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BOOKS:LIMELIGHT https://books-limelight.com/

ジャンル問わず、文章が好きです。自分がどんな風に本を読んでどんなことを思ったのか。備忘録の本棚のように使うことと、いつか誰かと読んだ作品について話したり通じ合えたらいいなぁ…という淡い期待とで運営していきます。 

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2023/06/27

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  • 30〜40代、女の悩み詰め合わせ。「自転しながら公転する」レビュー。

    山本文緒著「自転しながら公転する」を読んだ。30・40代の女の悩みを詰め合わせた、わたしにとっては総集編のような本だった。 老いていく親への心配と、介護などで自分の自由がなくなっていくもどかしさ。 確実に若くなくなっていく自分。 将来を約束するには頼りない恋人。 次々と問題が起こる職場。 途中あんまり浮かばれなくてしんどくなったけど、最後まで読んでみて、うん、腹落ちした。 主人公のように、この物語の世界と、登場人物と自分自身とを、ぐるぐる回りながら感想を話していく。 自転しながら公転する(新潮文庫) 作者:山本文緒 新潮社 Amazon あらすじ 悩みは「自転しながら公転する」 明日死んでも悔…

  • 読むので思う。思うので書く。(荒川洋治著「読むので思う」より)

    先日の神保町古書祭りで手に入れた、荒川洋治著「読むので思う」を読んでいる。 読むので思う 作者:荒川 洋治 幻戯書房 Amazon 装丁のデザインに違わず、文章としても肩ひじ張らずに読めるものが多い。 著者が2007~2008年頃に発表したエッセイから66編を収めている。1編あたり3~5ページと短めなので、キッチンとリビングの間のスペースにぼん、と置いて通りがかりに、作業ついでに、という感じでちらほら読んでいる。 本のこと、読書のこと、思考や書くことに関するものがほとんどで、読むうちに考えがふくらんできたので話していく。 カバーがなかったのでとても安かった。これはこれで良い。 読むので思う 「…

  • 西加奈子 短編集「おまじない」の、是か非かよく分からない感想。

    いつかのわたしが買った小説、西加奈子の「おまじない」を読んだ。著者の作品は初読みだった。30ページくらいの短編が8つと、巻末には長濱ねるとの対談が12ページ載っている。それぞれの物語のイラストは、著者本人が描いているらしい。 まあもう今日に始まったことじゃないんだけど、本の感想をまとめるのにかなり苦労した。今回時間がかかったのは、珍しくあんまりハマらなくて、珍しく最後まで読んだ本だったから。 大体ハマらないとその先全く進まなくなるので、自然とレビューは書かないし自分の心にも残らない。でも、今回は最後まで読めたし好きな部分もある。だけど決定的に何かがハマってない。面白い。 おまじない (ちくま文…

  • 一冊しか読んでなくたって、その作家が好きと言っていいと思うんだ。

    山本文緒の「自転しながら公転する」が実写ドラマ化するらしい。12月14日(木)、21日(木)、28日(木)のいずれも23時59分から。楽しみだ~!! www.ytv.co.jp ちなみに、わたしはまだこの小説を読んでいない。亡き著者の残してくれた作品を大事に読もうとするあまり、読めずにいる(という言い訳かもしれない)。 ちなみに単行本と文庫本どちらも持っている。しかし読んでいないのだ。 ドラマを十分に味わうためにも、放映されるまでに今読んでいる本たちを押しのけてでも読もうと思う。 さて今日は、"好きな作家”をどこから公言してよいものか?という話。 結論からいうと、わたしは一冊読んで好きだと確信…

  • 向田邦子著「思い出トランプ」感想。闇に気がついた人間の反応は様々。

    この間読んだ向田邦子作品「隣の女」に魅せられ、その後本屋でたまたま見かけた「思い出トランプ」を読んでみた。 小説新潮にかつて連載していた短編連作で、連載終了を待たずに直木賞を受賞したというこの小説。話数はトランプの絵札と同じ13。連載順ではなく、シャッフルされているのも面白い。 思い出トランプ(新潮文庫) 作者:向田邦子 新潮社 Amazon 「隣の女」はすべて女性目線だったけど、これは男性目線の話が半分以上だった。 人間心理の暗がりを照らす話が多く、この気持ちを深掘りしてよいものか?この闇はめくってもよいものなのか?登場人物たちと一緒に惑う。 深淵を覗くとき、深淵もまた…とよくいうけれど、め…

  • わたしの平気は、誰かのコンプレックス(自由に表現するための思考実験)

    今週末はすこし気持ちに余裕があったので、自分の拗れた部分と向き合ってみました。 昨日は自意識過剰についての記事を書きましたが、なぜ向き合ったかといえば、自意識を乗りこなしてもっと自由に表現したいからなんです。 拗れた部分をほどいて、もっと自由に、かたちにしたい。 そういえば、書くことは平気でできるな 心理的葛藤が強い部分は、AIに任せればいいのか? 思考実験を繰り返して、自分なりの方程式をつくりたい 拗れた部分をほどいて、もっと自由に、かたちにしたい。 この読書ブログをはじめて半年が過ぎて、最近自分の言いたいことは文章だけじゃなくて図説とか、絵で表現したいと思うことが増えました。このブログは自…

  • 本を使って自意識過剰と向き合う(「自意識過剰」というコンプレックスを読んで)

    人からよく、自意識過剰だねと言われます。悲しいけど、自分でもそう思います。 何か言われた訳でも、批判された訳でもないのに、そう思ってるんじゃないか?自分のせいではないか?めんどくさい…。 厄介なのは、人から褒められた時も素直に喜ぶことができないところ。こう言ってくれたけど、本当は、あるいは…と疑心暗鬼に考え始めたら、幸せとは縁のない人生になってしまうのは目に見えています。 自分が見られていると感じるのは錯覚 結局、人は自分のことしか考えてないから大丈夫 自意識過剰で悩んでいる時間は無駄! たくさんの自己啓発本とか読んで耳にしてきたこの言葉。わかってる。わかってるんです。わかってるけど思っちゃう…

  • 山田詠美著「無銭優雅」レビュー。死を覚悟しながら、今日という日を慈しむ。

    二人の世界では「無銭優雅」でも、はたからみれば「呑気な貧乏人」なんだろうか(いや、そんなこともないと思う!)読みながら気持ちが右往左往する、刹那を生きるキリギリスな恋物語だった。 そしてもう、これはわたしの人生か?と思うほどに、中年に差しかかる自分にリンクした小説だった。 無銭優雅 (幻冬舎文庫) 作者:山田 詠美 幻冬舎 Amazon 花屋で働く時雨(じう)と塾講師の栄はともに40代。「心中する前日のつもりで恋をしてみないか」がテーマの、二人の恋の日常が綴られている。 日常に寄り添う恋愛小説の引用たち 舞台は西荻・吉祥寺の狭い界隈 大人のイタい恋…いや、恋したら大概こんなもんだった 「心中す…

  • 【タイタンの妖女/用語考察】クロノ・シンクラスティック・インファンディブラム(時間曲率性漏斗)

    今日はちょっと息抜きに、カート・ヴォネガット著「タイタンの妖女」の最頻出用語「クロノ・シンクラスティック・インファンディブラム(時間曲率性漏斗)」について、単語のおさらいと自分なりの考察を話してみます。 タイタンの妖女 作者:カート ヴォネガット ジュニア 早川書房 Amazon この小説は、物語の主要人物の一人、ウィンストン・ナイルズ・ラムファードが愛犬のカザックとこの「クロノ・シンクラスティック・インファンディブラム」に飛び込んでしまったことから始まった(判明した)話です。なのでこれのイメージがないとそもそも話がよく分からない。 わたしは今回、ノートにまとめたり、立ち止まって考えを巡らせる…

  • 新たなチャレンジ、大失敗。からの反省会

    昨日はチャレンジ記事でした。今日は反省会…。 チャレンジの元となった記事はこれです。 books-limelight.com 新たな取り組み、初回は大失敗 ここからどう調整していこう? そもそも題材がイタイ 思ってるだけで実践→変化が書いてないからイタイ 懲りずにやるけど、徐々にマシにしたいとは思う 新たな取り組み、初回は大失敗 前に話してた「自分の柱を補強するための読書」を実践をしたつもりなんだけど、も~~~大失敗。 自意識大爆発の中二病記事になってしまった。 いや~~久々にやってしまったな…、いや、いつもやってるのかもしれないけど。今回のはひどすぎるだろ…と思いながら、はじめからうまくいく…

  • 帝王学で、「脳内会議」から「脳内政治」へ。

    今週のお題「最近読んでるもの」…って、あれ?終わっちゃった。でもせっかく書いたんであげます。 最近、Kindle unlimitedで「帝王学」に関する本を読み漁っています。 中二病…?いえ!国家や会社などを治めるための学問を、脳内政治に活用できるのでは?と考えているだけです。 まだ拾い読み、斜め読みでざっと読んでいる感じですが、「自分の中の自分たち」とうまくやっていくために、やっぱり使えると思うんですよね。 まず、帝王学について 「中国の君主たちが学んだ学問」のことを指しますが、中国にこの単語はないようです。日本人が中国古典を学ぶなかで、解釈として生まれた言い回しといったところでしょうか。現…

  • よく知らずに行った展覧会で、多くを得た話(土方久攻と柚木沙弥郎 展)

    先日、世田谷美術館の「雑誌にみるカットの世界展」に行った話をしたばかりですが、同時開催の「土方久攻と柚木沙弥郎ー熱き体験と創作の愉しみー」展が、実り多く素晴らしい展示でした。メモがてらここに記します。 こっちがメインとは。行くまで知らなかった。 カット展のチケットを買おうとすると「今日が最終日で、料金もカット展込みで500円なんですよ~(にっこり)」と受付のお姉さん。「では、せっかくなので見てみます!(にっこり)」と、名前も知らない二人の創作展覧会を見ることにしたわけでした。 いつもこれにいこう!と決め打ちで行くほうなので、どうだろうかな…とはじめこそ不安だったけど、全くの杞憂。創作に対する考…

  • 世田谷美術館「雑誌にみるカットの世界」に行ってきました。

    わたしは雑誌の「カット」が大好きです。 「カット」というのは、雑誌や新聞、リーフレットのところにちょこっと載ってる挿絵(イラスト)のことです。わたしの職場では見出し部分の装飾のことを指していたりもします。 好きだけどなかなかうまく作れず、いろいろ調べるんですが、調べ方が悪いのか専門のサイトや本が見つからない…なので、雑誌を切り抜いたり、ページごとファイリングしたりしてアナログな集め方をしていました。 ある日、思ったより残業しちゃったな…と帰り道にとぼとぼ歩いていると、こんなポスターが。 「雑誌に見るカットの世界」って…まさにじゃないですか!!19日までで終了間際だし、早速見に行ってきました。た…

  • 神田・神保町【 古本まつり2023】体験レポ。洗礼を受けながらも、刺激的で楽しかった!

    日本最大級の古書街、神田・神保町の本まつり! 歩き回ってくたくた…!色々あったけど、古本まつりはとても刺激的で面白かったので、体験レポートとして書き記しておきます! 神田古本まつり(神保町ブックフェスティバル)とは ①10月29日・ブックフェスティバルで洗礼を受ける ②11月3日・古本まつり最終日は、慣れて楽しめた! 来年に向けて思うこと ワゴンのお作法 マスクは個人的に必須 気になったら"買い”! 一人で本格的に見て回る時間があるといいかも 気持ちで負けない 来年はもっと味わいたい!古書街の本まつり 神田古本まつり(神保町ブックフェスティバル)とは 2023年の神田古本まつりは10月27日(…

  • 向田邦子著「隣の女」感想。ただよう色気は、秘密の深さか。

    昔読むのを断念した「隣の女」を読み終えた。 挑んだのは20代前半だったと思う。冒頭にミシンが出てきたこと(その頃わたしはミシンを踏みまくる生活をしていた)、最初の展開から心揺さぶられたこと、作品からだだもれる大人の色気に憧れたことが手に取った動機だった。 その時は若すぎたのか、経験が足りなかったのか、刺激についていけなかった。でも引っ越しの度に、これはいつか精神的に成熟したら読もう、と処分せずにいた。 10数年後に読み返したいま、じっくりと味わえた。経験を重ねて魅力が分かる年になったようだ。やっぱり一番に感じたのは人間の「色気」で、体から隠し切れない、匂いたつような魅力を感じる。 これはどこか…

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