�「対話」(言葉のやりとり)をする。 「自閉症」の定義の中に、第二の特徴として「言葉の発達の遅れ」が挙げられている。かつては、それをまず一次的な障害として考えられたこともあるほど、周囲には目立つ(気になる)特徴である。それは、要するに「
�「対話」(言葉のやりとり)をする。 「自閉症」の定義の中に、第二の特徴として「言葉の発達の遅れ」が挙げられている。かつては、それをまず一次的な障害として考えられたこともあるほど、周囲には目立つ(気になる)特徴である。それは、要するに「
� スキンシップでかかわる 「スキンシップ(和製英語: skin-ship)は、母親と子供を始めとする家族関係にある者や、ごく親しい友人同士が抱きしめ合ったり手を握り合う、あるいは頬ずりするなど身体や肌の一部を触れ合わせることにより互い
� 「物のやりとり」をする。 乳児期、辺りにある物を手にとって渡す、「ありがとう」とこちらが喜ぶと、また手渡す。こちらが「もういいよ」と言っても、さらに手渡す。今度は、こちらがお菓子を手渡すと「アンガト」などと言って受け取る。「モット」「チ
⑷ 相手との「接し方」・� これからが、いよいよ正念場である。 まず初めに、相手とこちらの関係を見直し(振り返り)、《機は熟しているか》を判断することが大切である。�相手はこちらを見るか、�近づいて来るか、�視線を合わせる
�相手からの「働きかけ」に応える 子どもが激しく泣いている。そんな場面はどこでも見られるが、親にとってはあまり嬉しくない出来事かもしれない。何か異変が起きたのかと心配することは当然である。しかし、思いあたることがないのに泣いている。しか
�相手のマネをする。 マネをすることは、古くは「まねぶ」であり「まなぶ(学ぶ)」の語源であるとも言われている。したがって学習は《マネをする》ことから始まる。親と子ども、教員と子ども、という関係の中で《マネをする》のは子どもの側である、と
⑶ 相手との「接し方」・� �相手に働きかけない まず、相手と「同じ場所」「同じ時間」を共にする。つまり「相手と一緒にいる」ことから始める。「できるだけ長い時間、一緒にいる」ことが大切である。そのためには「寝食を共にする」こ
3.方法 ⑴ 調べる まず相手の「出生から現在まで」の《生育史》を「知る」必要がある。こちらの立場が「親」ならば、調べるまでもなく熟知している事柄であろう。・胎生期の状態・出生時の状態(時期、分娩の様子、産声の有無)・新生児期
2.こちらの心構え 「自閉症(スペクトラム)」と呼ばれる子どもや成人たちと「接し」、「かかわる」際の《心構え》について、いくつか述べたい。 ⑴ 相手を「自閉症」だと思わない。 相手を理解することは、「接し」「かかわる」際に、
◆はじめに 現状では「自閉症は治らない」ということが通説になっている。自閉症の原因は「脳の機能障害」だと《推定》されている。「親の育て方」が原因だと思われた時期もあったが、今、はっきり「それは誤りだ」と《断定》されている。 私自身も35
【あとがき】 現代では「哺乳びん」「紙オムツ」「ベビーカー」が育児の《三点セット》になっているようである。親にとっては、甚だ「都合のよい」便利で合理的な用品に違いない。しかし、育児は、それらに頼れるほど《便利》《安直》にできるものではない
⑷ 「自閉症児」(と呼ばれる子ども)の育児は、まず何を措いても、この「対人関係」に注目し、いつでも、どこでも、完全に「できる」ようになるまで、繰り返し「続ける」ことが肝要である。その具体的方法について、『言語発達の臨床第1集』(
⑶ (5歳頃までの)「自閉症児」(と呼ばれている子ども)の実態を「遠城寺式・乳幼児分析的発達検査表」(九州大学小児科改訂版)」(遠城寺宗徳・慶應義塾大学出版会・1977年)で評価すると、子どもによって千差万別の違いがあるが、《「
⑵ 子どもは、「学習」を通して成長・発達する。「学習」とは「学ぶ」ことであり、「学ぶ」とは「真似る」ことから始まる。子どもは生後間もなく《親》と出会い、その《親》とのかかわりを通して、《親》の言動を「真似る」ことによって、成長・
4 いくつかの留意点・(1) 子どもが「自閉症児と呼ばれる」ようになるのは、通説では「自閉性障害のの基本的特徴は3歳位までに表れる」とあるので、早くて1歳半健診時、遅くて3歳児健診の頃であろう。したがって、その「疑い」もしくは「断定」を受
12 「自閉症児」の育て方・10・《まとめ》 「2 基本的な考え方」で述べたように、「自閉症」の《本態》は「人に関する関心・反応が乏しい」という一点に絞られる。したがって、「自閉症児」の《育て方》も、その一点、すなわち「人に対する関心・反
11 「自閉症児」の育て方・9・《「動作」のやりとり》 乳幼児は、これまでに述べた「泣くことによって人を呼ぶ」「笑顔のやりとり」「表情のやりとり」「声のやりとり」などを土台として、あるいは《それに伴って》「動作」のやりとりができるようにな
10 「自閉症児」の育て方・8・《「物」のやりとり》 「物」のやりとりをするためには、以下のようなレディネス(土台)が必要条件である。�触れた物を握っている(1か月)、�手を開いたり閉じたりする(1か月)、�手を口のもっていってしゃぶる(
9 「自閉症児」の育て方・7・《「声」のやりとり》 生後1か月頃になると、乳児は「泣く」とき以外にも「声」を出すようになる。授乳後、満足して、気分がいいときなど、「アー、ウー」「オックン」など、いかにも「話をしている」様子に見受けられる。
8 「自閉症児」の育て方・6・《「表情」のやりとり》 「笑顔」は表情の一つだが、それ以外にも「泣き顔」「怖い顔」「驚いた顔」「変な顔」「寂しそうな顔」「悲しそうな顔」「浮かない顔」等々、人間の表情は「千変万化」する。また「表情一つ変えない
7 「自閉症児」の育て方・5・《「笑顔」のやりとり》 新生児は2カ月頃になると(あるいはそれ以前でも)、「一人で微笑んでいる」ことがある。親は、その「微笑み」を見逃してはならない。「笑った、笑った」などと言いながら、頬をなでたり、軽く突っ
6 「自閉症児」の育て方・4・《「泣く」ということ》 「泣く(ことができる)こと」は、人間にとって素晴らしいことである。 新生児にとっては「親を呼び寄せ」「自分の不快感」を取り除くことができる。乳幼児にとっては、自分の気持ちを表現して訴
5 「自閉症児」の育て方・3・《泣き声の観察・3》 新生児・乳児は、「泣いて」親を呼ぶ。親は、その呼びかけに《無条件》に応じる。そのことによって、両者の「愛着関係」が形成される。これがコミュニケーションの「第一歩」であり、「人間の生活」の
4 「自閉症児」の育て方・2・《泣き声の観察・2》 現代では、新生児・乳児が「泣く」ことに、(過度な)《不安》をもつ親がいるかもしれない。できるだけ「泣かない」状態を維持しようと努め、子どもが「泣き出す」前に、(授乳、おむつ交換などの)「
3 「自閉症児」の育て方・1・《泣き声の観察・1》 新生児を評価するチェック・ポイントとして、分娩の様態、「生下体重」、「黄疸の程度」、「乳の飲み具合」、等が挙げられるが、最も重要な観点は「産声の有無」「泣き声の強さ」である。「出生」は、
2 基本的な考え方 定説によれば「自閉症児」(と呼ばれる子ども)は、〈1.対人相互反応の質的な障害2.意思伝達の著しい異常またはその発達の障害 3.活動と興味の範囲の著しい限局性〉を主な行動特徴としており、周囲からは〈・言葉の発達が遅い、
《「自閉症児」の育て方》 【まえがき】 本来なら「自閉症の治し方」「自閉症の防ぎ方」といったタイトルにしたかったが、現代では「自閉症は治らない」ということが定説になっており、そのような定説に異議をとなえる気など毛頭ないので、というより、
◎要約 《訳者あとがき》(お茶の水女子大学家政学部児童学科 言語障害研究室 田口恒夫) ・これは「自閉症」の本としては、きわめて異色のものである。まず、著者が変わっている。著者は児童精神科医でも心理学者でもない。もちろん治療士でも教師でも自
「自閉症・治癒への道」解読・37・《追記》【プレコップ博士の中間報告】
◎要約 《追記》 【プレコップ博士の中間報告】 ・ドイツのプレコップ博士は、(ニコ・ティンバーゲン博士の情報を得て)1981年からウェルチ博士の「強制抱きしめ療法」を37組の親に始めてみた。対象児37例のうち8例は、子どもの力が強すぎる、母
「自閉症・治癒への道」解読・36・《付録2 地域社会における自閉症児の治療》(ミッシェル・ザッペラ)
◎要約 《付録2 地域社会における自閉症児の治療》(ミッシェル・ザッペラ) 【「非専門家」にも自閉症児と対話できている人がいる】 ・この報告は自閉症の子どもと、日常生活をともにする人々との「相互交渉」を促進する治療の8年間の経験の要約である
「自閉症・治癒への道」解読・35・《付録1 母子抱きしめ療法による自閉症からの回復》(マーサ・G・ウェルチ)・2
◎要約 《付録1 母子抱きしめ療法による自閉症からの回復》(マーサ・G・ウェルチ) 【治療の方法】 《母と子の絆をつくることがすべての基本》 ・治療の課題は、自閉症の子どもとその母親との間に強い絆を確立することにある。 ・治療をうまく成功さ
「自閉症・治癒への道」解読・34・《付録1 母子抱きしめ療法による自閉症からの回復》(マーサ・G・ウェルチ)
◎要約 《付録1 母子抱きしめ療法による自閉症からの回復》(マーサ・G・ウェルチ) 前章で、著者・ティンバーゲン夫妻による著述は終了し、以下は「付録」である。その1は、本書の「核心」ともいえる「母子抱きしめ療法」がウェルチ博士自身の手によ
◎要約 【出版されている六つの論文】 《6.パーク「包囲・・自閉症児との接触のための闘い」》(エリー) ・この本は、自閉症児を救おうとした家族の苦闘の物語であり、両親の熱心な努力、適切な措置、率直に報告されている過ちなどからみて、きわめて重
◎要約 【出版されている六つの論文】 《5.アクスライン「開かれた小さな扉」》(ディブス) ・この本は、遊戯療法の先駆者(の一人)である臨床心理学者によって書かれた小さな宝石ともいうべきものである。 ・ディブスは科学者夫婦の第一子で、下に妹
◎要約 【出版されている六つの論文】 《�.コープランド&ホッジス「愛の軌跡」》(アン) ・アンは第二子で、兄が1歳4か月の時に生まれた。出産は正常だったが、「一時的仮死状態」になった。(事故?) ・アンは初めから極端におとなしい赤ちゃんで
◎要約 【出版されている六つの論文】 《ベック「アホウドリの悪魔払い」》 ・ステファンは兄が4歳の時に生まれた。母親は出産時の激しい出血で衰弱していたので、ステファンと一緒にいることがめったになかった。ステファンはおとなしい赤ちゃんだった。
◎要約 【出版されている六つの論文】 《2.ヴェクスラー「サンディの物語」》 ・サンディは2歳前になって歩きはじめたが、歩き方はぎこちなかった。 ・2歳過ぎに妹が生まれると、歩行を止めてしまい、いくつかの面で退行を示した。(単語や音声を出さ
◎要約 【出版されている六つの論文】 《1.カウフマン「愛することは共に幸せになること》(長男ローンの物語) ・ローンは長男(7歳と3歳の姉がいた)で出産は正常だったが、最初は「鉛色」だった。・ほとんどたえまなく泣いて、働きかけにも反応を示
◎要約 《ジュディ》(両親から提供された情報) ・ジュディは1970年1月9日、予定日より5週間はやく出生、体重2000グラム。母親は,高血圧、妊娠中毒症のため1月4日から入院。絶対安静を指示された。「赤ちゃんは望みなし、母体は五分五分の危
◎要約 《ジョージ》(1979年に両親から提供された情報) ・両親は教員、ジョージは第四子。 ・ジョージの出産は正常、「何も別に変わったことはなかった」。 ・「たいへん楽な子だった」「父親にはほとんど気にとまることがなかった」 ・ほぼ2歳の
◎要約 《フェイ》(両親から提供された情報) ・フェイは1975年11月11日に生まれた。(両親はその1年前、4歳の男児・アドリアンを養子にもらっていた) ・出生時体重3000グラム、陣痛促進、鉗子分娩。 ・母乳をスムーズに飲めず、1日目は
◎要約 《スーザン》(19歳の時に母親から提供された情報) ・第二子で、ごく早期からはっきりした自閉的傾向を現していた。(人に反応しない、世話をいやがる、泣いてばかり、眠らない、触られること・抱きしめることをきらう、母乳を受けつけない) ・
◎要約 【六人の自己流治療例】 《オルガ》(1946年5月生まれ・第2子・姉はヘレン) ・妊娠中は正常であったが、陣痛促進処置をした。体重3500グラム。出産後、翌日になるまで子どもは母親に渡されず、母乳を与えることができなかった。出産後
《第10章 事例》 ◎要約 【はじめに】 ・この章では、当面どうしたらよいのか、どのようなやり方が最善かについて、詳細に示そうと思う。どのような状況や因子が子どもを自閉症にするか、それがケースによってどのように違うか、どうすればその障害を回
「自閉症・治癒への道」解読・21《第9章 指導法の実際・・・両親と保育者のために》
《第9章 指導法の実際・・・両親と保育者のために》 ◎要約 【遊び心の重要性】 《過度にまじめな環境はむしろ病的である》 ・学校でも家庭でも、まじめすぎる緊張の高い雰囲気は避ける必要がある。 ・現代の社会全体が能率主義と競争主義の方向へ動い
「自閉症・治癒への道」解読・20《第9章 指導法の実際・・・両親と保育者のために》
《第9章 指導法の実際・・・両親と保育者のために》 ◎要約 【治療教育者からの助け】 《動物》 ・動物も人づきあいを育てる架け橋になる。:絆ができたために、執着してしまって人を排除するようにならなければ、ペットは治療教育者としての可能性をも
「自閉症・治癒への道」解読・19《第9章 指導法の実際・・・両親と保育者のために》
《第9章 指導法の実際・・・両親と保育者のために》 ◎要約 【その他の配慮】 《安全な隠れ場所の重要性》 ・自閉症児の場合も、回復するにつれて「安全の傘」は、徐々に「代理人」で代わりうるし、必要な回数も減少していく。(大事なことは子どもが安
「自閉症・治癒への道」解読・18《第9章 指導法の実際・・・両親と保育者のために》
《第9章 指導法の実際・・・両親と保育者のために》 ◎要約 【情緒的絆の回復】 《抱きしめる行為ではなく「心」が重要》 ・自閉症の子どもの母親にできる最良のことは、「抱きしめ」(ウェルチ療法)により、自分と子どもの間の絆を確立ないし再確立す
「自閉症・治癒への道」解読・17《第9章 指導法の実際・・・両親と保育者のために》
《第9章 指導法の実際・・・両親と保育者のために》 ◎要約 ・われわれは、自閉症の「すべてを知っている」わけではない。以下に述べることは、暫定的な「試案」であり、将来大いに改善される余地がある。 ・この指導法は、害よりは益のほうが多いと感じ
「自閉症・治癒への道」解読・16《第8章 全体にわたる結論》
《第8章 全体にわたる結論》 ◎要約 ・最も重要な要因は心理学的要因である。:自閉的状態とは、不安に支配された情緒不均衡であり、それが対人的なひきこもりにつながり、それに続いて(母子の絆がうまく確立していない時にしか現れない)対人的な相互作
《第7章 方法論について》 《感想》 ここでは、これまでの論述をふりかえり、自閉症に関する「研究方法」に対して「一般的な注釈」を加えている。その内容は、従来の「児童精神医学」における研究方法の「不完全さ」「誤り」を(暗に)批判し、その中に
「自閉症・治癒への道」解読・14《第6章 自閉症はどこまでよくなるか》
◎要約 《その他の「治療法」》 ⑵シュリープマンとケーゲルの行動変容療法:従来ふうの言語治療で「技術を教える」という面が多いが、それらすべてのことが温かい、愛情深い、心のつながりの中で行われている。�その治療がうまくいくのは「
「自閉症・治癒への道」解読・13《第6章 自閉症はどこまでよくなるか》
《第6章 自閉症はどこまでよくなるか》 ◎要約 【いろいろな見解】 ・「予後が暗い」というのは一つの見方にすぎない。1970年にオゴーマンが「過去におけるわれわれの努力はおおかた経験的なもの(こじつけか、当てずっぽう)であり、大体において無
「自閉症・治癒への道」解読・12《第5章 何が子どもを自閉症にするのか》
《第5章 何が子どもを自閉症にするのか》 ◎要約 【「結果的」自閉症】 《聾・風疹などの結果としての自閉症》 ・一次的な欠陥の二次的な結果として、自閉的になっていく子どもも数多くいる。 ・デ・ソート症候群というまれな病気によって、自閉症にな
「自閉症・治癒への道」解読・11《【自閉症を発生させる要因のリスト】》
◎要約【自閉症を発生させる要因のリスト】 *このリストは(一部)は、確固たる証拠に基づいたものというよりもむしろ暫定的なものであり、直観に基づいたものである。 《出生前の影響》 ・妊娠中の母親の風疹(風疹が原因で聾になり、聾が原因で自閉症に
「自閉症・治癒への道」解読・10《第5章 何が子どもを自閉症にするのか》
《第5章 何が子どもを自閉症にするのか》 ◎要約 【はじめに】 ・自閉症の病因、発生をどう理解したらよいかという問題について、�最初に自閉的逸脱ないし脱線を起こさせるものは何なのか、�不可避と思われているその後の荒廃を起こすものは何か、とい
「自閉症・治癒への道」解読・9《第4章 自閉的状態の分析⑵・・・子どもの行動》
《第4章 自閉的状態の分析⑵・・・子どもの行動》 【感想】 《葛藤仮説の実験的検証》 この節では、著者夫妻(の研究グループ)が行った実験で、「葛藤仮説」が検証されている。その第一ステップは「自然の実験」(非意図的実験)である。
「自閉症・治癒への道」解読・8《第4章 自閉的状態の分析⑵・・・子どもの行動》
《第4章 自閉的状態の分析⑵・・・子どもの行動》 ◎要約 ・仮説によると〈自閉症の子どもは、二つの動因、一方では特定の対人的物理的状況からひきこもろうとする(その状況へ近づくまいとする)傾向をもち、もう一方では、その同じ状況に対
「自閉症・治癒への道」解読・7《第3章 自閉的状態の分析・・・その方法と概念》
《第3章 自閉的状態の分析・・・その方法と概念》 ◎要約 《葛藤行動のカテゴリー》 �抑制された志向動作:ひき起こされる行動全体のうちの冒頭の、始まりの部分。(例・カモメの「直立姿勢」、人間が(敵対者に対して)「拳を握りしめる」姿勢、「振り
「自閉症・治癒への道」解読・6《第3章 自閉的状態の分析・・・その方法と概念》
《第3章 自閉的状態の分析・・・その方法と概念》 ◎要約 【動物と人における葛藤行動】 ・動物における動因の葛藤の研究は、「ディスプレイ」と呼ばれる行動や「情動の表出」、それに関連した行動の解釈を始めたときからスタートした。 ・動物行動学者
「自閉症・治癒への道」解読・5《第3章 自閉的状態の分析・・・その方法と概念》
《第3章 自閉的状態の分析・・・その方法と概念》 【感想】 《人あるいは場面との出会い》 ここからは、(いよいよ)�一見混沌としている自閉症の「奇妙な」行動の中にどんな規則性を見いだせるか、�「自閉的である」とは正確にいってどういうことな
「自閉症・治癒への道」解読・4《第3章 自閉的状態の分析・・・その方法と概念》
《第3章 自閉的状態の分析・・・その方法と概念》 【感想】 《方法論について》 ここでは、ティンバーゲン夫妻の「研究方法」、具体的には「自閉的状態の分析」方法について述べられている。その方法は、まず「チャイルドウォッチング」から始まった。
「自閉症・治癒への道」解読・3《第3章 自閉的状態の分析・・・その方法と概念》
《第3章 自閉的状態の分析・・・その方法と概念》 【感想】 《はじめに》 ここでは、1985年当時の「自閉症研究者」が自閉的状態の本質について、どのように考えているか、著者(ティンバーゲン夫妻)は、その考えをどのように評価(批判)している
《第2章 序章》 【感想】 ここでは、まず「『自閉症児』とはどんな子どもたちか」について述べられている。その要点は以下の通りである。�正常な対人関係を結ぶことがまったくあるいはほとんどできないこと、�慣れない世界に踏み出すことをしたがらな
《第1章 まえがき》【感想】 冒頭は「『自閉症は治らない』という結論は誤りだ」という見出しで書き始められている。その結論は�1970年代初頭、BBCテレビ番組(英国自閉症児協会代表者の意見)、�1978年秋、オックスフォードの講演(サマーコ
「自閉症・治癒への道 文明社会への動物行動学的アプローチ」(ニコ・ティンバーゲン、エリザベス・A・ティンバーゲン著 田口恒夫訳・新書館・1987年)
「自閉症・治癒への道 文明社会への動物行動学的アプローチ」(ニコ・ティンバーゲン、エリザベス・A・ティンバーゲン著 田口恒夫訳・新書館・1987年)という本を読み始める。通販サイト・アマゾンの「商品説明」では以下のように述べられている。〈本
【親の愛着スタイルが子どもに伝達される】 ・「親の不在」「養育者の交替」といった問題のないふつうの家庭に育った子どもでも、三分の一が不安定型の愛着パターンを示し、大人のおよそ三分の一にも、不安定型愛着スタイルが認められるのはなぜか。それは、
《第2章 愛着障害が生まれる要因と背景》 【増加する愛着障害】 ・子どもの数が減り、一人ひとりの子供が、手厚く大切に育てられているはずの現代において、愛着の問題を抱えた子どもだけでなく、大人までも増えているという現実がある。 (虐待、育児放
【良い子だったオバマ】 ・オバマ大統領は、「良い子」や「優等生」を演じきった。「従属的コントロール」を駆使した典型である。 ・クリントン大統領は、母親に対してはとても従順であったが、それ以外の女性に対しては支配的で、うまく利用したり搾取しよ
【ストレスと愛着行動の活性化】 ・何か特別な事態が生じて、ストレスや不安が高まったときには、「愛着行動」が活発になる。それが健全な状態であり、自分を守るために重要なことである。 ・愛着行動には、さまざまなヴァリエーションがある。(幼い子ども
【親を求めるがゆえに】 ・愛着を脅かす、もう一つの深刻な状況は、守ってくれるはずの親から虐待を受け、安全が脅かされるという場合である。この場合、子どもは親を求めつつ、同時に恐れるというアンビバレントな状況におかれる。しかも、親がいつ暴力や言
【愛着の絆と愛着行動】 ・いったん、愛着の絆がしっかりと形成されると、それは容易に消されることはない。愛着におけるもう一つの重要な特性は、この半永久的な持続性である。(「母をたずねて三千里」のマルコ少年) ・愛着の絆で結ばれた存在を求め、そ
《第1章 愛着障害と愛着スタイル》 【あなたの行動を支配する愛着スタイル】 ・愛着スタイルは、その人の根底で、対人関係だけでなく、感情や認知、行動に幅広く影響していることがわかってきた。パーソナリティを形造る重要なベースとなっているのである
《はじめに 本当の問題は「発達」よりも「愛着」にあった》 ・人間が幸福に生きていくうえで、もっとも大切なもの・・それは安定した愛着である。愛着とは、人と人との絆を結ぶ能力であり、人格のもっとも土台の部分を形造っている。 ・昨今。「発達障害」
「障害乳幼児の発達研究」(J.ヘルムート編・岩本憲監訳・黎明書房・昭和50年)抄読・7
� 幼児ー母親の相互交渉の型と刺激の特性《映写観察を使用したセット場面での行動的相互交渉の評価》 A 背景 ・(幼児ー母親の相互交渉を「映写観察」〈その記録を分析〉することにより)、刺激パタン、刺激の数や多様性、回数・強さで示される刺激の量
「障害乳幼児の発達研究」(J.ヘルムート編・岩本憲監訳・黎明書房・昭和50年)抄読・6
� 母親の行動と幼児ー母親の相互交渉《録音面接の際の母親の叙述とそのときの幼児ー母親相互交渉についての観察者による逸話記録に基づいた研究》 A はじめに ・録音面接時の母親の叙述は、面接時の観察者による幼児ー母親相互交渉の描写と比較された。
「障害乳幼児の発達研究」(J.ヘルムート編・岩本憲監訳・黎明書房・昭和50年)抄読・5
� 方法 A 被験者 1.選択 ・母親と幼児被験者は、Illnois大学病院の小児科部門から得られた。被験者は、次のような基準に基づいて対象にされた。 �. 年齢:30カ月未満 �. 異常行動:異常行動のリストにあげられた1つ以上の異常状態
「障害乳幼児の発達研究」(J.ヘルムート編・岩本憲監訳・黎明書房・昭和50年)抄読・4
� 親子関係に関する批判と「障害乳幼児の発達研究」(J.ヘルムート編・岩本憲監訳・黎明書房・昭和50年)抄読・3幼児ー母親相互交渉の研究 A はじめに ・環境は、児童期の精神的、社会的、情緒的発達に影響するという概括的な仮定は、発達に及ぼす
「障害乳幼児の発達研究」(J.ヘルムート編・岩本憲監訳・黎明書房・昭和50年)抄読・3
「障害乳幼児の発達研究」(J.ヘルムート編・岩本憲監訳・黎明書房・昭和50年)に収録されている論文「正常幼児と異常行動をもつ幼児の母ー子相互関係行動の比較」(ナーマンH.グリーンベルグ)を精読する。 � はじめに ・この報告は、異常行動をも
「障害乳幼児の発達研究」(J・ヘルムート編・岩本憲監訳・黎明書房・昭和50年)抄読・2
【� 社会的ディプリペーション環境下の養育から生まれてくる異常行動】 ・赤毛ザルの社会的発達に影響するパラメーターを調査するために、Wisconsinの研究室の実験者は、母ザルと仲間ザルの中で養育される環境を、体系的な代償と、この環境におけ
「障害乳幼児の発達研究」(J・ヘルムート編・岩本憲監訳・黎明書房・昭和50年)抄読・1
「障害乳幼児の発達研究」(J・ヘルムート編・岩本憲監訳・黎明書房・昭和50年)を抄読する。今から39年前に発行された本だが、その内容は(私にとって)斬新である。と言うのも、それ以後、科学技術の進歩はめざましかったが、その方向は分子生物学の分
『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・47
《第13章 Fくんの場合》(秦野智子) 1.入園時のようす・・・不安定な母子 ・6歳0カ月の時、初めて来園した。すんなりと保育室に入り、母親のひざにすわっていた。しばらくすると黒板に石油会社名を書くようにせがむことをはじめた。書いた後は必ず
『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・46
《第12章 Eちゃんの場合》(後藤徹男) 1.入園時のようす・・・薬物療法施行中 ・4歳3カ月の時、母親と来園。何をして遊ぶでなく、フラフラと歩き回っていた。トランポリンの上では、されるままで、自分から動こうとする意欲はまったく感じられなか
『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・45
《第11章 Dくんの場合》(小柴真喜子) 1,入園時のようす・・・表情固く言葉を発しない ・Dくんは非常におとなしい子で、感情表現が乏しく、一定の表情しかみられなかった。・電気のスイッチをつけたり消したり、オルガンの音に興味をもち、オルガン
『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・44
《第10章 Cちゃんの場合》(久我晴代) 1.入園時のようす・・・3日に1度くらいしか声を出さない ・2歳11カ月の時、父母と見学に来る。泣いて入ろうとしない。強引に中につれて入る。父母と面談中も泣いてぐずっていた。給食は1人で好き嫌いなく
『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・43
《第9章 Bくんの場合》(荻野俊子) 1.入園時のようす・・・固執傾向と独占欲 ・4歳2カ月月の時、初めて来室した。母親と一緒だったせいか不安も抱かず、いろいろな遊具に興味を示した。興味の対象は次々と移っていく。 ・4歳3カ月から通園開始。
『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・42
《第3部 実践》 《第8章 Aくんの場合》(石田遊子) 1,入園期のようす・・・無反応な対人関係 ・3歳4カ月の時、家庭訪問して対面した。Aくんは私たちには全く無関心、ソファーに よじ登ったり、まわりを歩き回ったり、「リーダーズ・ダイジェス
『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・41
《8.予防措置》 ・まず、危険防止に配慮しなくてはならない。 ◆不必要な道具は片づけてておく。 ◆道具は金属製のものではなく、木製、プラスチック製のものにする。 ◆子どもが転ぶ可能性のある所には、マットを敷いておく。(階段からの転落に注意す
『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・40
《7.固有感覚訓練》 ・固有感覚刺激は、身体の各部分の関節を曲げたり伸ばしたりすることで、与えられる。・この訓練も、子どもの反応にしたがって、喜ぶ活動を選べばよい。活動の種類としては、身体各部を曲げる、伸ばす、圧泊する、そうした感覚を統合す
『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・39
C.痛覚 ・たたくということで痛覚の刺激が与えられる。刺激の強さは、保育者自身の力の入れ具合で自由にコントロールできる。ゆうやかな刺激としては、子どもの肩や背中をリズミカルにやさしく叩いてあげればよい。子どもによっては、もっと強い刺激を必要
『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・38
B.圧覚 ・圧覚刺激は、子どもの身体をおしたりもんだりして与えられる。いわゆる指圧やマッサージなどと同じような活動と考えてよい。 ・触覚刺激(こすること)は興奮を高める効果を持つのにたいして、圧覚刺激(おすこと)は興奮を抑える働きがあるとい
『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・37
《6.皮膚感覚訓練》 ・刺激を与える場所は、子どもの気に入るところならどこでもよい、ということが原則である。 ・エアーズは触覚刺激を重視しているので、触覚、圧覚、痛覚、振動覚、くすぐり覚、温(冷)覚、水中覚の順に、活動例を紹介する。 ・皮膚
『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・36
《5.平衡感覚訓練》 ・平衡感覚に働きかける刺激とは、身体の動きと姿勢に変化を与えるということである。刺激の種類は次の7つに分類される。 �身体の前後方向への直進加速度 ・ブランコに乗る。電車・バスの前向きの座席に乗る。ジェットコースターに
『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・35
《4.刺激の与え方》 ・まず感覚診断を行い、子どもの反応を調べる。かなり強い刺激を与えても子どもがかえって喜ぶようならプラス、ちょっとした刺激でも子どもがいやがるようならマイナスの反応といえる。 ・最初はプラスの反応を示した行動から始める。
『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・34
《3.子どもの反応》 ・おとなが意図的に刺激を与えるときの着眼点や注意すべき点について述べる。 A.刺激を与える前の子どもの反応 ・新しい活動ということだけで尻込みしたり、自分自身の限界について鋭く意識している子どもがいる。子どもが道具を見
『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980)精読・33
《2.感覚回路についての一般的原則》(デラカート) A.鈍すぎる感覚の場合 �危険な場所や危ない物、有毒など危険に対して無防備なので、事故に気をつける。 �いろいろな強い刺激を与えて感覚を目覚めさせる。 �強い刺激からだんだん弱い刺激へと進
『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・32
《第7章 統合訓練の方法》(石田遊子) 《1.子どもにとって最適な刺激》 ・エアーズは、一般的原則として次のように言っている。「一般的にいって、楽しいもの・喜ぶものは統合されるものだと考えられる。」「もし子どもがその刺激が好きで自分からすす
『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・31
《6.療育キャンプの経験から》 ・千葉県中央児童相談所の好意により、1泊2日の自閉症療育キャンプ(昭和53年9月7〜8日)に参加した自閉症児及び自閉傾向児18名(3〜9歳)について感覚診断を行う機会を得た。母親に記入してもらった常同行動チェ
『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・30
《4.診断の実例 2(『自閉性精神薄弱児の家庭指導1』(小林提澍著・福村出版)のYくん)》 ・昭和30年5月30日から同年10月24日までの約半年間の記述を利用して、感覚診断の演習を行う。 ◆Yくんの感覚診断の結果 ●平衡感覚
『「自閉」をひらく 母子関係の発達障害と感覚統合訓練』(つくも幼児教室編・風媒社・1980年)精読・29
《3.診断の実例 1(『愛の奇跡」のアン』》 ・現実に子どもを相手にするのでないから、第2の方法である設定刺激は利用できない。◆診断の結果 ●平衡感覚《鈍い》・特定のイスにかけて何時間もゆすっている。・ブランコを何時間も乗っている、大きく前
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�「対話」(言葉のやりとり)をする。 「自閉症」の定義の中に、第二の特徴として「言葉の発達の遅れ」が挙げられている。かつては、それをまず一次的な障害として考えられたこともあるほど、周囲には目立つ(気になる)特徴である。それは、要するに「
� スキンシップでかかわる 「スキンシップ(和製英語: skin-ship)は、母親と子供を始めとする家族関係にある者や、ごく親しい友人同士が抱きしめ合ったり手を握り合う、あるいは頬ずりするなど身体や肌の一部を触れ合わせることにより互い
� 「物のやりとり」をする。 乳児期、辺りにある物を手にとって渡す、「ありがとう」とこちらが喜ぶと、また手渡す。こちらが「もういいよ」と言っても、さらに手渡す。今度は、こちらがお菓子を手渡すと「アンガト」などと言って受け取る。「モット」「チ
⑷ 相手との「接し方」・� これからが、いよいよ正念場である。 まず初めに、相手とこちらの関係を見直し(振り返り)、《機は熟しているか》を判断することが大切である。�相手はこちらを見るか、�近づいて来るか、�視線を合わせる
�相手からの「働きかけ」に応える 子どもが激しく泣いている。そんな場面はどこでも見られるが、親にとってはあまり嬉しくない出来事かもしれない。何か異変が起きたのかと心配することは当然である。しかし、思いあたることがないのに泣いている。しか
�相手のマネをする。 マネをすることは、古くは「まねぶ」であり「まなぶ(学ぶ)」の語源であるとも言われている。したがって学習は《マネをする》ことから始まる。親と子ども、教員と子ども、という関係の中で《マネをする》のは子どもの側である、と
⑶ 相手との「接し方」・� �相手に働きかけない まず、相手と「同じ場所」「同じ時間」を共にする。つまり「相手と一緒にいる」ことから始める。「できるだけ長い時間、一緒にいる」ことが大切である。そのためには「寝食を共にする」こ
3.方法 ⑴ 調べる まず相手の「出生から現在まで」の《生育史》を「知る」必要がある。こちらの立場が「親」ならば、調べるまでもなく熟知している事柄であろう。・胎生期の状態・出生時の状態(時期、分娩の様子、産声の有無)・新生児期
2.こちらの心構え 「自閉症(スペクトラム)」と呼ばれる子どもや成人たちと「接し」、「かかわる」際の《心構え》について、いくつか述べたい。 ⑴ 相手を「自閉症」だと思わない。 相手を理解することは、「接し」「かかわる」際に、
◆はじめに 現状では「自閉症は治らない」ということが通説になっている。自閉症の原因は「脳の機能障害」だと《推定》されている。「親の育て方」が原因だと思われた時期もあったが、今、はっきり「それは誤りだ」と《断定》されている。 私自身も35
【あとがき】 現代では「哺乳びん」「紙オムツ」「ベビーカー」が育児の《三点セット》になっているようである。親にとっては、甚だ「都合のよい」便利で合理的な用品に違いない。しかし、育児は、それらに頼れるほど《便利》《安直》にできるものではない
⑷ 「自閉症児」(と呼ばれる子ども)の育児は、まず何を措いても、この「対人関係」に注目し、いつでも、どこでも、完全に「できる」ようになるまで、繰り返し「続ける」ことが肝要である。その具体的方法について、『言語発達の臨床第1集』(
⑶ (5歳頃までの)「自閉症児」(と呼ばれている子ども)の実態を「遠城寺式・乳幼児分析的発達検査表」(九州大学小児科改訂版)」(遠城寺宗徳・慶應義塾大学出版会・1977年)で評価すると、子どもによって千差万別の違いがあるが、《「
⑵ 子どもは、「学習」を通して成長・発達する。「学習」とは「学ぶ」ことであり、「学ぶ」とは「真似る」ことから始まる。子どもは生後間もなく《親》と出会い、その《親》とのかかわりを通して、《親》の言動を「真似る」ことによって、成長・
4 いくつかの留意点・(1) 子どもが「自閉症児と呼ばれる」ようになるのは、通説では「自閉性障害のの基本的特徴は3歳位までに表れる」とあるので、早くて1歳半健診時、遅くて3歳児健診の頃であろう。したがって、その「疑い」もしくは「断定」を受
12 「自閉症児」の育て方・10・《まとめ》 「2 基本的な考え方」で述べたように、「自閉症」の《本態》は「人に関する関心・反応が乏しい」という一点に絞られる。したがって、「自閉症児」の《育て方》も、その一点、すなわち「人に対する関心・反
11 「自閉症児」の育て方・9・《「動作」のやりとり》 乳幼児は、これまでに述べた「泣くことによって人を呼ぶ」「笑顔のやりとり」「表情のやりとり」「声のやりとり」などを土台として、あるいは《それに伴って》「動作」のやりとりができるようにな
10 「自閉症児」の育て方・8・《「物」のやりとり》 「物」のやりとりをするためには、以下のようなレディネス(土台)が必要条件である。�触れた物を握っている(1か月)、�手を開いたり閉じたりする(1か月)、�手を口のもっていってしゃぶる(
9 「自閉症児」の育て方・7・《「声」のやりとり》 生後1か月頃になると、乳児は「泣く」とき以外にも「声」を出すようになる。授乳後、満足して、気分がいいときなど、「アー、ウー」「オックン」など、いかにも「話をしている」様子に見受けられる。
8 「自閉症児」の育て方・6・《「表情」のやりとり》 「笑顔」は表情の一つだが、それ以外にも「泣き顔」「怖い顔」「驚いた顔」「変な顔」「寂しそうな顔」「悲しそうな顔」「浮かない顔」等々、人間の表情は「千変万化」する。また「表情一つ変えない
《第十一章 情緒障害各論》【要約】《一 日常生活と情緒障害 ・・諺を中心として・・》・われわれは、日常生活において、一過性ではあるが情緒障害を起こすことがよくある。・自分の心の中で、もっともコントロールしにくいのが情緒である。だから、情緒を
《第十章 教育と情緒障害》【要約】・ここでは、教育と情緒障害の問題を要約し、学業不振の問題について考えたい。・現在の教育を成立させている基本的な理念、考え方の誤謬を情緒障害の立場から論じる。一教師、一学校の問題ではない。教育行政の問題でもな
《二 情緒の変容を利用する》【要約】⑴自消作用を利用すること・情緒の変容は、ある種の情緒の発動を自ら消す効果をもっている。◎ぐち:ぐちは一種の甘えであって退行の一種と考えられるが、一種のカタルシスが起こって、ある程度の不愉快な感
《第九章 情緒障害の予防(精神衛生)》【要約】・要するに、C領域を成長することに成功すれば、かなりの情緒障害は防げるはずである。《一 C領域を成長させる》⑴経験を豊富にすることである。・C領域を育てるということは、情緒的な体験を
《三 情緒障害のメカニズム》・「情緒をとりまく心の構造図」(A領域=生理・心理的な領域、B領域=欲求・情緒、C領域=意欲・情操、D領域=知識・「情緒障害」のメカニズムを一言でいうなら「C領域が十分に成長していない状態である」といえる。・C領
《二 情緒障害の定義》◎情緒障害とは「情緒の現れ方の歪曲」である。・「現れ方」は、厳密には「情緒の動き方」「発動のしかた」という表現の方がよいかもしれない。・「歪曲」とは、次のような「動き方」を代表させた表現である。⑴普通一般の
《第八章 情緒障害の構造》《一 情緒障害はふえてゆく》【要約】・現代人のD領域は、社外の渉外的なことにのみ専念している社長のようなものである。自分の本来の仕事である部下や社員を調整したり指導したり、リードしたりする役割を捨ててしまった。した
《七 攻撃》【要約】・外からの刺激を受けて、自らの心情の中に、ある種の曲折が起こり、その結果としてそれらのものが表出される。そのことによって、自らの情緒的な不安定感・不快をいやそうとするメカニズムである。代償行為と合理化は、その表出される段
《四 合理化》【要約】・代償行動のかわりに、いかにも合理的・論理的な言葉で、自分の不愉快さを避けようとし、自分の行動を正統化しようとする心の動きを合理化と呼ぶ。・合理的な見せかけであり、「屁理屈」「いいわけ」「責任転嫁」が相当する。・情緒的
《第七章 情緒の変容様態》【要約】・情緒は、周辺にある要素との関係の中でどのような動きをするか。本項では、危機場面における「働き方」の特性について述べる。・情緒の動きが、もっともよく観察されるのは、その人間が困った場面に出会った時である。困
《二 教えることと育てること》【要約】・「教える」という働きと「育てる」という働きは、基本的に違った働きをもっている。・「教える」という働きは、ほとんど知識と技術を伝達することと解してよい。この働きを営むには、第三者の関係が、もっとも能率的
《第六章 情緒の力動》《一 情緒をとりまく心の構造》【要約】・心の中心部に、分析することの不可能な領域がある。心理的にコントロールすることもできない。「生理的・心理的な領域」(A領域と名づける)自律神経系と深い関係がある。夢の世界でこの領域
《第五章 欲求と意欲》《一 欲求と意欲の違い》【要約】・食欲・性欲・睡眠の欲求といった生理的な欲求と、獲得欲求(プラモデルが欲しい、100点が欲しい)、愛情欲求(かわいがられたい)は、基本的欲求と呼ばれ、人間の生得的にもっている欲求である・
《第四章 欲求と情緒》《一 盾の両面》【要約】・欲求と情緒は、盾の両面である。・情緒が現れるためには、そのベースに欲求がある。母親に家に「いてほしい」という欲求があって、それが阻止される(母親が家にいない)と、そこに「淋しさ」が生ずる。宿題
《二 感情の系列》【要約】・もっともプリミティブなものは原情である。感覚をベースにして、物象の触発によって生ずる感情である。「人」とは無関係、欲求もきわめて希薄という点で、情緒とは違う。「人」による欲求阻止もないし、衝動的な行動が「他人」に
《第三章 情緒と情操》《一 情操の特性》【要約】・感情の中には、情緒・原情のほかに、情操といわれるものが含まれている。ドラマに感動したり、文学や音楽に感動したりする心をいう。情緒のレベルより、いちだんと成長した感情であるといえる。◎情操の特
《第二章 情緒と風土》【要約】・情緒は、民族や文化によって根本的な規制を受けるものではなく、人類に共通のものである。しかし、ある種の情緒が風土の影響で、濃淡をもっているという事実はある。(暑いインドでは太陽が憎しみの対象になっているが、日本
《七 情緒のない世界》【要約】◎人間から情緒というものがなくなれば・・・・。・他人をうらんだり、憎んだり、怒ったりすることがなくなれば「傷害事件」は起こらなくなる。・ねたましい、のろわしい、うらやましい、うらめしいといった情緒がなくなれば、
《六 情緒と生理現象》【要約】・「病は気から」という考え方は、近代医学によって一度は否定されたが、病原菌による病気のほとんどが征服されるようになって、再び見なおされてきたようである・ヒステリーは、少なくとも精神的な原因によって一時的な身体症
《五 情緒の特性》 【要約】⑴ 没論理性:二通りの意味がある。 �情緒は面前の刺激に直接的な反応として現れるのであって、論理的な思考の結果として、現れるということはあり得ない。*怒りは、相手が、自分に悪意を抱いていると感じた時