世界を駆け巡る旅から戻り心は虚ろ ストレス解消に最も効果があるのは、「カレーを食べる」ことと「読書する」ことだそうですよ。カレーを食べると、クルクミンという成分が血液の流れを活発にしてくれるから。一方、読書はなぜストレス解消に効果的なのか? まずは、読書とは本の世界に入っていくことであり、脳の中を別の世界にしてしまう仮想体験であること。その別世界に浸ることで、現実の様々な負の感情や思考をいったん脳の中から追い出すことができる。そして、本を読んであれこれ想像することで、実際に経験したときのように脳が活性化する。実験で、読書中の脳の様子をMRIで観察したところ、脳内に新しい神経回路さえ生…
川床のアルバイトの芸妓さん私の膝にビールぶちまけ ランキング参加中はてな文芸部 ランキング参加中言葉を紡ぐ人たち
道ばたに雀の子あり拾って帰るも手当叶わず庭に墓あり あの人の言葉 短歌の内容は単純でなくてはならない。 ~窪田空穂『短歌の構成と技術』 ランキング参加中はてな文芸部 ランキング参加中言葉を紡ぐ人たち
この夏をがんばってきた落ち葉たちもう戻れない空を見上げる 短歌の学習【備忘録】 季語を入れる必要はないが、入れる場合には同じ季節や違う季節の季語が被らないようにする。 ~『知識ゼロからの短歌入門』(幻冬舎)から ランキング参加中はてな文芸部 ランキング参加中【公式】2024年開設ブログ
話すほど美人に見えるお水女子ただの美人は三月(みつき)で消える 一時話題になった『ホステス心得帖~おもてなしの条件』は、ビジネス現場にも大いに役立つ冊子として脚光を浴びましたが、それによれば、美人には2種類あるといいます。「黙っていると美人」というタイプと「喋り出すと美人」というタイプ。そして、前者の「黙っていると美人」のタイプは、3回で飽きるそうです。 えらい辛辣な言い様ですが、まー言われてみれば確かに、また逢いたいなと思う女性は、外見もさることながら、何より話すごとに惹きこまれる美質を備えた人ですね。たとえば、ラウンジで「新人の女の子です」と紹介されて、えらい若くて美人だけど、でも話してい…
若書きを薄っぺらいと言うけれど若いからこそ書ける曲がある 同じ作曲家の作品であっても、当然ながら、若いときの作品もあれば、年とってからの作品もあるわけです。たとえば、ブラームスのピアノ協奏曲は2曲しかありませんが、《第1番》は26歳のとき、《第2番》は何とそれから22年を経た48歳のときの作品です。2つの作品を比較して、若書きの《第1番》は「気負いばかりが前面に出て、内容の薄さを感じる」などと評する向きがあります。こういうのはブラームスに限った話ではなく、多くの作曲家について、若書きの作品は「薄っぺらい」などと論評されがちです。 しかし、そうした狭量?な捉え方はいかがなものでしょうか。いくら天…
あの人の正香に触れてハッとする嬉しくあるも逃げたい気持ち 大好きな人や憧れている人の、いわゆる”素(す)”の部分をふいに垣間見た時は、何だか心躍るような嬉しい気持ちになります。同時に、見てはいけない姿を見てしまったような気もして、何だかドキドキしてしまう。一方、「正香(せいか/ただか)」という、実体、あるいは、それしかないそのものから漂い出る霊力、じかに感じられる雰囲気といった意味の言葉があります。『万葉集』の歌に出てくるのですが、今では全く使われないですね。でも、”素”というのとは違った、とっても素敵なニュアンスを含んでいる言葉のように思います。 ランキング参加中言葉を紡ぐ人たち ランキング…
叱ったらなぜか好かれたことがある上目遣いの父のない娘(こ)に あの人の言葉 「うれしい」と「よろこび」って近い言葉ですよね。でも、「=」では結べない。そういうことに、短歌を書いていると気づくんです。言葉を言い換えながら『五・七・五・七・七』にしていくなかで、言い換えられない言葉だったり、逆に適当に選んだ言葉が見えてくるんです。短歌にする過程で、気持ちが磨かれていく感じとでも言うんですかね。自分の本当の気持ちにたどり着けるようになるのが、おもしろいんです ~伊藤紺(歌人・1993年) ランキング参加中言葉を紡ぐ人たち ランキング参加中短歌
窓枠に並んだ帽子小さくてお行儀のよい幼稚園バス走る あの人の言葉 歌が自分の生命だとか、文学であるとかいう言葉をちょいちょい聞くことがあるが、ほんとうにそう思っているのかしらん。私にはどうも変だなあと同情する。歌は手軽であるからつくるのだ。 ~山崎方代 ランキング参加中言葉を紡ぐ人たち ランキング参加中 その日 あった事・感じた事の記録 (日々の出来事保管場所 )
花の名を知っているのはイイ男銀座のママが言ってたらしい 有名な銀座・高級クラブのママが掲げる、「イイ男・デキる男の条件」というのがありまして、ちょっと気になります。服装のこととか態度や行動のことなど色々掲げられている条件のなかで「花の名前を知っている」というのがあります。へーっという感じ。さすがに目のつけどころが粋といいますか、日ごろ様々な男性に接して観察している立場ならではの着眼なのでしょう。 憚りながら不肖私も少なからず花を愛でており、そこそこ名前も言えます(自慢か!)。でも、そんな花好きの私が常々感じていることがありまして、何かというと、多くの「若者」たちは花にあまり興味を示さないってこ…
宇宙では塵に過ぎない私でもベテルギウスを心配してる オリオン座に位置するベテルギウスは、地球から約700光年離れた場所にある赤色超巨星です。その大きさは、太陽の約1,000倍の直径を持っており、寿命の最終段階にあるため、超新星爆発を引き起こすと考えられています。超新星爆発は、星がその内部の燃料を使い果たし、重力崩壊を起こす現象で、この過程で、星の外層が爆発的に放出され、極めて明るい光を放ちます。その明るさは満月ほどになると予測されており、昼間でも観察できるほどの明るさになるといいます。それがいつ起こるか正確には予測できないらしく、天文学者たちはこの壮大な宇宙現象を観測する日を楽しみにしているそ…
たわいもない問いかけに「うん」と答えると「うん、て何よ」と聞いてくる 子供が三歳くらいになると、大人はいろんな質問攻めにあいます。中にはどうにも答えようのない問いかけがあって、適当に「うん」と生返事して誤魔化すと、その言葉をとらえて更に突っ込んできます。なかなか侮れないのです。 アメリカンインディアンの教えから 批判ばかり受けて育った子は、非難ばかりします。 敵意に満ちた中で育った子は、だれとでも戦います。 ひやかしを受けて育った子は、はにかみやになります。 妬みを受けて育った子は、いつも悪いことをしているような気持ちになります。 心が寛大な人の中で育った子は、我慢強くなります。 励ましを受け…
あの角をはじめて曲がりささやかな冒険しつつ会社に向かう あの人の言葉 まず、ものにこだわること。異質なものを見つける。これを結びつけるために、ものをそれぞれ要素分解していく。すると、全然違うものなのに、似た部分や関連したつなぎが見えてくるようになる。 ~星新一 ランキング参加中はてな文芸部 ランキング参加中【公式】2024年開設ブログ
この夏の思い出ひろう間もなくて急かせるようにお日さま沈む あの人の言葉 もし歌は約束をもて詠むべしとなれば、われ歌をば詠むべからず。流行に順(したが)ひて詠むべしとなれば、われまた歌を詠むべからず。 ~会津八一『南京新唱』 actto BST-02BK ブックスタンド 書見台 actto Amazon ランキング参加中【公式】2024年開設ブログ ランキング参加中言葉を紡ぐ人たち
「お茶でもいれましょ」と言ったのに「お茶がはいりました」の言葉やさしい いつだったか、JR(西日本)の車内放送が、それまで「扉が閉まります。ご注意ください」と言っていたのを、「扉を閉めます。・・・」に改めた時期があります。誰かが「扉が勝手に閉まるわけがない。『扉が閉まります』という言い方はおかしい!」などとクレームをつけたのでしょうか。 しかし、しばらくたつと元の言い方に戻ってしまいましたよ。やっぱり、これはこれで変だよねーということになったのでしょうか。たしかに、聞き慣れないせいもありましたが、「扉を閉めます」だと、なんとなく威圧的な感じがして、ちょっと好きにはなれなかったですね。勝手に閉ま…
遅い夏汗ばむ頬にそっと風秋を探して空を見上げる あの人の言葉 伸びようとする調べと、抑へようとする力との調和、これが作歌の要諦である。 ~窪田空穂 ランキング参加中言葉を紡ぐ人たち ランキング参加中創作家達の集いの場
泣きじゃくる子の口に手をあてがってアワワとやればインディアンになる 小さな子供がなかなか泣き止まなくて困ることがありますね。電車の中など逃げ場のない公衆の只中だとなおさらです。叱ればもっとひどくなる。まことに如何ともしがたい。そんなときに、とても効果的な方法がありますのでご紹介します。 年配の男性ならご記憶にあると思いますが、小さいころによくインディアンの真似だとかいって口にポンポン手を当てて「アワワワワ!」ってやってませんでしたか? あれを泣いている子供にやるんです。大声で泣いている口に手を当てて、小刻みにポンポンポンって。すると、長く尾を引く泣き声が「アワワワワ」と滑稽な声に変化します。 …
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