鳥と獣の戦い遥か昔、この世に鳥と獣が平和に暮らしていた頃、どちらが強いかという議論が起こった。それがきっかけとなり、鳥と獣たちはついに大きな戦争をすることになった。青空の下、鳥たちの軍勢が集結した。鷹を筆頭に、鷲、雁、カラス、スズメまでが一堂に会し、翼を広げて戦意を示していた。一方、獣たちも森の中に陣を張り、ライオン、虎、狼、鹿、そして臆病なウサギさえも、牙を磨き戦いに備えていた。そんな中、どちらの陣営にも属さない者がいた。それは蝙蝠だった。彼は翼を持つが、牙もある。そのため、鳥にも獣にも完全には受け入れられず、中立の立場を保っていた。戦いの日が近づく鳥のリーダーである鷹は、翼を広げながら仲間..
静かな山奥、夏の盛りに緑が一層濃くなる頃、一匹のクマが涼しい川辺に佇んでいました。大きな体に似合わぬ優しい目をして、水面をじっと見つめています。その隣に、ずる賢そうな顔つきのキツネが現れました。「よう、クマさん。魚釣りかい?」「うん。今日はお腹が空いてね。美味しい魚を捕まえたくてさ。」クマがにっこり笑うと、キツネは何やら企んでいる様子で目を輝かせました。「それなら、もっといい方法を教えてあげようか?」「いい方法?」クマは首をかしげます。キツネはニヤリと笑い、「そうさ。この川には特別な魚がいるんだ。夜になったら、尻尾を川に浸して待つだけで、その魚が飛びついてくるんだよ。」クマは目を輝かせ、「それ..
村はずれの小さな家に、お爺さんとお婆さんが二人きりで暮らしていました。二人は貧しくても仲良く暮らしていましたが、大晦日ともなると周りの家々から漂うごちそうの匂いが、なんとも言えず切ない気持ちにさせるのでした。「お爺さん、今年も麦飯だけじゃなあ……せめてお餅の一つでもあればよかったねえ」お婆さんは、薄暗い囲炉裏のそばでため息をつきました。「まあまあ、お婆さん。麦飯だって立派なご馳走だぞ。それに、腹が減ってなきゃ、あの世にも行けんというしな」お爺さんは笑って言いましたが、その笑顔の奥には寂しさが滲んでいました。その夜、二人がささやかに麦飯を食べ終えた頃、外から不思議な音が聞こえてきました。「トント..
今すぐ購入 昔々、ある村外れに心優しい夫婦が住んでおりました。夫婦は貧しかったものの、互いを思いやる心を持ち、慎ましく幸せに暮らしていました。しかし、夫婦の心配事は一つ。それは、年老いた馬のタロウでした。 タロウは若いころから夫婦の家で働き者として村中に知られていました。重い荷物を運び、田畑を耕し、どんな仕事も嫌がることなくこなしてきた馬です。しかし、今やタロウもすっかり歳をとり、脚は細く、背中も痩せてしまっています。夫はある夜、妻にぽつりと話しました。 「もうタロウを養う余裕がない。こんなことを言うのは心が痛むが、森に放してやるしかないのかもしれない。」 ..
今すぐ購入 二十三夜様の奇跡 昔、ある山里に、おばあさんが一人で暮らしていました。おばあさんはとても貧しく、自分の家もボロボロ。けれども、いつも笑顔を絶やさず、毎晩欠かさずに二十三夜様にお参りをしていました。 「二十三夜様、どうかこの世のすべてをお守りくださいな。私の願いは少しでも村のみんなが幸せになることだけです。」 そんなおばあさんの謙虚な祈りが天に届いたのか、ある晩、不思議な夢を見ました。夢の中で二十三夜様が現れ、おばあさんにこう告げたのです。 「お前の信仰は深く、心は清らかである。明日、山のふもとの古い井戸を掘るがよい。そこにお前の未来があ..
今すぐ購入 昔々、山のふもとの村に、そこつ者のそう兵衛という男が住んでいました。とにかくこの男、何をやらせてもドジばかり。考えなしに行動するため、村中の人が彼の失敗談を知っているほどでした。 ある日、そう兵衛の妻が言いました。 「そう兵衛さん、今日は米を買いに町へ行ってきておくれ。それから、ちゃんと袋を持っていってね!」 妻の言うことなんて普段聞かないそう兵衛ですが、この日は珍しく「わかった、わかった」と素直に返事をしました。袋を肩に担いで、町へ向かいます。 しかし道中、袋を使うつもりで練習しようと思ったそう兵衛は、袋を頭にかぶり、踊りながら歩き始..
クリックは全然ありませんでした 最近サボり気味で…
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