chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
水本爽涼
フォロー
住所
未設定
出身
未設定
ブログ村参加

2023/04/10

arrow_drop_down
  • 驚くユーモア短編集 (99)明日(あす)

    あっ!明日(あす)だったと思い出し、月日の巡りの速さに驚くことがある。とくに、余り気にしていなかったときは、したくもないのにバタバタするに違いない。^^「お、おいっ!い、如何(いかが)致すっ!九月十日…九月十日は明日ではないかっ!!」上田攻めの負け戦(いくさ)に時を過ごされた秀忠公は、家康公からの早馬の密書をお読みになり、驚く様相でそう言われたらしい。「こうは、しておられんぞっ!」「御意(ぎょい)っ!殿、お急ぎをっ!!」急遽(きゅうきょ)、上田を出立された秀忠公率いる精鋭三万五千有余ではあったが、かかる長雨に進軍ままならず、関ヶ原の戦いにはついに間に合わなかった。このように、いつの時代でも急に差し迫った事態を知ったときは、驚くことになるのです。皆さん、驚くことのないよう、明日のスケジュールは確認しておきま...驚くユーモア短編集(99)明日(あす)

  • 驚くユーモア短編集 (98)原因2

    (48)でタイトルにした原因の別話である。そんなことが…と、考えてもみなかったところにコトの原因があったことで驚くことがある。そうなった原因を考えてはみたが、どうしても分からなかったとき、特にその驚く度合いは大きくなるだろう。ということで、今日は見過ごされた些細な原因に驚くお話にしてみました。^^とある市役所の財務課である。「妙だな…。どうしても額が合わない…。それも一円だ…。おいっ!!楢林(ならばやし)君っ!!」課長の樫岡(かしおか)は、前のデスクで仕事をする担当係の楢林を大声で呼んだ。楢林はギクッ!として手を止めると、恐る恐る席を立って課長席の樫岡に近づいた。いつもカミナリを落とされていたからである。「あの…なにか?」「なにか?じゃないよっ!この額、一円違ってるじゃないかっ!」「いや、そんなことはない...驚くユーモア短編集(98)原因2

  • 驚くユーモア短編集 (97)知らず知らず

    知らず知らず、日々、創作していると、驚くことにこの短編集も百話完結の残りが四話となった。本作を除けば残りが三話だから、知らず知らずの心身の条件反射的動きは恐ろしいものだと気づかされる。心身が惰性で動くというのは、いい場合も当然あるが、悪い場合も否応なく生じるから注意を必要とする。とある国会の衆議院本会議場である。申し合わせたように議員の一人がスクッ!と立ち、いかにも目立ちたいような出さなくてもいい驚く大声を張り上げた。議事進行係である。明治期の帝国議会から続く習慣らしく、知らず知らずのうちに現在に至るまで踏襲されているというから驚く。「議長ぉ~~~!!」「〇〇君…」「ホニャララのホニャララはホニャララとし、本日は、これにて散会することを求めまぁ~~~す!!」「○○君の動議に御異議ございませんか?」『異議な...驚くユーモア短編集(97)知らず知らず

  • 驚くユーモア短編集 (96)時

    なんだ、まだこんな時間か…と時計を見ながら驚くときと、しまった!もうこんな時間かっ!…と時計を見て驚く瞬間の違いがある。むろん、前者の場合はゆとりの時間がある訳だが、時とはこのように見えず得体が知れない存在なのである。とある高校のとある教室のホームルームの時間である。このクラスを受け持つ担任の潮(うしお)が出席点呼を行っている。「提山(さげやま)っ!…」返事がなく、潮は出席簿から視線を上げ、教壇から一段下の生徒達を見回した。「先生、提山は今日、休んでます…」「ほう!珍しいな。あいつが休むとは…」「なんでも、身内の結婚式らしいですよ」「それは、お目出度いじゃないか…。よしっ!今日はコロナ禍で世の中が冷え切ってるから、お目出度い話を一つ先生がしようっ!」語り出した潮は時の経つのも忘れ、ゴチャゴチャとしたお目出...驚くユーモア短編集(96)時

  • 驚くユーモア短編集 (95)意志

    なにがなんでもやり遂げるんだっ!という強い意志があれば、驚くような成果を上げることが出来る。これは、人が持ち合わせた不思議な力である。(91)で馬鹿力(ばかぢから)というタイトルのお話を掲載させて戴いたが、その力も強い意志が齎(もたら)す人の潜在力に違いない。とある町役場の、とある課である。「コレとコレ、明日までに頼むよ…。まあ、余り期待してないがね…。ひと月先は人事だよっ!分かってるねっ!」「はい…」とある課の課長、大席(おおぜき)に念を押された係長の小結(おむすび)は否応なく小声の返事をした。とても一人でやり切れる量とは思えなかったこともある。「ははは…分かってりゃいいんだ、分かってりゃ!」大席は分かってりゃ!を繰り返して強調した。小結にしてみれば、『フンッ!偉そうに…』くらいの気分である。ただ、この...驚くユーモア短編集(95)意志

  • 驚くユーモア短編集 (94)人の心

    女心と秋の空・・とかなんとか言われるが、人の心ほど複雑で変わりやすいものはない。突然の豹変ぶりに、なにっ!と驚くことも数多くあるに違いない。とある料亭である。背広姿の二人が意味深に杯を傾けている。「まあ、そこのところを一つよろしく…」「フフフ…分かっています。いつものだね…」「はあ、いつものようにお願いを…」とある省庁のお役人と、とある大企業のトップとの間で、数億の取引の認可がまた了承された瞬間である。その取引の事実は検察庁特捜部の極秘裏の調査ですでに解き明かされようとしていた。ただ、この料亭で杯を傾ける二人は、この段階でその動きを知らなかった。数日後、この大企業に特捜部の強制捜査のメスが入った。その結果、大企業のトップは、いとも簡単に贈賄の疑いで逮捕されたのである。「私は、そんな人物は知らんよ…。〇〇が...驚くユーモア短編集(94)人の心

  • 驚くユーモア短編集 (93)嘘(うそ)から出たまこと

    嘘(うそ)から出たまことに驚くことがある。その嘘が途方もなく大きい嘘であればあるほど、その驚く程度も大きくなる。ということで、でもないのですが書きたいと思います。正確には、苦手な[誤字入力の多さには泣かされています^^]キーを叩(たた)くことになります。^^とある近い未来の一日である。二人の男が通勤バス中で話をしている。「核戦争が起こるって話だっ!!」「なんだとっ!お前、その話、誰から聞いたっ!」「誰とは言わんが、そう言ってたぜっ!」「そうかっ!こりゃ偉いことになったぞっ!急いで核シェルターを買わにゃならんっ!高くつくな…。そうなると、住宅ローンもあるから、毎日、食パン一枚の生活か…。ああ侘(わび)しいっ!実に侘しいっ!!」「おいっ!核が落ちてからの食糧はどうするんだっ!」「そうか…。今から多量に買い込ん...驚くユーモア短編集(93)嘘(うそ)から出たまこと

  • 驚くユーモア短編集 (92)予想

    予想していたことがスムーズに運ぶ場合、首尾よくいかない場合は当然、出てくるだろう。自分では何もしていないのにトントン拍子に進行したり、逆に何をしても全然、進まない場合は、妙だな…と思うに違いない。そして、その訳が、ほんの小さな内容だったりした場合は驚くことになる。とある家の前の舗装路で必死に独楽(こま)を回しているこの家の主人がいる。幸い、その家の前は車が通れない程度の細道で、歩くか自転車でしか通行が出来ない。その細道を偶然、対向から二軒先のご主人が買い物帰りに自転車で通りかかり、ギギィ~!っとブレーキをかけた。「ははは…独楽ですか。懐かしいですなぁ~。子供の頃はコレでよく遊んだもんです…」「さようで…。いやね、天気がいいもんで虫干ししようと部屋の押入れを開けてみましたら、コレが出てきましてな。、し回して...驚くユーモア短編集(92)予想

  • 驚くユーモア短編集 (91)馬鹿力(ばかぢから)

    火事場の馬鹿力(ばかぢから)などと言われるが、いざというとき、いつもは出なかった力が出るのには驚く以外にない。ということで、余り時間がないのですが、馬鹿力を出して(91)を書きたいと思います。正確には入力で、打ち間違いがないか心配なのですが…。^^とある家事現場である。「おいっ!消防はまだかっ!!」「妙ですねぇ~?もう着きそうな筈(はず)なんですがっ!」「全然、着かないじゃないかっ!!音も聞こえんぞっ!!」「はあ…」「はあ、じゃないっ!!益々、炎が強くなるじゃないかっ!!」そこへ一人の野次馬が話しかけた。「そりゃ、来ませんよっ!ここへの道は一本ですが、この前の台風で橋は流されましたから…」そう聞かされ、家人の二人は青ざめた。「よしっ!!バケツリレーだっ!!」「はいっ!!」「皆さんもお手伝い、お願いしますっ...驚くユーモア短編集(91)馬鹿力(ばかぢから)

  • 驚くユーモア短編集 (90)それでも、やる

    人は負けると分かっていて、それでも、やる・・という不屈の精神を持ち合わせている。むろん、諦(あきら)めが早い人も多い訳だが、やはり人として生まれたからには、負けると分かっていても努力して欲しいものだ。私も微力ながらその精神を心がけている一人である。ものすごく微力です。^^とある病院の診察室である。「本当のところ、先生、どうなんでしょ!!」「どうしても!とおっしゃるなら、お話しますが…」「是非、お願い致しますっ!」「そうですか?なら言いますが、このままですと…いい場合で、あと数ヶ月ってとこでしょうか。今のうちにやれることはやって、会いたい人には会っておくことですな…」患者に執拗(しつよう)に訊(き)かれ、病状を告知した。「このままだということは、手術をすれば?」「ええ。手術が成功すれば、また話は変わります。...驚くユーモア短編集(90)それでも、やる

  • 驚くユーモア短編集 (89)アイデア

    アイデアはとんでもないときに浮かぶから驚く。とある銀行に勤める本店営業部融資課長、山堀は悩んでいた。どうしても出資した債券、数億円を芋坂物産から回収出来なかったのである。山堀は、その日も常務の登呂路(とろろ)から嫌味を言われていた。「ははは…山堀君。君ねぇ~、あと三日だよ。あと三日で回収出来なかったら、もう終わりぃ~~っ!君の銀行人生っ!」「……」山堀はその言葉を苦虫(にがむし)を噛(か)み潰(つぶ)したような顔でジィ~~っと耐えて聞く他はなかった。課へ戻(もど)った山堀は席に着くやいなや、急に腹痛に襲われた。食べたものが悪かったか…とトイレに駆け込みながら考えたが、思いつく原因はなかった。便座に座り、用を足していると、なんとなく気分は落ち着き、ふと、山堀の脳裏に一つのアイデアが閃(ひらめ)いた。その一日...驚くユーモア短編集(89)アイデア

  • 驚くユーモア短編集 (88)まさか…

    まさか…と、本当のことを知って驚くことがある。まあ、この場合は、知っていいことと悪いことがある訳だが、どうせ驚くなら、いい方がいいに決まっている。^^事件は迷宮入りしようとしていた。警察の懸命の捜査にもかかわらず、時効が残り十日に迫っていた。「もう、ダメですかね、熊さんっ!」「…まだ十日あるっ!諦(あきら)めるな、鮭尾(さけお)っ!」「はあ、それは分かってんですが…」鮭尾は熊川(くまかわ)に叱咤(しった)され一応は頷(うなず)いたが、心の底ですでに諦めていた。「どうも、最初に聞き込んだときの現場にいた目撃者の証言が気になる…」「最初というと…20年ばかり前になりますね」「ああ、傷害致死だからな…」「確か…爪割(つめさき)とかいう人でしたね」「まさかとは思うが、鮭尾。ひょっとすると、俺達は灯台、下(もと)暗...驚くユーモア短編集(88)まさか…

  • 驚くユーモア短編集 (87)展開

    ほんの些細(ささい)な出来事が綻(ほころ)びを見せて発覚し、あれよあれよという間に大きな事件として広まれば、当事者は驚くことだろう。その広まりは噂(うわさ)によって齎(もたら)される訳だが、その齎す人物とは?を考えれば、女性の噂のしたがり屋さんが多いことが統計学上は別として傾向があると分かってきている。その手合はペチャクチャ雀(すずめ)と呼ばれるが、女性が多いというだけで、なにも女性だけだということではない。この点、ハラスメントではないとだけ断言しておきたい。^^とある中堅規模の会社ビル最上階にある食堂で、昼食後のOL二人が小声で話をしている。「あら、そうなのっ!?豚尾さん、栄転するのっ!?」「そうなのよっ!私、秘書課の草代さんから聞いたんだけどね…」「草代さんって、あのベチャクチャ雀の牛川さんっ!?」「...驚くユーモア短編集(87)展開

  • 驚くユーモア短編集 (86)どうでもいい

    そんなことを…と他人が驚くことを、どうでもいいとスルーする人がいる。他人は驚いているがその人は少しも驚くことがないのである。とある深夜である。飲んで電車で帰ってきた一人の男が、駅前で自分の家の方向が異常に明るいことに気づいた。どうも火事らしい…と、その男が気づいたのは駅前の自転車屋から自転車で帰宅する途中だった。自宅に近づくにつれ、次第に明るくなっていく。それに、焼ける臭気も臭いだした。それでも男は驚くことなく自転車を漕ぎ続けた。そして家まで数分の所へ来た時である。「稲崎さん、あなたの家、火事ですよっ!!」数軒先の麦田が驚く声で叫んで知らせた。「ははは…そうですか。家(うち)が火事で燃えてるんだ…」稲崎は少しも驚く気配を見せなかった。さて、ここで皆さんに質問です。稲崎はなぜ驚く気配を見せなかったのでしょう...驚くユーモア短編集(86)どうでもいい

  • 驚くユーモア短編集 (85)部外者

    部外者なのに、いかにも関係者のような顔をして首を突っ込む人には驚く以外にない。その人の性格だから…と考えればそれまでだが、関係者にすればいい迷惑になる場合だって多々あるだろう。まあ、そういうことで、今日は部外者で驚くお話です。^^とある結婚式場である。「おいっ!新婦はまだ来ないのかっ!あと20分しかないんだぞっ!!」息巻いているのは新郎の父親である。「そんなこと言ったって、携帯の話じゃ渋滞に巻き込まれたそうなんだから仕方がないじゃないのっ!!」新郎の母親が必死に父親を宥(なだ)める。そこへ、披露宴を終えた家族が、しゃしゃり出た。完全な部外者である。^^「あの…なんでしたら、うちの息子の嫁をこの場だけ代理にされるというのは…」「はあ!?家の息子の嫁をっ!?なんなんですか、あなたはっ!?」「はあ、今、披露宴が...驚くユーモア短編集(85)部外者

  • 驚くユーモア短編集 (84)隠しごと

    隠しごとが、予想もしていなかった、ひょんな拍子に発覚すれば誰だって驚くだろう。ということで、今日は秋晴れのいい天候の中、他にすることがないのかっ!とお叱りを頂戴する読者もおられると思うが、そんなお話を綴(つづ)りたいと思います。^^日曜の朝、正也は水場で野菜の洗い物を手伝っていた。そこへ、台所の戸を開け、未知子が訊(たず)ねた。「正也、この戸棚に入れておいたお団子、知らないっ!?」『んっ!?僕は知らないよ…』「またまた…。隠しごとしたって、すぐ分かるんだから、正直におっしゃい!」『母さんはそういうけど、僕、ほんとに知らないんだから…』「怪(おか)しいわねぇ~。お義父さまがお食べになったのかしら…?」そこへ、出てこなくてもいいのに、離れからご隠居の恭之介が現れた。「未知子さん、そろそろ昼ですな…」いつもの恭...驚くユーモア短編集(84)隠しごと

  • 驚くユーモア短編集 (83)辞任会見

    とある時代の、とある国会の会見場である。多くの記者団とテレビ中継関係者が見守る中、参議院議長が深々と頭を下げたあと、壇上に設置された幾本ものマイクロホンに向かい、辞任会見を語り始めた。世の中が驚くテレビの実況中継が始まろうとしていた。「国権の最高機関である国会の議長を拝命しながら、かく不祥事を招きました責任は誠に重く、本日、ここに参議院議長の任を辞したく、本会見に臨んだものであります。本来、国会議員は国民の負託に応(こた)えるべく、その責務を全うする地位にあります。当然ながらその任は重く、政教分離は無論のこと、様々な軋轢(あつれき)に屈することのないよう努めるのが責務であります。このような不祥事を招きました責任は誠に大きく、参議院議長の重責を汚す者として辞職の決断に至った次第でございます。と同時に離党届を...驚くユーモア短編集(83)辞任会見

  • 驚くユーモア短編集 (82)あれよあれよ…

    社会の物事は良くも悪くも、あれよあれよ…と、加速度的に進む場合がある。当然、当事者は驚くことになるが、止めようもなくあれよあれよ…と進む現実を誰も食い止めることは出来ない。悪い例だと、強い台風があれよあれよ…という間に接近し、被害を出したあと、あれよあれよ…という間に衰退して遠ざかるといったようなものだ。むろん、よい例もある訳で、残った残金で当たらないと思いながら買った宝くじが、なんとっ!一等3千万円に当たり、その一部で買った証券が、あれよあれよ…という間に高値を呼び、あれよあれよ…という間に大富豪になった、などという場合である。^^この男、田所誠次もそのような一人で、最初は、しがない小市民の一人だった。「あああ…国葬かっ!お偉い人はいいよな…。俺なんか先々、行き倒れて野ざらしさ、ははは…」田所は歯を磨き...驚くユーモア短編集(82)あれよあれよ…

  • 驚くユーモア短編集 (81)本心

    人とは怖ろしい。えっ!?嘘(うそ)だろっ!…と、その人の本心を知り、思わず驚くことがある。悪人だと思っていた人が実は善人で、善人だと思っていた人が実は悪人だった・・というような場合である。今日は、そんな驚くお話です。^^男性Aは女性Bと付き合っていた。男性Cは女性Dと付き合っていた。ところが女心と秋の空で、女性Bは男性Cと裏でコッソリ付き合っていた。二人は相思相愛だったのである。そんなことになっていようとは露ほども知らない男性Aは女性Bにある日、思い切ってプロポーズをした。「すみません。私、近々、Cさんと結婚するの…」女性Bは驚くほど攣(つ)れない言葉を男性Aに返した。男性Aは女性Bの本心を知り、騙(だま)されていた口惜しさに思わず心が崩壊した。一方その頃、女性Dは男性Eと裏でコッソリ付き合っていた。二人...驚くユーモア短編集(81)本心

  • 驚くユーモア短編集 (80)三次元

    学校の授業で皆さんも習われたと思うが、次元にはゼロ次元、一次元、二次元、そして私達が暮らす三次元の世界がある。さらに四次元や五次元と次元は増え続けて存在するらしい。点がゼロ次元だとすれば、点が時間で動き、線となれば一次元、さらにその線が時間で動き、面となれば二次元、さらにさらに、その面が時間で動き、立体となれば三次元の私達の世界になるということだ。次元が増せば増すほど脆(もろ)く崩れやすくなるという。そんなことで、でもないが、今日は私達が暮らす三次元の脆さに驚くお話です。^^とあるフツゥ~家庭の一コマである。夕飯が済んだご主人が、しなくてもいいのにキッチンの洗面台で珍しく食器洗いを始めた。「あっ!やっちまったよっ!」驚くほどド派手な音とともに一枚のお皿がフロアに落ち、割れてしまった。「あなた、どうしたのよ...驚くユーモア短編集(80)三次元

  • 驚くユーモア短編集 (79)解決策

    ここ数年、新型コロナが巷(ちまた)に蔓延(はびこ)り、人々は否応なく不自由を強(し)いられている。誰の責任か?と問えば、それは文明・・と木霊(こだま)は帰ってくるに違いない。ただ、起きたことには必ず結びがあるということも事実だ。起承転結の四字熟語がそのことを示している。結びとなる解決策が見出されれば結構だが、なかなかそうはいっていないのも事実である。なぁ~んだ、そうすればいいのか…といった驚くほど簡単な解決策があるにもかかわらず、人々はそれに気づかないのだから困ったものだ。^^とある研究所である。「先生っ!!」「どうした、禿尾君っ!!」「終息の解決策が見つかりましたっ!!」「なんだってっ!!そりゃ君、凄(すご)いぞっ!!で、どうしたんだ?」「しまった!!メモるの忘れてましたっ!どうしたんだっけ…」「なんだ...驚くユーモア短編集(79)解決策

  • 驚くユーモア短編集 (78)成績

    驚くほど成績が悪いからといって入学試験に合格出来ない・・ということではない。現に私だって、小学生の頃の通知簿は5段階評価で2や3、たまに4くらいだったものが、こうして大学を卒業し、教職免許まで取得している訳である。ということで、驚くほど悪い成績の諸君でも受験に受からないということはないから頑張って欲しいものだ[ただし、勉強努力は必要です^^]。さらにこの際、付け加えさせてもらえるなら、社会に貢献できることは頭の良い悪いに関係がない・・ということです。長い間、このことが一度、言いたかったので、ああ、気分がいいっ!^^秋のとある高校の教室である。教師が生徒と対峙して進路指導をしている。「この成績じゃな…」「ダメでしょうか、先生!」「ああ、まあな…。お前の場合はダメ以前の成績だからな。それにしても、よくこの成績...驚くユーモア短編集(78)成績

  • 驚くユーモア短編集 (77)道路工事

    最近の道路工事は交通量が多いにもかかわらず、昼日中(ひるひなか)から堂々とやっておられる。ゲートルを両足に巻き、鶴嘴(つるはし)片手に穴が開いた道を平坦(へいたん)にしておられた舗装前の道路工事の時代とは偉い変わりようだ。土埃(つちぼこり)には困らされたが、車も走らず長閑(のどか)だった昭和三十年代初期・・ああ、いい時代だった!…と思わず回想に耽(ふけ)ってしまう。今の時代、そんな悠長なことを言ってられないのかも知れないが、なぜか日々の道路工事を見ていると、物悲しくなってしまうのは私だけだろうか。^^とある道が突然の道路工事で通行出来なくなっている。自転車で通りかかった男性が交通整理をする作業員に行く手を遮(さえぎ)られ、それとなく訊(たず)ねた。「あの…通れないんですか?」「ええ、申し訳ないんですが通れ...驚くユーモア短編集(77)道路工事

  • 驚くユーモア短編集 (76)取り組み

    とある大相撲の本場所が国技館で賑(にぎ)やかに開催されている。国技館の中で観戦する、とある二人の観客の会話である。「次の取り組みは…と?」「…霜馬山と表だろっ?」「そうそう、そうだな…」「それにしても、取り組みってのは誰が決めるんだっ?」「そりゃ、役員の親方衆だろ…」「兄弟力士でも取り組みになるのかねぇ~?」「ああ、若友春と若低影だろっ?」「まあ、そんなことになりゃ驚くがな…」「誰がっ!?」「俺が…」「お前が驚いても、他に驚く人はいないと思うぜ…」「ああ、そうか…」取り組みは観客が驚くことがないよう、冷静に決定されるようです。^^完驚くユーモア短編集(76)取り組み

  • 驚くユーモア短編集 (75)事実

    事実は小説よりも奇なり・・とは、よく言われるが、予想もしていないような事実が含まれていたことを知らされ、驚くことがある。とある山裾(やますそ)にある新築の民家である。降り続いた雨で地盤が弱り、いつ崩れ出すか分からない状態だ。そんなご家庭から聞こえてくる会話の一部である。「だから、こんなとこ買っちゃダメって言ったのよっ!」この家の奥さんらしき女性が怒っている。「だってお前、定年まで住宅ローン返すのも辛(つら)いだろっ!」「そりゃまあ、そうだけど…」「んっ!?窓の景色が変わってないかっ!?」「…そういや、そうね。あの木は家の下に植わってたわよね、確か…」「だろっ!?」「ええ…」ご主人らしき男の声に奥さんらしき女性が同調した。事実は、基礎から家全体が傾いて横滑りし、数m下へ移動していたのだ。「気のせいだろ…。雨...驚くユーモア短編集(75)事実

  • 驚くユーモア短編集 (74)騙(だま)し討(う)ち

    今の世の中、一寸(いっすん)先は闇(やみ)・・などと言われる。信頼していた部下や組織に裏切られれば、これはもう、驚く程度のことでは済まず、原が煮えくり返ることだろう。騙(だま)し討(う)ちと呼ばれる裏切り行為だが、雨がシトシト降る勤労感謝の日にめげず、そんなお話をしたいと思います。^^とある大企業で人事異動が発表されようとしている。すでに内示はされていて、主(おも)だった役員は役員会の了承時にすでに知っているが、役員以外の管理者達は全く知らず、どうのこうの・・と、社内で憶測を呼んでいるから安心感がなく、目も虚(うつ)ろだ。専務の平町は専務派の部長、田村を常務に押していた。だが、取り入っていた副社長の市坂に騙し討ちに合い、田村どころか自分の地位も危うくなっていた。「おのれぇ~~!!市坂ぁ~~~!!!」騙し討...驚くユーモア短編集(74)騙(だま)し討(う)ち

  • 驚くユーモア短編集 (73)流行(はや)り

    世の中の流行(はや)りという目に見えない動きは素速(すばや)い。これには驚く以外にはない。とある地方の衣料販売専門店ブティック・イカタマである。一人の客が店員の主人と話している。「えっ!?もうないんですかっ!?」店員に訊(たず)ねた葱川(ねぎかわ)は、流行りの速さに驚く他はなかった。「はい、ふた月ほど前はあったんですがね。新しいデザインの商品が発売されましたので入荷しなくなりまして…」「そうですか…。残念だなぁ~。アレを買おうと給料から別にして蓄えておいたんですが…」「そうですか、それは残念でした。…コレなんかどうでしょう?売れ残りなんで、少し古くなりますが…。お安くしときますよ」「あっ!コ、コレいいですねっ!コレ下さいっ!!おいくらですかっ!」「…そうですね。¥〇,▽□◎で、どうでしょう!」「はい、それ...驚くユーモア短編集(73)流行(はや)り

  • 驚くユーモア短編集 (72)待つ

    目的を果たそうと出てはみたが、驚くほど人が多いときは当然、待つことになる。ということで、今日は根気を要する待つこと・・をテーマにしたお話です。^^「おいっ!どうなってるんだっ!!」とある市役所の生活環境課である。窓口で怒っているのは三時間以上待たされている市民の男性である。「す、すいません!今しばらくお待ち下さいっ!今日に限って機械の調子が…」「機械の調子っ!!機械の調子が悪けりゃ、手で書けっ!手でっ!!」「す、すいません。もう少しですので…」「もう少しもう少しって、一時間前にもそう言ったぞっ!もう、昼じゃないかっ!」「すいません…」「そう思うんだったら、水の一杯でも出したらどうだっ!」これは悪い市民に当たったな…と内心で思う職員だったが、とてもそうは言えず、慌(あわ)てて厨房(ちゅうぼう)へと戻り、トレ...驚くユーモア短編集(72)待つ

  • 驚くユーモア短編集 (71)伝達

    人から人へと言葉が伝達される間に、何がどう間違ったのか、とんでもない別の物や事に内容が変化しているのには驚く。話を聞いた個人個人の思い込みが違うことで伝達が食い違った結果だが、その辺(あた)りをお話にしてみようと思います。^^とある中堅の会社である。朝から営業二課に鳴り響く電話音が鳴り止まない。課員達は次々とかかる電話の応対に、十時過ぎにはすでに疲れ切っている。「課長っ!!どうしますっ!!電話線、引きちぎりますかっ!!」「馬鹿なことを言うなっ!だが弱ったな、これじゃ仕事にならん…。いったい原因は何だっ、梅尾君っ!?」「どうも、鶴山に伝えた内容が食い違ったようですっ!」「食い違ったって、君はどう言ったんだっ!」「どうもこうも、課長が言ってらしたように、『ホニャララしろっ!』と言っただけですっ!」「なにっ!!...驚くユーモア短編集(71)伝達

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、水本爽涼さんをフォローしませんか?

ハンドル名
水本爽涼さん
ブログタイトル
水本爽涼 歳時記
フォロー
水本爽涼 歳時記

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用